短いですが、切らないと逆に長くなりそうだったので、投稿します。
「それでは早速、第一種目の発表よ!」
ミッドナイトの宣言と共に、モニターに『障害物競走』文字が映し出された。
「毎年多くの生徒が第一種目で涙を飲むわ。今回の障害物競争は、この会場の外周約4キロがコース、一周回ってこの会場に戻ってこればゴール。上位42名が第二種目に進出よ。」
スタート地点のゲートが開き、生徒たちも準備を始める。この段階で、一部の生徒は違和感に気づき始める。
「障害物競走のルールはシンプル、コースを守ること、それ以外は何をしても構わないわ。」
シグナルに光が灯り始め、最後の緑色のランプが光ると同時に、
「それでは、スタートよ!」
一斉に生徒たちが走り始めた。
ーーーーー
「ってスタート地点、狭すぎるだろ!」
と、参加生徒の誰かが叫び、多くの生徒が思うように進めないでいた。
そんな中、氷による妨害を駆使し、轟は地上ルートの先陣を切る。ただし、
「(思ったより、氷の妨害に怯まねぇ奴が多い。さっきの爆豪の宣誓で気合いが入ってるからか?)」
ヒーロー科はもちろん、他の科の生徒たちも、薄い氷程度の妨害で止まる気はないらしく、氷を躱した生徒もいれば、食らいながらも無理やり氷から足を引き剥がし、進む生徒たちが見てとれた。
そんな中、氷を回避するためで無く、スタート地点の混雑を避けるために空中に上がった生徒も多くおり、その先陣は当然、
「爆速ターボ!」
「エアライド!」
勝己が爆破による加速で集団を飛び越えて進み、お茶子は個性なしの、風を掴んで発動する空中走行で空を進んで行く。出久はというと、
ジャッ!
垂直に立つ壁の側面を走っていた。スタート地点の違和感に気づき、すぐ壁際に移動。スタートと同時に飛び上がり、壁走りで進んでいた。
「やっぱあの3人は別格か!」
「A.T組が轟みたいに妨害に出なくて助かったな。」
「そしたら、第二種目の参加者42人切るんじゃねーか。」
A組生徒たちの多くは、轟の妨害を予想していたため、先行集団として最初の障害エリアに突入する。
「オメェが妨害すんならこっちも妨がっカヒュッ、」
ドゴン!っとモギモギを轟に向かって投げようとしていた峰田が、側面からロボに殴られて、吹き飛んで行く。
「さあ!最初の関門はロボインフェルノ改だぜ!ってなんで改?」
「変なテンションのパワーローダーが付けろ、と言ったらしい。」
実況と解説をそれぞれ担当する山田と「プレゼントマイクな!」・・・プレゼントマイクと相澤であった。
ーーーーー
耳郎の友人「きゅ〜〜〜っ、」パタン。
テレビで体育祭を見ていた、とある少女がトラウマを再発させていた。
ーーーーー
入試実技試験に登場した仮想ヴィランロボ、その中でもギミックとして扱われていた0ポイントのヴィランロボも今回は障害として生徒たちを迎え撃つ。が、
「「「「邪魔!」」」」
上位4名はそれぞれ一体ずつを瞬殺し、自身のルートを確保する。
轟は強力な氷結でロボの動きを止めた。
勝己は入試のように破片を気にしていないため、渾身の爆破で粉砕。
お茶子はここまでの空中走行で新たに生み出した風でエアフォースを叩き込む。
出久は18番であるフェニクス・スマッシュで薙ぎ払った。
更に、
「瓦斯島!全力で叩き込め!」
「おう!」
心操が瓦斯島との訓練で身に付けた、大声で命令を出し、洗脳される側も大声で返事をすることで、相手の意識を奪わず、強化のみ可能にする新技を発動。
瓦斯島は入試実技試験以来、自身の個性の解釈を改め、体から噴射したガスを操作できる点を伸ばし続け、
自身のガスを溜めて噴射+回転を加えることでガスに相手を押し飛ばす威力を加えて技に心操の強化を更に+、
「スモッグ・インパクト!」
心操と瓦斯島の連携技が叩き込まれ、体勢を崩す0ポイントヴィラン。しかし、彼らの練度ではまだ倒すには至らない。
「「マジか!」」
「C組ーー!!ファイッ!!」
「オーーー!」
普通科C組の委員長が号令をかけ、他の遠距離攻撃ができる生徒たちが一斉0ポイントヴィランの足を狙い吹き飛ばす。
支えを失った0ポイントヴィランはとうとう倒れ込み、沈黙した。
ワーーー!
予想外の普通科の活躍に、会場も湧き上がる。
「おーと!注目のA組上位陣だけでなく、普通科C組がクラス一団となって0ポイントヴィランを撃破ー!」
「0ポイントヴィランはよく見れば弱点が多いからな。だがロボインフェルノ改はここかららしいぞ。」
空中を行く勝己とお茶子、地上を行く轟と出久。その前にサポート科からの刺客、高性能小型ロボヴィランが襲いかかる。
小型といってもオールマイトの体格と同じくらいのサイズであるそれが、ブースターから火を吹きながら接近してくる。
勝己は一瞥し、接近してきたロボを撃破しようとカウンターの一撃を打ち込もうとした。しかし、ロボは全身に開いた細かい穴から小規模の火を勢いよく吹いたかと思えば勝己の前から消えていた。
「は?」
次の瞬間、勝己とお茶子の上を取ったロボのバックパックから大量のミサイルが発射された。お茶子は正面に風のバリアを張るも、正面から以外にも大回りでバリアを避けたミサイルが二人に襲いかかる。
「ひゃあ!」
「チィッ!」
回避が間に合うも、上にはお茶子が張ったバリアがあるため、地上に降りるしかなかった。
轟は、勝己たちが相手にしているものとは別の機体が接近してくるのを確認し、範囲氷結で氷漬けにしようとした。しかしロボの右腕からモーター音が響き、腕全体が高温を纏い始めた。そこから繰り出されたパンチは氷結を容易く粉砕した。
「くぅ!」
「あれは!?」
出久が繰り出された技に驚愕していると、今度はロボが左腕を出久に向ける。左腕に搭載されたファンが空気を吸い込み、腕の装甲の先端に開いた穴、銃口から圧縮された空気を打ち出そうとした瞬間、
ジャッ!
ロボが土煙を上げながら出久の進行方向、前方に回り込んできた。
「はやっ!」
発射!っと空気弾が打ち出され、出久は迎撃するために足を止めざるおえなかった。
「今のはエアフォース。それにさっきのパンチは、」
「ああ。緑谷、お前がUSJで見せた技に似ていた。」
「うん、それに。」
チラッと、勝己、お茶子の方を見る。二人もロボと相対しているが、勝己の表情かヤバい。
先程みんなを鼓舞した英雄的雰囲気はどこへやら、悪鬼が如き顔になっていた。
「あの挙動、間違いねぇ。やりやがったな!発目!」
『はい!それではただいま戦闘中の新型仮想ヴィランロボの解説を行います!』
会場のスクリーンの一部にロボの詳細が映る。
『ではロボの本体部分を制作した、呂母造好(ろぼつくよ)先輩お願いします。』
『はい、このロボは元々、雄英ヒーロー科生徒の格闘模擬戦用に開発しました。ただ、ふと思ったのです。こいつをヒーローより強くしたら面白くね?っと。』
大半の観客は
「(何言ってんだこいつ。)」
と思っているが、一部のサポートアイテムに関わる技術者たちは、
「(分かるわー。)」
となっていた。
『昨年度1年間の試作の果てに、精密動作の精度を上げ、身体強化タイプの個性持ちと殴り合えるスペックを実現しました。』
『その素体に私、発目明が開発した、A.T技術を組み込むことでエネルギー効率を上げ、威力と機動力を向上させたオプションパーツを装備したのが、今も会場で戦闘を繰り広げている、造好式バトルロボ爆風型と炎風型です!』
二人が説明している最中もバトルロボ爆風型と炎風型はレースの先頭を行こうとする生徒、出久たちに対して攻撃を仕掛けている。
『爆風型は、そちらでバトっている爆豪勝己さんの個性運用法を参考に、機動力を上げるためには?全身にブースターつければ良いんだ!と全身に小型ブースターを設置し、高機動を可能にしています。またミサイルは直撃ちと迂回撃ちが可能であり、こちらは麗日お茶子さんの個性と風の遠隔操作を参考にしています。』
『炎風型は、高温を発生させる機構を右手に、風圧を射出する機構を左手に装備。更に足回りにはロボでも使用できるA.Tを装着させることで、空中戦は流石に無理ですが、地上での高機動戦を可能にしました。どれもアイデアは炎風型と戦闘している緑谷出久さんのバトルスタイルから着想を得ています!』
発目が自身満々に2体のロボの解説を終えた。
観客として来ていたヒーローの多くは、こう思った。
「(コイツら量産されたら、俺ら廃業すんじゃね?)」
更に、競技は混迷の一途を辿り、
「おい、コイツら入試の時より強いぞ!装甲が脆いのが弱点なのに盾なんて持ってんじゃねーよ!」
ダダダダダッ、
「撃ってきたぞ!弾は非殺傷弾かも知んねーけど、メッチャ痛ぇぞ!」
0ポイントヴィランよりも、小型の仮想ヴィランたちの方が強化がし易かったようで、地味に手強くなったロボたちを相手に生徒たちはなかなか前に進めていなかった。
「・・・第一種目の第一関門、こんなにハードにして大丈夫か?」
実況であるプレゼントマイクが相澤に話をふるが、
「伝説の世代になるらしいから、良いんじゃないか?それに、」
ステージで強力な炎と爆発が発生する。
「この程度で止まる奴らでもないだろ。」
ーーーーー
「なるほど、つまり俺らの猿真似か。」
バトルロボ2体に阻まれ、必然的に出久、勝己、お茶子、轟の4人が並ぶ。後ろから、苦戦するも、仮想ヴィランを撃破した生徒たちが迫って来ている。
迫って来ている生徒たちの気合いが入った顔を視界に入れ、
「はっ!良い気合いじゃねーか。コイツら放置したらアイツらの気合いに水を差しちまうな。出久!」
「こっちは任せて。倒したらヨーイドンで良い?」
「ああ、それで行こう。」
「もう、二人はすぐ決めてまう。」
「おい、お前ら何勝手に、」
お茶子が二人に呆れ、轟が自分も、と、前に出ようとした瞬間、
ゴッッッウ!!
業炎が発生し、出久の足には脳無に使用したウイング・スマッシュ、フレイムソールとは形状の異なる炎が形成される。
「ああ?新技か?」
「うん。いい加減、カッちゃんにスピード負けし続けるのも飽きたからね。速さを追求してみた。フルクラスターは無理でも、クラスターなら追いつけるよ。言うなれば、ターボソールかな。」
「はっ、テメェも猿真似か?上等だこの野郎。」
二人が攻勢に出る。
「だからお前ら、」
轟が声をかけ切る前に、
「更に!」
「向こうへ!」
それが合図だったのか、二人は一瞬で轟の視界、そしてバトルロボたちのセンサーから掻き消える。
次に訪れるのは轟音、バトルロボ炎風型は出久の右蹴りを胴に喰らい、コースの端まで蹴り飛ばされ、バトルロボ爆風型はクラスターの加速で接近した勝己の爆破をモロに喰らい胴が消し飛んでいた。
二人の本気の攻撃を生で見たヒーローたちは言葉を失う。ナンバーツーヒーローであるエンデヴァーですら思わず身を乗り出してしまうほどの威力とスピードであった。
「それじゃあ、ヨーイ!」
「ドンだ!」
足止めされていた時間を挽回するように出久と勝己が次のステージに進んでいく。
その後ろを、ヤレヤレ、という雰囲気を出しながらお茶子も二人を追いかけていく。
「・・・ックソ!」
技の威力や出久と勝己の速さに唖然としつつも、お茶子に続いて先頭を追いかけていく。
「(クソ、やっぱりだ。やっぱりアイツらに勝つ自分がイメージ出来ねぇ。)」
八百万のおかげで一度は落ち着いた思考がぶり返す。しかし、轟の心情など知ったことか、と後続のライバルたちも追いついてくる。
障害物競走はまだ始まったばかりである。
ーーーーー
切島「緑谷、正座。」
出久「え、あれ?体育祭は?」
尾白「ここは狭間時空だから関係ない。」
瀬呂「緑谷さんよう、何戦闘する度に新技出してんだよ。」
出久「いや、ターボソールは必要に迫られて身につけたというか、なんというか。」
切島「聞いたか尾白。あんな派手そうな技、必要になったから身に付けられたらしいぞ。」
尾白「クソ喰らえだ。」
出久「尾白くん!?」
勝己「ウイング・スマッシュの派生技だろ。一回まとめんぞ。」
通常のウイング・スマッシュ
攻撃、防御の両方に使用可能だが、主に防御。炎の翼で相手の攻撃を防御するのに使うが、近距離なら炎の翼による翼撃を叩き込める。
ウイング・スマッシュ、エアフォース
炎の翼から風撃を放つ。範囲風撃から圧縮風撃まで撃てる。ついでに熱風も撃てる。
ウイングスマッシュ・フレイムソール
ウイングスマッシュの炎を足に収縮。圧縮された炎により、蹴りの威力が上がる。炎を圧縮するために風を纏っており、それがそのまま防御にも使える攻防一体のスタイル。
ウイング・スマッシュ、ターボソール
圧縮した炎を攻撃力ではなく推進力に変えている。ただし、スピードを乗せ、風を纏っている状態の蹴りは半端なく、攻撃に炎を使えない以外のデメリットは特にない。
切島「攻防一体の便利技に、」
尾白「高機動のスタイルを追加したと。」
出久「うん、カッちゃんの機動力に置いてかれないようにしなければ、って思って。」
切島・尾白「「クソ喰らえだ。」」
出久「二人とも!?」
皆さんが、感想やコンメントをくださり、励みにしています。
どなたか評価を得る方法を教えてください。・・・面白い文章書くしかないか。