この素晴らしい世界で青春を!   作:梅木暮

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 このすばとブルアカのクロスオーバーを見て、衝動的に書いてしまいました。
 やれるだけ頑張ります。


この日本に似てない世界に転生を!

 我が名は佐藤カズマ。ポンコツなパーティーメンバーと共に世界を苦しめし魔王を討伐し、ハーレムを築きつつある勝ち組になった者!⋯⋯の、はずだったんだがなぁ。

 

「⋯⋯どこだよ、ここ」

 

 ある日突然、よく分からない場所に迷い込んでしまった。

 原因は分からないが、心当たりはある。アクアがどこからか持ってきた、あの魔道具が怪しい。

 

 だってあの駄女神が「ウィズの店からパクってきた」って言ってたからだ。あのウィズの店にある魔道具なんて、欠陥品であると言ってるようなものだろう。

 そしてあの駄女神のことだ。その魔道具の効果を試すのに、俺を実験台にしたに違いない。

 

「あの駄女神⋯⋯!帰ってたらアイツのお気に入りの酒を全部飲み干してやる⋯⋯!」

 

 一瞬、色々と奉仕させてやろうと思ったがやめた。アイツが何かやらせると、楽しようとして絶対ロクなことにならない。

 ⋯⋯さて、そろそろこのロクでもない現実に目を向けるとしよう。

 

 俺の目の前に広がる光景は、レンガの家々が立ち並ぶ中世ヨーロッパのような街並みではない。

 車やバイクが走り、電柱や電波塔などが建てられている⋯⋯いわゆる、現代に近い光景だ。

 

「まさか俺、帰ってきたのか⋯⋯!?」

 

 あの異世界から、日本に⋯⋯!

 

「いやいやいや、落ち着け、俺。まだそうと決まったわけじゃない」

 

 そう呟き、落ち着きを取り戻す。

 ここがどんな場所かも分からない以上、少ない情報から決めつけるのは危険だ。色んなものを観察して、情報を集めなければ。

 俺は街中を見渡して、様々なものを観察した。

 

「車にバイク、コンビニに自販機⋯⋯おぉ、スマホをあるじゃないか!それに、歩く犬や鳥にロボット。間違いなくここは⋯⋯ん?今なんて言った?」

 

 目に飛び込んできたものを呟いていた俺だが、何やら聞き捨てならないものを呟いた気がする。

 改めて、それを見る。

 

「⋯⋯二足歩行の犬や鳥⋯⋯それに、ロボット⋯⋯」

 

 俺の目の前にはスマホをいじる犬や唐揚げを食べる鳥、そしてスーツを着て忙しそうに電話をしているロボットの姿があった。

 というか、鳥が唐揚げ食うなよ。共食いじゃん。

 

「⋯⋯うん。ここ、日本じゃないわ」

 

 目の前に広がる光景を見て、俺は確信した。

 ここは日本ではなく、現代世界によく似たタイプの異世界なのだと。

 

 

 

 

 そんな事を考えていた時、何やら視線を感じた。気になって周辺を見ると、そこには何やら不思議そうに俺の姿を見ている人々の姿が。

 首を傾げていると、近くを歩く女子高生らしき少女たちの会話が聞こえてきた。

 

「⋯⋯アレ、コスプレってやつかな」

「そうじゃない?わざわざ刀まで用意してるし」

 

 ⋯⋯そういえば俺、今は冒険者服でした。

 こんなことになるなら、ジャージを着ておけば良かった。

 

 目立つのは避けたいので、走って近くの路地裏に避難。

 周辺に人がいないことを確認して、その場に座り込んだ。

 

「⋯⋯さて、これからどうするかなぁ」

 

 まず、俺はあの世界に帰りたい。

 魔導具が関係しているのなら、帰る条件みたいなものも定められていると思いたいが⋯⋯まぁ、それが分からないという話なわけで。

 

 そうなると、いったんはこの世界で生きていく事を考えなければならない。

 

 だが、これもまた難しそうだ。

 なにせ、ここはスマホとかが普及してる現代寄りな異世界なのだ。戸籍等がキッチリと登録されているだろうし、そんな世界で戸籍のない俺は働く事すらままならないだろう。

 当然、魔法が使えないから銀行からスティールなんて真似もできないし⋯⋯いや、しようとしてないから。あの駄女神が考えそうなことだけど、俺は絶対しないから。

 

「あれ、詰んだ?」

 

 佐藤カズマ、17歳。知り合い、お金、魔法。俺が異世界で培ってきたそれらは使えない。

 ひょっとしなくても、大ピンチである。

 

「おい、そこの変な服の兄ちゃん」

 

 そして、ピンチは重なるものだ。

 俺はいかにも不良といった格好の女子高生二人に絡まれてしまった。

 しかも、その女子高生二人の手には銃が握られている。偽物の可能性もあるが⋯⋯ここは異世界だ。本物である可能性のほうが高い。

 

「それって⋯⋯俺のこと、ですかね?」

 

 慎重に、相手を刺激しないように言葉を発する。

 

「そうに決まってんだろ?アンタ以外に誰がいるってんだ」

「⋯⋯その、俺に何か用事ですかね⋯⋯?」

「良いねえ、話が早い。簡単だ⋯⋯金出しな」

 

 そう言って、銃口を俺に向ける不良少女たち。

 渡さなければ撃つ、ということなんだろう。

 だがしかし、悲しいことに俺は金を持っていない。

 かといって、金はありませんと正直に言って撃たれるのも嫌だ。

 

 ⋯⋯よし。

 

「お金は持ってませんすいません。どうか勘弁してくださいこの通り!」

 

 俺は、全身全霊の土下座を決めた。

 プライド?そんなもの、今必要なものではない!

 いずれ必ず復讐してやるつもりだが。

 

 俺の全力の土下座を見て、不良少女たちは毒気を抜かれ⋯⋯。

 

「はぁ!?ナメてんのか、あぁん!?」

「ぶっ殺すぞオイ!」

 

 なかった。むしろ、彼女たちの怒りを刺激してしまったらしい。

 

「もう許さねえぞ!オラ、立て!」

「やめっ、やめろー!誰かー!犯されるー!」

「ちょっ!?おまっ、マジふざけんな!」

 

 胸ぐらを掴まれて、持ち上げられる。

 そんな危機的状況の中、俺は思い出した。

 魔法が使えるかどうか、試していないことに。

 

「『クリエイト・アース』」

 

 俺は淡い期待を込めて小声で呟いた。

 すると、手の中には確かに砂が生み出される。

 

 確信した。俺は魔法が使えるのだと。

 

「ふっふっふっ⋯⋯」

「な、なんだコイツ⋯⋯いきなり笑い出したぞ⋯⋯」

「フハハハハ!絶好調である!」

「ちょっ、怖っ!」

 

 急に笑い始めた俺を見て、二人の不良が俺から離れた。

 若干怯えている様子の二人に俺は告げる。

 

「チャンスをやるよ」

「あぁ?チャンスだぁ?」

「そうだ。今から俺に謝罪すれば見逃してやる。謝罪しないっていうなら、俺も容赦しない」

 

 俺の上から目線の発言がよほどイラついたらしい。

 二人は顔を真っ赤にしながら俺に銃口を向ける。

 

「舐めるなよ!」

「こっちこそ容赦しねえからな!」

「⋯⋯交渉決裂な。よし、『スティール』!」

 

 二人に両手を向けて、俺は高らかに叫んだ!

 

「⋯⋯?何言って⋯⋯きゃっ!」

「な、なんで!?」

 

 二人は不思議そうに顔を傾けて⋯⋯その後、俺が見せた物を見て恥ずかしそうにスカートを押さえる。

 俺の右手と左手には、二人の不良のパンツが握られていた。

 

「⋯⋯⋯⋯」

「か、返せ!というか、どうやって盗ったんだよ!なんでよりにもよってパ、パンツなんだよ!」

「⋯⋯ハァ」

「「あっ!」」

 

 なんというか⋯⋯全く何も感じない。

 やっぱり、めぐみんやお頭のパンツは偉大だったようだ。

 

「さて、俺はこれからお前らのものを一つずつスティールしていく。謝るなら今のうちだぞ」

「あ、謝るか!ぶっ殺してやる!」

「そうだ!そんな脅しに⋯⋯!」

「『スティール』」

 

 今度はブラジャーだった。

 二人のブラジャーはいわゆるスポブラ。やっぱり、何も感じない。

 

「おまっ、マジでいい加減にしろよ!?」

「本気でぶっ殺すぞ!?」

「『スティール』」

 

「分かった、交渉しよう!私たちはお前を見逃すから、お前が盗ったものを返してくれ!」

「『スティール』」

「「なんで!」」

 

「ま、マジで待ってください!」

「もう狙いませんから!お金も渡さなくていいですから!」

「『スティール』」

 

「コイツ!コイツがやろうって言ったんです!盗るならコイツから!」

「ちょっ、ふざけんなよお前!嘘ですよ!脅そうって言ったのはコイツで⋯⋯」

「『スティール』」

 

 スティールを連発して上着や靴下等、二人から持ち物を奪っていく。

 そうして二人の不良に残ったものが、一枚のシャツとスカートだけになった頃。

 

「すいませんでした!もうしません!」

「この通り、反省してます!」

 

 ようやく、不良たちから謝罪が聞けた。

 このままいって俺に全裸にされるのを恐れたんだろう。

 

「ふーん、ま、許してやるよ」

「ありがとうございます!」

「このご慈悲は決して忘れません!⋯⋯というわけで、盗んだものを返していただけると⋯⋯」

「ほい」

 

 そう言う二人に、俺は財布を投げ渡した。

 二人は怪訝な表情で俺に問う。

 

「あの、服とか銃は⋯⋯?」

「返すわけないだろ?俺からお金を奪おうとしたんだ。奪われたって文句ないだろ」

「で、でも、このままだとあたしたち変態になっちゃいますんで⋯⋯」

「ふーん、で?」

 

 銃を返した相手に撃たれるなんて事態を避けるために、ここで心を折っておく。

 

「いや、ですから服を⋯⋯」

「財布、あるだろ?」

 

 俺の一言で何を言いたいか察したらしく、顔がサーッと青くなっていく二人。

 

「⋯⋯あの、冗談⋯⋯ですよね?」

「真の男女平等主義者は俺は、女の子相手でも容赦はしない男だ」

「ひっ⋯⋯!」

 

 手を二人に向けると、小さな悲鳴を上げて離れていく。

 そして、何やら小声で話し始めた。

 

「⋯⋯いっそのこと、裸覚悟で奪い返すしか」

「二人ならアイツも倒せるかも⋯⋯」

 

 しかし、俺にはダークストーカーというスキルがある。

 会話は丸聞こえだ。

 

「聞こえてるぞ」

「「ひっ⋯⋯!」」

「さっきも言ったけど、俺は容赦はしない男だ。お前らから公衆の面前で『スティール』してやってもいいんだぞ」

「「すいません!」」

 

 二人仲良く、一緒に謝る。

 ここまで怯えられると、俺が悪者みたいになるじゃないか。

 まぁいい。この二人にできるだけ高く服を売りつけて、ついでにこの世界の情報を聞き出そう。

 

「さぁ、好きな値段を言ってくれ。納得できたら売ってやるよ」

 

 あぁ、なんと素晴らしいチート無双――!




 ちょっとゲスすぎる気がしなくもないです。
 大丈夫でしょうか、これ?
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