キャラを減らしたり、増やしたり、技名を一つ変えると前の話編集し直したりと。小説書くのって難しいですね。
出久たちが、雄英で入試を受けている時間帯、別の場所でも戦いが繰り広げられていた。
鳥久のマネージャー「鳥久さんマズイですって!雄英に乗り込んで、試験中止にして、緑谷くんたちをショーA.Tの世界の引き込むって、個人的には大賛成ですけど、倫理的に、やっぱマズイですって!捕まりますよ!』
鳥久「構わない、構わないわ!A.Tの輝ける未来のため、あの才能たちをヒーロー業界なんぞに持ってかれるくらいなら、私は人生を賭けられる!!」
「止めろー!全員で止めろー!こいつギャグ抜き、本気で突撃する気だぞ!」
鳥久拡女、なんか作者に気に入られ、ちょくちょく出てくるA.T大好きウーマン、今日も大暴れ。
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「ママさん、ママさん。なんで今日はずっと私を監視してるんですか?あとなんでパソコン、スマホが禁止なんですか?」
「だって明ちゃん、インターネットが使える状況になったら雄英ハッキングして、お茶子たちを観戦、必要ならそのまま手助けとか始めてまうやろ?」
「はい!始めますね!!」
「だめやで〜、だから今日はずっと一緒。この後、お昼は、明ちゃんの好きなもの食べに行こうな〜。」
「ママさんのごはんが一番好きですよ?」
「それは嬉しいけど、お父ちゃんだと娘たちに甘くて、監視緩めてまうからダメ。今日は明ちゃんから目を離さんで。」
「(信用ないな、オレ。)」少し凹んだ麗日パパであった。
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「いいんですかね、息子たちが受験の真っ最中にカフェでお茶なんかしてて。」
「いいの、いいの。あの子たちが落ちるなら、だれが受かるんだ、ってくらい、ヒーローしてる子達なんだから。やり過ぎたりしなれば大丈夫よ。」
「・・・やり過ぎない、でしょうか。」
「それだけが心配よね。」
緑谷ママ、爆豪ママ、優雅にカフェ→ショッピング。(緑谷引子、出久が小学校時代にA.Tと出会い、『これを使えば、僕もヒーローになれるんじゃ。』となっていたため、昔の体型をある程度維持できてる。)
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「おいスター、こんな時間にパソコン開いてどうした?」
「ん〜?頼んだら将来有望なヒーローの卵の誕生を見せてもらえるってことで、雄英の高校入試を見てるんだよ。」
「雄英ってオールマイトの母校か、なんだ、凄いやつでもいたか?」
「ああ。私を、マスターすら超える可能性を持った卵たちがいたよ。」
「ハハっ、そいつはすげー。本当ならアメリカでも活躍してもらいたいもんだな。」
スターのジョークだと思い、軽く流す同僚たちを尻目に、スターは画面を見る。そこには、1年と半年前、遊んであげるつもりで相手にし、最後には本気になってしまい、ましてや本気の自分にそれぞれ一撃ずつ、叩き込んできたあの二人(その後、ボッコボコにしてやったが)の姿が映っていた。
「(さあ、ボーイズ。成長した姿を見せとくれ。)」
アメリカ最強が、いずれ自分の高さまで登りつめ、追い抜いていく可能性を持った卵たちを、遠い地から見守っていた。
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実技試験会場AとD、模擬市街地、その両方の中心部で、出久と勝己は奇しくも似た作戦を実行していた。
「コイツラ、ヨクモナカマヲ。」
「カコメ、カコンデタタケ。」
お互い、速度を維持しつつ、道中現れた仮想ヴィランの内、点の高い、つまりリーダー格のロボのみを確実に撃破して中心部まで移動。
出久の場合、そこで一度、威力よりも派手さに重きを置いた技でヘイトを稼ぐ。
「フェニクス・スマッシュ、トルネード!」
出久は某A.Tダンサーの要望でも使用した、自身を中心に炎の竜巻を発生させる技を、威力弱め範囲広めで繰り出し相手に獲物の位置を把握させ、近寄ってきたものから確実に撃破していく。
勝己は爆破の回数をセーブしつつ、それぞれのロボに一撃を入れただけで破壊はせず、A.Tの移動と最小限の爆破でロボたちを広めの交差点まで、円を描くように誘導していく。そして
「クラスター・エクスプロージョン(パンッ)。」
勝己の拍手と同時にロボに付着していた粒状の爆汗が同時に爆ぜる。
確実に点を稼いだ二人、
「(今ので僕の予想する上限ポイントは稼いだ。)」
「(こっからロボどもから点を稼ぐのは悪手だ、リスクがデケェ。)」
「(他の受験生の救助、連携、避難誘導。)」
「(向いてねぇ自覚はあるが、やるしかねぇ。)」
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出久と別れたお茶子は
「その表現やめてもろて良い?」
べっ別行動をとったお茶子も、確実にポイントを稼いでいく。
「(仮想ヴィランがロボで良かった。どんどん弾を増やせる。)」
最初の一体はA.Tを履いた蹴りで粉砕、そのロボをゼロ・グラビティで浮かべ、A.Tで発生させた風で他のロボへと叩き込む。
「ジャンク・メテオ、エアフォース!」
「ギャ」
仲間の成れの果てを叩き込まれ行動不能になる別のロボ。新たな残骸を新たな弾とし、また新たな残骸を生み出す。お茶子の後ろには個性と風によって空中に維持されたロボの残骸が、まるで兵士のように付き従う。それらを引き連れて行動するお茶子の姿は、本人は否定するだろうが、正しく女王だった。
ただし、
「大丈夫ですか!?」
なんとかポイントの高いロボを倒したは良いが、その崩壊に巻き込まれ、身動きが取れなくなっていた別の受験生に近寄り、個性を使って救助した。
「大丈夫ですか?立てますか?」
「えっえぇ、ありがとう、助かりました。あなたも試験受けてるのに、ごめんなさい。邪魔をしてしまって。」
「大きな怪我はなさそうやけど、無理なら避難してな。」
「ええ、悔しいけど、もう無理そう。あなたは頑張ってね。」
「うん、ありがとう。あっちのルートが安全のはずやから、気をつけて。じゃあ!」
お茶子はその性格から出久たちのように救助をポイントてして気にしているわけでもないにも関わらず、救助の評価を稼いでいく。そして、
「あの子がヒーローになったら絶対ファンになろっと。」
その行動でファンも獲得していた。
ーーーーー
脚を怪我し、蹲り、周囲の戦闘に身を竦ませている受験生がいた。
「(くっそ、やっぱり僕の個性じゃ雄英の実技試験は無理かよ。)」
戦闘音が近づいており、巻き込まれるかもしれない、と不安を感じていると、
「オイ、肩貸してやっから立てや。」
別の受験生から声をかけられる。
「ほっといてくれ、僕はっヒッ!?」
同じ受験生を相手に弱い態度を見せたくないと思い意地を張ろう顔を向けた所、
「てめぇ、そんな状態でこんなとこいたら下手したら死ぬぞ。」
ヤンキー座りをしたクッソ目つきの悪い受験生に睨まれた。
「この状況だ、とりあえずビルの壁沿いまで移動だ。てめぇ個性は?」
「え?」
「てめぇの個性はなんだって聞いてんだよ!」
「受験生同士の個性の詮索はマナー違反で、」
「あぁ!?」
「はい!個性はガス。ピンク色の有毒ガスを発生させて操作したり、ガスの揺らぎで感知なんかもできます!」
「・・・良い個性もってんじゃねーか、毒はどこまで操作できる?」
「え?あ、マックスでガスは吸うと麻痺してすぐ動けなくなるくらいが、
「そっちじゃねぇ、どこまで毒性を落とせる。」
えーとほぼ無毒に、ただガスなんで長時間吸いすぎると危ないです。」
「上等だ、おいモブガス。」
話しながらも移動し、壁沿いまできた時に、ヤンキーが提案をしてきた。
「(・・・モブガス)はい。」
「俺の指示通りにガスを動かせ。ヒーローになる気があんなら、人を救けてみせろ。」
ーーーーー
指示は、
「ガスを拡げて、テメェと同じように身動きが取れてねぇ奴らを軽くガスで包め。」
「その色だ、目立って他の受験生も気づくし、ロボのセンサーの邪魔ぐらいにはなんだろ。」
「あと、テメェみてぇに身動き取れてなさそうなやつ、引っ張ってくっから厚めのガス張って、壁件目印にしとけ。いいな?」
ッシュッボン!!
「はっはい。」
こちらの返事を聞く前に、そのまま、ヤンキーは別の受験生の救助に行ってしまった。
言われた通りにする理由はないが、それでも、
「ヒーローになる気があんなら、人を救けてみせろ。」
この言葉が頭から離れず、僕は行動を開始する。
ーーーーー
「(一番最初に救けた奴が、良い個性持ってたのはラッキーだった。)」
勝己自身は元々、片っ端からロボに弱攻撃を当てまくり、他の受験生の戦闘補助と連携を考えていたが、それでは救助ととして成り立たない、とも感じていた。
戦場を見渡したところ、開始5分が経過し、行動不能になっている受験生も多くおり、行動不能者の救助に作戦を変更。その最初の救助者が先ほどのモブガスである。
「(あいつが救助者に目印をつけてくれれば、より早く救助することができ・・・)へっ。」
勝己の後方からピンク色のガスが広がっていき、一部の生徒に付近で濃くなり、目印としての役割を果たし始めて。
「ナイスだ、モブガス!」
他受験生との連携と、救助。その両方を達成するも、慢心することなく勝己は行動を続けていく。全ては幼馴染を超えるために。
ーーーーー
緑谷出久は走っていた。元々、誰かのために、困っている人、救けを求めている人の所に考えるよりも先に体が向かってしまうたちである出久にとって、戦場で救けを必要としている人を見つけることに、困難はなかった。
ッザ!
「大丈夫ですか。動けますか?ここは危ないので、安全な所に移動します。抱えるので力を抜いてください。」
ズガン!!
「落ち着いて!、今そのロボのメインの武器の腕を壊しました。対処してください。」
ゴウ!!!
「気をつけて!個性を発動した先に別の受験生がいないかよく見て!」
倒れている受験生がいれば駆け寄り、苦戦している受験生がいれば手助けし、個性の狙いが逸れて別の受験生に向かった攻撃を炎の壁で防ぐ。
緑谷出久は走っていた。そしてその心情は、
「(不謹慎だけど、たまらなく嬉しい。無個性だと分かって、ヒーローにはなれないって思ったあの日、正直諦めた。自分が誰かの、みんなの救けになれる存在になることを。でも今は!」
途中から口出していることも気づかず、緑谷出久は誰よりも戦場を駆け回っていた。
ーーーーー
ラスト数分
ギミックが動き出す。
ドーーーーン!
ビルを粉砕しながら0ポイントの仮想ヴィランが現れる。
「いや、」
「流石に、」
「あれは、」
「「「「「デカすぎるだろーーーーー!!!!!」」」」」
ほとんどの受験生は、その常識外のサイズと破壊力に恐れ慄き、避難を開始する。
「(あれは無理だ。避難が最優先!)」
講堂で出久を注意したメガネをかけた受験生はギミックと称された0ポイントヴィランを見て、あれは受験生が相手にできる設定ではない、と判断。撤退の選択肢を取った。
その他の受験生たちも我先に、と距離を取っており、自分の判断が間違っているとは思わなかった。
0ポイントヴィランに背を向けると同時に、自分の横を通り抜けたいった、二人の受験生の姿を見るまでは。
「(な!?)」
二人の受験生、一人は自分が講堂で私語を注意した受験生、もう一人はその受験生と移動のバスで親しげに会話をしていた女子。その二人が真っ直ぐ0ポイントヴィランに向かって駆けていく。
「お茶子さん、僕ごと飛ばして!」
「オッケー、牽制は任せて!」
そんな会話が繰り広げれるのを見ながら、頭上を影が通る。
「(新手か!?)」
と見上げると、そこには大量の仮想ヴィランの残骸が浮かび上がり、強風によって運ばれていた。
「な、なんだーーーー!?」
あまりの光景に驚いていると、怒涛の展開が続いていく。
ーーーーー
大量の瓦礫を操作しながらお茶子はゼロ・グラビティと風の力で空中に浮かび、同じく飛び上がっていた出久を巻き込みながら、
「いくでデクくん、ジャンク・ストーム、エアフォース!!」
お茶子の蹴りから発生した強烈な風と共に大量の瓦礫が0ポイントヴィランに殺到していく。直撃時にゼロ・グラビティを解除していないため牽制にしかならないが、進撃を続けていた巨大ギミックの足が止まる。そして、本命につなげる。
お茶子によって打ち出された出久は空中で姿勢を変え、足を0ポイントヴィランに向け、高速回転を始める。回転による摩擦がA.Tに熱を生み、竜巻状の業炎となって出久を包む。本来、今の装備の出久では、この技は地上でしか繰り出すことができない。空中での加速が足らず火力が出ないからである。今回はお茶子との連携もあり、高い位置にある0ポイントヴィランの顔面にこの技が届く。
「フェニクス・スマッシュ、パイルトルネード!!」
炎の竜巻そのものになった出久が、まるで龍のように0ポイントヴィランに突っ込み、その巨体を揺らす。
「(あの巨体をグラつかせたのか!?)」
戦況を避難せず見守っていた。メガネをかけた受験生、飯田天哉は出久とお茶子の連携の威力に、またまた驚愕させられる。
しかし、出久の技には続きがあった。
「く、ら、えぇーーーーー!!!」
出久を中心とした炎の竜巻が直撃し、出久渾身の蹴りが炸裂した直後、出久は更に自身の体に回転を加える。炎の竜巻は出久から離れ、0ポイントヴィランの顔面を凄まじい勢いで吹き飛ばし、その巨体は後方へと倒れていった。
ーーーーー
「(なんて威力だったんだ。)」
出久とお茶子、それぞれの攻撃の威力に言葉も出ない飯田だが、
「(だが、なぜ彼らはわざわざギミックである0ポイントヴィランに攻撃を?必要ではない攻撃はヒーローあるまじき行為のはずだが。)」
出久たちの行動に疑問を感じたが、その疑問はすぐ解消された。
「大丈夫ですか?」
「怪我ありませんか?」
0ポイントヴィランの進行先には3人の受験生がいた。
「ありがとう。本当に、どうなることかと思ったよ。」
「すまん、救かった。恩にきる。」
「アリガトヨー。」
口元にマスクをした巨体の受験生(あのロボのサイズを見た後、小さく感じてしまうが)は女子の受験生をその腕に抱えていた。
「試験中、この子が気絶するのが見えてな。救けに行こうとした直後にギミックが登場してしまった。」
もう一人は鳥のような頭をしており、その足元からは影が実体化していた。
「うむ、俺も気づいて向かったは良いものの、アレを止められる気がしなくてな。正直救かった。」
「ヨルナライケタゼー。」
そんな会話を遠くから聞いていると、
「終〜了〜!!」
実技試験終了の合図が流れてきた。
受験生たちがヘロヘロになりながら、ゲートに向かっていく中、飯田は思考を続けていた。
「(改めて考えると、この試験、撃破ポイントだけで評価した場合、戦闘力だけを受験生に求めるというは一番ヒーローあるまじき行為。ならば彼らの救助行動はおそらく評価される。なるほど、僕もまだまだなんだな、兄さん!)」
出久たちの行動の正しさに気づき、自身のいたらなさにも気付いた飯田天哉は意識を切り替え、帰路につくのであった。
ーーーーー
時間は戻って、ギミック登場直後の実技試験会場D
勝己はモブガスこと瓦斯島(ガスジマ)マキと共に0ポイントヴィランの登場を見ていた。
「あれはヤバいですよ、いくらあんたが強くても撤退するしかないですって。」
0ポイントヴィランが引き起こす破壊を見て、瓦斯島はビビリまくるが、
「おい、ガス野郎。試験始まって何分だ。」
「大体8分です。」
瓦斯島マキ、すでに勝己からの質問には簡潔に答えるよう調教済みである。
「あの速度で約2分なら、ここに届いちまうな。」
「そうですよ!だから一刻も早くここから離れてっ・・・て、あ。」
そこで気づく。周囲を見渡すと、自身を含め足を怪我して早くは動けなかったり、恐怖で座り込むものや、なんなら気絶しているものもいる。
「さっ流石に試験なんだから、ここで逃げ遅れて大事になったりなんか、
「だろうな」
・・・だったら。」
「(だったら、なんでこれままで一番ヒーローらしい顔してんだよ。)」
瓦斯島は理解する。こういった奴が、いずれトップヒーローになるのだと。いや、トップヒーローどころか、あのオールマイトすら超えて、ナンバーワンになるのでは、とさえ思い始めた。
「ガス野郎、お前は周りに声かけて、少しでも良いから離れてろ」
ッボ、ボボボーーーーン!
軽い爆破で空に上がったかと思えば、これまでと違い、腕全体から爆発の発光が起こり、あのヤンキーは一瞬でかき消えた。そして、気付いたら0ポイントヴィランの前まで移動したいた。
「(だから返事くらい聞けって。)」
心のなかで呟きながら、瓦斯島も行動を開始する。
「動ける人は動けない人の補助を!ゆっくりで良い、少しでもここを離れましょう!戦闘の余波で瓦礫が飛んでくるかも」
ドーーーーーン!!!
「・・・えぇーー、瞬殺かよ。」
ーーーーー
一瞬で移動した勝己は、眼前の0ポイントヴィランから意識を逸らさずに、先ず上空から状況の確認を行う。
「(逃げ遅れている奴は・・・いねーか、なら後はなるべく瓦礫もでねぇ技で)ブッ飛ばすだけだよなぁ!!」
ここまで慣れない救助活動を続けたストレスを目の前のギミックにぶつけに行く。
粒だった爆汗を同時に複数爆破させることで攻撃の威力や爆速をあげる技をクラスターという。今回放つのは、手のひらの中心に爆汗を集め、強力な貫通力を持たせた中遠距離技、
「A.Pショット、ブラスター!!!」
通常のA.Pショットとは段違いのサイズになった円柱状の爆破が0ポイントヴィランの頭部を打ち抜いた。瓦礫を飛び散らせるとこもなく、0ポイントヴィランはその行動を停止させた。
そして、勝己が地面に着地するのと同時に、
「終了〜!」
試験が終わった。
「(ポイントも予想上限までとった。救助や連携も、俺にできる最良をやれたはずだ。)」
自身の実技試験中の行動を振り返りながら、先ほどまで行動拠点にしていた、負傷者たちを集めた位置まで戻ってきたところ、ほぼ全員が避難せず、そこに留まっていた。
「あぁ?テメェら、避難しとけって、つったろうが、何残ってんだよ。」
「いや、あまりにも瞬殺だったもんだから、逃げる前に終わったんだよ。」
周囲の思いを代弁して、瓦斯島が勝己の声に答える。
「とりあえず、お疲れ様。あんたは絶対に合格だな。」
「たりめぇだ。俺はただ合格するだけじゃねぇ。あのクソナードに勝って入試成績1位を取るために全力を尽くした。合格は当然なんだよ。」
「(クソナード?)ああ、あんただったら入試どころか、いつかオールマイトすら超えて、No. 1ヒーロにだってなれるさ。」
実技試験の後半だけの、数分間の付き合いだが、それでも、そうなる可能性がある、と感じさせるほど、今日の勝己はヒーローだった、それ故の瓦斯島の言葉であったが、
「・・・あんがとよ。」
素直な思いが込められた、賞賛の言葉に勝己は短い礼で返した。
「オラ、本当に動けないやつ以外は立て、ゲートまで移動すんぞ。動けねぇ奴らはどうせロボあたりが救護班として来んだろ、そいつらに運んでもらえ。」
「さっきまでの実技でロボがトラウマになったんですが、どうすれば良いですか?」
「・・・ガス野郎にガスで包んでもらって視界潰しでもしとけ。」
「あれ確か毒ガスですよね!」
勝己がゲートまでの移動を指揮しているのを少し離れた位置から見ていた瓦斯島だが、
「(ヒーロー科落ちたら、行かないつもりだったけど、普通科でも良いから雄英、行こっかな。)」
実技試験中、もしくはそれよりも前から心に溜まっていた澱んだものは、綺麗さっぱり消えてなくなっていた。
一人物思いにふけっていると、
「おいガス野郎、行くぞ。」
勝己が瓦斯島に肩を貸し、ゲートへと進み始めた。
「大丈夫です、痛みはありますが、もう一人で歩けますから。」
痛みはあるが、自分の何倍も戦っていた勝己に肩を貸されるのを遠慮しようとしが、
「いいから黙って借りとけ。肩を貸すって最初に言ったのは俺だ。あとは、・・・礼だ。」
「礼?」
「テメェが救助者に目印をつけてくれたおかげで、救助がかなり楽になった。周り見てみろ。」
「周り?」
周りいるのは自分同様、何かしらの怪我をしていたり、実技試験中に戦意喪失または、気絶していた受験生である。
「こいつらは、テメェが行動したおかげで今以上の怪我をすることなく、ここにいる。良くやったよ。」
周囲からも、
「サンキューな。」
「気絶してたから分かんないけど、救かったー。」
「かっこよかったぞ。」
などと声をかけられる。
「っっっ!!」
言葉も出ないとはこういうことかっ、と思うほど、自分でも信じられないくらいの感動が溢れてきた。
「あの」
「あ?」
「名前教えてもらって良いですか?」
「爆豪勝己だ。いずれオールマイトを超え、ナンバーワンヒーローになる男の名だ。覚えておけ。」
「はい、覚えます。あの勝己さん。」
「あぁ、まだなんかあんのか?」
「舎弟募集してますか?」
「してねーよ!人をなんだと思ってんだこのやろう!」
そんな、コントのようなやり取りをしながら、実技試験会場Dの爆豪勝己、瓦斯島マキ、他両名に救けられた受験生多数は無事、帰路についたのだった。
ーーーーー
「というのが、本日のお茶子ちゃん、出久さん、勝己さんの実技試験の内容です。いや〜、みなさん私が作った、またはメンテしたベイビーたちをしっかりと使いこなして、大活躍でしたね。」
「明ちゃん。」
「はい、なんでしょうママさん。」
「なんで雄英高校の実技試験の映像がウチにあるん?今日はスマホもパソコンも禁止の約束しーひんかったっけ?」
「はい!そうなることは事前に予想できていたので、昨日のうちから準備を済ませて、録画だけにしておきました。リアタイは諦めました。ママさんと観戦もしない、って約束したので!」
「あらそう〜、ハッキングは?」
「しました!」
「明ちゃん。」
「はい!」
「明日私と、お買い物。私が明ちゃんに着てほしい服を私が満足するまで着てもらいます。」
「拒否権は!」
「ありません」
そんなやりとりがあったとかなかったとか。
ーーーーー
次回予告
互いに全力を出し合い、雄英高校の入試は無事終了。
後日、僕らのもとに結果が届く。僕とカッちゃんの中学最後の戦いの結末は!
僕のヒーローアカデミア 炎の英雄 第5話「オレが1位だ」
さらに向こうへ、プルスウルト・・・これ結末でてるじゃん。「へっ」
瓦斯島マキ(ガスを撒き散らす)くんはヴィラン連合のマスタードくんです。
また、原作読み返したら、青山くん、飯田くん以外にも常闇くん、障子くんも同じ実技試験会場にいたので登場してもらいました。青山くんは今の出久の場合、関わる瞬間がなかったので未登場ですが、個性の未所持の出久が雄英に来たら彼のメンタルどうなんだろ、って感じではあります。
エアフォースは今作ではお茶子がメインで使用します。ただ出久となんなら勝己も普通に使えます。
クラスターやブラスターの解釈はあくまで私個人のものです。間違ってたらすみます。
次の話も頑張るので、応援よろしくお願いします。