A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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後編です。

投稿を優先しますので、誤字は随時直していきます。

また、モチベに繋がるので、評価やコメントよろしくお願いします。


第11話 USJ襲撃 ヒーローVSヴィラン実践(後編)

 

 

「「オールマイト!」」

 

自分たちの憧れが登場直後にお手本のようなカウンターをもらい、焦り飛び出そうとする出久と勝己だが、

 

「落ち着け!個性は消してる。平和の象徴は、そうあっさりやられたりしないから象徴なんだ。(頼みますよ、本当に。)」

 

内心では自分も不安を感じつつ、

 

「本当にヤバい状況が起こらん限り、お前らはもう休んでろ。」

 

そう二人を諭し、戦況を見守る相澤だが、

 

「(そう、消してるんだ個性を。なのにアイツ、A.Tの技量だけでオールマイトの相手をしてやがる。)」

 

生徒たちを落ち着かせてる間も、途切れ途切れではあるが、個性を抹消しているにも関わらず、死柄木はすでに数十秒以上、オールマイトと戦闘を継続していた。

 

ーーーーー

 

「(この男、強いだけではない。巧く、疾い。)」

 

最初のカウンターに驚きはしたものも、構わず戦闘を継続するオールマイト。技名を込めた一撃を繰り出すのではなく、連打を放っていく、が当たらない。

 

「やるじゃないかヴィランよ!こう何度も攻撃を躱されるのは久しぶりの体験だよ!」

 

「・・・。」

 

死柄木はオールマイトの言葉に返すことはせず、無言で距離を取る。崩壊の個性は相澤のせいで使えないため、かなり力を込めた風の一撃を放つ。

 

「スマッシュ!!」

 

その一撃もオールマイトの気合いが入ったパンチで押し返される。一瞬げんなりした表情を見せる死柄木だが、今度は自ら攻勢に出る。猛スピードで距離を詰め、飛び蹴りを放つ。また、空中を回転しながら進み、竜巻で身を包んでいく。

 

「この技は!?」

 

飛び蹴りを掴んでやろうと待ち構えていたオールマイトは防御に切り替える。竜巻を纏った蹴りが直撃し、ガードした腕が痺れる。そこから二段階目、竜巻の追撃がオールマイトを襲う。なんとか踏ん張ろうとするも、風に押し出され、十数メートルは後退させられた。

 

「あれは、緑谷の!?」

 

「狼狽えんな、先生。パイルトルネードは見た目ほどムズい技じゃねぇし、出すだけなら俺も、麗日もできる程度の技だ。(それを実践レベルで、しかも、オールマイトに打ち込むなんざ、並の戦闘センスじゃねぇがな。)」

 

「本当に、やるじゃないか。攻撃を避けられるのもだが、ガードした腕がビリビリするなんて、ここ数年なかったぜ。」

 

押し返されはしたが、スーツが破けただけで、ダメージはほぼないオールマイトの姿を改めて確認し、死柄木が漸く口を開く。

 

「・・・ぶっはぁ!!ッいや、無理無理無理、なんだこの無理ゲーは。こっちは良いの一発もらったらアウト。相手は実質ラスボスな上、大技喰らわせてもケロッとしてやがる。同類たちは先生のバックアップに二人がかりだったのに、俺はタイマンとか無理だ無理。」

 

捲し立てるように話す死柄木は、

 

「つーかさっき自分で言っといてなんだが、本当に効かないのかよパイルトルネード。あれ実戦で使うのかなりムズい代わりに威力が高い上、吹っ飛ばし効果付きの2段構えで良い技なんだがな。なあ緑谷出久?」

 

出久にまで話を振り始める始末である。

 

「対オールマイト用の怪人に効かなかったんだから、オールマイト本人に効かないのは当然だと思うけど。」

 

思わず普通に返事をしてしまう出久に対し、

 

「いや、それはそうなんだがな。あの脳無はショック吸収と回復、再生だったか?の個性を持たせてあってな。オールマイト並みのパワーも持ってたらしいが、テーマはオールマイトと殴り合える怪人だったらからな、攻撃よりも防御に比重を置いてたはずだ。オールマイトよりも防御力があるだろうっと思って言ったんだ。・・・よく倒したなお前ら。」

 

「オールマイトとタイマンして、今なお喋れてるお前がよく言うぜ。」

 

勝己も会話に参加してくる。体を休め、息を整え、調子を確認するために肩を回しながら立ち上がり、臨戦体制を取っていた。出久も勝己と同様に立ち上がり、いつでも前に出れる準備を整えていた。

 

「お前ら何をやってる!下がってろって言ったろ!」

 

相澤が止めようとするが、

 

「休んでろ、とは言われたが、下がれと言われた記憶はねーな。それにオールマイトの調子が悪りぃ。」

 

「うん、動きにキレがない、というか戦う前から消耗している感じだ。訓練に遅れてきていたのにも理由があるのかも。」

 

「(休めも、下がれも変わらんだろ!というかさっきのオールマイトの戦闘、俺には速かった以外分からん!)」

 

内心、まだ数日しか関わっていない教え子の出鱈目っぷりに付いて行けなくなっている相澤だった。

 

「悪いが、自ら攻め込み、その無理ゲー?に参加したのは君らだ。このまま撃破し、拘束させてもらうよ。」

 

言い終わると同時に、戦闘を再開しようとしたオールマイトと、けだるそうな顔をしつつも迎え討とうとする死柄木の間に、

 

ゴウッッ!!

 

出久が放つフェニクス・スマッシュ以上の炎が割り込んできた。その色は蒼。蒼炎が二人を分断した。

 

「何やってんだよリーダー。今日は脳無のテストと同類たちへの挨拶だけって言ってなかったか?なんでナンバーワンと直接やり合ってんだよ。」

 

黒い髪、皮膚の至る所が火傷に覆われた異形の男と、

 

「死柄木、いつも言ってんだろうが!勝手な行動すんなって!報告、連絡、相談の相談をしっかりやれって!」

 

トカゲに近い外見をし、死柄木と同様にA.Tを身につけた男が現れた。

 

敵の増援に身構えるオールマイト、相澤、勝己だが、出久だけ異なる反応を示した。

 

「・・・荼毘さん?」

 

ーーーーー

 

「なんだよスピナー、荼毘、救援とからしくねぇことしてんな。いや、助かったけどよ。それより荼毘、お前緑谷出久と顔見知りか?」

 

「あぁん?」

 

死柄木の発言に荼毘と呼ばれた火傷の男が怪訝そうな顔をし、出久の方を見ると、

 

「おお!あん時のガキじゃねーか。なんだよまだ燃え尽きず、しぶとく生きてんのか。」

 

「どう言う関係だ、荼毘?ヒーロー科の生徒だぞ。」

 

スピナーと呼ばれた男は滅多に素性に関わることを露見させない荼毘の交友関係の発覚に驚いていた。

 

「お前らと会う数ヶ月前ぐらいか?炎の扱いに難儀してるガキを見つけてな。A.Tは専門外だったが、火力の制御よりも炎の恐怖を克服する方法を知りたいっていう考えて方が気に入って、ついな。炎を使って戦う基礎を教えちまった。つっても、たった2日間俺が一方的に燃やしまくっただけの関係だがな。」

 

「なんだそのバトル漫画でありがちな展開。お前あいつがピンチの時、颯爽と現れて手助けしたりしたのか?」

 

「・・・一回したな。」

 

「したのかよ!?」

 

そんなコントのような会話があるなか、勝己も出久に質問していた。

 

「出久、なんだあいつは?」

 

「カッちゃんや明さんたちが攫われた戦いで思いっきり火傷しちゃって、炎が怖くなった時期があったんだ。いや今でも怖いことは怖いけど。発目博士が渡米の準備や装備を整えるのを待っている間、こっそりトラウマを克服しようとしてたんだけ上手くいかなくて、その時たまたま会って、ちょっと修行をつけてもらったんだ。一方的に燃やされただけだったけど。その後、例の組織の日本研究所の残党に襲われて、救けてくれたりもして、ヒーローじゃなくてもヴィジランテかなって。思いっきり敵を燃やし殺そうとしてたけど。」

 

「・・・あきらかにヴィランじゃねーか。」

 

自分が攫われていた間の話であったため、把握していなかった勝己は視線のみを荼毘、そしてスピナーに向ける。

 

「(強ぇぞあいつら。あのトカゲ野郎、あいつもキー使ってやがる。それに、あの荼毘ってやつも。さっきの蒼い炎はヤベェ。)

 

死柄木から感じた、キー使用者独特の気配をスピナーからも感じる上、出久に修行を付けたらしい荼毘の強者の気配に、敵の増援への警戒レベルを上げていく勝己。

 

「それで、どうするリーダー?このまま3人がかりでそのナンバーワンをやるか?なんか消耗している感じもするし、意外とやれんじゃねーか?」

 

荼毘が死柄木に継戦か、と尋ねると、

 

「いや、やめておこう。お前が知ってる当時の緑谷出久がどんなものだったかは知らないが、今の彼らの実力はかなりのものだ。それに、こちらが3人がかり、黒霧を呼び戻して4人にしても相手側にはまだ同類がもう1人いる上、しばらくすればヒーローたちの増援も到着する。完全に数で負けているんだ。ここは退こう。」

 

「簡単に撤退できる、そんな風に考えているなら甘いと言わざるをえんぞ。」

 

オールマイトが逃さないため、先ずは死柄木を確保のために動こうとすると、

 

「ああ、そこは問題ない。時間を稼いでいたのが、そちらだけとは思わないことだな、平和の象徴。やれ、脳無。狙いは階段上の奴らだ。」

 

先ほどまで完全に行動を停止していた脳無が行動を再開した。死柄木の指示に従い、広場に背を向け、メインゲートにいる生徒たちを襲うために階段上まで飛び上がった。

 

全く同じタイミングで飯田と校舎から駆けつけたヒーローたちがUSJメインゲートに到着。

 

「なっ、なんだー!?。」

 

と飯田が叫び、ヒーローたちもあまりにも唐突なヴィランの登場に急いで迎撃しようとする。

 

「しまった!(一向に動かないから警戒を緩めてしまった。皆が危ないって、)へ?」

 

オールマイトが自らの失策を恥じ、脳無を追いかけようと振り返った視界の先には、

 

「させない!」

 

「テメェへの警戒だけは解いてねぇんだよ、ボケが。」

 

「皆んなの所へは行かせへんよ!」

 

「ここで止める。」

 

一息に飛び上がり、空中にいた脳無に対し、フェニクス・スマッシュ、イフリートソールを再度発動した出久が脳無の真後ろに追随し、フルクラスターを使って移動した勝己が脳無の頭上を取っていた。加えて、黒霧がいなくなり、メインゲート前にいたヴィランたちもオールマイトによって倒されたため、広場の戦況を伺い、必要があれば援護に入ろうとしていたお茶子が脳無の前に立ちはだかり、その後ろには轟がいつでも氷を発動できるよう準備していた。

 

「轟くん!壁を!」

 

「ッッ任せろ!」

 

自分に指示が飛んでくると思っていなかったが、出久の叫びを聞き、轟はすぐさま反応、瞬間に出せる最大の氷壁を展開する。脳無は自身が受けた指示を達成するため、先ず進路の邪魔になっている壁を砕こうとする。しかし、壁を砕くよりも先に出久の蹴りが脳無に届く。

 

「スマッッッシュ!!!」

 

出久は先ほど叩き込んだ二撃よりも威力を高めるため、空中走行で勢いをつけ、竜巻は発生していないがパイルトルネードと同様に自身の体に回転を加えた。一回転ごとに足に纏った炎は勢いを増していき、風を操作することで速度も上げ、一本の炎の矢と化した出久は、脳無の背中に渾身の蹴りを突き刺した。背後からこれまでで最大威力の一撃を受け、脳無は逆くの字の姿勢となり、轟が展開した氷壁に叩き込まれた。下からその光景を見ていた荼毘は、出久と轟の連携に少し複雑そうな顔をしていた。

 

ゴッッッウッッッ!!!

 

巨大な氷壁は砕け、脳無はあまりの威力に、たった一撃で白目を剥いていた。そんな脳無に出久は追撃を加えるのではなく、即座に距離を取っていた。

 

「麗日、全力ガード!」

 

「了ッ解!」

 

指示を聞き、勝己が行おうとしていることに気づいたお茶子は、爆破のタイミングに合わせて、技を放つ準備をした。ゼログラビティを発動し、出久や勝己に加えて、オールマイトや死柄木の戦闘によって、利用できる風も増えていた。クラスメイトたちやヒーローたちを勝己の攻撃を余波から守るために、黒霧にフェイントで放ったものとは比べ物にならない広範囲かつ強力なエアフォースを放った。

 

「全力全開!エリアエアフォース!!!」

 

そして同時に、

 

「フルクラスター・ダブルインパクト!!!」

 

勝己は両腕を前に突き出した上で、身体の前面全てを攻撃、背面全てを姿勢制御に使用することで超高火力の中距離砲撃を可能していた。ただし、この技は姿勢の制御はできても、威力の制御はまだできないため、過去に二度しか使ったことがない技である。その圧倒的な威力の技を勝己は仲間の防御を信じて、加減なく解き放った。

 

ボボボッッッンンン!!!

 

脳無と共に落下していた複数の氷の塊は巨大な爆破の柱に巻き込まれ、一瞬で蒸発、爆破の余波がメインゲート前にいる全員を襲いかけるが、お茶子の防御によって防がれた。そして爆破の柱によって地面に叩き込まれた脳無はこれまでの停止状態とは異なり、白目を剥き、口は開きっぱなしとなり、ピクリとも動かず横たわっていた。

 

「やった!」

 

お茶子が喜びの声をあげるのも束の間、

 

「悪りぃ麗日、出し切った!キャッチ頼む!」

 

「ごめんお茶子さん、僕も!この足で着地したらチョットやばい!!」

 

「えーーー!」

 

大急ぎで空中から落下していく友人二人の救助に走るのだった。

 

ーーーーー

 

「(今の連撃、喰らったら全盛期の私でも死んじゃうんじゃないかな。)」

 

自身の判断ミスのツケを教え子たちに払わせてしまったオールマイトは、目の前で放たれた攻撃に若干現実逃避をしてしまっていた。

 

「オールマイト!死柄木たちが!」

 

「そうだった!」

 

相澤の声で正気に戻り、死柄木たちの方に向き直る。

 

「(今、そうだった、って言いやがったぞ。)」

 

オールマイトのポンコツ具合に、もはや呆れ始めてしまった相澤だが、それどころではない。黒霧のワープゲートが展開されたため、抹消を発動させたが、一向にモヤが拡散する気配がない。

 

「無駄だよイレイザーヘッド。黒霧は俺たちのアジトからワープゲートの出入り口を作っている状態だ。つまり黒霧本人を見ることが出来ない今、ワープゲートの個性は抹消できないってわけだ。」

 

相澤に対して、丁寧に状況を説明した死柄木は上機嫌に会話を続ける。

 

「今回、挨拶して、脳無を適当に暴れさせたらさっさと帰ろう、と思っていたが、予想以上に収穫があった。同類たちの実力、脳無の正確な性能や問題点、荼毘の意外な交友関係、」

 

「おい。いらねぇだろ、それは。」

 

「そして、オールマイトの力は全盛期より落ちている、という情報は事実であり、何より深刻なのは戦闘可能時間の減少であろうってことだ。」

 

「ほう、ならば試してみるかい?」

 

オールマイトが挑発を試みるも、

 

「やめとけよ。万が一、俺やスピナー、ついでに荼毘が、」

 

「いい加減、人をネタし続けるなら燃やすぞ。」

 

「悪かったよ、冗談だ。万が一にも仲間を欠けさせたくないから退くが、さっきの攻撃で、同類たちはもう動けない。いくらヒーローの増援があっても死人の数が多くなるのはそっちだぞ。」

 

死柄木が言っていることが誇張ではないことを、オールマイトも相澤も感じ取っていた。しかし、距離があり到着したばかりのヒーローたちにそれを知る由はなく、階段上から遠距離攻撃が可能なスナイプやプレゼントマイクが攻撃をしかけてしまった。

 

「ハァ。スピナーよろしく。」

 

「俺かよ!?」

 

「お前まだ何にもやってねぇじゃねーか。」

 

「ああ、もうしゃあない!」

 

話しているうちに、射撃と大音量の声が迫る中、スピナーが自身の足を迫る攻撃に向け、一振りした。蹴りによって三日月型の真空波が打ち出されたのを見たオールマイトは強烈な寒気を感じた。弾丸と音波はまったくの抵抗を見せず真空の刃によって容易く切り裂かれ、そのままスナイプやプレゼントマイクに向かって飛んで行った。これまで以上の、全力速度でオールマイトはその刃の前へと回り込み、

 

「カロライナ・スマッシュ!」

 

腕をクロスさせ、斬撃に似た衝撃波を発生させる技で迫り来る斬撃への迎撃を成功させた。

 

「おおっ、アブねー。助かったぜオールマイト。」

 

「すみません、助かりましたってオールマイト!?手が!」

 

「ぐっ。(なんという切れ味。緑谷少年や麗日少女、そしてあの死柄木と呼ばれたヴィランの放つ風とは完全に別種の攻撃。私のカロライナ・スマッシュが切れ味で押し負けた。)大丈夫、薄皮切れただけさ!」

 

平和の象徴が血を流す光景に周囲は慌て始めるが、オールマイトは笑顔を持って落ち着かせる。その間に、

 

「さっさと帰るぞ。」

 

「なんだ?機嫌が良いのか悪いのか、よく分からん反応だな。」

 

「うるせーな。」

 

先ほどの出久と轟の連携に思うところがあった荼毘は、一瞬そこに自分も混じっている光景を幻視してしまった。自分の頭をゴスゴス殴っている荼毘の様子を見て、スピナーは怪訝そうな視線を向けていた。

 

「じゃあな同類、次はゆっくり話せると良いな。そして、さよなら雄英。中々に楽しめたよ。」

 

そう締めくくり、死柄木たちはワープゲートの先に消えていった。

 

これが、出久らと死柄木たちの最初の遭遇であり、これから続いていく嵐のような戦いの序章であった。

 

ーーーーー

 

「倒れているヴィランたちの拘束を急ぎましょう、セメントス、エクトプラズム、ブラド、お願い。スナイプはハウンドドッグと一緒に施設内を回ってきてちょうだい、まだ隠れているヴィランが残っているかもしれないわ。見つけ次第、拘束を。マイクは私と一緒に生徒たちの無事の確認を。怪我の様子次第ではリカバリーガールにこちらに来ていただく必要があるわ。」

 

ミッドナイトが救援に来たヒーローたちに指示を出しながら生徒たちの様子を確認していく。A組生徒の多くは多少の怪我はあるも、幸いにも重症者はほぼ出ておらず、最悪の事態は防げていた。生徒たちと共にヴィランと戦闘をしていた相澤や13号も同様で、とくに相澤は今日一日でなんど走馬灯を見たか分からない程、ピンチがあったにも関わらず、擦り傷や打撲以上の怪我がないのである。出久と勝己の活躍が無ければ数回は死んでいた自信があるほどであった。その出久と勝己はといえば、

 

「デクくん、爆豪、ほんまに大丈夫?担架で運んでもらった方が良いんとちゃう?」

 

「大丈夫、大丈夫。最後の一撃だけ、明さんの防火装備のキャパを超えちゃったみたいだけど、地面に降りられれば、なんとか。」

 

「出久が歩いてんのに俺だけが担架使えるか!正直、全身痛てぇが慣れた痛みだ、気にすんな。」

 

右足から焦げ臭い匂いを漂わせている出久と全身の痛みからフラフラしている勝己は、お茶子に多大な心配をかけていた。それでも、全員が無事であることに喜び、感極まったお茶子が二人にハグを敢行した。

 

「怪我は心配やけど、二人とも本当に無事で良かったー!」

 

自損覚悟の大技を二人揃って発動し、その上、連発までした出久と勝己は、心配させた自覚があるため、そのハグを黙って受け入れた。しかし、

 

「「((ぎゃーーーーーーーーー!))」」

 

本日一番のダメージを受け、気絶一歩手前まで追い込まれたのであった。

 

 

 

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