事故ったのは玲奈だった 〜社長夫人はずっと離婚を考えていた〜【原作伏線回収・再構成】   作:山本山 

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25話 過去編

康明は本国にいる伝手に追加の依頼をする。

「浅田裕二の息子と他の身内がいればそれぞれ最近の写真か映像があれば欲しい」暫くして

「了解」の返信が届く

聡美のデスクには続々とスパイダーらしき囚人の犯罪歴が集まってきている。康明はデータの分類をついでに、始めた。殆どが単独犯の殺人や傷害恐喝に分類されている。次に多いのが薬の売人だ。とりわけこの地域は薬の売人が他の所より多い。逆に誘拐は国境付近の方が多い。今回の茜の誘拐未遂はスパイダーの仕業というにはお粗末な印象を拭えないでいるが、ドライバーはスパイダーの一員で間違いない。正雄とスミスの接点は娘優里だけと思って問題ないだろうな…。

「聡美が来てから伝えるとするか」

集中力も切れているので康明も一旦作業を切り上げオフィスフロアーに設置されているシャワーを浴び、仮眠室では無く作業部屋のソファーで仮眠することにした。

 

 

賢志と洋介も愛理が組んだプログラムで実行犯が乗り換えた車も判明したのでそのまま追走の結果を待っている。賢志は洋介に帰宅する様勧めたが、面倒だという返事、彼は仮眠室で休むと言って部屋を後にした。賢志も報告をザッとまとめ智昭にメールで報告する。そのまま部屋のソファで仮眠を取ることにした。

「犯人の逃走先がわかれば一旦ミーティングかな。」

呟くと同時に大きく伸びをする。

 

 

翌朝、聡美と愛理はオフィスに向うエレベーター前で居合わせた。

「おはよう」と聡美から声をかける

「おはようございます」

「ゆっくり休めた?私はなんだかんだ連絡が入ってきてスマホ捨てたくなったわ。仕事だから出来ないけど(笑)」

「ですね。無いと困るんですけどね。たまに思いますね。」

「貴女もそんな時あるのね。…作業部屋がどうなってるかしらね、愛理は朝食食べた?一応人数分買ってきたからよかったらどうぞ。では行きましょうか」

「ありがとうございます。隊長と洋介さんにも渡しますね!」

(そっか、賢志は隊長に任命されたんだ)と

疑問を持たず納得する聡美。2人連れだって部屋に向う。コンコンとノックすれど返事が無い。再度ノックして聡美は遠慮無く扉を開けた。

バタン。

愛理も隣の扉を開けて入って行った。

「おはよう」

ソファから伸びをしながら康明が返答する

「あぁ、おはよう」

「遅くまでお疲れ様。どう?進捗あったかしら?」

「あった。スミスと正雄の接点は娘優里だけとみていい。茜ちゃん誘拐未遂で白バンを運転していた帽子男、あれと正雄が繋がってるかもしれない。」

「かもしれない?!」

「あぁ、正雄はY市にいる幼馴染の男、浅田裕二に一定間隔で訪れている。そして、帽子男は浅田裕二の身内だろうと言う事。骨格がほぼ一致している。浅田はY市から出た形跡がない、浅田には息子がひとりいる。ひとり息子も3ヶ月間隔で父親の所に顔を出している。そして、いま俺の伝手にこの息子の最近の姿を頼んでいるところだ」

「だいぶ進展したのね。お疲れ様。朝食買ってきたから食べて」

「サンキュー、シャワー浴びてから食べるよ。あと高貴な珈琲もあったら最高だな。頼んでもいい?」

「いいわよ。心込めて淹れてあげるわ。特別よ?スパイダー分類してくれてありがとう。」

聡美の言葉に手をヒラヒラさせて応え、康明は部屋を出ていった。

「茜ちゃんには申し訳け無いけど誘拐未遂のお陰でだいぶ進んだわね。スパイダーなんでもござれね。薬もあり。そしてこの辺では薬関連が多いと。なるほど。正雄と浅田の息子が繋がっていたならお薬もここから仕入れたって事ね。誘拐主導はスパイダー?スミス?正雄?誰なのかしら?」

聡美は康明の為に珈琲を淹れに立ち上がる。丁度康明が戻ってきた。小ざっぱりして黒髪の短髪をガシガシ拭きながら昨日と同じスラックスにラフなシャツのままデスクに座る。

「ねぇ、このスパイダーって組織なのかしら?」

「どういう事だ?組織じゃないって思うのか?」

「なんて言うのか、犯罪も色々だし捕まったのがほぼ単独犯ばかりよ。組織と言うよりフランチャイズ店みたいだなって。あっ、漫画でよくあるギルドってやつよ」と、

言いながら、朝食に買ってきたフランチャイズ店のサンドイッチを掲げてみせた。

「ま、私の仕事じゃないし、何でも手を出したら身体がいくつあっても足りない。命も足りないわ。A国の問題だもの手出し不要よね。」と聡美は呟いている。

康明がデスクの前で

「浅田の息子何してる人間なんだろうな……、おっと噂をすれば何とかだメールがきたぞ。浅田の息子の名前が新田篤、10代の頃から何度も補導歴あり年少期も悪ガキで有名だったとさ。根っからの悪人か?母親と離婚してから手が付けられなかったみたいだな。最終Y市に住めなくなって母性に変更してA国へ。状況は限りなく黒だね。物証ないけど(笑)」

「私達警察ではないから物証いらないしね」

「その通りだな。あとはボス判断で、賢志達の所に行って話そうか、あ。ごめん、珈琲飲ませて」

「ごゆっくり」と声をかけてから

聡美はサンドイッチを片手に隣の部屋へ向かった。続いて康明も出ていく。

 

 

 

 

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