事故ったのは玲奈だった 〜社長夫人はずっと離婚を考えていた〜【原作伏線回収・再構成】 作:山本山
玲奈は智昭に水を差し出した
「大丈夫ですか?飲みすぎましたか?」
智昭はこの異変の原因を頭で探っていた。代わる代わる祝杯を交わしていたのでその中には今日初めて話した者会った者もいた。油断していた。
女性からのグラスは受け取らなかった。
ここにいる男性は本国の人間関係からは外れている。だんだん頭が働かなくなる。智昭は休憩室に逃げ込もうとしていた。智昭の後を玲奈は心配でついて行こうとするが智昭に止められる。離れた所から様子を見ていた正雄は優里を呼び、智昭に近づくため彼の後を追っていた。
休憩室と言っても普段は大学構内なので飲み過ぎた者や静かな場所を好む人が居てる。散々歩き周り辛うじて鍵がかかりそうな場所を探し出し入ろうとしたその部屋に玲奈がいた。玲奈は辛そうな智昭にお水を飲ませてあげた。
玲奈は智昭がきっと鍵がかかるこの部屋に来るだろうと先回りしてお水と救急箱を持って向かっていた。到着と同時に智昭が現れひとまず部屋で休ませる事にした。
部屋の扉が閉まろうとした時に正雄達は追いついた。正雄は優里を背にして扉に手をかけた。部屋の中に智昭以外の人がいる事に気付く。正雄は失敗した。優里と鉢合わせて既成事実をつくる筈が、、、玲奈がいる、、。
苦々しい顔をしながら正雄は対策を練っていた。
「お父さん、どうしたの?」
「?!先に庭の方に戻りなさい。」
「…わかった」
優里は腑に落ちないが言われた通りにする。
正雄は時間を確認した。あと10分位で薬の効き目が頂点に達する事に気付いた。あと5分後にこの扉を開けて話せば朦朧としても耳は聞こえてる筈だ。扉の鍵は閉まっていなかった。
頃合いをみて部屋に入って行き、突然玲奈に声をかけた。
「玲奈!、なんて事を、、あれほど止めろと言ったのに、、なんてことを、、、」
玲奈は振り向いた先に父親がいる事にとても驚き
「お、お父さん?、、なんで、、」
正雄は間髪入れずに喋りだす
「どこで手に入れたんだこんな物、、、貸しなさい、、」と
言って部屋から出ていってしまった。
玲奈は突然の事で訳が分からなかった。
冷静な時なら意図がわかったかもしれないがまだ20歳にも満たない玲奈には状況を理解するのに精一杯だった。玲奈が呆けているといよいよ限界に達している智昭は、先ほどから玲奈と言う言葉に反応して抑えが利かなくなっていた。
「玲奈、玲奈、顔みせて?」
息づかいは荒いが智昭の指先は優しく愛おしいそうに玲奈の頬を撫でている
「玲奈?今のはだれ?」
問い掛けながら玲奈の頬を熱をもった両手の手ひらが覆う
「おとう、さん…」
そう聞いても愛おしいそうな目でみつめながら
「そうか」と
言い終わると同時に玲奈の口を塞いだ。もう止められる筈もない。可愛い玲奈の口元をもう一度見ながら
「なんで止めたのに着いて来たの?」と
聞きながら玲奈の口から首筋へ智昭の唇が這う
片腕は頬から首筋をなで胸の膨らみを確かめ腰に絡みつく。その腕は逃さない本能の現れだ
「そんなに俺の事好きか?」
玲奈の顔が赤くなる。ドレスから見えている美しいデコルテがうっすら紅色に変わっていく。智昭は微笑みながら口を滑らせていく。うっすらと色づく肌は瑞々しく若葉の様な艶を放っている。智昭は頭がふわふわしながらも頭の中で何度も玲奈の名前を呼んでいた。そして目の前にいる玲奈を貪っていた。
玲奈もされるがまま流されていた。
智昭の自分を見つめる目が色気に満ち愛でる様な眼差しには抗えない。もう色々な事は後回しで考えようと思った。心から恋焦がれた人の求愛をそのまま受け入れていた。智昭の手がドレスのファスナーを下ろそうとした時
「鍵が、、鍵が、開いています」と
玲奈は消え入る様な声で呟く。本来の智昭なら理性が働くが、もはや、今はなんにも役に立たない。目の前の愛しい人の頬は紅潮し白い瑞々しい肌が艶めかしく湿気を帯びている。柔らかなスカートからはスラリとした脚がはだけている。
ふらふらと扉に近づいて鍵を閉めた。
ソファーの前で座り込んでいる玲奈を優しく抱き上げそっとソファーに寝かせた。玲奈の頭をなで赤みを帯びた唇を親指でなぞっている。智昭の端正な顔も紅潮して澄んだ瞳は焦がれて溢れ出す寸前の様だ。
「構わないか?」
玲奈はコクリと頷いた。
2人の唇が優しく重なった。