ACE COMBAT 〜紺碧の空を駆ける炎の一角獣〜 作:非常勤務艦隊本部
2010年10月25日 オーシア連邦 首都オーレッド
オーシア首都オーレッド。
巨大な高層ビルが立ち並ぶこの街には、戦いの空気は及んでなく、平和な香りに満ち満ちていたが…………
オーシア国防軍総司令部 会議室 08:50
オーシア国防空軍司令官「ユークトバニア本土への上陸はうまくいきましたな。」
オーシア国防陸軍司令官「それも、サンド島の部隊が事前に敵基地を叩いてくれたお陰だ。」
ここオーシア国防軍の総司令部では、次なる作戦の会議が行われていた。
オーシア国務大臣「副大統領のお陰で、国家予算の多くを軍に回してもらっていますからな。」
オーシア財務大臣「上院議会と下院議会も、すべてわれらの手の内にある。国民感情など、どうとでもなる。」
だが、ここにいる彼らは、なにか良からぬ関係性を持っている人物ばかりであった。
オーシア国防海軍司令官「だが、すべてはわれらの理想のためとは言え、第3艦隊の件は非常に遺憾だ。」
オーシア財務大臣「必要なことだったのだ。仕方なかろう。」
オーシア国防軍副参謀長「だが、あのサキという奴……中々の切れ者だ。例の部隊の事を水面下で探りを入れている様子だった。」
ノースオーシア社派遣社員「それはいけませんねぇ。あの部隊は、我らにとっての実働部隊ですから。」
オーシア国防軍諜報員「やはり、消えてもらうしかないな。」
オーシア国防陸軍司令官「暗殺するのか?奴を罠に嵌める事自体が難しいぞ?」
オーシア国防軍諜報員「彼は今、ノースポイントにて会議に出ております。その帰路に仕掛けるのです。」
オーシア国務大臣「まさか……民間機ごと、奴を爆弾で始末するのか!」
オーシア国防空軍司令官「もし成功しても、罪のない300人近い民間人は…………」
オーシア国防軍諜報員「この際、致し方ありません。奴を確実に仕留めるにはこの方法しかありません。」
オーシア国防海軍司令官「…………それしか方法がないのなら、致し方ない。」
何やら、良くないことを企てていた。
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オーシア国防軍参謀本部 会議室 13:00
そして、ここオーシアの参謀本部でも、もう一つの作戦会議が密かに行われていた。
参謀総長「ハーリング大統領の行方は掴めんのか?」
オーシア空軍特務隊隊長:クラリッサ・ハルフォーフ大尉「申し訳ありません。ホリスター郊外で確認が取れて以降、足取りがつかめませんでした。」
査閲部長:ドワイト・グリーンヒル少将「となると、既に奴らの手に落ちたと言うことか……。」
情報士官:バグダッシュ中佐「不味いですね…………すぐにでも、救出作戦を……」
特別参謀:ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐「いや。今動けば、奴らに感づかれてしまう。それに、大統領は彼らからしてみればダイヤモンドより貴重な獲物だ。そう易々と消すような真似はしない。」
彼らは、オーシア軍参謀本部の【穏健派】で、開戦当初から突如として表舞台に姿を現した【強硬派】と【戦争推進派】の動きを注視しつつ、この戦争の裏に潜む組織の実態解明を急いでいた。
穏健派将校「しかし……このまま手を拱いていては、奴らの思う壺では?」
ドワイト・グリーンヒル「今、奴らの背後組織の実態解明を急いでいるが、やはり時間がかかる。」
クラリッサ・ハルフォーフ「実態が掴めるまでは、サンド島の同志に頑張ってもらうしかないですね……。」
バグダッシュ「そのサンド島基地からですが……【早急なる予備機体の補充要請】が届いています。」
後方参謀次官:アレックス・キャゼルヌ少将「今すぐには無理ですね。強硬派がユークトバニア本土に強襲上陸を仕掛けたおかげで、補給リソースの大半を牛耳られています。」
参謀総長「すぐには無理か…………ならば、サンド島の戦力を増やすしかない。ラウラ特別参謀!」
ラウラ・ボーデヴィッヒ「は!直ちにカーボネロのラウンデル教官に、サンド島への異動命令を出します!」
参謀総長「頼む。」
軍部の思惑は、2つに分かれて密かに進んでいた…………
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サンド島基地 備品倉庫 14:00
エリア88の武器商人であるマッコイは、サンド島基地の一角にある【備品倉庫】を、自身の店として運用していた。
マッコイ「……おっ!文屋さんがきおったか。」
ジュネット「フィルム、400番を1セット。」
マッコイ「はいよ。」
私にとっては、便利屋だと思っている。
彼に頼めば、新品のカメラだろうとフィルム写真の現像に必要な物だろうと、お金を払えば持ってきてくれるのだから。
マッコイ「そう言えばあんた、文屋さんだってな?面白いネタがあるんじゃがな。」
ジュネット「ネタですか?」
マッコイ「オーシア・スカイズ・エアポートとエアポート・ディレクタスが新しいエアバスを導入した。MB-14型っていう、格安で客を多く運べるジャンボ機らしい。」
ジュネット「MB-14型?どこの会社が作ったんです?」
マッコイ「販売元は【ノースオーシア・グランダーI.G】じゃよ。」
ジュネット「グランダー社って、軍製品を中心に製造している会社ですよ?その会社が民間のエアバスを販売って、聞いたことがありません。」
マッコイ「まぁ、世間では大っぴらに騒がれてないことを考えると、大したことはないだろうて。オーシア大陸の航空会社はこぞってそのMB-14型をユージアやアネア等の空に飛ばして、かなり稼いでいるって話よ。」
ジュネット「…………意外と信頼性があるんですね。」
マッコイ「まぁ額面通りで行けば、ゆくゆくはベリーサやオーシアの空を席巻するだろうよ。」
ジュネット「違うんですか?」
マッコイ「この”格安”ってのが気に食わないねぇ〜。…………ユークトバニアの企業の話じゃよ?”MB-14型は欠陥機”じゃと。」
ジュネット「欠陥…………?!」
マッコイ「エンジンは異常過熱しやすいし、各部品の耐久性にも疑問が多いらしい。まぁ、旅客機としての性能テストはパスしとるんだし、規格スレスレってとこじゃな。まぁこればっかりは、事故が起こってみねぇことにはわからんけどな。」
外からジェットエンジンの音が響いてくる。
訓練生が今日も張り切って、慣熟訓練をこなしている。
マッコイ「起きたら起きたでまた面倒な話よ。300人以上の命がいっぺんにパーになるからな。」
ジュネット「でも、もし欠陥があるとしたら、運輸委員会が運行の差し止めがされるんじゃ…。」
マッコイ「だといいんじゃがな…………。」
不吉な予感を感じつつ、時は過ぎてゆくのだった。
次回、第10話。
エリア88OVA版の名場面の一つを多少改変して展開される。