透き通る世界の無法者   作:1052667

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略奪と退却。

 

「目的の物が目の間にあると油断する者が多い。」

 

コツコツと二丁拳銃の所に歩いてくる。その人物の名は雷帝。

 

「外にいる連中が満身創痍で中にやってくる頃には救出対象と仲間の死体しか残っていない。」

 

雷帝はユメに銃を向ける。

 

「お前も、こんな奴らと関わらなければこんな最後にならなかったのにな。」

 

「待て...」

 

二丁拳銃は倒れながら雷帝を睨む。今にも意識が飛びそうなのだ。

 

「まだ生きてたのか。まあ、何もできないだろうが。」

 

「はぁ... ギャングボスを殺したのもこの弾丸か...」

 

「ああ。奴はゲヘナの犯罪組織の8割を牛耳っていた。だから好都合だった。」

 

「マジかよ...」

 

雷帝は冷めた目で二丁拳銃を見る。

 

「外にいる連中も全員死ぬだろう。お前たちは何も出ずに散っていくんだ。」

 

「それが遺言か?」

 

「「「ッ!!??」」」

 

いつの間にいたのか。伝道レトがそこにいた。雷帝に剣先を向けている。

 

「おや、私の罠で死んだのかと思ったよ。」

 

「ああ。死ぬかと思ったぜ。」

 

「その割には無傷だな。」

 

雷帝はレトに向って撃つがレトは剣で弾くと同時にユメの手錠を斬る。

 

「ユメ。走れんならそいつ(二丁拳銃)連れて逃げろ。俺は雷帝を倒す。」

 

「私を?笑わせるな。タダのチンピラの長の分際で。」

 

「それはどうかな?お前なら俺の出自を知ってんだろう?」

 

「ああ。」

 

ユメが二丁拳銃を横抱きして部屋から出るのを確認したレトは剣を構えた。

 

「さあ、決着をつけようじゃないか。雷帝!」

 

「ああ。お前なんて簡単に殺せる。伝道レト。いや、聖ティナ!!」

 

 

 

==================

 

 

 

ユメは二丁拳銃を横抱きしながら階段を降りていく。もう二丁拳銃の意識はなくなっていた。

警備のゲヘナ生は既に二丁拳銃が倒しているため、ユメは安心していた。

しかし地下通路のところまで行くとゲヘナ生が倒れた仲間を介抱していた。その事に気づいたユメは道を変えて正面玄関の方に向かう。だがそちらに1人の生徒がいた。ユメは二丁拳銃を横抱きしているために戦うことができない。そう思ってるとそのゲヘナ生はそちらに気づいた。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

沈黙。だが、その人物は周りを見ると玄関の方を指差す。

 

「行って。」

 

雷帝直属部隊

部隊長 鬼方カヨコ

(後の便利屋68 課長)

 

「え?」

 

「良いから。」

 

「あ、ありがとう!」

 

ユメは急いで玄関の外に出る。そこは戦場だった。数多く倒れているゲヘナ生、怪我した仲間を必死に救護する闇医者、巨大ロボと戦うアケミとイトナとワカモ。

 

「闇医者ちゃん!」

 

戦場に響く声。その言葉に敵も味方も注目する。

 

「アキちゃんが!早く!」

 

ユメに抱きかかえられてる二丁拳銃。身体から血が出ている上に意識がない。人目で重体ということがわかる。

 

「発注品が逃げたぞ!撃てぇ!」

 

「ユメちゃんの邪魔をさせるな!」

 

ユメは闇医者の所に走る。雷帝直属部隊がユメを狙うがヒトリや音波、アルとムツキとリジェが邪魔をする。風紀委員は雷帝直属部隊が言った【発注品】という言葉に疑問を浮かべた。ブラックマーケットから何かを盗んだのは理解していた。しかしそれが生徒だという事は知らなかったようだ。

 

「闇医者ちゃん!アキちゃんを!」

 

「クル!?クルクルクルクル!」

 

「まずい!脇腹に銃弾が埋まって。」

 

「ユメちゃんも怪我がひどいよ!」

 

「大丈夫カユメ!?」

 

「ユメさんも二丁拳銃さんもひどい怪我!?」

 

闇医者は持ち合わせの医療器具で応急処置をするが、さっきから仲間の救護をしていたために十分な処置ができなかった。

 

「ルルキュルルルル!ルルクルククル」

 

「え!?医療器具が足りないの!?」

 

「まだ増援が増えてるのに!」

 

だが、その時ゲヘナ校舎の雷帝の間がある最上階が爆発した。

その光景にまたも戦場の全員が注目した。

爆発の中から二人の人物が落ちてきて着地した。

 

「思ったよりも弱いな、雷帝!」

 

「くっ...」

 

伝道レトと雷帝。雷帝は身体から血が出ている。

レトは雷帝に向けて剣を振り上げて下ろすと斬撃が飛んだ。これがレトの神秘だろうか?

雷帝は斬撃を避けるが、後ろにいたロボットが真っ二つに斬れた。アケミ、イトナ、ワカモが攻撃しても傷1つ付かなかったロボットが。

 

「俺を怒らせたんだ。何をされても文句はねぇな!?」

 

「全部隊に次ぐ!ギルドの連中は頬っておけ!伝道レトに集中攻撃をしろ!」

 

その言葉にゲヘナ生は一気に銃口をレトに向ける。

 

「お前等!俺が暴れるからその隙に奪えるもの全部奪いやがれ!」

 

その言葉に目を輝かせるギルメン達。第一の目的を達成した今、彼女たちの目的は略奪のみだ。

ワカモはすぐにその場を離れ、アケミとイトナはゲヘナの刑務所に向かい、音波は情報部の本拠地に向かう。

 

「クルクルクルルルルルル!」

 

「救急医学部に!?わかった!」

 

「行う!」

 

ユメと闇医者とフユカが救急医学部に向かう。

 

「ユメちゃん!」

 

「ヒトリちゃん!?」

 

「これ持ってけ!二丁拳銃が大切なら守ってな!」

 

ヒトリが鞄式の盾をユメに渡す。

 

「ヒトリ!雷帝の兵器をかっぱらうぞ!」

 

「よっしゃぁ!行くぞ!」

 

クロスヘアー、ヒトリ、武器商人、キャスパリーグと他下っ端は兵器保管庫に向かう。

そして残りの幹部陣とその他はゲヘナの財政を管理する施設へと向っていく。ネルは地下通路に戻り脱出のために備える。

レトはゲヘナ生からの集中砲火の中、斬撃を次々と出して撃破していく。雷帝は致命傷になりうる銃弾を放つがそれすらも斬撃によって意味をなくす。

 

「人を殺せる兵器でも当たらなければ意味がねぇな。」

 

「化物め...」

 

 

 

==================

 

 

 

ゲヘナ情報部。そこは今慌ただしかった。

 

「雷帝が伝道レトに集中攻撃命令を出したことによってマーケットギルドがゲヘナ各地で暴れ出しました!」

 

「財政管理施設が襲撃!金が盗まれています!」

 

「市街地が災厄の狐により炎上!被害極めて甚大!」

 

「先輩!指示を!」

 

風紀委員 情報部

新入り 空崎ヒナ

(後の風紀委員長)

 

「くッ!」

 

だが、その時情報部のパソコンや機械類が突如停止した。

混乱する情報部の面々。だが、その時部屋の扉が吹っ飛び外から音波が入ってくる。

 

「音波ジュウ!?」

 

ミレニアム出身の大犯罪者を知らないものはこの中にはいない。彼女は身体から音を出し風紀委員を攻撃。

そしてサーバーに手を触れると同時にデータを自身に転送しはじめた。

 

「データが盗まれてる!?」

 

「止めないと!」

 

しかし音波の身体から発せられる音を聞くと頭痛がするため耳を抑えて銃を持つことすらできない。

だが、新入りのヒナは痛みに耐えながらも消火栓の隣りにある斧を掴むと、サーバーに繋がってるコードを斬った。

 

「ナッ!?」

 

サーバーはダウンし、音波は全てのデータを得ることは出来なかった。そして斧を持ったヒナが音波の腕を斬る。

 

「斬れ、た?」

 

ヒナも音波の腕が斬れると思っていなかった。

音波の腕の断面には機械類が見える。

 

「貴方、ロボットなの?けどヘイローが...」

 

呆気にとられたヒナに向って爆音を浴びせ吹っ飛ばす。目的を達成できずに腕を斬られた音波は退却するしかなかった。

 

 

 

==================

 

 

 

兵器保管庫。

ゲヘナで最も警備が高い場所だ。

 

「前線を突破されたぞ!」

 

「通信が途絶えた!」

 

「相手が強すぎる!」

 

次々とやられる警備員。

武器商人がロケットランチャーで戦車をふっ飛ばし、ヒトリが十手で警備員をなぎ倒す。クロスヘアーは援護する。

 

「ヒトリ!大型トラックの奪取に成功した!」

 

「よっしゃ突っ込め!」

 

倉庫の扉をぶち破り、中に入るギルメン達!

 

「デカいのは頬っておけ!詰め込めるものだけ詰め込むんだ!」

 

ギルドの下っ端達が次々と兵器をトラックに詰め込む。そんな中ヒトリは太いレーザー砲を見つけるとキャスパリーグに渡す。

 

「それを使いな。失敗作だが一発でキヴォトス人を気絶させることが可能だ。」

 

「成功だったらもっとヤバいのかよ。」

 

「武器欲しがってたろ。このハンドヘルドレーザーキャノンは良いぞ!あ、クロスヘアー!その兵器はやめとけ。」

 

キャスパリーグはハンドヘルドレーザーキャノンを構えるとやってきた警備員に向って撃つ。

極太のレーザーが放たれ壁は粉砕、警備員たちは血を吐いて倒れた。

 

「良いね、これ。」

 

「キャスパリーグ!その兵器で周りの連中吹っ飛ばせ。エネルギー切れはないからな!」

 

「ヒトリ!取れるものは全部詰め込んだ!」

 

「よっしゃ逃げるぞ!退却〜!」

 

 

 

==================

 

 

 

救急医学部本部。闇医者とフユカが侵入していた。アキとユメは外で待機している。

2人は早速医療道具を盗む。

 

ギコッ!銃創の治療道具ってれであってる?」

 

「ええ。キヴォトスじゃあ銃創なんて珍しいからそれ関連の道具は少ないと思っていたのに。これも雷帝の影響か?」

 

死にかけてる二丁拳銃。

この自体には闇医者が普通に喋るレベル。

 

「止血も十分じないから止血の道具も持ってきたよ。」

 

「よし行くぞ。」

 

「侵入者発見!」

 

「クルクルクルクルクル!!」

 

闇医者は窓を突き破りフユカと共に外に出る。

彼女とて医者だ。患者がいる場所で戦闘なぞしたくない。

 

「待ってください!」

 

「クルッ!?」

 

「その医療器具、死にかけてる人がいるんですね?」

 

「そうだけど、何?」

 

「それならこちらで治療します。」

 

「「!?」」

 

「戦争中なんて関係ありません。」

 

「それに器具を持っていかれても困りますし。」

 

救急医学部

新入り 氷室セナ

(後の救急医学部 部長)

 

早速二丁拳銃の治療が開始された。

ユメは別室で切り傷の処置をされている。フユカはユメのに絆創膏を貼っているセナに話しかける。

 

「ねぇ、救急医学部ってパラステェック病を直せたりしい?」

 

「確かキヴォトスでも珍しい奇病ですね。ゲヘナでも前例がない病気です。山海経でも治せなかったと噂で聞きました。」

 

「そう...」

 

 

 

==================

 

 

 

ゲヘナ本校者。今そこは倒壊した。

雷帝とレトは同格だったがレトのほうが優勢だ。2人は周りの被害を気にしない。雷帝の援護に周ったゲヘナ生はレトの斬撃ですぐにやられる。

 

「お前は自身の力を過信しすぎてる。キヴォトスの支配をした先に何を求めてる?」

 

「ッ!」

 

「俺はただ故郷を平和にさせりゃぁそれでいい。その過程にキヴォトス征服があるだけだ。」

 

雷帝を斬りつける。

 

「俺の家族を使いやがって。」

 

剣を横に振るうと斬撃は広がる。雷帝は直撃し、後ろにあった車や建物は斬れる。

 

「お前の神秘、デタラメすぎだろ!」

 

「お前の兵器もデダラメだろ。」

 

雷帝の部下たちももう役に立たない。

怒りながらも冷静を保つレト。上空から飛んできたミサイルを見て斬撃を飛ばす。

その隙に雷帝はキヴォトス人ですら致命傷になる銃を撃つが避けられる。

 

「俺達が戦ってる間にゲヘナは今火の海だ。お前がゲヘナのトップならそっちの心配をしろよ。」

 

「・・・・・」

 

「これで終わりにするか。」

 

EXスキル 弾圧の末路

 

その攻撃で雷帝は倒れた。周りの建物等は全て倒壊している。

雷帝とレトの戦いは、レトの勝利に終わった。

 

「虚しいなぁ!雷帝。」

 

 

 

==================

 

 

 

一方、ゲヘナの財政管理施設。

ゲヘナの金の管理をしている施設だ。その施設の大型金庫。

 

「すごいッ!」

 

「見たこともないレベルの金品!」

 

「うひゃぁ〜!大量の札束もある!」

 

「全部運べ!」

 

「渡すかマーケットギルド!」

 

警備についていたゲヘナ生を次々と倒し、大型金庫の中にある金目のものを盗むギルメン達。

 

「延べ棒ってこんなに重いのね。」

 

「わ〜い!金銀財宝ざっくざく!」

 

「これでブラックマーケットの財政は安定するぞ!」

 

どんどん盗まれていくゲヘナの金。

 

「1150!これ全部持ち帰ったら給料上がる?」

 

「そこはレトと要相談だがボーナスは確定だ!」

 

部下が台車に金品などを載せていく。

それを阻止しようとどんどんやってくるゲヘナの増援。

 

「ペルファボーレ!」

 

「ぎゃぁ!」

 

「うわぁ!」

 

リジェが増援を腕につけたブレードで攻撃していく。

ムツキが続いて爆弾を投げていく。

 

 

 

==================

 

 

 

ゲヘナの刑務所。

そこはアケミとイトナの2人に襲撃していた。

 

「おいおいおい!伝説のスケバンと賞金稼ぎが攻めて来るなんて聞いてねぇぞ!?」

 

「に、逃げろぉ!?」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

「お、落ち着け。非常用のトラップがあるはずだ。」

 

看守の生徒が監視カメラでアケミとイトナの場所を確認すると赤いボタンを押す。

すると足元の床が開き、2人は下に落ちていく。

 

「よし!」

 

「これで一安心。 ・・・・ん?」

 

「どうした?」

 

「なんか揺れてね?」

 

だが、別の監視カメラの映像を見ていたゲヘナ生が驚く。

 

「ア、アケミが壁を壊しながら走ってるぅ!?」

 

「まずいぞ。アケミとイトナはどこに向ってる?」

 

ここ(監視室)だ!」

 

その言葉と同時に床が吹っ飛び、下からアケミとイトナが出てきた。

イトナはすぐにその場にいたゲヘナ生を制圧すると、すぐに機械を操作する。

 

「見つかりましたか?」

 

「ちょっと待ってろアケミ。あったこれだ。」

 

するとイトナはマイクを口元に近づけて施設内に向けて放送をする。

 

「あー。本日は晴天なり。私はマーケットギルドの六車イトナだ。ここに囚われてる囚人たちに次ぐ。今からお前達は自由だ。」

 

そう言うと、機械を操作して全ての檻の扉を開けた。

当然、ここで捕まっていた者達は脱獄を始める。アケミとイトナは囚人たちのためにさらに脱出ルートを作るのであった。

 

 

 

==================

 

 

 

それから数時間。

目的を終えたギルドの面々が広場に戻ってきた。

 

「重症者は二丁拳銃だけか。」

 

「一通りの治療は終わったけど、安静にしておかないと。まだ目を覚ましてないからね。」

 

「全員揃ったな。なんか増えてんだがそいつらは何だ?」

 

「あー。ゲヘナの囚人。」

 

「解放させたら仲間になりたいと言って聞きませんの。」

 

「ユメちゃ〜ん!無事でよかったよぉ!」

 

「ユメ!無事で何よりだ。」

 

「ユメさんも怪我しちゃって...」

 

「ユメ、無事デヨカッタ。」

 

「いや音波ちゃんロボットだったの!?」

 

全員が揃い、帰る支度をする。

 

「お前ら!退却だ。帰って宝の山分けをするぞ!」

 

「ククククククククククク!!」

 

「フヘヘ。ゴクッ!」

 

ギココココココココ!」

 

「クフフ〜!」

 

「っはは!」

 

「ふふふ!」

 

「ハハハハハハハ!」

 

「うふふふ。」

 

全員の笑い声が重なる。

この日、ギルドアウトローとゲヘナ学園の戦争が起こりゲヘナ学園が甚大な被害が出た。

しかしこの事実がキヴォトス中に公開されることはなかった。

その後、反雷帝派により雷帝は失脚する。■■■が情報に規制をかけたために雷帝に関する情報は一切検索に出てこなくなった。

 

2年前の過去編どこまでやる?

  • マーケットギルド解散まで
  • 資産争奪戦まで
  • 遺産争奪戦まで
  • 梔子ユメ死亡まで
  • ミレニアム内戦まで
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