二つ名【二丁拳銃】
「やめてくれ!もうお前の勝ちだ!」
「だからもう撃たないでくれ!」
「だかr――」
路地で不良集団が次々と倒れる。
DU地区の目立たない路地裏で1人の少女をカツアゲしようとして返り討ちになったのだ。
「まったく。いきなり襲ってきたと思えば口から出てくるのは金ばかり。カツアゲするなら力量を考えるんだな。」
「お、お前は―――」
バンッ
サングラスをかけてコート羽織った生徒。
その両手には拳銃。
彼女は【二丁拳銃】という二つ名を持つ指名手配犯。最初はトリニティで指名手配され、その後にゲヘナでも指名手配された。
元々はトリニティの正義実現委員会でそれなりの立場の人物だったが今は
不良たちが全員気絶したのを確認した彼女はこの場を離れる。
彼女は普段砂漠の中にある古びた校舎で生活していたが、カイザーがやってきて何か始めようとしてたのでそのまま逃げてきた。
そんな彼女がDU地区にやってきたのは知り合いに会うためだ。じゃなければヴァルキューレがうじゃうじゃいるDU地区に来るわけがない。
「久しぶりだな、二丁拳銃。」
「ほんと、3ヶ月ぶりだっけ?密輸商人。」
目立たない一室。そこにいるのは玉露と書かれたペットボトルのお茶をがぶ飲みしている角の生えた黒髪の少女。
密輸、転売、買い占めなどをやっている
ゲヘナのみで指名手配されており、過去にゲヘナ卒業生の発明品を盗み転売した事があった。
「私に物件を紹介させるとは... 相場の倍だぞ?ブラックマーケットなら定価の物件はいくつもあるのに。」
「ブラックマーケットは稼ぎには良いが支配者がアイツだぞ?あの女が支配してる場所に住むのは嫌だ。それにあんたは値段が安かろうが高かろうが良いものしか売らないだろ?」
「まあな。」
嘗ての仲間と取引して新たな住居を手に入れたが、相場の何倍もの値段だったために自身のお金が殆どなくなってしまった。
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場所は代わりブラックマーケット。
彼女はここでいつも仕事を探している。
「うごk――」
バンッ
横から出てきたヘルメットの少女を撃つ。
カツアゲをしようとしてきたのだろうが相手が悪かった。
彼女は早速仕事を探したが、良い仕事が見つからない。
「ここは知り合いに頼もうかな... でもアルちゃんは起業したって聞いたし、
するとブラックマーケット中にアナウンスが聞こえてきた。
どうやら闇銀行に銀行強盗がの被害にあったらしい。
『銀行強盗の覆面水着団を従えていた【ファウスト】。奴を捕まえた者には6000万の報酬を払う!手段は問わない!』
「へぇ...」
彼女はニヤついた。
ブラックマーケットの闇銀行を攻めるなんて、裏社会の多くを敵に回すということだ。
そんなことをする連中はただのバカか度胸あるやつかだ。
「面白そうだ。」
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ブラックマーケットの一角。
覆面水着団、もといアビドスの生徒とヒフミ、そしてシャーレの先生がいた。
「そろそろアヤネちゃんが来る頃ですね☆」
“さっきのアナウンスのこともあるから早めにここをでないと。”
『ブラックマーケットに入りました。そろそろ到着します。』
「ん、見えてきた。」
バンが到着し、乗り込んでいく。
バンッ
セリカがバンに乗ろうとした時、いつの間にか真横にいた少女がセリカに向かって発砲した。
突然のことに驚く一同。気配もなく真横にいたのだ。
セリカを助け警戒態勢になる一同。
「覆面水着団だな?」
「・・・なんのことかな?」
「逃走経路が甘い。直ぐに見つけられた。」
二丁拳銃はコートを脱ぎ、サングラスを取る。
両手に拳銃を持ち、銃口を向けた。
「あ、あの人は!」
“ヒフミ、知ってるの?”
「【二丁拳銃】の二つ名を持ったトリニティやゲヘナで指名手配されてる人です。」
「ん、賞金首?」
「はい、トリニティでは一番高額の懸賞金がかけられてます。一度も捕まったことがないらしいです。」
「そんな大物が相手ですか!?」
お互いが睨み合う。
そんな中、シロコが動き出そうとした。 が、
バンッ
先に頭に一発撃たれた。
次にノノミが反撃しようとしたが二丁拳銃は直ぐにしゃがむと左手の拳銃をしまって倒れたセリカを掴むと盾にした。
いくらキヴォトス人とはいえ仲間を撃つことはできない。
そんな中、ホシノが後ろから攻撃しようとしたが、先に二丁拳銃が引き金を引いてホシノを撃つ。
ホシノは盾で攻撃を防いだが、体制を崩したので距離を取った。
「ん?その盾...」
二丁拳銃はホシノを、正確にはホシノの持っている盾を見て少し驚くとセリカを優しく下ろし、距離を取る。
「君たちはアビドスか?」
「だったら何かな?」
「確認しただけさ。アビドス諸君。私の狙いはファウストのみ。引き渡してくれたら私はこの場を去る。3000万の報酬も払おう。」
突然態度を変えて銃をしまう。
「・・・どういうつもり?」
「なあに、昔アビドスの生徒と色々あってねぇ。これ以上君達を攻撃したくなくなった。」
倒れていた面々も起き上がり、二丁拳銃と対峙する。
「ん、二丁拳銃の賞金って?」
「トリニティでしか知りませんが、5億は超えてました。」
その言葉にアビドス生の目の色が変わる。
「うへー。言っとくけど5億の懸賞金ってことは相当な手練れだよ?」
どうやら取引は失敗したようだ。
「そうか。残念だよ、友の後輩達。」
二丁拳銃は両手に拳銃を持ちいつでも撃てるようにする。
“まって。”
その言葉に空気が変わる。
「貴方は...?」
(ヘイローのない男性?)
“はじめまして、シャーレの先生です。”
「シャーレ... ああ噂の。」
“ここは私の顔を立ててくれないかな?”
「・・・・」
“どうかな?”
(連邦生徒会の超法規的機関。そしてあの連邦生徒会長が指名した大人。ここは1つ恩を売っておくか)
二丁拳銃はホルスターにしまう。
「OK。取引成立だ。」
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走り去る車を見送る二丁拳銃。
「アビドス、か。」
彼女はブラックマーケットの奥に入っていき、古びた建物の前に行く。
「多分あの子が小鳥遊ホシノだよね。」
見覚えのある盾を持っていた生徒。おそらく彼女は友人の言っていた後輩だろうと彼女は思う。
「また、会いたいな...」
二丁拳銃は1枚の写真を取り出す。
そして彼女は昔を思い出すのであった...