A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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こういう見えない所を書くの楽しいですよね。



第29話 出久と勝己の休日

 

体育祭が終わり、2日間の休日1日目の早朝、というよりもまだ真夜中。

 

本日の夜、爆豪邸にて出久の祝勝会が開かれるのだが、その当の本人はというと、

 

体育祭の疲れはどこへやら、オープンまでまだ数時間はある、とあるデパートに並ぶため、A.Tを走らせていた。

 

「(今日はデパートで生産限定オールマイトフィギュアが発売される。A.Tにお金をかけている分、無駄遣いは出来ないけれど、今回のオールマイトは雄英勤務記念モデル。これを買わずして、伝説の世代は名乗れない!)」

 

別に買わずとも名乗れます。

 

「(事前注文はしてあるけれど、確実に購入するためには、やはり即行動。店頭に可能な限り早く並び、いち早く商品を手に入れる。)」

 

そうこうしている内にデパートに到着した出久がデパートの入口に並ぼうとすると、既に先客がいた。

 

「あ、おはよございます、佐々木さん。」

 

「おはよう、緑谷くん。君なら今回の品を確実に獲得しに来ると思っていたよ。」

 

見るものには分かるオールマイトオタクの服装をした佐々木と呼ばれた男性。

 

「流石佐々木さん、キャップはオールマイトヒーロー活動20周年突入記念シリーズのレアモノ。カバンは有名メーカーがオールマイトとコラボした時に出したもの中で一番高級だったやつ。スーツや革靴は一見オールマイト要素がなさそうに見えますが、オールマイトが身に付けているものと同じメーカー、同じシリーズの色違い、サイズ違い。ある意味一番オシャレだ!」

 

「ふっ、それらに瞬時に気づく観察力、こちらも流石と言わせてもらおう、緑谷くん。だが、まだ甘い。」

 

「え!まだ他にもオールマイト要素が!?」

 

どこだ、どこにある、と佐々木の服装、荷物を確認するが、発見できない。

 

「意地悪な言い方をしてしまったかな。だが、目に見えるモノのみを追っていては真の(オールマイトマニア)強者とは言えないな。」

 

「つまり見えないもの、まさか!?」

 

「そう!このスーツ、なんと裏地はオールマイトのスーツカラーの黄色になっているだ!!」

 

「さ、流石です!佐々木さん!!」

 

「君もスーツを着るようになり、スーツに着られないようになれば、試してみるが良い。」

 

「はい!」

 

なお只今の時刻、朝4時半。デパート開店までの5時間半あったが、彼らはオールマイトに盛り上がり続けた。

 

後少しで開店というタイミングで、

 

「そういえば、緑谷くん。オールマイトトークに盛り上がってしまい、伝えるのを忘れてしまっていたが、体育祭優勝おめでとう。」

 

「え!?あ、そっか、テレビで。」

 

「ふむ、ヒーローとしてこれから活動していくなら、メディアには気を配る癖をつけておくべきだね。道行く人々を見たまえ。昨日激闘を繰り広げた君がこんな所にいるか?という疑念をもちつつ、薄々気づき始めているよ。」

 

そう言われ、周囲を見渡すと、多くの通行人に見られていることが分かった。

 

「あれほどの試合をした上での優勝だ。大したものだよ、本当に。」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

「次の大きなイベントといえば職場体験だろう。君のことだ、心配いらないだろうが、決して驕ることなく研鑽を積んでくれたまえ。」

 

「はい!・・・佐々木さんってもしかしなくてもヒーローですよね?」

 

「ふっ、どうだろうね。あえてここで答えを出さない方がユーモアがありそうだ。」

 

そんな会話をしている内に、開店時間となり、二人は目当てのブツを入手し、互いの帰路に着くのであった。

 

ーーーーー

 

「サンキューな爆豪、昨日の今日でA.T選びの買い物に付き合ってもらってよ。」

 

「ありがとうー!」

 

「マジで色んな種類あんね。爆豪が付き添ってくれて良かったよ。」

 

「おう。それにしても、相澤先生が言っとったが、A.Tは備品として雄英に入るのにお前らは本当に買うでええんか?」

 

A.Tは決して安い買い物ではない。それもあり、勝己はクラスメイトたちが購入するに当たり再三の確認をしていく。

 

「ああ!体育祭で思いしった。これからヒーローとして活動してく上で、機動力は絶対必要だ。雄英の備品も有りだとは思うが、やっぱ自分に合ったヤツで早い段階から慣れておきてぇ!」

 

そう言いながら、A.Tを物色していく切島。その隣で同じく自身のスタイルに合いそうなA.Tを探す芦戸。そして爆豪から説明を聞きつつ、オススメのA.Tから良さそうなモノを選ぼうと検討している耳郎。この3人はA.T導入に先んじてマイA.Tを購入しに、勝己の案内のもとA.Tショップへと来ていた。

 

「爆豪、オススメってある?」

 

種類が多すぎるため、勝己を頼ろうとする芦戸、

 

「芦戸は身軽で、速さよりテクニカルな動きを伸ばすべきじゃねぇかと思う。この辺のボールウィールタイプは上級者向けだが、変則的な動きをするヤツにオススメだ。お前の身体能力なら案外早く慣れるかもしんねぇな。」

 

「へー。」

 

勝己のアドバイスを聞き、芦戸は試し履きし、感触を確かめていく。

 

「爆豪!俺にもオススメ教えてくれ!」

 

「テメェは安定性優先だ。ノーマルタイプか、そこら辺にある四駆タイプが妥当だな。機動力ってのは道路とかの舗装された所以外でも必要だ。それを考慮すんなら四駆タイプを試してみろ。合わなかったらノーマルにしとけ。」

 

「四駆タイプ、四駆タイプ、あ、これか?」

 

「どう考えてもキッズ用だろうが、どアホ!大人用のとこにあるヤツに決まってんだろうが。」

 

「あはは。だよな、スマン。あ、これか?」

 

「早よ試してこい。」

 

「おうよ。」

 

四駆タイプと念のためノーマルタイプを掴み、切島は既にA.Tを試し履きした芦戸と共に、試走コーナーに向かうのであった。

 

「私へのアドバイスとかオススメある?」

 

耳郎が勝己に尋ねると、

 

「あー、テメェ、」

 

「耳郎。」

 

「・・・耳郎の場合、基本的な機動力確保が最優先だな。索敵は自前の個性で十分だろ。てなると後は攻撃力か。」

 

「いや、なんでA.T買いに来て攻撃力の話してんの?」

 

「あ?いるだろ、攻撃力。」

 

「いや、いるけど。」

 

そんな会話を続けながら、勝己はA.Tを物色していく。そして何かを思い出したような表情をしたかと思えば、耳郎の方を一度見てから、

 

「悪い、ちょっと電話かける。」

 

そう言うと、一度店外に出て行ってしまう。

 

「店の中で電話をかけない辺り、アイツの育ちの良さが分かるよね。」

 

自分一人では決められない、と思い切島、芦戸がいる試走エリアに移動する耳郎。そこには生まれたての子鹿のように体をプルプル震わせている切島とそれを指差しながら爆笑している芦戸がいた。

 

「ヒー、面白すぎる!普段、硬くなる切島がメッチャプルプルしてる!」

 

「そこまで笑うんじゃねーよ!ちくしょう、スゲェむずいなA.T。でも、これを自由自在に使えるようになれば、硬いだけじゃねぇ。現場にいち早く辿り着けられるようになる。根性一択だ!」

 

「・・・ヒーー!ダメだ!頑張って気合い入れてるのに、体勢は子鹿のままだ!ウケる!!」

 

「チクショー!今に見てろ!」

 

二人で盛り上がっているため、会話に加わりづらく、少し離れたところから様子を見ていると、

 

「一人で何やっとんだ?」

 

「うひゃぁ!」

 

後ろから勝己に声をかけられ、驚く耳郎。勝己を睨み、文句を伝える。

 

「急に声かけないでよ、ビックリするじゃん。」

 

「今の、俺が悪いんか?まあ良い、ほれ。」

 

そう言って、ノーマルタイプのA.Tを耳郎に渡す勝己。

 

「あ、これがオススメのやつ?」

 

「いや、違ぇ。超一般的な、ザ・初心者が始めるなら、ぜってぇコレってモデルだ。多分雄英もこのシリーズを買うんじゃねぇかな。」

 

「・・・それがオススメ?」

 

「だから違ぇって。さっき発目に連絡したんだが、以前アイツが、お試しで組んだちょっと特殊なA.Tがあんだが、もしそれをバラしてねぇなら、市販品より、お前に合ってんじゃねぇか、って思ってよ。」

 

「え?それってオーダー品になるってこと?私そこまでのお金は用意できないんだけど。」

 

急な展開に驚きつつ、自身の懐事情もあり、心配する耳郎だが、

 

「実質中古品みてぇなもんだからそこまで費用はかからねぇよ。発目も作ったは良いが、俺が使わんかったからむしろ使ってくれて嬉しい、ぐらいのこと言っとったから、気にすんな。」

 

「でも、切島と芦戸は市販品を買うのに、なんか私だけ悪いよ。」

 

耳郎が、やはり断ろうと思った矢先、

 

「良いじゃん、せっかくくれる、」

 

「やる、とは言ってねぇよ。」

 

「んん。合ってるやつを使わせてくれるって言うだからさ。爆豪はそのA.Tが耳郎に合ってると思ったから、提案してくれてるんでしょ?」

 

「ああ。」

 

試走エリアから一人戻ってきた芦戸が、話に加わる。

 

「うーん。よし分かった。その話、乗るよ爆豪。あんま使いづらいとキツいかもだけど、勧めたからには練習付き合ってくれるんでしょ?」

 

「まぁ、慣れるまではな。」

 

「よし決まり!あ、爆豪。このA.T、なんかスッゴイしっくりきた!選んでくれてありがとう!」

 

「おう。それで、切島はどうした?」

 

もう一人、試走エリアに行っていた切島が戻っていないことに気づき、勝己は一緒に行ったはずの芦戸に確認する。

 

「ああ、アイツ?プルプル震えていたかと思えば、急に動き出して、そのまま女の人にぶつかって、ラッキースケベみたいことしてたから、脳天に踵落とし喰らわせて鎮めておいた。大丈夫、試走エリアの外に捨てておいたから。」

 

何が起きたかの説明をす芦戸の目はキマっていた。

 

「お、おう。」

 

「あ、芦戸、落ち着いて。」

 

「ん?耳郎、変なこと言うね。まるで私が落ち着いていないみたいじゃん。私落ち着いてるよ?あ、でもそっか、ゴミを放置するんじゃなくて、溶かしてきた方が、良かった?」

 

「大丈夫!やっぱ、なんでもないから!」

 

勝己、耳郎がチラッと試走コースの方に目を向けると頭に漫画に出てくるような大きなタンコブを生やした切島が気絶しているのが目に入ったのであった。

 

「やっぱ、女は怖ぇな。」

 

「皆んなが皆んなではないけどね。」

 

「おい、芦戸。もし、そのA.Tに慣れたんなら、耳郎の試走に付きやってやれ。耳郎、とりあえず、お前のA.Tは休み明けだ、今日はその一般モデルを試しておけ。」

 

そんなこんだで、勝己、耳郎、芦戸、ついでに切島の休日の時間は過ぎていくのであった。

 

ーーーーー

 

 

 

 





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