透き通る世界の無法者   作:1052667

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真実と王の血

 

「・・・・・・2人で話しませんか?」

 

「いいだろう。俺もお前に話したいことがある。」

 

ゲヘナ戦争の前。■■■とレトは2人で話しはじめた。

レトは仲間に聞こえない場所にいることを確認すると話を切り出す。

 

「それで、話ってのはなんだ?」

 

「私は、未来を知っています。」

 

「セイアと同じ感じか?」

 

「いえ、予知ではありません。」

 

「まあいい。それで?何があったんだ?」

 

「私のミスでした。私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。あの結果にたどり着いて初めて、あの人の方が正しかったことを悟りました...」

 

「・・・・・」

 

「私も、レトちゃんも、足りなかった...」

 

「俺はどうなるんだ?」

 

「・・・雷帝に殺されます。」

 

「ッ!!」

 

「このまま雷帝の罠に嵌って... 私はレトちゃんを救えなかった... 助けられませんでした...」

 

レトは無言だ。

■■■は泣きそうな表情で下を向いた。するとレトは■■■の肩を叩く。

その表情は乾いた笑顔だった。

 

「そんな未来、俺が変えてやるよ。」

 

「ッ!」

 

「次は俺の番だ。」

 

「レトちゃん...」

 

「伝道レトは偽名だ。ババアから逃げるためのな。」

 

その言葉を聞いて驚く■■■。

 

「俺の名前は、【聖ティナ】。アリウス分校のロイヤルブラッドの1人だ。」

 

「え... アリウスの...?」

 

「ああ。家族(分校の皆)と共に逃げてきたんだ。だが、逃げ切れたのは俺だけだった。他2人のロイヤルブラッドの安否も気になるし、捕まった家族も心配だ。」

 

「なぜキヴォトス支配をしようとしているんですか?」

 

「今の俺じゃああのババア、ベアトリーチェに勝てねぇ。だから戦力を持つ必要があったんだ。今のマーケットギルドでも勝てねぇ。」

 

「そんなに...?」

 

「キヴォトスの主要戦力とお前の指揮があれば勝つことはできる。頼む!俺の仲間になってくれ!」

 

「・・・・・」

 

「だめか。」

 

「ごめんなさい。」

 

「良いんだ。■■■も未来のために動くんだろ?」

 

「ええ。」

 

「それで話を戻すが、雷帝は俺の本名とアリウス式暗号を知っていた。」

 

「それって罠じゃ...」

 

「ああ。十中八九罠だろうな。」

 

■■■はものすごく焦った顔をする。

そんな彼女にレトは笑い飛ばした。

 

「なら思い知らせてやる。この俺、聖ティナを怒らせたらどうなるのかをな。」

 

「殺さないでくださいよ。」

 

「そうだな。それはそうとお前はここを通す気がないんだよな。」

 

「はい。レトちゃん、いやティナちゃんには死んでほしくありません!」

 

レトは剣を構え、■■■はタブレットを構えた。

 

 

 

==================

 

 

 

「そして、俺の宝はまだ残ってるはずなんだ。」

 

「死を回避したのか...」

 

「プハッ!でもそれって本来の出来事とは違うってこと?埋め合わせが何処かでくんじゃないの?」

 

「そうだ。だからお前らに頼みたい。」

 

レトの表情はいつになく真剣な表情だ。

 

「宝を、手に入れてほしい。逃げることしか出来なかった俺に変わって!」

 

その言葉。レトが逃げることしか出来なかったことに驚く一同。

 

「宝を手に入れるやつはトリニティ出身のやつが良いと思ってる。だが、あのババアと戦うにはトリニティ以外の奴の力が必要だ。」

 

「ババアってのは?」

 

「ベアトリーチェ。ゲマトリアって奴らの1人。外道な大人だ。」

 

「よりによってゲマトリアかよ。」

 

「知ってるの?」

 

「昔ちょっとね。私が会ったやつは話が通じるやつだったな。」

 

「で、そのベアトリーチェって奴にアリウスを支配されたのか。」

 

「ああ。8年前にな。俺は家族と幸せに暮らせりゃあそれでいい。」

 

「結構普通の感性してんだな。」

 

「クルクルキュルル」

 

「ロイヤルブラッド...」

 

「それで、雷帝に何されたんだ?」

 

 

 

==================

 

 

 

ゲヘナ戦争時。

レトは雷帝に送られてきたアリウス式暗号文に載っていた座標のところに行っていた。

 

「人払いされてんのか?」

 

その場所は霧が深く、地面が熱い。どうやら火山地帯のようだ。

 

「ティナ...」

 

その声の先を見るレト。

そこにはガスマスクの生徒が7人程。彼女達はレトがアリウスから逃げる時一緒にいた家族達だ。

 

「結局捕まっちまったのか。一緒に来いよ。」

 

7人は一斉に銃口を向ける。

 

「vanitas_vanitatum_et_omnia_vanitas」

 

「ハッ!ババアに【教育】されやがって。お前らに十字の剣を使いたくねぇ。」

 

レトは銃を取り出して家族を相手取る。

彼女たちはレトの記憶よりも強くなっていた。だがレトは難なく倒していく。

 

「内戦の経験とババアの教育で多少は強くなったらしいが、十字の剣を持つロイヤルブラッドである俺に勝てるわけ無ぇだろ。」

 

「・・・」

 

「こんな時もだんまりか。」

 

「ええ。ごめんなさい!」

 

その時、家族の1人がレトに抱きつくとそのまま爆発した。

 

「は?」

 

抱きついた子は上半身がなくなっていた。

レトにもダメージが入るが、それよりも目の前の出来事に唖然としていた。

 

「ティナ、私達は、爆弾を飲まされてる。」

 

「ごめんなさい。」

 

「全ては... 虚しいです...」

 

彼女たちは一斉にこちらに向ってきた。

泣きながら。

 

「やめろよ。なあ、おいッ!」

 

気がつくともう誰もいなくなっていた。

爆発でダメージが入ったレトだが肉体的にはほぼ無傷だ。肉体的には...

 

「はぁ... はぁ...」

 

息を荒くするレト。

返り血を浴びて真っ赤になった服。

 

「はぁ... はぁ... まずは、洗うか。はぁ...」

 

近くの水飲み場に行き返り血を落とす。火山地帯のためかすぐに服は乾いた。

 

「はぁ... はぁ... はぁ...」

 

息が荒い。

だが、自分の頬を叩く。

 

「はぁ... あいつら(ギルドの連中)まで失うわけ行かねぇな!」

 

レトは考えた。彼女たちからどう思われてるのかは知らないが、レトにとっては大切な仲間だ。

ギャングボスやその部下が殺されてる。今ユメを助けに行ってるギルドの面々だって死ぬかもしれない。

 

「行くか。」

 

十字の剣を手に取り走る。

 

「もう誰も、死なせねぇよッ!」

 

彼女は走り出した。建物を次々と飛び出して行き、本校舎が見えてくる。

最上階の窓は剥がされており、そこには倒れてる二丁拳銃が見えた。

 

 

 

==================

 

 

 

「そういうことだったのか。」

 

「ああ。あの時はまだお前らがいたから冷静になれた。」

 

「レトにも以外な弱点があんだな。」

 

「まあな。誰だって自分の居場所が大切だ。」

 

その言葉を聞いて二丁拳銃の胸が痛くなる。正義実現委員会という居場所を抜けた彼女にも思うところがあるようだ。

なお、闇医者が救護騎士団にいた期間は短いのでそこまで思い入れがない。

 

「あのババアを倒すためには必ず■■■かそれと同等以上の指揮能力があるやつが必要なんだ。」

 

「力で言うこと聞かせれば良いんじゃないの?」

 

「■■■は友達だ。そんな最低なことしたくねぇよ。お前らも大切な居場所が出来たら気持ちがわかるぜ?」

 

キャスパリーグの言葉に笑い飛ばすレト。

わかるはずがないと思うキャスパリーグ、家族思いの心を持つレトに惹かれるアルとムツキ。今の居場所に満足しているネルとヒトリとフユカ。フユカと一緒にいられるならそれでいい闇医者。今の居場所が1番大事な二丁拳銃。

 

「まあ、こんな感じだ。未来を変えた俺には必ず埋め合わせがくる。最悪、アリウスに帰れねぇかもしれねぇ。」

 

「辛く、ないのか?」

 

「辛いに決まってんだろ。」

 

レトは優しい笑顔を皆に向ける。こんな表情をした彼女は初めてみた。

 

「俺の宝を、手に入れろよ?」

 

 

2年前の過去編どこまでやる?

  • マーケットギルド解散まで
  • 資産争奪戦まで
  • 遺産争奪戦まで
  • 梔子ユメ死亡まで
  • ミレニアム内戦まで
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