A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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意外と楽しく書けました、完全オリジナル出久VS轟です。


第23話 ガチバトルトーナメント準決勝第一試合

 

プレゼントマイク「何やら、俺たちの知らない所でもガチバトルが繰り広げられたようだが、関係ねぇ!そろそろ行くぜ、準決勝!」

 

相澤「次は緑谷と轟か。高い機動力に攻撃力、近距離から遠距離までをオールマイティに、」

 

オールマイト「呼んだ?」

 

相澤「呼んでません。オールマイティに熟すことが出来る緑谷に、火力特化の轟がどれだけ対応できるのか、見ものだな。」

 

プレゼントマイク「激闘必至の準決勝、もう直ぐ始まるぜ!」

 

ーーーーー

 

1年生ステージ通路

 

出久が準決勝のためにステージに向かっていると、ナンバーツーヒーローであるエンデヴァーに遭遇した。

 

「エッ、エンデヴァー!ヤバい、本物!握手してください!」

 

「あ、ああ、構わんが。」

 

出久のあまりの勢いに思わず普段はしないファンサービスをしてしまったエンデヴァー。

 

「ありがとうございます!とど、じゃなくて、焦凍くんの応援ですよね。彼は反対ゲートですけど、急げばまだ試合開始には間に合うんじゃ、」

 

「いや、君と少し話をしたいと思って来たんだ。」

 

「僕とですか?」

 

「ああ。緑谷くん、と言ったね。君のスピード、そしてあの火力は焦凍にとって、勝利でも敗北であっても、良い経験になるだろう。是非、全力を尽くしてくれ。」

 

「・・・。」

 

「どうかしたかね?」

 

「あ、すみません。焦凍くんから聞いていた印象とはだいぶ違っていたもので。」

 

「・・・焦斗から私の、ウチのことを聞いたのかね?」

 

「あ、はい。結構深いところまで、すみません。」

 

「いや、焦凍が話したのだ、君が気にすることではない。そして、普段の俺は、君が聞いている通りの人間だ。ただ、今日は焦凍と少し、家族らしい会話ができたからか、普段と違っているかもしれん。」

 

「そうなんですね。」

 

「「・・・。」」

 

「すまんな、呼び止めてしまって。さあ行きなさい、先ほど、ああは言ったが、勝つのはウチの焦凍だ。」

 

「僕も簡単に負けるつもりはありません。失礼します。」

 

そう言って頭を下げ、走り去っていく出久を見送りながら、エンデヴァーは思う。

 

「(容易い相手ではないな。・・・彼が優勝したら、焦凍と共に職場体験の指名、出してみるか。)」

 

フレイムヒーロー、エンデヴァー。育児、家庭、言動は超赤点な父親だが、事件解決能力、事務所運営、サイドキック育成などはトップヒーローとしては超花丸の有能ヒーローである。

 

ーーーーー

 

応援席

 

「んで、皆んな。正直どうよ?今回の試合の予想は。」

 

瀬呂の言葉にクラスメイトたちは、

 

「下馬評じゃ緑谷だろ。」

 

「だけどよ、さっきの麗日と試合を見ると、轟の爆発力は侮れねぇ。」

 

「それじゃあ、いつも緑谷と一緒にいて、さっき轟と試合した麗日、予想お願いします。」

 

砂藤、切島のコメントに続いて、芦戸が麗日に話を振る。

 

「うーん、私の意見もあんま皆んなと変わらへんよ。普通に戦ったら10回やって10回、デクくんが勝つと思う。でも炎を使い始めた轟くんの攻撃力も凄かった。万が一がないとは言い切れへん。」

 

「つまり、緑谷といつも一緒にいることは否定しない、と。」

 

「ただ私と違うてデクくんは闘い慣れとるか、って芦戸ちゃん急に何言うん!?」

 

「えー、別にー。他意はないよー。」

 

「もう!」

 

「ごめんごめん、麗日〜。ジョークジョーク。」

 

「みんな始まるぞ。」

 

障子が声をかけるど全員が視線をフィールドに向ける。そこには既に出久と轟が揃っていた。

 

ーーーーー

 

「全力で行かせてもらうぞ、緑谷。」

 

「うん、僕も全力で。」

 

「いいわー!若いパッションが私にも叩きつけられるみたい!準備は良いわね、2人とも!」

 

「「はい!」」

 

「勝つのは炎と風の緑谷出久か!はたまた氷と炎の轟焦凍か!さあ、オーディエンス!結果は自分の目で確かめな!それじゃあ、ガチバトルトーナメント準決勝第一試合、レディーー!!スターート!!」

 

ーーーーー

 

「フェニクス・スマッシュ!!!」

 

「っ!はぁ!!」

 

ゴッッッウ!!

 

カッッキーン!!

 

出久が開幕に放ったフェニクス・スマッシュを、轟は大氷塊で防ぐ。いや、防がされた、が正しい。氷が炎によって蒸発、水蒸気となり轟の視界を潰す。

 

「クソッ、(これまでの反省を踏まえ、開幕の大氷塊は控えようとしたのに、撃たされた。この状況はマズい。)ハァ!」

 

左腕から炎を噴射し、水蒸気ごと周囲を吹き飛ばし、周囲に意識を集中する。そして、炎の一部が分かれ、道ができる。

 

「そこぉ!」

 

間髪入れずに轟は道に目掛けて氷結を放つ。しかし、その氷結は出久の足から伸びた炎の翼によって防がれ、

 

「ウイング・スマッシュ!からの、エアフォース!!」

 

反撃の風弾が氷を砕きながら真っ直ぐ飛んでいく。轟は防ぐのではなく、転がりながらも自力で回避することを成功させ、そのまま地面に手を付き、フィールド全体の表面を氷結させた。勿論その程度の妨害で、出久の足を止めることはできないが本命は、

 

「これならっ!どうだっ!」

 

大氷結、相手を押し出す氷塊ではなく、凍らせる氷結の最大出力。瀬呂を一撃で行動不能にした技を発動した。しかし、

 

ゴッッウ!!

 

「ウイング・スマッシュ、フレイムソール。」

 

出久は足に炎の翼を纏い、回転、旋風を巻き起こすことで冷気を吹き飛ばした。その直後、真っ直ぐ轟に向かって突っ込んでいく。迎撃のために氷撃を放つも炎の翼によって全て防御された轟はとうとう入ってしまう、

 

出久の、

 

蹴りの、

 

射程範囲に。

 

「スマッシュ。」

 

ドゴン!

 

轟は反射的に氷塊で防御を試みるが、右の回し蹴りによって粉砕される。そして、

 

「シッ!」

 

追撃の左後ろ蹴りが轟を捕えた。

 

ーーーーー

 

ガキの頃の思い出、親父との修練ばっかだ。冬姉や夏兄と遊んだ記憶なんてほとんどねぇな。

 

あ、今一瞬だけど燈矢兄を思い出した。燈矢兄が俺を見る目、あれは冬姉や夏兄のとはなんか違ってたな。

 

お、今度は母さんとの記憶を思い出した。母さんと一緒にオールマイトが出演している番組を見て、

 

「なりたい自分になって良い。」

 

って言われたな。なんで俺は忘れてたんだろうな。

 

後は、八百万にお守り代わりに、ジャージ作ってもらったな。

 

・・・俺はなんで、今これらの記憶を思い出しているんだ?

 

ーーーーー

 

「焦凍ッ!」

 

「轟さんッッ!!」

 

「はっ!」

 

エンデヴァーと八百万の声が聞こえたのか、轟の意識がハッキリとする。轟は自身の現状を確認するよりも早く、視界に入った地面に向けて炎を噴射し、空中に飛び上がる。

 

「(意識が飛んでた。まだ場外に落ちてないってことは一瞬だけか。)」

 

空中ではあるがなんとか体勢を整え、出久を探そうとするが、直ぐにその必要はなくなった。

 

「(ヤバい。)」

 

轟はガムシャラに炎を噴射し、その場から離脱する。出久の位置、それは轟の直上であった。轟の頭があった場所を通り過ぎ、出久の蹴りが空を切る。

 

「(あっ、ぶねぇ!一瞬影ができたことに気づかなかったら、今度こそ終わっ、)容赦ねぇな、クソ!」

 

ウイング・スマッシュ、フレイムソールをターボソールに切り替えていた出久は、空中機動を使用して轟に迫る。

 

「オッ、ラッ!」

 

空中で大氷塊を発動し、自身と出久の間に巨大な壁を作る轟。

 

「スマッシュ。」

 

その氷塊も出久の一撃に粉砕されるが、轟がフィールドに戻る時間は稼ぎきった。

 

ーーーーー

 

プレゼントマイク「ど、ど、怒涛すぎるぜ準決勝!両者大技の連発!準決勝に相応しい、ド派手な試合だぁ!しかし、やはり前評判通り緑谷が終始優勢だ!」

 

相澤「やはり、戦闘経験の差が出てるな。緑谷は一切、轟にペースをにぎらせていない。というより本当に容赦ないな。空中で気絶していた轟が目を覚ました瞬間に、即追撃かけたぞ。」

 

ーーーーー

 

物間「なるほど、爆豪くんに言われたことを参考に緑谷くんの試合を見ると、確かに違いが分かる。緑谷くんの遠距離は僕のものとは別物だ。となると、僕はランと近距離戦闘、そして個性を鍛え上げるべきなのかな。」

 

塩崎「にっ、二回戦の最後。あのままフレイムソールで蹴らなかったのは緑谷さんなりの優しさだったのですね。」

 

取蔭「あれをまともに喰らってたら塩崎、数日は固形物食えなくなってかもね。さっきのどデカい氷塊も粉砕してたし。」

 

ーーーーー

 

尾白「轟の奴、よくあそこから復帰したな。」

 

飯田「ああ。場外まで蹴り飛ばされた状況から緑谷くんの追撃を察知し、炎の噴射と氷塊で見事にフィールドに戻っている。素晴らしい判断力だ。」

 

砂藤「いや、違うぞ飯田。尾白が言ってるのは、良くあの蹴りをくらったにも関わらず、戦意を残してられるな、って話だ。」

 

切島「やめとけ砂藤。緑谷の戦意喪失キックの破壊力は実際喰らってない奴には分からん。」

 

飯田「せ、戦意喪失キック?」

 

尾白「A.Tなしでも恐ろしい蹴りだが、A.T込みだと更に恐ろしい。相手の力量や耐久を見切り、気絶か戦闘不能に追い込む一撃だ。」

 

砂藤「さっきのは多分、気絶の一撃だったんだな。心操も喰らってたが、あれは意外とダメージが少ないから、意識さえ戻ればまだ戦えるは戦える。」

 

切島「ただ、まともに緑谷の蹴りをもらうと、たまに走馬灯が見えたりもすんだよな。」

 

麗日「あ、爆豪くんも、そんなこと言っとった。デクくんと本気で戦った時に、側頭部に良いのが入って、自分とデクくんを見下ろすような視点になったとか。」

 

尾白・飯田・砂藤・切島「天に召されかけてる!!??」

 

ーーーーー

 

八百万「ふぅ。」

 

芦戸「いや〜、八百万の思いがこもった声援のお陰で轟の奴、見事に復帰したね〜。」

 

八百万「いえ、そんな。ですが、私ごときの声援が轟さんの後押しになったのであれば幸いですわ。」

 

自身の手を握りしめながら、祈るように轟を見つめる八百万。

 

芦戸「えっと、あはは。そうだね〜。(やべー。顔が真剣過ぎてイジれない。)」

 

葉隠「そういう芦戸ちゃんも、さっきの切島くんの試合、すっごい心配そうに見てたよね。霧が晴れて切島くんが立ってる姿が見えたとき思わず立ち上がってたし。」

 

芦戸「へ?そ、そんなこと無いよ〜。もう、葉隠なにいっての。」

 

切島「ん?俺がどうかしたか?」

 

芦戸「やかましい!ガールズトークに入ってくんな!」

 

切島「すんません!」

 

芦戸・葉隠「・・・。」

 

葉隠「試合見よっか!」

 

芦戸「そうしよう。」

 

 

ーーーーー

 

エンデヴァー「(ぬう。やはりあの緑谷という少年、強敵だ。彼と、爆豪といったか、もう一人の少年は、今からプロ入りしたとしても十分に活躍できるレベルだ。機動力と索敵能力に加えてあの戦闘能力だ。サイドキックとしても引くて数多であろう。焦斗も力を尽くしてはいるが、そろそろ限界か。しかし、ここで限界を越えてこそのヒーロー。頑張れ、焦凍。)」

 

オールマイト「(やはり、緑谷少年が一歩、二歩、先に行っている。しかし、轟少年も良く粘っている。爆豪少年が言うように私が雄英に勤めたのは後進を、次世代の象徴を育てるため。そして、ワンフォーオールを引き継いでもらうためだ。彼らは十分にヒーローとして高い素質を示している。校長からは3年生の生徒を一人推薦されているが、うーむ。なんとも贅沢な悩みだ。次世代の象徴候補がこれほどいるとは、選びきれないぜ。)」

 

なお、この二人は別に一緒に観戦しているわけではありません。

 

ーーーーー

 

なんとかフィールドに戻った轟ではあったが、ピンチは続いていた。幼い頃からナンバーワンヒーローになるための訓練を課せられてきた轟は高い身体能力も有している。また、格闘訓練も怠ってはいなかった。しかし、

 

「緑谷の猛攻が続く!間合いを詰められた轟、防戦一方だ!」

 

出久が折らないよう気を付けているとはいえ、A.Tが履かれ、炎を纏った蹴りを数発防いだ腕はボロボロの状態である。

 

「ぐっ。このっ!」

 

轟は咄嗟に自身の周囲に氷結を展開するも、今の出久はターボソールを発動した状態である。飛び上がって回避し、そのまま空中軌道で轟の後ろに回り込み、

 

「エアフォース。」

 

通常のウィング・スマッシュや、フレイムソール発動時と比べれば威力、範囲は落ちるが人間を吹っ飛ばすには十分強力な風撃が轟を襲う。

 

「おっらぁ!」

 

普段の轟ならば出さないであろう声を上げながら、防御の為の氷壁を展開し風撃を防ぐ。即座に炎で応戦しようとするも、

 

「ガッ!」

 

読まれていたのか、氷壁から身を躍り出した瞬間を狙い撃ちされた。風撃が直撃し、自身が展開した氷に体を打ちつけら、倒れる。

 

「(強ぇ。勝つために攻めなきゃいけねぇのに、気がついたら受け身に回されてる。膨冷熱波も緑谷が操作してる風と炎で、上手く撃てねぇ。渾身の氷結も防がれた。どうする、氷が駄目なら炎で、右がダメなら左で、ひだりで、・・・俺の未熟な炎で、何ができるんだ?)」

 

ダメージも限界に近いのか、なかなか立ち上がることができない轟。ミッドナイトが止めに入るかどうかで悩んでいる中、

 

「轟くん、全力で戦ってみて、どうだい?」

 

試合が始まってから、初めて出久が立ち止まり、轟に話しかける。

 

「なんっ、だ、もう勝っ、た気かよ。俺はまだ、」

 

「でも、まだ君は全身全霊、全力のその先には辿り着いていない。」

 

なんとか立ち上がろうと踠いている轟の返答に被すように、出久が話を続ける。

 

「全てを出し切っても勝てない相手に勝たなければいけない時、ヒーローは、その先に行かなきゃいけないんだ。だがら、まだだ。僕はまだ、君の、轟焦凍の限界の先を見ていない!さあ、立って!かかってこい!」

 

出久はターボソールからフレイムソールに切り替えて、足から伸びる業火の翼より大きくし、構えを取る。

 

轟はそんな緑谷を唖然とした表情で見つめる。そして、一度俯いたかと思えば、膝に手を付き、なんとか立ち上がる。顔を上げた轟の表情は、笑っていた。

 

「勝手なこと言いやがって。ああ、見せてやるよ。限界の一つや二つ、越えてやる。俺が、勝つ!」

 

そう言って、左腕を振りかぶり、炎を纏わせ始める。その炎は勢いよく火力を増していく。本来であれば、もっと炎を収束することで火力に加えつ、破壊力も上げるのだが、今の轟にその技量はない。だから、限界を越えて炎を纏わせ、火力を上げ続ける。その姿は、観客にはまるで、命を燃やしているようにさえ見えた。

 

「いっ、けっ、えっーーー!!」

 

それは、エンデヴァーが扱う赫灼熱拳と比べれば未熟としか言えない一撃。それでも、本来は今の轟が扱えきれる炎ではなかった。コントロールを捨て、ありったけの火力を出久に向けて放つためだけに絞り出したものである。

 

収束率は未熟であるが、火力は十分な炎が真っ直ぐ出久に向かっていく。並のヴィランや上位のヒーローであったとしても耐えられないであろう業火が迫る中、出久の取った行動は実にシンプル、

 

足から炎の翼をはためかせ、迫り来る炎を真正面から迎え撃ち、渾身の蹴りを叩き込む。

 

「スマッッシュ!!」

 

炎と炎が一瞬だけ拮抗するが、

 

「ハァッッ!!」

 

更なる気合いが込められた出久の蹴りが勝った。轟の最後の一撃は出久の横薙ぎの蹴りによって掻き消されるのであった。

 

自身の炎の消失と同時に、轟は背中からフィールドに倒れこんだ。大の字の姿勢で空を仰ぎみる轟の口から、

 

「もう動けねぇや、参った。」

 

降参宣言がされ、

 

「轟くん、戦闘不能!緑谷くん、決勝進出!」

 

ワッ!!!!!

 

激戦の決着に会場全体が沸き立った。

 

「激闘終幕ーーー!勝ったのは、炎と風を操り、終始試合を有利に進めた、緑谷出久だー!」

 

「良い試合だった。轟も、最後の最後まで自身の勝利を信じ、最善を尽くしていた。今回は緑谷が上手だったが、数か月後、もう一度試合をしたら、結果は変わるかもしれんな。」

 

実況解説である、プレゼントマイクはもちろん、相澤ですら声の端々から興奮の色が見え隠れするほど、熱い試合であった。その当事者たちはというと、

 

「大丈夫、轟くん、立てそう?」

 

大の字から、胡坐の姿勢になった轟であったが、

 

「ダメだ。全部出し切ったからなのか、どうにも足に力が入らねぇ。」

 

「そっか。ミッドナイト、どうしましょう?」

 

「それなら、挨拶は無しで、退場しましょうか。轟くんは救護ロボが来るまで、」

 

「それなんですが、こんな状態で我儘なのは承知の上なんですが、できればこの試合は自分の足で戻りたいんです。」

 

「あらそう?でも次の試合もあるし。」

 

「轟くん、僕の肩で良ければ貸そうか?」

 

「ああ、そうしてくれると助かる。悪いな、決勝もあるのに。」

 

「良いよ、これくらい。」

 

出久が轟に肩を貸し、ステージから退場していく。なおミッドナイトは。あまりにもアオハルな光景に鼻血を出していた。

 

ーーーーー

 

会場全体からこれでもかという拍手が飛び交うなか、入場ゲートにたどり着くと、

 

「おう、出久、それに轟、良い試合だったな。」

 

次の試合に備えていた勝己が、ストレッチをしながら待ち構えていた。

 

「ありがとう。カっちゃんも次の試合、頑張って。決勝で待ってるからね。」

 

「ハッ!試合の順番がテメェのほうが先だっただけじゃねぇか。だが、ああ、最高の舞台で叩きのめしてやっから、首洗って待ってろ。」

 

そんなやり取りをする、出久と勝己であったが、轟は勝己に対して、

 

「呼び方、変えたんだな。」

 

と声をかける。勝己は轟に目線を向け、

 

「勝つために全力すら出さねぇ奴は、半分野郎か中途半端野郎で十分だ。だがこの2試合、テメェは全力を尽くした。限界を越えた力を振り絞って戦った。なら、もうテメェは俺が競うべき相手の一人だ。今後もよろしくな、轟。」

 

思わず、感極まって涙が出そうになった轟だが、どうにか我慢し、

 

「ああ。こちらこそ、よろしく頼む。」

 

轟焦凍、準決勝敗退。

 

ーーーーー

 





感想と評価、よろしくお願いします。

体育祭が終わったら学校生活編を書くんだーー。
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