A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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短いです。


第38話 悪も保須市へ

 

ヴィラン連合アジト

 

「かつて、俺はヴィラン狩りをしていた。」

 

ヴィラン連合のメンバーが集まるバーにて、ステインは語る。

 

「だが活動中、ある人物との出会いを通じて理解したのだ。ヴィランよりも罪深いのは、覚悟を持たぬ、英雄紛いども、であると。」

 

「ステイン。あんたの言う、英雄紛い、の基準ってのなんだ?」

 

ステインの語りに興味を持ったのか死柄木とスピナーは真剣に話を聞いており、荼毘は質問までしていた。

 

「覚悟を持たぬモノたちだ。己を飾ることで己だけでなく世間をも欺き、自身が英雄ではなく、ただの人間である事を隠しているモノたちだ。」

 

「ん?その理論だとヒーロー全員が粛清対象か?まさか顔出ししてる、が基準じゃ無いだろ。」

 

「いや、オールマイトのように真の英雄でなくとも良い。人間とは危機に、死の淵に立たされた時、その在り方が出る。」

 

「アンタの被害者に生き残ってる奴がいるのは、それでか。」

 

「じゃあ、なんで保須市にこだわる?これまでのアンタの行動パターンを読めば、次も保須市に現れる、ってヒーローたちは予想してるだろうに。」

 

ステインと荼毘の間に死柄木が割り込む。

 

「フッ、俺は世に言う、思想犯、だからな。いつかオールマイトに殺されるその日まで、己のあり方を貫くのみだ。」

 

話は終わりだ、とでも言うように死柄木たちに背を向けるステイン。

 

「では、保須市に戻してもらおう。」

 

「ステイン。ボコして連れてきた俺が言うのもなんだが、無理はすんなよ。」

 

「じぁあなステイン。アンタの考え、勉強になったよ。」

 

別れになると思ったスピナー、荼毘が声をかける。

 

「ステイン。生きていたら、いずれ俺が壊す世界を見てくれ。」

 

「ああ。真の英雄に倒されるか、はたまたそれすら打倒するかは知らんが、信念をもって進む貴様らの道行に幸がある事を願っておく。」

 

「ハッ!ありがたいこって。黒霧、ステインの保須市への転移を。」

 

「本当によろしいのですか、死柄木弔?」

 

「いいから、さっさとしろ。」

 

「では。」

 

黒霧がワープゲートを発動し、ステインは再び振り向くこともなくゲートの向かう側へと消えていくのであった。

 

ザザッ、

 

「弔、彼のような大物のヴィランを味方につけてこそ君に、ヴィラン連合に箔が付くというものだ。ここは一つ、彼の援護をしてあげてはどうだい?」

 

アジトにあるスピーカーから声が響く。

 

「先生よぉ、それは無粋ってもんだぜ。ステインは信念も持って動いてんだ。ここで俺らが手助けすんのは、アイツの覚悟を汚すのと同義になっちまう。だからよぉ、余計なことするなよ。」

 

ドッッッ、

 

どのアングルから観ているか分からないが、確かにこの部屋を監視している、先生と呼ばれる男、オールフォーワンに向けて弔は威圧を込めて警告する。

 

「フッ、フハハハハ。なるほど、なるほど。分かった、彼を味方に付けるのは諦めるとしよう。だがね、弔。君が僕の言うことを聞かずに勝手に動くように、僕だって君の言うことを聞かなければいけない理由はないんだぜ。」

 

ブツッ、

 

スピーカーからの音が止む。

 

「・・・どうする、死柄木?」

 

「ここで、俺らが保須市に向かっちまったら、それこそ先生の狙い通りになっちまう。」

 

「まあ、先生って奴の横槍はなんとかなんだろ。俺が確保してる情報だと、エンデヴァーと例の緑谷出久が保須市に向かったらしい。」

 

荼毘の言葉を聞き、一瞬驚いた顔をした死柄木だったが、その顔はすぐに笑顔に変わり、

 

「ハッ!流石はヒーロー側の同類。大きな事件に引き寄せられてでもいんのかね。」

 

死柄木は椅子から立ち上がり、

 

「さぁて、ステインのことはステイン自身と、同類たちに任せて、俺らも俺らで準備するか。荼毘、例のブローカーに会える段取りはつけてくれてんだろ。」

 

「ああ。リーダーに会いたいっていう、変態的な人材が何人かいるらしいぜ。」

 

「そりゃぁ楽しみだ。夏あたりに派手な花火をあげたいんだ。今は入念に準備を進めよう。」

 

死柄木が完全な主体となったヴィラン連合、行動開始。

 

ーーーーー

 

「ドクター、動かせる脳無は何体だい?」

 

「ふむ。前回ほどのスペックを持っとる奴は流石にまだおらん。今すぐに動かすとなると、力と再生力だけなら上位並みの中位が1体、通常の中位が1体、あとは下位が4体といったところじゃな。」

 

「全部、僕が使っても大丈夫かい?」

 

「できれば中位1体だけ残してもらえると嬉しいのう。面白い改造のアイディアがあっての。上手くいけば上位に届くレベルになると思うんじゃ。」

 

「・・・分かった。では残りの5体を借りていくよ。ステインくんの仕事がし易いように、あの街、保須市を混乱の渦に陥れるためにね。」

 

「ステインのためと言うたが、ただの嫌がらせじゃろ、死柄木弔への。」

 

「いやいや。僕が脳無を街に解き放つことでステインくんの仕事がやり易くなるのは事実さ。まあ、最近とっても反抗的な弔への意趣返しが無い、とは言い切れないけどね。」

 

ニィ、と笑うオールフォーワン。

 

「弔は何やらエンデヴァーやあの石ころである緑谷出久に期待してるみたいだけど、そう上手くはいかないさ。」

 

悪意の塊、オールフォーワン、行動開始。

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

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