A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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体育祭の選手宣誓までです。

体育祭までの二週間が原作だと一瞬だったので少し肉付けしました。

お楽しみください。


第14話 体育祭始まる

 

USJ襲撃から二日後

 

「よかったな、緑谷。入院とかにならなくて。」

 

「ありがとう峰田くん。あれから、お茶子さんや明さん、お母さんにも、改めてお説教されちゃったよ。」

 

はははっ、と力なく笑う緑谷に対し、

 

「けっ!女ばかりかよ。」

 

「一人は保護者だよ!」

 

もはや隠すことすらしなくなった峰田である。

 

「爆豪!体は大丈夫か!」

 

「ああ。まだ少しダリィが、問題ねぇ。」

 

「そうか!良かった!」

 

「切島。朝からそのテンション疲れねーか?」

 

爆豪を心配する切島と、切島の勢いに若干引いている瀬呂。

 

教室全体の空気が空元気なのは否めない。それでも1年A組は、あの襲撃を受け、全員が無事に揃ってHRを迎えられたのである。

 

キーンコーンカーンコーン、

 

チャイムと同時に相澤が教室に入ってくる。

 

「生徒諸君、おはよう。全員が無事にこの教室に揃えたことを喜ばしく思う。」

 

原作と違い(メタ)大きな怪我をすることのなかった相澤が教室を見渡すと、

 

「だが、安心し、油断している暇などないぞ。」

 

ギラリ、と個性を発動していないにも関わらず、相澤の目が鋭くなる。

 

「新たな戦いが迫ってきている。」

 

「新たな、」

 

「戦いだぁ?」

 

出久と爆豪がまさか本当に再襲撃が、と身構えるが、

 

「雄英体育祭が迫っている。」

 

ズルっ、と二人の力が抜け、

 

「「「めっちゃ学校っぽいやつきたー!」」」

 

一部の生徒たちが声を上げて盛り上がった。

 

ーーーーー

 

「体育祭に関しては、中止の意見も出た。しかし、むしろ開催することで、雄英はヴィラン襲撃程度では揺るがないところを世間に見せていくことの方が重要、という判断になった。」

 

「何かしらの対策を講じられるのですか?」

 

飯田が礼儀正しく挙手をして質問すると、

 

「警備を例年の5倍に強化するらしい。また雄英体育祭には多くのヒーローも観客として来場する。その意味は分かるな?」

 

「トップヒーローたちからのスカウトを得るチャンス、ということですわね。」

 

「よく雄英卒業のヒーローがドキュメンタリーとかで、体育祭でスカウトされたのが活躍の始まり!っとかやってるよな。」

 

「上鳴、あんたドキュメンタリーなんて観んの?馬鹿なのに?」

 

「唐突なディスり!?」

 

「一旦静かにしろ。」

 

どんどん盛り上がっていくクラスを相澤が一度静かにさせ、

 

「当然、体育祭は年一回。ヒーローを志すならば、少ないチャンスをモノにしてみせろ。」

 

「はい!」×20

 

ーーーーー

 

放課後

 

お茶子が帰宅するために教室を出ようとすると、

 

「わあ、人混み。」

 

A組教室の前に人だかりが出来ていた。

 

「なんやろ、皆んなA組の前に集まって。」

 

「やっぱUSJでのヴィラン襲撃の件が噂になってるのかな?」

 

「それと、その襲撃を乗り越えたクラスへの敵情視察、もだろ。先生が今日俺らに伝えたってことは、他のクラスにも体育祭開催は伝わってるはずなんだからよ。」

 

「「なるほど。」」

 

勝己の解説に出久とお茶子が納得していると、

 

「とりあえず。出れねぇからどけ、邪魔だ。」

 

「君はもう少し丁寧な言い方はできないのか、爆豪くん!」

 

「出入り口どころか廊下ごと塞いでんだぞ。普通に邪魔だろ。」

 

「だとしても、言い方というものがな、」

 

勝己の物言いを注意する飯田だが、勝己の意見ももっともではある。

 

「ずいぶん上からの物言いだな。ヒーロー科ってのは皆んなそうなのかい?」

 

紫色の髪をし、目の下にクマを作った男子生徒が人混みから前に出てきて、勝己に話しかける。

 

「あ?口の悪さは元からだが、テメェらは普通に邪魔だろうが。」

 

「(口が悪い自覚、あったんや。)」

 

「さっきあんた敵情視察って言ってたけど、俺は宣戦布告でここにきたつもりだ。」

 

「(カッちゃん相手に怯まないの凄いな。)」

 

「普通科の俺が、体育祭であんたらヒーロー科よりも結果を出してみせる。雄英には転科のシステムもあるから、あんたらを追い落とすつもりでいるよ。そこんとこ、よろしく。」

 

「はっ、上等だ。ヒーロー科だろうが普通科だろうが関係ねぇ。戦う意志がある奴はいつでもかかってこいや。」

 

「おう!となりのB組のもんだけどよ!口は悪いが、熱いじゃねえか、お前!」

 

厳つい外見をした男子生徒が少し離れた位置から声をかけてくる。

 

「ヴィランと戦った、つうから話を聞きにきたけど、やっぱヤメだ。二週間後の体育祭で俺らが勝つために、1分1秒も無駄にできねー!」

 

そう叫びながら、どこかに走っていってしまった。

 

「どことなく、切島くんに通じるものがある人だった。」

 

「うん、熱血系やね。」

 

「鉄哲は分かりやすい熱血だからね。」

 

「へー。あの人、鉄哲くんっていうんや。ってどなた?」

 

出久と話をしていると思っていたら、別の人物からの返事が返ってきたため、お茶子がそちらを見ると、

 

「あ、物間くんやん!物間くんも雄英受かったんやね!」

 

「やあ、麗日さん。お久しぶり。無事に合格できて、今はヒーロー科のB組にいるよ。」

 

そこにいたのは金髪の少年であり、お茶子と知り合いのようであった。

 

「お茶子さん、知り合い?」

 

「うん、A.Tのイベントに何回も来てくれてたんよ。A.T始めたんは中3の夏前、春やったっけ?あ、それこそ例のイベントのすぐ後やなかったかな。」

 

「例のって例の?」

 

「そ、例のショーの。」

 

「麗日さん。盛り上がっている所に申し訳ないが、彼を紹介してもらっても良いかい?」

 

「あ、ごめんな、物間くん。こちら緑谷出久くん。同じヒーロー科A組で、私よりもA.Tがとっても上手なんよ。」

 

「いや、ええっと、紹介が恥ずかしいな。どうも緑谷出久です。」

 

「なるほど、君が緑谷出久くんか。初めまして、物間寧人です。」

 

「はい、よろ、」

 

「でも、残念だったな。麗日さんと別のクラスで。」

 

「しく、ってあれ。」

 

物間は出久が握手をしようと伸ばした手を無視し、お茶子に話しかける。

 

物間の反応に戸惑いながら、

 

「せ、せやね。それは良いんやけど、大丈夫なん物間くん。」

 

「何が大丈夫なのかは知らないが、大丈夫だとも。それでは、A組の諸君。体育祭がたのしみだね。」

 

ハハハ!と笑いながら去っていった物間に対し、苦笑いのお茶子と腑に落ちない出久であった。

 

「あれって麗日を巡って恋のバトルが始まる展開だったりするのかな!」

 

「それはそれで青春的に熱い展開だよね!」

 

っと教室から様子を伺っていた芦戸や葉隠が盛り上がっていたが、勝己や出久は物間か去っていった方向を見ながら、

 

「あいつ、結構走れるな。」

 

「うん。純粋な走行技術はかなり高いんじゃないかな。」

 

物間の体捌きなどからA.Tに関しての実力を読み取り、油断できない相手であると考えていた。

 

ただ、お茶子はというと、

 

「物間くん、大丈夫やろか。」

 

物間の心配をしているのであった。

 

ーーーーー

 

B組

 

「それじゃあ、皆んな!打倒A組に向けて頑張ろうぜ!」

 

A組にヴィラン襲撃について話を聞きにいっていたはずの鉄哲徹鐵が、そんなことを言いながら戻ってきたのを見て、

 

「何が、それじゃあ!、なのかは全然分かんないけど。A組でヴィラン襲撃について聞いたら気合いが入りでもしたの?」

 

B組の委員長を務める拳藤一佳が尋ねると、

 

「いや、襲撃の話は聞いてねぇ。」

 

「聞いてないんだ。」

 

「だが、気合いは入った!皆んな、A組に負けないよう、頑張ろうぜ!」

 

「ハァ。気合いが入ってより暑苦しくになった鉄哲は放っておくとして、」

 

チラッと教室の角を見ると、ビックリするぐらい凹んでいる物間が視界に入る。

 

「僕は、僕は、なぜあんな態度をとってしまったんだー!」

 

机に突っ伏しながら叫ぶ、という器用なことをする物間に対し、大半が教室に残っていたB組生徒たちは頭に疑問符を浮かべるのであった。

 

ーーーーー

 

職員室

 

「お待たせしてすみません、相澤先生。教室前がすごい混んでて。」

 

「ああ、野次馬がすごいことになってたらしいな。」

 

「さっそくだが先生よう、例の件はどうなったんすか?」

 

「爆豪には真剣に敬語を身につけさせる必要があるな。」

 

性格面の問題点が目立ちすぎる優秀な生徒の扱いに頭を悩ませる相澤だが、今回集まっているのは別の話題である。

 

ハァっとため息をつきながら、

 

「取れたぞ、体育祭でのお前らのA.Tの使用許可。」

 

「やった!先生、ほんま、ありがとうございます。」

 

「ほっ。」

 

お茶子は飛ぶように喜び、出久は心底安心したような様子を見せた。出久からすればA.Tは生命線であるため使用許可が降りなかった場合、

 

「(カッちゃんやお茶子さんはもちろん、A.T無しじゃ轟くんレベルが相手の場合、流石に戦い方を考えないとマジでヤバかったぞ、ウヒョー。」

 

「デクくん、口にでとるよ。」

 

「出久、お前マジでその癖なおした方が良いぞ。」

 

「いや、マジか緑谷。お前、轟レベルでもなければ、無個性でもなんとか、・・・なりそうだな。個性把握テストを個性なしで普通に乗り切ってたし。」

 

「諦めろよ、先生。こいつ、俺や麗日と逸れたタイミングで、A.Tすら使えない状況で、発目を庇いながら、銃で武装した集団ボコボコにしたこともあんだからよ。」

 

「お前はどこの戦闘民族だ。」

 

もはや驚きを通り越して、呆れた目線を向けてくる相澤に、若干狼狽えながら、出久は話題を変えていく。

 

「そ、それにしても先生。こういってはなんですが、よく取れましたね、僕らのA.Tの使用許可。」

 

「それに関しては、実はそこまで苦労はしなかった。お前らが特殊なだけで、普通のやつはA.Tを履いた程度じゃ、個性を上回ることは、」

 

「確かに、雄英に入学する生徒の大半はA.Tの技術よりも自分の個性を伸ばすはず。A.Tの使用を雄英側が規制する必要性は低いか。」

 

「・・・だがヒーロー科は被服控除を受けられる分、公平を期すため、」

 

「確かに、ただのジャージで出る普通科と雄英御用達の企業が作ったコスチュームを着るヒーロー科じゃ話にならんわな。」

 

「・・・そしてA.Tは例年、」

 

「そっか、普通科生徒でもA.Tなら使用する生徒はおるし、安くはないけど、準備しようと思えばまだできひんこともない。だから正式に申請した私らの使用許可が問題なく通ったんですね。」

 

「・・・そうだ。」

 

「(あの相澤が振り回されてやがるぜ。)」

 

友人が、優秀な生徒たちに振り回されている光景にちょっとビックリなプレゼントマイクこと山田であった。

 

ーーーーー

 

「お、心操お帰り。どうだったヒーロー科は?爆豪さんに会ったか?」

 

勝己を相手に宣戦布告した生徒、心操人使を普通科の教室で待っていたのは入試の実技試験で、勝己と共に救助活動を行った瓦斯島マキであった。

 

「ああ。多分お前が言う、爆豪さん、にあったよ。」

 

「へー、どうよ?カッコ良かったろ、あの人。」

 

「すっげー上から目線なのが気に食わなくて、宣戦布告して来た。」

 

「何してんの!?」

 

「あまりにも偉そうだったもんで、つい。」

 

「えぇー。つい、であの人に宣戦布告できる心操もある意味スゲーよ。」

 

「しちまったもんはしょうがねーだろ。いいから、さっさと訓練行こうぜ。」

 

「(俺、お前に待たされてたんだけど。)ハァ、オッケー。じぁあ今日も洗脳使って限界ギリギリ訓練、よろしく頼むな。」

 

「ああ。その代わり、俺はお前で、個性でできることを追求させてもらうよ。」

 

「おう、じゃあ行こうぜ。そういえば、今日も職員室行ってたけど、またヒーローにアドバイスもらいに行ってたのか?」

 

「ああ、プレゼントマイクに発声方法とかを聞いて来た。」

 

「ああ、山田先生な。やっぱ普通科でも雄英に入学して良かったよな。プロヒーローが身近にこんなにいる状況なんて中々ないし。」

 

A組はもちろん、B組や、ヒーロー科以外の生徒たちも、体育祭に向けて各々の準備を進めていた。

 

ーーーーー

 

サポート科

 

チュドーン!

 

パワーローダー「発目ー!今度はなんだー!?」

 

明「撮影用のドローンベイビーが壊れました!小型ジェットを付けたんですが、上手くいきませんでした!」

 

パワーローダー「なんでドローンにジェット付けた!?」

 

明「このままのスペックだと出久さんと勝己さんに確実に振り切られます!」

 

パワーローダー「どうする!?」

 

明「A.Tの技術を応用した足回りを装備した高性能撮影ロボを先頭集団用に用意します!」

 

パワーローダー「絢爛崎!発目も余裕がないから足回り以外の部分はお前がやったれ!」

 

絢爛崎「ワタクシも3年生用のステージ準備で結構余裕ないのですが!?」

 

サポ科生徒A「先生!この高性能小型ヴィランロボって本当に要るんですか!?そこらのプロヒーローならワンパンしかねない性能なんですが!?」

 

パワーローダー「今年の一年には戦闘方面で発目の技術みたいにヤバい奴ら複数いるんだ!従来のヴィランロボで足りると思うのか!?」

 

サポ科生徒A「絶対に足りません!」

 

パワーローダー「なら作れ!各ステージ、先頭になるほどクリアが困難になる使用にしろってお達しだ!こうなりゃヤケだ、限界超えて、ちょっとやそっとじゃクリアできないようしてやる。いくぞ!!」

 

サポ科生徒一同「プルスウルトラ!!」

 

明「(まあ、多分何作っても出久さんと勝己さんが粉砕してしまいますが。黙っておきましょう。」

 

パワーローダー&サポ科生徒一同「口に出てる!!そしてマジか!?」

 

明「おやや。出久さんの癖が移りました。」

 

作業の轟音で各自叫ばなければ、隣の声も聞き辛い中、明の不吉な呟きには全員が反応するのであった。

 

ーーーーー

 

体育祭に向けたA組のトレーニングの風景

 

相澤「今日はこの練習場を使って、各々自分に必要なことをトレーニングしていけ。」

 

切島「よっしゃ爆豪!全力で打ち込んでくれ!」

 

勝己「・・・全力で良いのか?」

 

切島「クラスターは無しでお願いします!」

 

その後、切島はブラスターを喰らって吹き飛んでいった。

 

芦戸「麗日〜、酸つかって滑るように移動しようとしてるんだけどイメージできない〜。A.Tで良いからお手本見せて〜。」

 

お茶子「ええよー。グルッと滑って見ればええ?」

 

耳郎「お、麗日がA.Tで滑るんだ。みんなー!風の少女が滑るらしいよー。」

 

八百万「なんですの、風の少女とは?」

 

葉隠「一時期、ネットでめっちゃ話題になったんだよ!」

 

蛙吹「ケロっ、とっても楽しみね。」

 

お茶子「やめー!風の少女呼びはほんまやめてー!」

 

真っ赤になってしまった顔を覆いながら、お茶子は走り去っていった。

 

耳郎「風の少女は風のように去っていってしまった。」

 

芦戸「いや、アホなこと言ってないで、麗日呼び戻して。私の練習になんないじゃん。」

 

耳郎「ごめん、ごめん。麗日もー!ごめーん!」

 

トレーニング後のスイーツで手が打たれた。

 

打!打!打!撃!撃!撃!

 

緑谷と尾白が組み手を行い、尾白が積極的に攻めているにも関わらず、

 

尾白「(当たらない。避けられるか、逸らされるか、迎撃されるか。どれにしろ、クリーンヒットが一発も出ない。)」

 

出久「・・・。」

 

尾白「くっ、ハァッ!!」

 

痺れを切らした尾白が回転し、尻尾を使った一撃を繰り出そうとするが、

 

トンッ、

 

尾白「は?」

 

出久は大きく一歩下がる。尾白の一撃が完全に視界に入る位置を取り、余裕を残して回避した出久は、

 

尾白「(ヤバ。)」

 

ヤケクソ気味に放った一撃を回避され、隙だらけになった尾白に、

 

ドヒュッ、

 

尾白「コキュッ。」

 

良い蹴りを入れるのであった。

 

出久「・・・っあ!ごめん、尾白くん!集中し過ぎて無意識に良い蹴り出しちゃった!」

 

尾白「い、いや、大丈夫、大丈夫。こっちが無理に攻めたのが原因だから。」

 

瀬呂「緑谷こえー。」

 

常闇「何よりもA.T無しで、あの動き。」

 

上鳴「さっきの蹴り、A.Tありだったらどうなってたん?」

 

障子「運が良ければアゴが粉砕される程度だろう。」

 

峰田「悪かったら?」

 

青山「想像もしたくないね!」

 

口田「(コクコクコク。)」

 

飯田「だが、近接主体二人による組み手はとても勉強なった。」

 

轟「(あの体捌きがA.Tを履くと段違いに強化されて、炎まで追加されるのか。)」

 

砂藤「・・・。」

 

瀬呂「ん?どうしたんだ砂藤?」

 

砂藤「次は、俺がボコられるんだなって思ってよ。」

 

相澤「次は砂藤だ、行け。」

 

瀬呂「ドンマイ。」

 

その後、ラッシュを放つも、全弾避けられた後に、

 

出久「連打は一撃一撃に殺気を込める!」

 

とラッシュを返され、沈黙させられた砂藤であった。

 

ーーーーー

 

そんなこんなで、あっという間に二週間が経ち、

 

雄英体育祭当日

 

多くの取材人、多くの警備担当のヒーロー、多くの観客が集まっていた。

 

デステゴロやシンリンカムイ、マウントレディといった中堅や新人ヒーローたちはスカウトに集中したい気持ちもあるが、任された警備の仕事に勤しんでいた。

 

「あ、先輩がた。たこ焼きありますよ、たこ焼き。」

 

勤しんでいた。

 

「オメェはよう、警備なんだから露店で飯買ってる場合じゃねーだろ。」

 

「えっ、あっ。」

 

自分もたい焼きを買っていたシンリンカムイは狼狽えていた。勤しめ。

 

ーーーーー

 

1年A組控室

 

生徒たちがそれぞれで入場までの時間を過ごしていると、

 

「緑谷、爆豪。ちょっと良いか?」

 

轟が出久と勝己に声をかける。

 

「ん?何、轟くん。」

 

「このタイミングでくだらない内容ならはっ倒すぞ、半分野郎。」

 

他のクラスメイトたちも気になり、様子を伺っていると、

 

「俺は自分がお前らに劣っているとは思ってねぇ。」

 

「「・・・。」」

 

「だからこそ、今回の体育祭、俺はお前らには勝つ。」

 

「とど、」

 

「舐めんなよ、半分野郎。」

 

出久が轟に返事をするよりも前に、勝己が前に出る。

 

「今のテメェじゃ、どう足掻いたって俺や出久はもちろん、麗日にすら勝てねーよ。」

 

「っ、なんだと。」

 

「先ずは、全身全霊どころか、全力すら出すことが出来ねぇ中途半端野郎を卒業すんだな。飯田!そろそろ時間だろ。」

 

言いたいことを言い終えた勝己は入場ゲートに移動し始めてしまった。

 

「待て、爆豪。今のはどういう意味だ。」

 

「轟くん!」

 

「・・・なんだ緑谷。」

 

「僕は、僕らは、本気でテッペンを取りに行く。ヒーロー科全員が当然そうだし、普通科にだって本気で狙ってる人たちがいる。」

 

「ああ。」

 

「君の宣戦布告は受け取ったよ。だからお互い、全力で戦おう。」

 

出久さんも自分の思いを伝え終え、入場ゲートに向かっていく。

 

「全力で、か。」

 

轟は自分の左手を見ながら呟き、出久と勝己に視線を送る。劣っていると思っていない、と言ったのは本心である。しかし、同様に彼らに勝つ自分がイメージできないのも事実。

 

「(USJでの戦いで、緑谷や爆豪が見せた、魂を削るような、命を燃やすような戦い方。あれをしなければ、本気のあいつらには勝てねぇ気がする。だが、左手を使用しない俺にそんな戦い方ができんのか?)」

 

「轟くん、入場時間だ。」

 

轟は考えが纏まらないまま、それでも勝利を目指して、戦いに挑みにいく。

 

ーーーーー

 

「選手入場ーーー!!今年の雄英体育祭、注目株はもちろんコイツら!ヴィラン襲撃をクラス全員で乗り越えた超新星集団、1年A組だー!!」

 

ワーー!!っとスタジアムを埋め尽くす観衆から一斉に歓声が上がる。

 

「こ、この、大観衆は流石にき、緊張するね。」

 

出久がガチガチになりながらスタジアムに入場していると、

 

「あれー、デクくん。ほとんど練習無しでステージに立ったり、凶悪ヴィランと戦ったりできるのに、緊張するんやねー。」

 

お茶子が少しニヤつきながら入試前夜の時のお返しをしていると、

 

「・・・よし!大丈夫、お茶子さんの笑顔を見れたら緊張も和らいだよ!」

 

「ふぇっ?」

 

からかったつもりが、真顔でそんなことを言われてしまったものだから、お茶子は顔を赤らめ、固まってしまう。

 

そのやり取りを見せられていた周囲は、

 

「「「「「(もうお前ら、付き合えよ。)」」」」」

 

などとイマイチ緊張感を持てずにいた。

 

ジッ、

 

「な、なんですの、轟さん?」

 

「いや、緑谷が麗日みてたら緊張が和らいだっつうから、俺も八百万みてみよう、って思ってよ。」

 

「そ、そうですか。私の顔を見ても緊張は和らがないかと思いますが。」

 

「ああ。だが整ったお前の顔を見てたら、難しいこと色々考えていた頭がなんか落ち着いたよ。助かった。」

 

「お、お役に立てたのなら、なによりです。」

 

「「「「「(お前らもかよ。)」」」」」

 

ーーーーー

 

そこから、順次クラスが入場していくが、A組だけが持ち上げられ、不満そうな雰囲気を醸し出している生徒も多かった。

 

その中で、普通科にも気合いが入っているクラスがあり、

 

「おっしゃ!いくぜ心操!」

 

「ああ、打倒ヒーロー科。やるぞ。」

 

瓦斯島と心操の二人が所属している普通科クラスはモチベーションが高く、考え方も他のクラスと異なっていた。

 

「いいか皆んな。普通にやったら俺たちがヒーロー科を相手に目立つなんて無理だ。だが瓦斯島と心操を援護して、二人がヒーロー科を出し抜ければ、それは援護した俺たちの勝ちにもなる。」

 

普通科クラスの委員長がクラス全体に指示を飛ばす。

 

「最初は申し訳ない、と思ったけど、ここまできたら腹を括るよ。皆んなよろしく頼むな。」

 

心操が全員に向かって言うと、

 

「「「「「任せろ!」」」」」

 

普通科が、俺たちは引き立て役ではない、とヒーロー科に牙を剥く。

 

ーーーーー

 

「選手宣誓!1年A組、爆豪勝己!」

 

1年生ステージの主審を務めるミッドナイトがヒーロー科入試成績1位である勝己の名を呼ぶ。

 

「・・・はい。」

 

「(カッちゃんが『はい』って返事した!?)」

 

「(今日試合中に雨降るかもしれへん。)」

 

「(ベイビーたちを防水仕様にしておいて良かったです。)」

 

「(てめーら、マジで後で覚えてろや。)」

 

目線だけでやり取りする仲良し組。

 

壇上に登った勝己は、

 

「相澤先生に、宣誓は好きにしろ、って言われたんすが、本当になんでも良いんすか?」

 

「もちろんよ!雄英は自由な校風がモットー。私個人としては、青臭い奴が好みね。」

 

「ウス。」

 

ミッドナイトに聞きたいことを尋ねた勝己はマイクの前に立ち、宣誓を始めた。

 

ーーーーー

 

「俺ら1年は、ただの1年じゃねぇ。」

 

そんな言葉から始まった勝己の宣誓は、やはり自分たちは特別だと思ってんのか!っとA組以外の反感を買いかける。しかし、

 

「今年、オールマイトが雄英で教え始めた。俺らはその一期生だ。ヒーロー科だろうが、普通科だろうが、サポート科だろうが、経営科だろうが、直接指導受ける受けない、関係なしに、そこは変わんねぇ。」

 

勝己が続けた言葉に、会場全体が聞き入っていく。

 

「詳細は知らねーが、今までヒーロー活動に費やしていた時間を、雄英で後進育成に使ってくれている。」

 

話題の本人であるオールマイトも勝己を注視する。

 

「俺たちは、今年を伝説の年にしなけりゃならねぇ。」

 

息子の勇姿を見にきたナンバーツーも、息子のライバルになり得る存在に鋭い視線を送る。

 

「俺たちヒーロー科は新しい時代を作らなきゃならねぇ。」

 

A組だけでなく、B組にも気合いを入れ直す。

 

「普通科の奴らは俺らヒーロー科をぶっ潰すつもりでこい。」

 

先ほどまで一クラスを除いて無気力だった普通科の心にも火が灯る。

 

「サポート科の奴らは俺らのチカラに負けねぇ技術を身につけろ。」

 

技術は個性を超えられると信じ、同期の天災に負けられるか、と気持ちを新たにするサポート科。

 

「経営科の奴らは俺たちを利用して見せろ。」

 

そうだ、ヒーローの卵たちを身近で見るチャンスだ。こうしてはいられない、と一部が出場を辞退し、撮影や分析のために行動していく経営科。

 

「そして、この俺がその時代のトップに立つ。オールマイトをも超え、最強最高のヒーローに俺がなる。」

 

当然自分を誇示し、己自身にプレッシャーをかけることも忘れない。

 

「俺を超えたきゃ、先ず自分の限界を超えろ。その言葉は知ってんだろ。いくぞ、オメーら!!」

 

『プルスウルトラ!!!』×生徒一同

 

一年生の参加者全員が限界の一歩先を目指し、叫ぶ。

 

雄英体育祭が始まる。

 

ーーーーー

 

緑谷引子「光己さん、勝己くん凄いカッコ良いですね。」

 

爆豪光己「グス。ええ本当に。でも、それはあんなバカな子と一緒にいてくれた出久くんとあの夏以来仲良くしてくれた、お茶子ちゃんや明ちゃんのおかげですよ。」

 

麗日ママ「何言っとるんです。私らかて、出久くん、勝己くんには感謝しかないんやから。」

 

お母さん方、爆豪宅に集合し、観戦中。

 

ーーーーー

 

A.Tが使える社員A「社長!これがラストです!」

 

麗日パパ「シャア!終わったわ!全員即撤収や。お茶子たちの勇姿を見逃してたまるかい!」

 

社員一同「はい!」

 

麗日パパ仕事中

 

ーーーーー

 

アメリカ

 

スター「今回も楽しめそうだね。」

 





頑張って書いたので、コメントや評価、お願いします。
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