A.T使ってガチバトル   作:ken4005

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第63話 I・アイランド編①

 

I・アイランド空港出口

 

雄英高校も無事(無事?)に1学期が終了し、僕らヒーロー科も晴れて夏休みを迎えた。

 

僕こと緑谷出久と、カッちゃん、お茶子さん、そして明さんは、体育祭優勝、サポート科コンペ優勝の景品として技術の祭典Ⅰ・エキスポへの招待状が送られたため、世界各国の最新技術が集まり研究されるI・アイランドにやって来た。

 

「ワーターシーがー、I・アイランドに来たーーー!」

 

さらに引率、では無いけれど、同様にⅠ・エキスポへと招待されていたオールマイトも、共にI・アイランドにやって来ている。なんなら移動はオールマイトの専用機に相乗りまでさせてもらった、ウヒョー。

 

「わーたーしーがー、I・アイランドに来ましたーーー!」

 

そして珍しく普段着に近くなってきた作業着姿ではなく、雄英の制服をしっかりと着用した明さんがハイテンションで雄叫びを上げていた。

 

それにしても、

 

「良いなぁ、明さん。オールマイトと一緒に登場シャウト!」

 

「デクくんも混ざれば良いんとちゃう?」

 

隣にいるお茶子さんが素晴らしいことを提案してきたけれど、

 

「そんな!僕なんかがオールマイトと一緒に登場シャウトするなんて、そんな畏れ多いことできないよ!」

 

「(デクくん、その畏れ多い相手の顔面蹴り飛ばしたり、一本背負いからの脳天落とし、しとったけど、それはええんかな?)」

 

「オイ、出久。発目を回収してこい。あのままだとオールマイトのファンにモミクシャにされるぞ。」

 

「あ、ヤバい。明さーん!」

 

その後、脱出が間に合わなかった僕と明さんは、オールマイトのファンたちにモミクシャにされました。

 

ーーーーー

 

人混みから退避し、一目が少ないエリアに移動した一同。

 

「ふー。いやー、エライ目にあった。」

 

ハハハハハッ!と笑って誤魔化そうとするオールマイトをジト目で睨む勝己とお茶子。

 

「オールマイト有名人なんやから、気を付けてくださいね。」

 

「時間の無駄だ、無駄。」

 

「ま、まぁ二人とも。ファンからしてもオールマイトと会える機会なんて滅多にないんだら。」

 

「きゅ~。」

 

フォローに回る出久であるが、モミクシャにされた結果目を回している明を抱え、疲労感を露わにしている状態である。

 

「いや、ほんと、なんか、すみません。」

 

流石に申し訳ないことしたな、とオールマイトの巨体が猫背になっていった。

 

「つかよ、マッスルフォームでなく、ガリガリの状態(出久、勝己はこの姿を頑としてトゥルーフォームとは呼ばない)でいりゃぁ楽なんじゃねぇんか?」

 

勝己なりの気遣いの言葉をオールマイトに伝えるが、

 

「いや。実は昔馴染みこれから会うんだが、案内してくれる人は私の事情を知らないからね。もうしばらくマッスルフォームを維持するよ。」

 

「マイトおじ様~!」

 

そんな会話をしていると、遠くからオールマイトを呼ぶ声が近づいてきた。

 

「マイト?」

 

「おじ様?」

 

出久とお茶子がオールマイトを見る。

 

呼ばれた当人は満面の笑みとなり、両腕を広げ、

 

「メリッサ!」

 

オールマイトにメリッサと呼ばれた少女はホッピングのような道具を使って近づいてきおり、その道具の勢いのまま飛び込んできた。

 

「おお、メリッサ!お転婆なのは相変わらずだが、立派なレディになったな!」

 

「お久しぶりです、マイトおじ様!」

 

出久たちの前で、自分たちよりも少し年上に見える女性がオールマイトとハグをしている。

 

「この女性がオールマイトの昔馴染みの方?」

 

「んなわけあるか。その昔馴染みの娘かなんかだろ。」

 

出久の呟きに対し、勝己が的確なツッコミを入れる。

 

「あら、皆さんマイトおじ様のお連れの方々?」

 

周囲の視線に気が付いたのか、メリッサは出久たちへと向き直る。

 

「始めまして。私、メリッサ・シールド。父がマイトおじ様と昔馴染みで、」

 

「メリッサ!シールド!」

 

「きゃっ!?」

 

ガバッ、とこれまで目を回していて明が急に再起動し、出久の腕から抜け出し、メリッサの下へ駆け寄った。

 

「あなたがメリッサ・シールドさんですか!?」

 

「え、ええ。そうね、父が有名ですから私のことも、」

 

「お父上も尊敬すべき発明家ですが、私は、何よりアナタにお会いしたかったです!」

 

「ご存知なんですねって、え、私?」

 

ガシッ、っとメリッサの手を両手で握りしめた明の目は、まるで長年探していた財宝を見つけた探検家の様にきらめいていた。

 

「ハイ!アナタです、メリッサ・シールドさん!アナタの論文、公開されているものは全部読みました。何なら一般にまだ公開されてない論文もハッキングして読みました!人体を保護し、動きへの支障は最低限。それでいて強度はオールマイトの超パワーにすら数発は耐えうるという素晴らしい補強サポートアイテム、あれは素晴らしい発明です!Ⅰ・アイランドに到着して直ぐアナタにお会いできた幸運に感謝です!私の名前は発目明、雄英高校サポート科1年です!明と呼んでください。」

 

「明さん、色々とオープンにし過ぎだよ!あといつも言ってるけど、ハッキングは、」

 

「ええ、よろしくメイさん!改めてまして、メリッサ・シールドよ。そうよね!その人の論文を全部読んでから、ハッキングをかける所までがセットよね!」

 

「犯ざ、いです、けど、本人が良いなら、良いの、かな?」

 

真面目そうなメリッサのまさかの反応に固まってしまい、出久は勝己とお茶子にヘルプを求めたが、

 

「知るか、ボケ。」

 

「ノーコメントやね。」

 

ソッポを向かれ、苦笑いされ、二人とも我関せずのスタイルであった。

 

出久は、見捨てられた!と涙目になるのであった。

 

「ですです!メリッサさんのサーバーへのハッキングはなかなか突破できず、プロテクトを突破することよりも、論文を読むのを優先し、メリッサさんのサーバーは後回しにして、Ⅰ・アイランドのサーバーにハッキングをかけて読ませてもらいました!」

 

「まぁ、凄い!Ⅰ・アイランドのサーバーへのハッキングの方が大変じゃなかったかしら?」

 

「ええ、確かに強度はⅠ・アイランドのサーバーの方が強固でした。ですが、メリッサさんへのハッキングは個人でしかけると心に決めていましたが、Ⅰ・アイランドへはヘルプを頼んでも良いかな、と思い、知り合いに手伝ってもらいました。」

 

「優秀なハッカーの方をご存じなんですね!羨ましいわ。私も、アメリカが極秘開発している素材のデータを知りたくてアタックを何度かかけたけど、なかなか上手くいかなくて。」

 

「でしたら協力しましょう!もし、私が今取り組んでいる研究を手伝ってくださるのであれば、私と私の友人の超強力ハッカーがメリッサさんにご協力します!」

 

「本当!それはうれし、」

 

「ん゛ん゛!メリッサ、他の皆にも紹介の機会をあげても良いんじゃないか?後、会話がどんどんヤバイ方向に行き過ぎておじさん本気で心配しちゃうよ。」

 

あまりにあんまりな会話に冷や汗を流すオールマイトは、強制的に明とメリッサの会話を打ち切った。

 

「す、すみません、私ったら。はしたない所をお見せしてしまって。」

 

メリッサはついさっきまでの自身の言動を思い出し、顔を赤くして恐縮した様子で頭を下げる。

 

「あはは。こちらこそ、うちの明ちゃんがすみません。私、麗日お茶子。雄英高校ヒーロー科1年です。」

 

「僕は緑谷出久です。同じく雄英高校ヒーロー科1年です。」

 

「爆豪勝己、ヒーロー科1年だ。」

 

タイミングが来たので、出久たちもメリッサに自己紹介をしていく。

 

「雄英高校ヒーロー科ってことは、皆マイトおじ様の教え子で、将来有望なヒーロー候補なのね!」

 

「ああ。それこそ、未来の平和の象徴候補たちだ。」

 

メリッサの言葉に自信満々の様子で補足を入れるオールマイト。

 

「メリッサ、発目少女と話をしたい気持ちも分かるが、先にデイブの所に案内してもらって良いかい?」

 

「あ、ごめんなさい、マイトおじ様。今ならパパは研究室にいるはずだから案内するわね。」

 

メリッサは案内を始めようと背を向けるが、直ぐ振り返り、

 

「メイさん、マイトおじさまとパパは積もる話もあるだろうから、案内が終わったら、是非ゆっくりお話しましょう、私の研究室で!」

 

「勿論、是非、喜んで!」

 

凄まじい勢いで意気投合していく二人に、出久、勝己、お茶子は不安を募らせていく。

 

「大丈夫、同じ発明家やから話が合うだけで、きっとメリッサさんは明ちゃんよりヤバないはずや。」

 

「・・・。」

 

ガシッ!っと無音でこの場から離れようとしていた勝己の腕を出久が確保する。

 

「どこに行こうというんだい、カッちゃん?」

 

「離せ、出久。マッド×マッドはヤバい、って計算式が成り立つんだ。俺は一人で観光してからホテルに行く。」

 

「「却下。」」

 

お茶子も加わり、勝己の意見を封殺する。

 

「クソが!」

 

「いやー、予想外の展開すぎてビックリだよ。」

 

ハッハッハッ、とオールマイトの乾いた、少し不安そうな笑い声がI・アイランドに響き渡るのであった。

 

 

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