透き通る世界の無法者   作:1052667

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別視点と失脚と代理

雁木アキが脱獄する数時間前。

シスターフッドは先日トリニティで新たに発見された古文書の調査に来ていた。

 

「確かここに発見された古文書があるんですね。」

 

「待ってください。鍵が空いています...」

 

鍵を開けようとしたした時、1人のシスターフッドが扉の鍵が空いていることに気づいた。

 

「今日は私達しかこないとから鍵を預かってましたのに... 気をつけてください。」

 

シスターフッド

新入り 歌住サクラコ

(後のシスターフッドの長)

 

サクラコの言葉に息を呑むシスターフッドの生徒達。

1人が恐る恐る扉を開ける。

 

「クルクルクルクルクルクルクルクル」

 

「ねぇ〜、そっちに例の本あった?」

 

「クルクルルルククル?」

 

「コノ倉庫ノ中ニアルハズダ。草ノ根嗅ギ分ケテ探セ。」

 

倉庫の中には闇医者、ギャングボス、音波、女帝の4人がいた。

 

「倉庫の中にレト一派がいます。」

 

「誰がいますか?」

 

「闇医者、ギャングボス、音波、女帝です。」

 

「救護騎士団に連絡を。闇医者は救護騎士団の担当です。私達古文書を守らなければなりません。」

 

シスターフッドの長が状況判断をし、倉庫の周りをシスター達が取り囲んだ。

 

「敵はこちらに気づいてません。しかし例の古文書を奪われたら私達はうまく対応できません。」

 

「慎重に行きましょう。」

 

今回発見された古文書はかなり貴重なものらしく、シスターフッドの殆どが倉庫に来ていた。

 

「クルクルクルククク!」

 

「お、見つけたのか?」

 

「やったじゃん。ついでに金になりそうな物も盗んでこう。」

 

「それで... シスター共はどうする?」

 

その言葉を聞いて様子を見ていたシスターの顔が青くなる。

 

「俺ニヤラセロ。耳ヲ塞ゲ。」

 

その瞬間、奇妙な音楽が倉庫周辺に聞こえてきた。

何の変哲もないただの曲だが、異変が起きたのは数秒後。シスターの1人が急に気絶したのだ。

その1人を始め、また1人とどんどん気絶していく。

 

「っ!この曲です!音楽を聞いてh———」

 

サクラコは異変の現況に気づき、周りに伝えるが自身も気絶した。

次々と倒れた後、音楽はピタリと病んだ。

 

「気絶シナカッタノハ22名。イクゾ。」

 

「君が仕切ってんじゃないよ。」

 

「骨がありそうなのが残ってるねぇ!」

 

「クルククルクル!!」

 

22人。数では勝ってる。しかし相手は4人全員大者だ。

勝てる確率が少ない事はシスター達もわかっていた。

女帝とギャングボスが銃を乱射し、音波と闇医者が近距離戦を開始した。

 

「クククルククククク!」

 

「きゃぁ!」

 

「あああ!!」

 

闇医者はメスでシスター達を斬っていく。キヴォトス人の身体は本来その程度で怪我することはないのだが、彼女がもっている神秘によってキヴォトス人の身体も楽々斬れるようになっていた。

 

「制圧完了。」

 

「よし、帰ろう。」

 

4人はその場を去ろうとする。

しかし倒れていたシスターが音波の足をガシッと掴み、一気にぶん投げた。

突然のことに驚く一同。

 

「逃がしませんよ...!」

 

シスターフッド

新入り 若葉ヒナタ

(後の物品管理員)

 

ふっとばされた音波はそのまま着地。4人はヒナタを睨みつけた。

 

「骨がありそうな奴だ。」

 

「ククククク!」

 

「イヤ、ソレヨリモ早ク撤退シタホウガ良イ。フットバサレタトキニ見エタガ救護騎士団ガ大勢コチラニ来テイル。」

 

「とっとと退却しましょ〜!」

 

音波が身体から音の衝撃波を放ちヒナタを遠くにふっとばすと全員走り出す。

しかし突如女帝が何者かに盾でぶん殴られた。

 

「チッ!」

 

「クルクルクルクルクル!」

 

「お、知り合いか闇医者。」

 

「ククルクルクルルルク!」

 

「すまんわからん。」

 

女帝を盾でぶん殴った生徒、蒼森ミネは闇医者と向かい合った。

 

「お久しぶりですね。」

 

「クルクルククルルッル!!」

 

「昔みたいに、喋ってください!」

 

「クルクク!ルルルルキュクル!!」

 

闇医者は球体を取り出し、先程までいた方向にぶん投げた。そこには倒れているシスターフッド達や救護しにきた救護騎士団がいる。球体はその場の中心に落ち、紫色のガスが出てきた。ミネはそのガスが何かを理解した。

 

「クルルルクキュキョルル!」

 

「それが元仲間にすることですかッ!」

 

「キャルクルルククククwwww!」

 

ミネは闇医者の言っていることは少ししかわからないが、闇医者が何をしたのかは理解した。

闇医者は狂気的な顔をしてその場を去っていった。ミネは救護のためにガスがおさまった方に向かった。

 

「闇医者、あのガス結構やべぇ奴だろ?」

 

「ククルルルルルル!」

 

「何言ってるかわからな〜い。」

 

因みに闇医者が投げた爆弾に入ってたガス。吸った人は専用の薬を投与するまで全身に激痛が走るという恐ろしいガスだ。

ガスの影響を受けた生徒たちのために薬を取りに行かなければならないため、無事な救護騎士団達は急いで役割分担をする。急いで本部にいる団員に薬を持ってくるように連絡した。

 

「あのガスの薬は高価だからティーパーティーの許可がないと購入できないのに...」

 

「なんですかそのルール!救護を必要としている人がいるのですよ!」

 

あいつ(ティーパーティーホスト)がティーパーティーに就任してから色々変わってね。ほか二人も手を焼いてるみたいだし、救護騎士団は医療器具、薬品を購入するときは許可を取らなきゃいけなくなったのよ。あの子、今は闇医者だっけ?闇医者がああなっちゃったのもあいつが現況だし。」

 

団長の言葉に怒りを顕にするミネ。

すると薬を積んだトラックがやってきた。救護騎士団達は急いで場の救護を開始した。

シスターフッドと救護騎士団が集まっている。だが、この場に仕掛けられていたカメラで全てを見ていた者がいた。

その人物は雁木アキ。シスターフッドと救護騎士団の多くがトリニティ校舎を離れていることを確認した彼女は脱獄を始めるのであった。

 

 

 

==================

 

 

 

アキの脱獄から暫くした後、目を覚ましたナギサは牢屋であるものを見つけた。

 

「タブレット?一体誰のでしょうか?」

 

ナギサはそのタブレットをタップすると映像が出てきた。

 

「これは... トリニティの監視映像?いつこんな物を!?」

 

タブレットの充電は残り6%。ナギサは急いで充電を開始する。

電力が満タンになったらさっそくタブレットの内容を見る。幸いパスワードはなかった。

 

「録画機能もあるのですね...」

 

いつからカメラがあったのか、そんなことはどうでもいい。

問題はタブレットにあった映像だ。

 

「・・・・・救護騎士団、正義実現委員会に会いに行かなければ。」

 

ナギサは正義実現委員会委員長の病室に向かっていった。

 

「失礼します。」

 

病室の扉を開けると、正義実現委員会の委員長、同室のハスミとツルギ。診断のために来た救護騎士団の団長、助手としてミネがいた。

 

「お、ナギサちゃん。あいつ(ティーパーティーホスト)からの命令かい?」

 

「違いますよ。まだ寝てる人が命令を出せるはずありません。」

 

「じゃあなんでここに?」

 

「これを見てください。」

 

ベットで上半身を起こしている委員長はタブレットを受け取って中を見る。

 

「映像記録?」

 

委員長はタブレットを操作して映像を再生する。

 

『それなら彼女を卒業まで監禁した方が良いと言いました。』

 

『それに、彼女は私の使い捨てのコマにする予定でしたので。捨てる次期が早まっただけです。』

 

信じがたい音声が聞こえてきた。委員長以外は映像を見てないがその音声はティーパーティーホストのものだとわかる。

 

『薬なんかに予算はいらない。上層部以外の治療は無駄だろう?』

 

『疑わしいなら退学、危ないなら監禁だな。』

 

『あいつが中退ね。ふふっ!わざといじめの標的にして良かったわ。』

 

『エデン条約、私は反対派だけど世間的にはいい面見せないとね。まあ雷帝に媚を売っていれば大丈夫でしょうね。』

 

『他の2人には悪いけど、バレたときには罪をなすりつけておきましょう。』

 

『は?奇病?どんなものか知りませんが隔離させておけば大丈夫でしょう。危険ならば処分しなさい。』

 

『暇ですし横領でもしますか。偽の証拠も作っておきましょう。』

 

それはティーパーティーホストの過去の発言だった。

自己中心的な彼女の言葉にこの場の全員は怒りを顕にする。

 

「皆さん、現ホストを失脚させるために力を貸してもらえないでしょうか。」

 

 

 

==================

 

 

 

それからしばらくして。

囚人街がブラックマーケットと名を変えて財務室の施設を襲撃している頃、ティーパーティーホストとナギサ、護衛2名は会議室に向かっていた。

 

「アキの奴、二丁拳銃とか名乗って気取りやがって。」

 

「・・・・・」

 

ホストは会議室に入ると、既に他の代表2名、委員長、団長、その他護衛数名がいた。

会議は着々と進み、終盤の頃、ナギサが手を上げた。

 

「少々よろしいでしょうか?」

 

「ナギサ?」

 

突然のナギサの行動に驚くホスト。

 

「貴方の任を解きます。」

 

「え?」

 

ホストは周りを見るが、皆納得しているようすだった。

自身の護衛ですら動かない。

 

「これは反逆ですよ?それをわかっているのですか?」

 

「反逆じゃないよー。私達が許可した。」

 

「それに貴方の過去の発言の記録が見つかって、情報局に調べさせたら出るわ出るわ不正の証拠。ホストになったのは前ホストの妹を人質にして氏名させた事も知ってるよ。」

 

「な、なぜそれを...」

 

他の代表2名の言葉に驚愕するホスト。

そこにツルギとハスミが近づく。

 

「私達正義実現委員会は標的を逮捕する時は私情を挟まない。だからそこは安心して連行されな。」

 

「救護対象に上も下もありません。」

 

「政治不介入のシスターフッドですら意見が来ています。」

 

ホストは理解した。この場に自分の味方はいないと。

 

「ナギサ、私はお前に忠実なハズだろ?なぁ、弁明して!」

 

「・・・・・」

 

ガチャンと手錠をかけられ、ハスミとツルギに連行されていくホスト。

ホストが会議室からいなくなった後、ナギサはホストの席につく。

 

「というわけでフィリウス分派代理となりました桐藤ナギサです。以後よろしくおねがいします。」

 

「まあ2年生の誰かが代表になるまでの間、私達も補助していくよ。」

 

なお、連帯責任をとりたくないフィリウス分派の2年生は皆立候補せず、ナギサが正式な代表になるまでナギサは代理となるのであった。

 

 

2年前の過去編どこまでやる?

  • マーケットギルド解散まで
  • 資産争奪戦まで
  • 遺産争奪戦まで
  • 梔子ユメ死亡まで
  • ミレニアム内戦まで
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