A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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最近、アニメを1話から見直しているのですが、序盤の出久や勝己、天哉、そしてオールマイト、あんな感じだったんですね。

1年間での成長がエグイ。

お茶子は初期登場時、地味ヒロイン→暴力系ヒロイン(ビンタ救出)→ゲロイン→共に戦うヒロイン→神ヒロインへと進化しましたね。


第36話 ようこそエンデヴァー事務所へ

 

「ようこそエンデヴァー事務所へ!」

 

「よろしくお願いします!」

 

「お願いします。」

 

多くのサイドキックが所属しているエンデヴァー事務所の中でも実力者であるバーニンが出久と焦凍を出迎える。

 

「それじゃあ到着早々にヒーロースーツに着替えてもらったわけだけど、今日は基本的なヒーロー業務の説明とパトロー、」

 

「いや、即パトロールだ。ショート、そしてマイティヒーロー、デク、で良かったか?出られるな、バーニンも付いてこい。」

 

「は、はい!」

 

出久たちと同様にヒーロースーツを着用したナンバーツーヒーロー、エンデヴァーがバーニンの話を遮る。出久が流石ナンバーツーヒーローの事務所!と内心で感心していると、

 

「えー、いくら息子さんが可愛いからって、もう1人の子を私に預けて自分はマンツーマン指導をしようってんですか〜?それはちょっと緑谷くんが可哀想なんじゃないですか?」

 

「何?どういうことだ親父、じゃなくてエンデヴァー。」

 

「いやバーニン、お前に相手をしてもらいたいのはショートの方だ。」

 

エンデヴァーに対して、話が違う、と突っ掛かっていく焦凍だが、予想していなかった答えが返ってくる。

 

「ショート、最初はお前も俺とデクについてくる努力をしろ。バーニン、お前はショートが俺たちについてこれなくなった時の対応を頼む。職場体験に来ている学生を一人にするわけにはいかんだろ。」

 

「あ、そういう。」

 

「・・・分かった、ついていける範囲はついていけば良いんだな?緑谷と俺の機動力の差は理解している。悔しいが、今の俺じゃ、本気の緑谷の移動についてはいけねぇ。だがよ、そういうアンタはどうなんだよ、決して機動力や感知能力が高いわけじゃないだろ。」

 

戦闘力以外の面でも自分は隣に立つ友人に劣っていることは理解している。しかし、目の前の男とてそれは変わらないのでは、と感じる焦凍だが、

 

「焦凍くん、それは流石に侮りすぎよ。このオッサン、こんな性格で、ファンサなんかも一切しないし、こんな性格であるにも関わらず、」

 

「なぜ性格を二度も指摘した。」

 

「オールマイトを除いたこの国の多くのヒーローたちの上に立ってるのよ。優秀、なんて言葉じゃ説明できない実力を持ってるに決まってるじゃない。」

 

いくら息子とはいえナンバーツーヒーローであり、自分たちの上司でもある男を侮り過ぎている焦凍に注意を入れるバーニン。

 

「(気不味い。)」

 

父+息子+父の部下の会話が繰り広げられる中、肩身の狭い思いをする出久であった。そんなデクの正面に立つエンデヴァー。

 

「デク、お前の風探知とやらの有効範囲はどれくらいだ?」

 

「風探知だけに集中していれば1キロから2キロ、ただ天候や地形に左右されます。僕自身が活動することを考えると500メートル以内であれば精度を維持できると思います。ただ、戦闘になった場合は更に範囲が狭まります。」

 

「いや十分だ。2人とも、事件が起きた際の基本的なヒーロー活動は把握しているな、救助、避難、撃退、この三つが基本であり、トップランカーのヒーローを目指すのであれば、これら全てを網羅する必要がある。ショート、今回の職場体験では常に俺の背中を見続ける努力をしろ。デク、お前は風探知を使用し、事件や事故が発生し次第、現場の方向に迎え。そして可能であるならば俺より先に事件または事故を解決してみせろ。」

 

「(いや、それ優秀な3年生のインターン生、もしくはウチに来た新人サイドキックに出す課題じゃん。しかも1ヵ月以内に達成できたの、私を含めて数人しかいないヤツ。)」

 

出久に求められている内容が異常に高いことに驚くバーニンだが、

 

「探知した場合、エンデヴァーに内容を伝えなくても大丈夫ですか?」

 

「貴様が向かった方向に意識を向ければ自ずと分かろう。確か空中移動も可能だったな。」

 

「はい。ただターボソール、空中移動ができる状態のことですが、発動中は精密な風操作が必要なので風探知の精度がかなり下がります。」

 

「では貴様が思う、俺と貴様が組んで行動する場合の現実的なシステムはなんだ?」

 

「市内巡回でのパトロールであれば、風探知の精度を1キロ前後に固定して行動、A.Tを使用した移動でも十分な速度が出ると思うので事件、事故を感知したらA.Tでのランで現場に向かいます。距離や地形次第では僕の方が早く現着するケースが考えらますが、その場合はどうしますか?」

 

「その場合、事故防止の行動は即実施だ。責任は取る、貴様の判断で動け。ヴィランが出た場合、緊急性を要しない場合は周囲の民間人の避難誘導を優先しろ。」

 

「緊急性がある場合は?」

 

「事故防止と同じだ。このエンデヴァーが責任を負う、好きにやれ。」

 

「同時に複数箇所での事故、または事件を感知した場合は?」

 

「この町はウチのサイドキックたちが常に複数人パトロールしている。場合によってはそちらに連絡だ。俺と貴様が分かれて行動した方が良いと貴様が判断した緊急時は遠慮なく進言しろ。ビルの上などを移動しての巡回を行う場合、先ほどのシステムに変更はあるか?」

 

「その場合、路上よりも精度の高い感知が可能だと思うので風探知の精度を2キロ前後まで引き上げようと思います。ビルの上から風に乗って移動すれば素早く現場に到着できると思います。しかし、ヒーローが巡回している、という予防効果が無くなるので、常にではない方が良いかと。」

 

「うむ。とりあえず今日のパトロールは地上巡回で行う。他に何か質問は?」

 

「エンデヴァー含めた他のヒーローとの連絡手段は?」

 

「事務所で使用している共通の連絡デバイスを貸す。俺、バーニン、ショート、貴様の4人で使用するチャンネル、この現場に出ているヒーローおよび、この事務所の主連絡につながるチャンネルの2つを設定しておく。他には?」

 

「現状は大丈夫です。」

 

出久とエンデヴァーが情報共有および、パトロールの打ち合わせを終わらせるのを見て、

 

「((めっちゃ早口で打ち合わせ完了させやがった。))」

 

そんな感想しか出てこなかった焦凍とバーニンであった。

 

ーーーーー

 

ある事故現場付近、

 

「ハァハァハァッ、クソッ!」

 

「遅いぞショート!デク、今のは、お前が最速で救助に動いていれば怪我人が出ることもなかった、判断が遅い!」

 

「はい!」

 

「フゥー。(だから高校1年生に要求する内容じゃないって。ショート君も決して遅いわけじゃない、というか私のペースにはギリついてこれてる。ただオッサンについていけてるデクくんが異常すぎるってわけよ。)」

 

「(緑谷の探知と機動力が凄いことを分かってるつもりになってた。だが、その凄さを全然分かってなかった。それにエンデヴァーのヒーローとしての凄さも。)」

 

パトロール開始から数時間が経過、焦凍はすでに何度もエンデヴァー、そしてデクの背中を見失っている。

 

「(実際の街中で、人混みを避けながら現場に到着するスピード。あれは、風探知でトラブルを感知した瞬間に最適なコースを判断しているからこそ可能な速さだ。そして、エンデヴァーはその緑谷が走り始めた瞬間には既に並走、場合によっては前を行ってる時だってある。)」

 

エンデヴァーに出久のような便利な探知能力は当然ない。あるのは確かな経験に基づく迅速な判断力である。この男、自身の聴覚、視覚が有効な範囲であれば、完全に出久の前で行動しているのである。

 

「流石ナンバーツーヒーロー!迅速な判断と並列思考、出来ているつもりになっていたけど、ここまで差があるなんて!ッ。」

 

ヒュッ、と事故現場を見物に来ていた人混みから離れようとする一人の女性の前に躍り出る出久。

 

「な、何よ!?」

 

「すみませんバーニン、この女性の持ち物検査をお願いします。多分スリです、それも手馴れた。」

 

「チッ!」

 

舌打ちをした窃盗犯は逃亡を選択したようで、人混みに紛れUターンしようとするも出久に回り込まれ、

 

「行かせません!」

 

「てか、この面子を相手に逃げようとするとか、命しらず過ぎるでしょ。」

 

バーニンの個性である燃髪によってあっさり拘束されるのであった。

 

「デク、今の判断は上出来だ。」

 

「緑谷、今のはお前一人で確保できたんじゃないか?」

 

エンデヴァーが褒める一方で焦凍は出久に疑問を投げかける。もし、回り込みではなく、即確保に動いていればエンデヴァーが出した、彼よりも速い確保を達成できたのではないか、と感じた焦凍だったが、

 

「ショートくん、今の窃盗事件、逃亡される余地さえなければ、私らにとっては緊急性は皆無だったわ。その場合、デクくんが優先すべきは市民の避難誘導よ。このスリに攻撃手段があったかは分からないけど、」

 

バーニンが窃盗犯の荷物を漁ると、そこそこの刃渡があるナイフが出てくる。

 

「こういうナイフを持ってる可能性があるから絶対に人混みに戻すわけにはいかなかった、ってわけよ。まあ!個人的には確保でも良かったんじゃないか、って私も思うけどね!」

 

プロにも認められる判断力。自分の友人がどれだけ先にいるかを改めて実感した焦凍であるが、

 

「(悔しがっている暇なんてない!なりたい自分になるために、今は少しでも長く、コイツらの背中を見続けるんだ!)」

 

それでも決して諦めることなく、初日の職場体験をやり遂げるのであった。

 

ーーーーー

 

夜、エンデヴァー事務所内の宿泊施設にて、焦凍は少しでも疲労を回復させようと、明日の準備もそこそこに、ベットで泥のように眠っていた。

 

「とどろ、あっ、焦凍くんは疲れ切って眠ってしまいました。」

 

「いやー、今日の職場体験はなかなかにハードだったから、そうなるのも当然よ。私は、むしろなんであなたはそんなにピンピンしているのかが本気で不思議よ。(今日一日オッサンのペースについていって、私だってヘロヘロだってのに。明日オフで良かった!)それじゃぁ、デクくんもゆっくり休んで、明日も頑張って!」

 

明日はゆっくりしよ~、と休日に思いをはせながら、帰路につくバーニン。自分も貸し与えられた部屋にいこうとした出久をエンデヴァーが見送る。

 

「お疲れ様でした、お先に失礼します。」

 

「ああ。明日もよろしく頼む。」

 

「はい、失礼します。」

 

宿泊施設に向かっていく出久を見送りながら、エンデヴァーは出久という平和の象徴候補を整理していく。

 

「(緑谷出久、雄英への入試では実技試験で2位、1位はあの爆豪という少年。入学すぐに実施された個性把握テストは無個性でありながら上位の成績。ヴィラン襲撃時はイレイザーヘッドやオールマイト、クラスメイトたちと共闘して撃退貢献、が表向きの情報。実際は対オールマイト用として用意されたという改造怪人を爆豪と二人がかりで足止め、最終的には焦凍、体育祭で焦凍と戦った少女、麗日の4人による連携で、その脳無を撃破。)」

 

フゥ、と息を吐くエンデヴァー。一気読みして疲労が溜まっている目をマッサージし、次の資料を読み進めていく。

 

「(体育祭では第一種目、第二種目ともに2位。そして、最終種目で優勝。無個性でありながら、これだけの結果を残しているのは、エア・トレック、通称A.Tを使用し、炎や風を個性に見劣りしないほど精度と威力を発揮することができているからだ。またA.Tを自由自在に扱うことができる身体能力、と操作。)大したものだな。」

 

今日一日ともに仕事をして分かったこと、それは緑谷出久のヒーローとしての能力は、戦闘力以外の分野でも突出しているということ。

 

「(彼が職場体験、そして今後の雄英での授業やインターンなどを経て経験を積んでいけば、素晴らしいヒーローになれるだろう。焦凍は運が良いな、彼、いや彼らか。彼らと共に学び、競い合えるのだから。)」

 

読んでいた資料をしまい、改めて体育大会でのオールマイトとの会話を思い出す。

 

『俺も、他のヒーローも、協力する。その巨悪とやら、次の世代に背負わせず、片付けるぞ。』

 

「彼らに、重荷を背負わせるわけにはいかん。だが、次の世代を育て上げるのもまた、現役ヒーローの役目か。」

 

ナンバーツーヒーロー、事件解決数史上最多、エンデヴァーは決意を新たにするのであった。

 

ーーーーー

 

翌日、

 

「今日は事務所にて、ヒーローとして活動する際の事務的な仕事、待機中にすべきことなどを確認していく。」

 

「いや、昨日との落差凄すぎないか?」

 

「職場体験だし、サイドキックの業務はもちろん、独立したヒーローの中での業務を知るのも職場体験で大切なことだと思うよ。それに、」

 

「そもそも、雄英の方から職場体験の一週間で現場の泥臭い部分や、現場以外の仕事もしっかりと体験させるように、と依頼もきている。オニマー、すまんが打ち合わせ通り、今日はショートとデクの面倒をみてやってくれ。」

 

「はい。ということで、よろしくな二人とも。」

 

「「はい。(落差が。)」」

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

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