とりあえず発目を出したいが為の回です。
「あー、一旦麗日建設は横に置いておこう。そうすると問題は爆豪ご夫妻と緑谷さんの安全の方か。」
「そんな!ことも!あろう!かと!」
デデン!ババン!!ダダン!!!ゴドン!(三度ポーズを決めた後に物を置く音。)
「私のベイビーたちが、今、輝きます!!!」
「「「おおー。」」」
パチパチパチパチ、
満を持して登場した明を、引子と爆豪夫妻が拍手で迎える。
「なんであんなテンション高いんだ?」
「メタ的な話になっちまうが、登場すんのが、第31話ぶりなんだよ。」
「ん?第46話に出てなかったか?」
「あれは回想シーンだからノーカンなんだろ、きっと。」
「マジか、年跨いでるじゃないか。」
「ああ、だからあのクソ高いテンショ、」
「勝己さん、今度からA.Tの整備有料にしますよ。」
「深海よりも深く反省してます。」
「爆豪!?」
「発目が整備を人質にする時は本気でキレてる時だ。今の俺に謝り、へりくだる以外の選択肢は存在しねぇ。」
「あ、出久さんはグッスリ眠ってますが、私が作成したA.Tへい、・・・A.Tガードロボがしっかり守ってます。」
「おい、今アイツ兵器って言いかけなかったか。」
「今の俺に発目の話題を振るなよ先生。なるほどガチの人質を取られるとこうなんのか、参考になるぜ。」
「そんな新たな学び、今はいらんだろ。」
ツッコミ不足で過労になりそうな相澤だったが、
「では、そのガードロボが今回役に立つ、ということか?」
空気を読まず、エンデヴァーが話を進めてくれる。
「はい!サポート科の呂母先輩が作った新型仮想ヴィランロボを参考に、私のA.T技術、サポートアイテム技術を参考に制作したA.T兵器ガードロボ!」
「おい、結局兵器付けたぞ。」
「ガードするために兵器乗せたロボなら良いだろ。」
「良いのか?」
「その名を、『コーラルQ2号』です!!」
ドドン!と登場したのは子供が落書きで描いたロボットが、そのまま現実に現れたかのようなデザインのロボットだった。ちなみに小さく、色は赤い。
「・・・もう、どこから突っ込んで良いか、分からん。」
手で顔を覆ってしまった相澤。
「あん?2号だぁ?1号はどうした、って出久のガードしてんのか。」
「その通りだ。流石は爆豪、頭が良いな。」
「おう。1号のことは、そのままコーラルQって呼んでんだが、お前はなんて呼べば良いんだ?」
「2号で構わん。いつの日か開発者発目にバージョンアップしてもらい、名前をコーラルZに改名してもらえたらデュフォーと呼んでくれ。」
「なんでZ、なんでデュフォーなんだ?」
「数字の2に似ているだろ、Zは。デュフォーの所は仕様だ。」
「ツッコミ仲間だと思っていた教え子がコミカルなロボと普通にコミュニケーション取ってる。しかもあの感じ、いるであろう1号とも面識ありそう。」
もうどうすれば良いか分からない、といった感じで狼狽える相澤。
「そのロボのデザインは置いておくとして、性能はどんなものなのだ?」
「置かないでください、エンデヴァー。」
「はい!コーラルQ2号の足と腕には・・・」
そこから発目によるコーラルQ2号のスペック解説が行われ、
「・・・つまり、コーラルQ2号の戦闘力は炎・風抜きの緑谷と同等程度。その真価は常に情報を収集、更新し続け、未来予知に匹敵する演算処理能力、未来予測ということか。」
「はい!周囲の監視カメラや衛星すらハッキングして危険が迫ってないかを演算、常にトラブルに備えます。トラブルが発生した際は速やかに対応、必要に応じて通報、撃退を行います!電子戦は私も本職ではなかったので、以前出久さんに紹介していただいた本職のハッカーさんに協力していただきました。」
「(ツッコまんぞ。後、緑谷、なんで知り合いに発目を超えるハッカーがいるんだ。)」
「なるほど。発目、といったか。」
「はい、発目明です。」
「その緑谷の知り合いに、ハッキングは犯罪だと伝えておいてくれ。」
「分かりました。」
「(どういう流れの会話してんだコイツら!)あー、エンデヴァー。発目のハッキングはスルーで良いんですか?」
机を思いっきり叩きたい衝動に駆られる相澤だったが、寸前で踏みとどまることに成功し、頬を引き攣らせながらも冷静に話を振る。
「ヒーローが言って良いのか分からんが、必要悪だろ。貴様とてアングラヒーローとして活動していた際、グレーなことをしたことがあるだろうに。」
「返す言葉もございません。」←ヴィジランテで結構ムチャしてた人。
「発目少女、一つ良いだろうか?」
ここまで黙っていたオールマイトが静かに手を挙げ、発目に質問をした。
「(良し。平和の象徴、頼むから流れを変えてくれ。)」
相澤は期待の眼差しをオールマイトに向けるが、
「どうしてもコーラルQ1号の性能が気になるんだ、解説をお願いしても?」
ウンウン、とエンデヴァーを含めた保護者勢も同調する。
「勿論です!」
「(今じゃ!ねぇ!だろ!)」
我慢の限界を迎えかける相澤だったが、保護者たちがいる手前、渾身の理性で我慢し切るが、
「(不憫だ。)」
空気に徹していたベストジーニストからは哀れみの視線を向けられるのであった。
ーーーーー
コーラルQ1号。外見は2号同様に子供が落書きで描いたロボットのようなデザイン。
戦闘力も2号同様、炎・風なしの出久と同レベル。戦闘用で作ったわりにはパッとしないのは、コーラルQ1号の真価が合体変形ロボだからである。
発目が制作したサポートアイテムなどを追加装甲として身に纏うことができる。また専用の追加装甲もあり、オールマイトなみのサイズのアーマーを纏ったα型、アーマーを纏い下半身が超大型A.Tになった高速移動が可能なβ方、USJを襲撃した脳無からアイディアを得て制作した全身を弾力性の強いゴム製のアーマーで包んだγ型などがある。
なおβ型と模擬戦を行った出久と勝己は、見事に背後を取られ、本気で凹んでいたそうな。
ーーーーー
「あ~、となるとコーラルQ2号とその子機が爆豪夫妻の護衛として着き、コーラルQ1号が緑谷さんの護衛に着く、ということでよろしいでしょうか?」
「ええ。話を聞く限り、問題ありません。よろしくね2号くん。」
「僕も在宅の仕事増やして、君の負担を減らせるようにするよ。」
「よろしく頼む。」
「私も後でQくんに改めて挨拶しとかなきゃ。」
「面識、お有りなんですね。1号の方と。」
「ええ。でも明ちゃんは良いの?Qくんいなくなると明ちゃんの護衛がいなくなっちゃうんじゃない?」
「一応、メカバルカン300がいるんで大丈夫です。校内は安全ですし、私生活もお茶子ちゃんに連行されない限りはほとんど雄英にいますし。」
「おい。また新しい名前が出てきたぞ。何者だメカバルカン300。」
「呂母先輩の新型仮想ヴィランロボを参考にする前に作った子なんですが、サイズが小さいので言語機能なんかもついていません。」
話しながらカバンの中から小さな、これまた子供が工作で作ったようなデザインロボが現れた。
「・・・コイツも緑谷なみに強かったりするのか?」
「いえ、バルカンは近接戦闘が出来ません。雄英入学前に作った子なので、」
「(流石に雄英の設備なしでは大したものは作れないか。)」
「敵を自動ロックオンして銃弾サイズになった、出久さんたちが使うエアフォースを300発連射できるくらいです。」
「大したもんだな!」
「あと接近戦出来ねぇとか言ってるが、俺らを相手には、ってだけだからな。ヒーロー科の接近戦タイプじゃねぇ奴らとのタイマンなら普通に勝てるぞコイツ。」
「十分強いじゃないか!!あいつ等だって雄英のヒーロー科なんだぞ。」
「あ、コーラルQ1号には子機がないのでメカバルンルン300を引子お母さんにお渡ししておきますね。」
「バリエーションまであるんかい!!」
「先生落ち着けって。発目の作品にいちいちツッコミ入れてたら文字数がエグイことになる。」
「ふーふー。いや、すまん、落ち着いた。」
「ついでにメカバルカンっていう無印の量産型もいる。」
「もう勘弁してくれ。」
最終的にゲンナリ顔で机に突っ伏してしまう相澤であった。
ーーーーー
「緑谷出久と爆豪勝己の家族?そんなもの、今は捨て置いてくれ。」
魔王再起動。