月下の花を摘むのは誰   作:ledi

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お知らせ

 

 

番外編をまとめた"甘く香る"というシリーズを別に作りました。

 

登場人物の人格、関係は本編そのままです。

ですが本編で出すと成り立たない話を、もしかしたらこんな世界線もあったかもしれないな?という短編として載せていきます。

また、本編では性的描写をカットしていくのでR-18にかかる描写込みの文章は番外編に載せていきます。

 

リクエスト送ってくだされば、本編が煮詰まった時に番外編に書かせていただこうと思ってます。

期限付きでお返しできるわけではないので、ゆっくりお待ちいただける方だけお願いします。

 

 

進展ゆっくりな本編の息抜きに良かったらどうぞ。

 

 

投稿するのに字数足りなかったので、一話載せておきます・・・

※軽度の性的(不同意)、乱暴な描写を含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カナリアクリーム開発秘話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シオリとフレッド、ジョージは使われていない教室の並んだ廊下に円になって座っていた。

円の真ん中には小さな包み紙が広げられ、その上にクリームサンドが三つ転がっている。

三人は緊張しているようなワクワクしているような顔で互いを見合った。

 

 

「じゃあせーの、でね。」

 

「「オーケー。」」

 

「「「せーの!」」」

 

 

三人が一見何の変哲もないクリームサンドを同時に口に放り込んだ。

長い時間をかけて開発したこのクリームサンドは1個食べきることで魔法が発動する。

三人で魔法の組み合わせを試行錯誤して、シオリはさらに味の調整をした。

1個食べてもらうには、いたずらグッズだとバレないような美味しさが必要だからだ。

 

口のなかにサクッとした食感と滑らかでクリーミーな甘さが広がる。

甘すぎず、べたつきすぎず、ちょうどいいクリームに仕上がったなとシオリは満足してにっこり笑った。

そしてゴクリと飲み込んだ瞬間、シオリの手の甲がぷつぷつと粟立ち出した。

違和感に気を取られている一瞬のうちに手の甲がびっしりと羽毛に覆われた。

鮮やかな黄色と緑のグラデーションが面白い。

しかし、本当は全身が羽毛でおおわれなければいけないので失敗したということになる。

一回でうまくいくわけはないが、少しがっかりしていると今度は背中がむずむずしてきた。

 

 

「え、背中?あっ…!」

 

 

シオリが声をあげたがそれは言葉にならず、ピィピィという高く美しい鳴き声になって廊下に響き渡った。

そうしてる間にもむくむくと服が盛り上がりだした。

予想外に生えてしまった大きな羽が外に出ようと服をめくりあげて、シオリの背中が露になっていく。

下着まですっかり見えてしまった時には立派な黄色い羽がパタパタと勝手に動いていた。

 

 

「「シオリ、すごいぜ!」」

 

 

そう言ったフレッドとジョージの声はにゃあにゃあという愛らしい鳴き声になった。

シオリが服の前の方だけでもなんとか押さえながら見ると、ふさっとした耳と尻尾の生えた大きな半猫人間が二人いた。

いつものイタズラな笑顔だが瞳が縦にのびている。

 

 

「ぷっ、あはは!」

 

 

三人は顔を見合わせて笑った。

成功ではないがお互いの姿は十分奇妙で、それぞれの口から出る鳴き声がおかしくて笑いが止まらなかった。

シオリが笑うと背中の羽が一層ぱたぱたと動く。

フレッドとジョージはいつの間にか笑うのをやめてその動きを目で追いだした。

 

 

「どうしたの?」

 

 

言葉にならないと分かっていてもしゃべってしまう。

シオリの鳴き声は美しいだけで何か伝わるわけもなく、変わらず二人は羽を目で追っていた。

それだけではない。

段々と上半身を低くして腰を高く上げて、ジャンプの姿勢になる。

シオリはまずいと思った。

フレッドとジョージが二人並んでこちらをじっと見る姿は、猫が獲物に狙いを定めるときと全く同じに見えたからだ。

 

シオリが逃げようと立ち上がったその時、

獲物を逃がすまいと二人が飛び上がった。

しなやかで俊敏なその動きは猫そのものだった。

変身するイタズラとしては大成功だ。

もう立派に大人と同じ身長の二人に飛びかかられたシオリは勢いよく床に倒された。

邪魔なほど大きい羽がクッションになって頭を打ち付けずに済んだ。

ほっとしたのもつかの間、シオリをのぞきこむように二人が顔を近づける。

窓の光を背に受けて、影になったフレッドとジョージの暗い顔にぎらりと鋭い目だけが光る。

シオリは顔をひきつらせた。

 

 

「え、待って、食べられちゃったり…しないよね?」

 

 

無力なカナリアの鳴き声が理解できたのか、二人は丸い目を細めてにぃと笑った。

 

 

がぷっ

 

 

「いっっったああい!!」

 

 

「ピィィピィ!!」

 

 

シオリの首にフレッドとジョージが噛みついた。

二人を突き飛ばしたいのに、右はフレッド、左はジョージに押さえ付けれて自由がきかない。

あまりの痛みに涙がこぼれそうになる。

歯を食いしばって痛みに耐えていると、今度はざらりとした舌が今鋭い歯を立てられたばかりの場所を舐めた。

舌の根から先までべったりとつけてゆっくりと舐めあげられて、シオリは思わず体を震わせた。

痛みとは違う切ない苦しさに顔を歪める。

ぞくぞくと震える体とは反対に、頭はのぼせたようになって熱い吐息が漏れ出す。

 

フレッドとジョージが我にかえり顔を上げた。

いつのまにか自分の手がシオリを硬い床の上に押さえつけている。

シオリは乱れた髪に縁取られた頬を赤くして目を強くつむり、さっきまで食いしばっていた口が今は半開きになって絶えず荒い息を吐いている。

二人の愛するシオリの明るい笑顔はそこにはなく、見てはいけないものを見てしまった気分に体が熱くなっていく。

罪悪感と羞恥心にフレッドとジョージは顔を見合わせた。

それぞれが相手を責めるように睨みつけても、互いの考えてることが手に取るように分かってしまう。

二人にはこんなに乱れてしまったシオリをどうしたいか分かりきっていた。

猫になってしまった二人の理性はほとんどないに等しく、責め合うことはやめて二人は何も言わずにまたシオリにおおい被さった。

 

 

「やっ、ああっ・・・やめて…っ!!」

 

 

めくれあがった服のせいで露になっている白い腹に真っ赤な歯形が増えていく。

本能のままに噛んでは丁寧に舐めて、また次の柔らかく欲のそそる場所に噛みつく。

二人がかりでそうされてシオリは絶え間なく悲鳴をあげるしかなかった。

今となっては人の声が出なくてよかったと思う。

もしピィピィ以外の言葉を話せたら、それは友人に聞かせるには耐えない恥ずかしいものだったに違いない。

シオリが切なく鳴き声をあげる度にフレッドとジョージは止めどなく唾液が溢れ出し、シオリの小さな体をつかみ押さえる手に力が入る。

フレッドとジョージが背中や太ももにまでしゃぶりつき出して、シオリが自分がどんな格好になっているのかも分からなくなった頃、手の甲にまたぷつぷつと違和感が起きた。

そう思った次の瞬間にはきれいな羽が次々と抜け落ちていき、背中はすっかり平らになっていた。

ふわふわと柔らかく黄色い床の上には、もつれあった三人が無言で固まっていた。

 

 

 

 

 

「なあ、悪かったよ。機嫌なおしてくれよお姫様。」

 

「そうさ。俺達だってわざとじゃないんだぜ。」

 

「分かってるよ…でもこれ見てよ!本当に痛かったんだから!」

 

 

シオリがずんずんと廊下を進みながら、勢いよく服をめくって見せた。

偶然通りかかった生徒たちがぎょっとしてそれを見る。

フレッドとジョージはさっき自分達のつけた赤い点がたくさん並んだ腹を見ないよう目をそらした。

しかし視線の泳いだ先の首にも赤い痣があって、二人は頬を赤らめた。

 

 

「まあ…改善することは山ほどあるけど、味はよかったよね?」

 

 

自分の作ったクリームの味を思い出してシオリが満足そうに言った。

しかし、フレッドもジョージもクリームの味など思い出せるはずはなく、何度も味わったシオリの柔らかい肉を噛む心地よい感触と、滑らかな肌の舌触りを思い浮かべた。

 

 

「あー、うん、よかった。なあ、フレッド。」

 

「あー、そうだなジョージ。かなり…よかった。」

 

「本当!?あれけっこう作り直したんだよね。嬉しい!」

 

 

それから二人は肉食動物は本能が強すぎるので危ないと、カナリアクリームの開発に集中することにした。

シオリはスネイプに傷薬をもらいに行き、腹にまで無数の歯形があることに憤怒したスネイプに問い詰められ、「双子の狂暴な猫に噛まれた」とありのままを話した。

 

翌日からスネイプが血眼で猫を探し回ったが、双子の猫は見つからなかったという。

 

 

 

 

 

 

 

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