透き通る世界の無法者   作:1052667

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秩序と正義と迷い

トリニティの正義実現委員会の委員長は考え事をしていた。

 

(伝道レト... 奴はトリニティで最初に確認された生徒。それよりも前の情報は一切ない。まさかとは思うが...)

 

「委員長、どうかしました?」

 

「いや、伝道レトについて考えてな。」

 

「エデン条約の方だと思いました。」

 

「奴がトリニティに攻め込んだら... 私が担当するからな。エデン条約関係はアキに任せるからな。」

 

「え〜。」

 

「委員長大変です!」

 

レトと委員長が会話してると1人の委員が走ってきた。

 

「どうした?」

 

「災厄の狐が近くで暴れています!ツルギちゃん達が交戦しています!」

 

「こんなときに!」

 

委員長はリボルバーに弾を込めてコートを着る。

 

「アキはここに残れ。」

 

「あいよー。」

 

委員長が去った部屋ではアキがハスミと共にもくもくと事務作業を進める。

すると内線電話がなり、受話器を手に取る。

 

「はい、こちら正義実現委員会。」

 

『ティーパーティーが襲撃されてます!至急サンクトゥス分派の屋敷に!』

 

「わかりました。すぐに行きます。」

 

受話器を置いて直ぐに部隊を編成。

サンクトゥス分派の屋敷前に到着した。

 

「ひどい荒れようだ。ハスミちゃん、救護騎士団に連絡頼む。」

 

「はい。」

 

ライフルを構えて屋敷の中を進む。

 

「金になりそうなものは盗まれてますね...」

 

「ただの強盗にしてはおかしいな。ティーパーティーの一派に強盗のためだけに攻め込む訳が無い。」

 

「ということは厄災の狐も――」

 

「陽動だろうな。しかも厄災の狐が関わってるってことは主犯格が伝道レトの可能性が出てきたぞ。」

 

この前のカイザー施設襲撃事件。伝道レトが主犯で、その事件には厄災の狐もいた。

そのまま屋敷の奥に進み、扉を開ける。

 

「おや、正義実現委員会がきたぞ?」

 

「クルクルクルクルクルクルクルクル」

 

「意外と早かったねぇ〜。」

 

「伝道レト... 何しに来た?」

 

「百合園セイアに用があってきたんだが、どうやらいないようでな。」

 

百合園セイア。次期ティーパーティー候補、そして強力な予知夢を持っている生徒だ。

 

「それともう一つ。雁木アキ、お前に用がある。」

 

「え?私?」

 

「ああ。俺の仲間になれ!

 

「は?」

 

「お前の力はお前が想定してるより強い。トリニティ(ここ)で腐らせるのはもったいねぇ!」

 

「攻撃用意!」

 

アキは内申めっちゃ動揺していた。襲撃者を捕まえようとしたらその襲撃者に仲間になるよう言われたのだ。回りにいる人たちも困惑している。

ライフルを構えた瞬間、思いっきり距離を詰められ蹴りを入れられた。

 

「ぐはっ!」

 

「お前はよぉ〜。ここの正義を本当に信じているのか?」

 

「信じているから正義実現委員会にいるんだよ!」

 

「トリニティの過去を調べろ。それで本当に正義と言えるのか?」

 

「知るかッ!」

 

「まあいい。百合園セイアの居場所はわかった。俺はそこに行く。お前等はコイツらの相手してろ!」

 

「待て!」

 

しかし時すでに遅し。どうやら百合園セイアの居場所はバレているらしい。

レトは屋敷を飛び出していってしまった。

すぐにでも追いかけたかったが、2人の襲撃者が残っている。

 

「先にこの2人を!」

 

「だ〜れを倒すって?」

 

「くっ!」

 

アキは迫ってきたギャングボスに向かって発砲する。しかし相手は物ともしていない。

 

「先輩!助けてください!」

 

「ちょ、やば、ぎゃぁ!」

 

「うわぁ!?」

 

後輩の助けを呼ぶ声に振り向く。30人程いた部隊だが、すでに10人以上がたった1人にやられている。

 

「余所見してる暇があるのかな?」

 

「うるさいッ!」

 

手榴弾を投げて応戦。爆発で怯んだ隙に後輩達のところに行く。

注射器とメスを持った灰色の羽が生えた生徒の攻撃に1年生はどんどんやられている。

 

「クルクルクルクルルルルキャァァァ!!」

 

「きゃっ!?」

 

「クルクルクルクルクル?」

 

元救護騎士団

闇医者

(後のマーケットガード司令官)

 

「とっ!」

 

ハスミを攻撃しようとした闇医者だったが、横からやってきたアキに顎の下を思いっきり蹴られた。

 

「クルクルククククククッ!?」

 

「トリニティの指名手配犯までいるんですか!?」

 

「ハスミちゃん達は援護して!」

 

「クルククククルキャァァァァ!!!」

 

ライフルを構えて引き金を引く。しかし銃弾が当たっても特に怯む様子がない。

闇医者はメスを構えて振り上げる。アキは咄嗟にライフルで防御するが、ライフルは真っ二つに斬れた。

 

「嘘でしょ...?」

 

「クルルルルルルルルwwww」

 

「ちッ!」

 

使えなくなったライフルを投げ捨てて、迫ってきた闇医者の顔面をぶん殴った。

 

「クルクキュッ!?」

 

そして腹にアッパーをきめて左腕を掴む。そして思いっきり折った。

 

「ルルキュルルゥゥキュル!?!?」

 

「うるさい!」

 

そしてさらに鳩尾一発!

 

「動かないで!」

 

追い打ちをしようとしたとき、後ろからギャングボスの声が聞こえ振り向く。

 

「動いたらこの子を撃つよ?」

 

ギャングボスは自身の銃をハスミの口の中に入れ、いつでも撃てる状態にしていた。

それだけではない。足では別の1年生の頭を踏みつけている。

 

「そのまま両手を上げろ。」

 

言われるがままに両手を上げる。しかし入口の方から飛んできた銃弾が頭に当たった。

 

「くっ!?」

 

「ふふ、レトが目的を達成しました。私達も帰りましょう。」

 

災厄の狐

狐坂ワカモ

(後の七囚人)

 

「災厄の狐!」

 

「あら、お久しぶりですね。」

 

「じゃ、帰るか。」

 

「クルクルルルクククュゥゥゥ!」

 

「ま、まって...」

 

それを最後にアキは意識を失った。

 

 

 

==================

 

 

 

アキが目を覚ますと、ベットの上だった。

どうやら救護騎士団の施設のようだ。

 

「目が冷めたようですね。」

 

「ミネ... ちゃん...」

 

「闇医者、彼女と戦ったのですね...」

 

救護騎士団新入り

蒼森ミネ

(後の救護騎士団団長)

 

「うん。相変わらず話が通じなかったよ。」

 

「そうですか。」

 

「ハスミちゃん達は?委員長は?」

 

アキが気絶している間に起きたことはミネが話してくれた。

伝道レトは百合園セイアがいる場所を襲撃した。しかし百合園セイアにただ話をしただけでその場を去ったとのこと。

それ以降百合園セイアはレトに対して尋常じゃないほど怯えているらしく、ティーパーティー上層部も今回の襲撃事件を重く見ていた。

正義実現委員会は委員長が負傷のため入院。その他の上級生も全員入院する事になった。

1年生はツルギが重症だったが、すぐに回復して復帰したそう。ハスミ達他1年生も軽症でもう復帰しているそう。

 

「上級生の中ではアキさんが一番の軽症です。明日には退院できるでしょう。」

 

「そう、か。」

 

「今日は安静にしていてください。」

 

ミネが部屋から去るとアキはレトに言われたことを思い出していた。

 

「正義なんて、勝った方が正義なんだよ。トリニティは勝ったんだよ。」

 

アキはトリニティの歴史を多少は知っている。

だがそんなの昔の話として割り切っている人物だ。

 

 

2年前の過去編どこまでやる?

  • マーケットギルド解散まで
  • 資産争奪戦まで
  • 遺産争奪戦まで
  • 梔子ユメ死亡まで
  • ミレニアム内戦まで
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