とりあえず、次回は入学準備からクラスメイトへの挨拶、個性把握テストまでは行きたい。
ただここ数日、仕事ほっぽって小説書いてたので。少し間があきます。
あと、原作エアギアネタを削ったはずなのにオリエアギアネタが溢れててしまった。
、、、でもやっぱりアメリカ編について書いてる時が一番楽しいかもしんない。
雄英高校、職員用会議室
そこにはヒーロー科に関わる雄英高校の職員が集まり、入試合格者たち、つまり次年度入学生たちの能力確認および事前評価を行なっていた。4月から1年生の担任を持つ予定になっているイレイザーヘッドやブラドキング、入試で全体の運営を行なっていたプレゼントマイクはもちろん、試験中全体の監視や救護ポイントの評価を行なっていたミッドナイトや13号やセメントスといった面々も顔を揃えていた。そして当然、
「皆、今日も忙しいなか、ありがとうなのさ。」
雄英高校の校長、個性ハイスペックを持ったハイスペックねずみであり、世界の個性教育に今なお多大な貢献をし続けている偉人、根津校長も参加している。
(なぜ原作でAFOはこの人を放置していたのか本当に謎である。やはりahoなのか。)
「昨今、ヒーロー飽和社会などと呼ばれるなか、我が雄英高校は優秀な人材を育て、社会に明るい未来を届ける責務がある。だからこそ、新しく入学してくる生徒たち、その中でも今回は前回同様ヒーロー科の生徒たちの能力や性格の確認と、その共有に重点を置くのさ。すまないが長い会議になるだろう、よろしく頼むよ。」
「校長、時間がもったいない、どんどん始めていきましょう。」
イレイザーヘッドこと、相澤消太が会議を進めていく。
「前回の会議でヒーロー科1年のA組、B組の簡単な方向性を決めましたが、念の為、今日の会議を進める前に再度確認しておこうと思います。」
「うむ、俺が受け持つB組は原則として、個性を制御する際に細かい操作性が求められる生徒たちを主に在籍させていく。俺が操血で培ってきた個性の操作技術をしっかりと教えていこうと考えている。」
ブラドキングこと管赤慈郎が自身のクラスカラーについて述べていく。
「そして、俺のクラスには個性が万が一暴走してしまった場合、その身に、または周囲に危険が及ぶ可能性が高い生徒を優先的に配置する。そういった生徒には俺の抹消が必要不可欠だ、加えて。」
チラ、と相澤が根津に視線を送る。
「加えて、相澤くんのクラスには性格に難が、この場合、強烈過ぎたり、気弱だったり、変態だったり、パターンは色々あるが、ヒーロー科に合格できたとしても、ヒーロー適正に疑問が残るものたちも担当してもらう。彼らへの矯正は、相澤くんなりのやり方でやっていってもらうのがベストだと、私は考えるのさ。」
根津が説明を引き継ぎ、A組のカラーの補足を行う。
「「「(変態の入学は止めるべきでは。)」」」
常識ある教員たちならそう思う。
「先日の会議では、芦戸、麗日、口田、常闇、耳郎、の5名は確定でA組。泡瀬、回原、黒色、小大、小森、吹出、円場、角取、鱗、柳、凡戸の11名がB組確定という話になっていたわよね。A組に配置されている口田くんと耳郎さんなんかはB組でも良さそうだけど、理由はなんだったかしら。」
18禁ヒーローという高校にいて大丈夫なのか?と一番言われそうだが、面倒見の良さから生徒たちからの人気が高いミッドナイトが疑問を口にする。
「「「(いや、これが教育現場で許されているなら、変態なんぞ許容範囲か。)」」」
「あんたら、後で覚えてなさい。」
「口田も耳郎も現状の個性の状態なら問題ありませんが、ここから先、個性の急成長があった場合を考えての判断です。」
相澤がミッドナイトの質問に返していく。
「口田は動物に指示を出すだけでなく、向こう側の声が聞こえてしまう場合が起こりえます。あの手の個性は簡単にトラウマができちまう。耳郎は単純に「聞く」個性なんで、聞こえすぎるようになってしまう可能性があります。その万が一が起きた時のためにA組へと配置しました。現状B組に配置されている黒色や小森、凡戸にも急成長の危険性はありますが、彼らの場合、早い段階から細かい操作技術を学んでおくことで、暴走が起きた場合に自身で対処できる成長を促す選択をとっています。」
「オーケー、把握したわ。でも改めてみると、現状で人数がかなりB組に偏っちゃったけど調整できそう?」
ハーー、と相澤が大きなため息を吐き、
「それが調整できそうなんですよ。今年は実力が高かったり、個性が強力だったりしても、性格に難がある奴らが多いんです。さっきの口田も実はその一人で、奴は根が優しすぎる、と中学からの調査書で読み取れます。ヒーローは強い心をもってもらわなきゃならん。」
相澤が指導において優先しているのは、能力だけでなく素質。そこには心の持ち方や考え方も大きく関わっている。
「他にも蛙水、麗日、障子、そして推薦入試組の八百万、こいつらはヒーローとして性格が優しすぎる可能性が高い。厳しい言い方をすれば、心を鍛えなければヒーローとしてやっていけない可能性が高い。だからこそ、俺が厳しく指導し、ヒーローとしての精神を叩き込んでいきます。」
「そうだなぁ。ヒーローの世界は厳しい、優しい心を忘れろとは言わんが、時には厳しい現実が待っている。心の強さを持っていなけりゃ、やっていけるもんじゃねーかんな。」
プレゼントマイクこと山田が過去を振り返りながら、相澤の言葉に相槌をうつ。
「さらに、青山、飯田、上鳴、変態・・・間違えた、峰田、そして推薦組の轟、こいつらは今一度ヒーロー適正を持っているのか改めて確認し、必要があれば除籍する考えでいます。」
ヒーロー科合格者に対し、相澤は厳しい指摘を続けていく。
「たしかに轟くん、推薦入試の時もすごい顔してたものね。でも彼、エンデヴァーの息子さんでしょ、大丈夫?」
「関係ありません、俺のクラスに入ったのであれば、必要な矯正、指導を与えていくだけです。飯田に関しては真面目過ぎていつか自分の首を絞める恐れがあります。柔軟さを身につけてほしいんで、本当は骨抜と一緒のクラスになってほしいと思ったんですが。今回は推薦組二人に矯正が必要そうな生徒がいるので断念しました。そういうことでブラド、B組の推薦組は取蔭と骨抜の2名で良いか?」
「問題ない、むしろ二人とも細かい個性操作を教えれば伸びるタイプのはずだ。任せろ。」
「他の生徒も順次決めていきたいと考えているが、今日は先にもう一つ確認しておきたいことがあります。校長良いですか?」
「うむ。今回の実技試験の上位3名、爆豪くん、緑谷くん、麗日くんに関して、今日は話していきたいと思う。」
来た、っと会議室にいる全ヒーローが今最も話題になっている3人の話に耳を傾けた。
「爆豪、緑谷、麗日の3名は全員エア・トレック(A.T)を装備して試験を受けました。3人とも装備の事前申請はしっかりと出しており、爆豪と緑谷は市販品をカスタムしたものを、麗日は同居している友人、ああ、今年度サポート科に過去最高の評価で合格した発目明のオーダーメイド品を使用しています。どれも違法な改造はされておらず、むしろ違法改造なしでどうやってあの性能を出しているのか、逆に疑問なくらいです。」
相澤から進行を引き継いだセメントスが説明を進めていく。
「セメントス先生もA.Tつかっているでしたっけ?」
ブラックホールという必殺の個性を持ちながら、災害救助専門のヒーロー13号が、個性セメントという汎用力マックスの個性を持つセメントスに話しかける。
「むしろ宇宙を題材にしている君が使ってないのが不思議なんだが。はい、私、セメントスこと石山もA.Tは趣味の範囲で使っています。しかし、私のような一般ライダーと比べて、彼らのレベルは別格、というより異常というべきでしょう。」
「まあ、確かにこの結果は異常だよな。あんまA.T詳しくねーからわかんねーんだけどよ。ここ数年、A.Tを履いて試験受けたやつはそこそこいたが、ここまでの能力は発揮してこなかったろ。」
山田が資料に書かれている試験結果を読みながら呟く。
「A.Tは確かに強力です。一切カスタムしていない状態の市販品ですら、飛ぼうとすれば5〜6mほどの高さまで飛ぶことができ、最高速度も時速80キロはでます。彼らはカスタムしているのでそれ以上のスペックが出せます。しかし、それ以上に彼らの異常性は風の掴みかたです。」
「風の掴み方?」
ほとんどの教員が理解できない、という顔をする。
「これは都市伝説レベルの話になるのですが、A.Tの走法を極めると、ある特定の、道と呼ばれる特殊な走法を使えるようになると言われています。そしてその中でも一番目撃情報が多いのが風の道なんです。風の道に至るとA.Tを使って突風を発生させたり、空中を走ることすらできるようになると言われています。当然ですが、個性なしで。」
「「「「「・・・そんなばかな〜〜〜。」」」」」
教員たちが半信半疑な反応を返していると、
「爆豪勝己、個性は爆破、連続で爆破を使用し、その反動で空中を移動することも可能。だが映像を確認すると、あきらかに爆破を使っていない、または爆破の反動が切れているにも関わらず、空中を移動、旋回している場面が多々映っている。」
相澤が勝己の資料及び映像を見直し、発言する。
「麗日お茶子、個性ゼロ・グラビティを使用して、瓦礫から重さを無くしていたわね。ただ、そこからさらにどうやったのかは分からないけど、風を起こして大量の瓦礫を一斉に動かし、さらにそれらを蹴りから発生させていると思われる突風で攻撃に転用する戦法をとっていたわ。」
ミッドナイトがお茶子の試験での行動を確認する。
「・・・それぞれの個性の応用ってことは?」
ブラドが相澤に質問する。
「この二人の場合は可能性がないことも無いが、最後の一人は全く説明がつかん。」
ああ、あいつか、とヒーロー全員が一人の生徒を思い浮かべる。
セメントスが説明を続ける。
「先ほども言いましたが、A.Tを極めることで至れる道、その数は不明でどんな道が存在しているのかも謎です。しかし、今のところ風の道以外で実在が確認できているもう一つの道が、炎の道です。確認といってもネットの映像とかなんですが。まあみなさん分かると思いますが、A.Tを使って炎を発生させられるらしいのです。」
相澤が勝己と同様に、出久の受験時の情報を説明する。
「緑谷出久、試験開始の合図と同時に飛び出し、入口から模擬市街地中心まで移動。その道中の仮想ヴィランは3点のもののみを狙い撃ち。その際、足には炎を纏っていた。中心部では自身を中心に炎の竜巻を発生させ、ロボを中心地まで誘導、その後それらを撃破。ロボの撃破数がちょうど100点になってからは、他の受験生の救助、援護に加えて、流れ弾から他の受験生を守るなんてことまでやってのけている。極めつけは、0ポイントの仮想ヴィラン相手に先の麗日お茶子との連携技ではあるが、炎の竜巻を纏った直接の蹴りを叩きこみ、これを撃破。ついでに申請上、こいつは無個性だ。」
シーーン。会場全体が静かになる。
「ついでになんだがね。」
「まだなんかあるんすか校長!」
「入試の数日前、アメリカの、スターアンドストライプから雄英に依頼があった。」
「スターアンドストライプって、あのアメリカ最強、ナンバーワンヒーローの?」
そこまでのビッグネームが出てくるとは思っていなかったため、流石の相澤も驚いた表情に変わっている。
「気になるヒーローの卵たちがうちの入試を受けるからライブで雄英の実技試験を見せてくれ、というものだった。アメリカ政府からは、あまりワガママを言わないスターアンドストライプからたまに出てきた要望だから叶えてほしい、ということだった。我々としても特に断る理由はなかったから許可を出したんだが。」
「・・・だが?」
「後日、彼女が見ていたログを確認したところ、主に、爆豪くん、緑谷くんの両名、あとは麗日くんを中心的に、というかほぼその三人しか見ていなかったのさ!」
「なんと。」
「いったいどこでスターアンドストライプ、アメリカのヒーローと関わりが。」
「そこで、気になって、昔の伝手を使って色々と調べてみたのさ!」
「なるほど、流石校長。」
「仕事がはえーぜ。」
「実は昨年度の夏、ある日本の科学者とその家族がアメリカのヴィラングループに襲撃されるという事件があったのさ。」
「?」(かんけいあんの?)
「その際、色々あって、科学者は無事脱出したが孫ともう一人、一般人の男の子がアメリカまで誘拐されてしまったんだ。」
「??」(大事だ、だが今の話との関係は?)
「その孫というのが、先ほど少し話題にでた発目明さん、そして誘拐された一般人が爆豪くんさ!」
「!」(マジか!)
「その救助に向かったのが、発目くんの祖父である発目工次郎博士と緑谷くんと麗日くんなのさ!」
「!!」(大マジか!)
「なんやかんやあって、無事二人を救出すること自体は成功したんだが、そのヴィラングループにはアメリカ政府高官も所属していたらしく、5人は指名手配、アメリカのヒーローにも追われる身になってしまったらしい。」
「!!!」(大事どころか国際問題!)
「情報は非公開だったが、秘密裏に一部のヒーローに連絡が入り、後ろ暗い部分のあるヒーローたちや、アメリカの暗部的なヒーローの襲撃、当然組織のヴィランからの攻撃もあったらしい。」
「!!!???」(何で生きてんだあいつら!?)
「その過程で、別のアメリカ政府高官が怪しい動きに気づき、更にその話を小耳に挟んだスターアンドストライプが勝手に街に繰り出し、変装して買い出しをしていた緑谷くんたち4人(博士は移動用の車で待機)に接触、彼らが悪人のわけがないと判断し、ヒーロー側の動きを抑えてくれたらしい。」
「????!!??」(だんだんと話についていけなくなってきている)
「その後、色々あって事件は解決、無事疑いも晴れ、帰国しようとしていた5人のもとにスターアンドストライプが再訪、なぜか緑谷くんと爆豪くんと模擬戦を行い、良いのを一発、いや二発か、入れられ、その後ボッコボコにして飛行機に詰め込んで日本に帰したらしいのさ。いやー、動画にまとめてポップコーン片手に聞き直したい内容だったのさ、HAHAHAHA!」
「(あ、校長が壊れた)っじゃなくて、いや端折りすぎだろ!大事なとこわかんねーよ。決戦は、決戦はどうなった。」
「そんな青春まったなしの内容、絶対にラブがあったわ、ラブが。もっと詳細を。」
「あの、みなさん、一旦落ち着いてもらって良いですか?」
セメントスが困った(あの顔でも意外と感情が分かる)顔で割り込む。
全員が一度落ち着き、会議の姿勢に戻る。
「あー校長。先ほどの件ですが、もしかして、A.T関係も関わってますか?」
「なんだ、知ってるのかセメントス?」
相澤が知っているならなぜ話さなかった、と視線を送るが、
「おそらく、その襲撃事件で発目明の父親と母親が殺害されています。優秀な発明家兼A.T開発者だったので覚えてます。ただ当時一部のネットニュースやSNSだけで報じられ、その後、続報もなかったので知らない方のほうが多いと思います。」
あまりも理不尽な内容にヒーローたちは怒気をあらわにするが、話し合いは進む。
「襲撃の裏にアメリカの政府高官が関わってたんなら情報操作なんかもあっただろうな。」
「そう。正しくそのA.Tがこの騒動の原因だったらしい。その政府高官はA.Tを使えば個性と関係なしに、最強の軍隊が作れる、と考えてたらしい。」
「なるほど。」
全員が納得しようとするが、ふとあることに気づく。
「ちょっと待ってください。これまでの話に納得はしましょう。そういう事件があった、ということは分かりました。しかし、それと無個性である緑谷、そして爆豪、麗日の3名のあの異常な戦闘力の説明がつきません。なんなら今の説明で余計に謎が深まった。」
全員が相澤の言葉に頷いていく。
「つまりアイツらは、老人の博士一人とその孫を守りながら、ヴィラン組織、プロヒーローを相手に逃げ切ったってことでしょう。」
「正確には全員が合流してから2週間の逃亡、そして、最終的に捕まって脱出して戦って壊滅させたのさ!」
「更に深めないでください!!」
もともと海のように深かった謎が、深海に突入するレベルの謎になってしまった。
「相澤くん。」
根津校長も落ち着き、真剣な表情で相澤に話しかける。
「なんでしょう。」
相澤も真剣な表情で返す。
「改めていうが、私が今述べた内容は確かな線から得た確実な情報だ。つまり、どうやってかは分からないままだが、彼らはすでに戦闘力だけならプロヒーローを凌駕する力を持っている。」
「はい。」
「しかも、その力は道具とはいえ個性に頼るものではない。そんな彼らではあるが、その行動は一貫して誰かを救けるために使われている。」
「(そうだ、試験の時も、さっきのアメリカのとんでも話の中でも、アイツらが力に振り回されたり、悪用したなんてことは無かった。)」
「彼ら3人、いや発目くんを入れて4人が抱えているものは現状の私たちでは全てを把握はし切れない。しかし、だからといって教師が生徒のことを理解しようとすることを諦めてしまえば、それは我々教育者の敗北と言って良いであろう。だからこそ、彼ら3人は君に託す。彼らを立派なヒーローに導いてあげてほしい。」
そういって根津校長は大きな負担を強いるであろう相澤に対して頭を下げた。
相澤は頭をかきながら、
「頭を上げてください校長。アイツらがどんな過去を持っていようが、俺のクラスに所属するのであれば、俺の生徒です。心配されなくてもしっかりと導いてみせますよ。ただし、素質なし判断した場合、容赦なく除籍しますがね。」
「それは問題ないのさ。どんどんやってくれたまえ。」
どたばた騒ぎの内容になってしまったが、会議もある程度進み、その日は解散となった。
ーーーーー
「相澤くん、すまないが少し残ってくれたまえ。」
会議室を出ようする相澤を根津校長が呼び止めた。そしていつの間にか来ていたリカバリーガール(治癒の個性を持った雄英の柱と呼べる存在の一人)とオールマイトだけが会議室に残っていた。
「はい、なんでしょう。まだ何か。」
「ああ。今から話す内容は雄英内では、ここにいる私とリカバリーガール、そしてオールマイト以外には、これから話す君しか知らない内容だ。口外は一切禁じる。良いね?」
あまりにも真剣な、いや深刻な表情をする校長の話を相澤も真剣に聞く。しかしその内容はあまりにも、
「バカな!戦闘データや経験、記憶さえも、脳に無理やりインストールすることで、戦闘力を再現。過去に存在したA.Tライダーの力を無理やり行使させることを可能にするシステム。そんなもの、倫理的に存在して良いはずがない!」
ヒーローとして、教師として、決して許すことのできないシステム。だが、まだ先があった。
「加えて、力の使い方を分かっても身体機能が追いつかない、技術も経験も、本来は体に覚えさせて使うものだ。しかし、そのシステムは使用者の命を燃やすことで、それを可能にするらしい。」
「なっ、なんですか、それは。」
「しかし、そのシステムが無ければ、あの5名は間違いなく、命を落としていただろう。」
「先ほど、アメリカの裏事情に詳しい友人と連絡を取った。例の事件、最終的に多くのヒーローが殉職するほど、大きな戦いにまで発展していたらしい。そして彼らは渦中どころか、その中心で戦い続けていた。」
オールマイトからも説明が続くが、納得などできるわけがない。
「あいつらの体は?」
もし今も命を代償に戦っているのだとしたら、今すぐにでも止めなければならない。自分の教師人生を賭けてでも。
「一応あたしが入院している発目工次郎博士から話を聞いてきたよ。なんでも調律っていう技術があるらしくてね。A.Tと体の動きのズレを無くすことで、体への負担を限りなく0にすることが出来るらしい。過去のダメージは体に残ってはいるが、後遺症はない、私もカルテを確認したから安心おし。」
病院関係者にも顔が効くリカバリーガールの言葉に少し、安心する。
「(調律のやり方も聞いたが、今のこいつにいうと別方向で暴走しそうだから、やめとくかね。)」
この判断が後にどたばた騒ぎを引き起こすことになるが、そこはしょうがない。
「えーっ、つまり。現状、アイツらの体は心配ない。異常な強さはそのシステムのおかげ、いや、せいである、ってことで良いですか?」
「ああ、それともう一つ。」
根津校長が付け加える。
「まだあるんですか。」
相澤もそろそろ心労が限界に近い状態である。
「緑谷出久くんだがね、彼は特に注意してみてあげてほしい、とのことだ。」
「・・・誰からの言葉ですか?(話の流れ的に発目の祖父か。)」
「例のヴィラングループのボス、輪道時火(りんどうときび)、緑谷くんにインストールされた炎の道の記憶、その持ち主本人さ。」
ーーーーー