事故ったのは玲奈だった 〜社長夫人はずっと離婚を考えていた〜【原作伏線回収・再構成】   作:山本山 

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28話 過去編

聡美が智昭に話しかける

「ボス、茜ちゃんがA国に行く事決まったのは直前なんですか?」

 

「そうだな、、出発の1週間程前だな。身内から漏れたと考えていいだろう。社内の可能性も捨てきれない。俺はスミスが誘拐の筋書きを書いていると思っていてるが、直接絡んでいるのは正雄だ。正雄がスミスと密接な関係なら、より警戒が必要だろうだが、今回の犯人の逃亡の仕方をみるとそう密接でもなさそうだな。今後警戒は要るだろうが幸い優里がスミスの門下生として居てる訳だ、おあつらえ向きだと思わないか?」

 

「何か仕掛けるんですね」

 

「まぁな。こちらに疑いを゙待たれては困るから中長期的に仕掛けるしか無いんだが。潰す材料は多い越したことはない。」

 

「正雄の資金がどこから出てるのか、、事業だけで賄えてるものなのか疑問が残ります。そのカラクリがわかれば尚よしですね」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

続けて康明が

 

「正雄が定期的にY市に訪れているのは、はっきりしているので前回からみてあと1ヶ月後には正雄はY市に訪れるはずです。新田も丁度1ヶ月後に定期的に訪れてる期間と重なるので、その時には新田の画像は手に入ると思います。約束できないですが、可能性は高いと。」

 

「費用は惜しまなくていい、あと佳子の美容関連も探りをいれてくれ。」

 

「承知しました。1度本国に戻って直接、佳子の美容関連事業を確かめてみます。」

 

「あまり、無理はするな、、皆、すまないが他の用事があるので、これで失礼する。何かあればすぐに連絡をくれ。」

 

智昭はそのまま部屋を出ていった。

聡美が何やら考えながらソファに座り込んだ。

 

「スミスに接近する方法、、」

 

「接近して何をするんだ?」

 

「ガードが固いのよ。本国行きのチケットを定期的に購入してるのは掴んだの。本人は行ってない。もう充分怪しいでしょう?でもそれしかわからない」

 

「チケットは何故分かったんだ?」

 

康明が尋ねてきたので、聡美が悪い顔しながら説明する。

 

「詳細は後から聞いたんだけど、一定期間尾行してたの。あ、私が尾行した訳じゃないのよ。でね、高性能カメラで撮影しながら、ある日、空港に向かったのよ。空港で本国行きの搭乗手続きを発券してた。だから困った振りして発券手続きを教えてもらったらしいわ(笑)声かけたら嫌そうな顔したらしいけど、振り返ったらモデル級の美人なら大抵の男性はラッキーに変わるんじゃないかしら?その時スミスのチケット内容をカメラにおさめた。搭乗口までは行くのだけれど乗らなかった。どこかで誰かに渡したのね、そこは撮れてなかったわ。あとは弁護士に依頼したの。不倫の証拠をつかむ為にって搭乗記録見せてもらった(笑)名前はケン・スミス偽名だと思う。この人物が新田ならスミスとつながるわ。この一定期間にこの出来事があったのはこちらのラッキーね。」

 

賢志が面白いもの見つけた時みたいに、弾んだ声で手を゙擦り合わせながら

 

「ケン・スミスの名で口座調べてみるか、、、」

 

「なっ、、ケン・スミス同性同名が多いんだな、、これをひとつひとつは時間かかるな…。無駄だな。まぁ中長期戦になるなら勘ぐられないのが1番じゃないか?スミスに近づくのは最終でよくないか?」

 

「…たしかに」

 

「どうした?調子悪い?」

 

賢志が不思議そうに聡美に聞く

 

「……今、読んでる小説の主人公が、笑うだけで、何考えてるかわからないし、ヒロインもはっきり言わないしで、、苛つくのよね。だから、反動で能動的になっちゃったわ。」

 

「そんな、理由が存在するのか?」

 

応えたのは賢志だけだが、康明も愛理も洋介も聡美をみつめていた。

 

「なぁに?、、そういう事だってあるわよ、、もう、、部屋戻るわね(笑)」

 

聡美はスクっと立ち上がり自分の作業部屋へ戻っていった。4人とも顔を見合わせて呆気にとられてはいたが、次第に笑いに変わっていった。康明が笑顔のまま

 

「俺も部屋に戻るわ、来週辺り本国に戻って探ってくるよ。」

 

「了解。タクシーの映像でてきたら知らせる」

 

賢志が返答した。

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

週末いつもの朝、ランニングを終えた智昭が戻ってきたら、茜は珍しく起きていた。

 

「パパ、今日は、茜、助けてくれた人とご飯食べる日?」

 

「うん。そうだよ。よく覚えていたね。」

 

「ママがね何かしてもらったら、ちゃんと、ありがとうっしてねって言ってたから、お花の絵描いてるの」

 

智昭は茜を゙撫でながら微笑ましい気持ちになる。

 

「ママにこのお話してないから、次ちゃんとお話するね!」

 

「茜ちゃん、ママものすごく心配しちゃうよ。心配でママが病院に行ってと言ったらパパはママの言う通りにしなくちゃ。ママの気持ちもパパはわかるからね。茜ちゃんが元気なのはパパは一緒に居るからわかるけど、ママにはわからないでしょ?茜ちゃん病院行く?」

 

「いやだ、病院キライ。」

 

「だから今回の事は秘密にしておこうね。ママに心配かけないように。」

 

「わかった。パパ、このお花キレイ?」

 

「あぁ、とても上手に描けてる。絵の才能は青木おばあさんからかな?それと茜ちゃん。」

 

「なぁに?」

 

「茜ちゃんを助けてくれた人はね、ママの妹だったよ。お母さんが違う妹だけど。」

 

「へー。そうなんだ!!なんて呼ぶの?お姉さん?」

 

「優里叔母さんだよ。」

 

「ママと優里叔母さんは一緒に暮らした事、無いんだよ」

 

「わかったぁー。今日はちゃんとありがとうって言うね。パパお腹すいた一緒にご飯食べよー。」

 

「うん。そうしよう」

 

 

智昭は茜を抱き上げながら食卓へ向う。

彼は密かに確かに決意を固めていく。

 

 

 

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