ACE COMBAT 〜紺碧の空を駆ける炎の一角獣〜 作:非常勤務艦隊本部
今回は原作から少し手を加えて、合流する空母に護衛の艦隊をつける事にしました。
空母2隻だけってなんか味気ないから…………。
それと、主人公勢に仲間が加わります。
2010年 9月30日 14:22
サンド島基地 ブリーフィングルーム
ペロー中佐「気をつけ。聞け。」
ペロー中佐の号令の下、ブリーフィングが開始された。
ペロー中佐「ユークトバニア電撃戦の唯一の瑕疵は、我が軍の空母を全て撃ち漏らしたことである。」
先のセント・ヒューレット軍港奇襲から始まった連戦は、ユークトバニアが綿密に計画された電撃戦であったが、空母ケストレルをはじめとする各空母を撃ち漏らしたことはオーシア軍にとってはこの際有利になった。
ペロー中佐「敵の奇襲攻撃を逃れた空母をいったん内海に避難させ、これを基幹に反撃勢力を再構築する。かくも重要な作戦に動員させたことを心してかかれ。」
そして、作戦参謀から詳しい内容が説明される。
作戦参謀「本日1500時、イーグリン海峡に、オーシア第3艦隊を基幹に各艦隊の空母が集結する。」
セント・ヒューレット軍港で少なからずの損害を出した第3艦隊であったが、奇襲攻撃の最中で脱出に成功した空母ケストレルをはじめとした主力艦隊は辛うじて攻撃を逃れていたため、敵の攻勢が止んでいる間に集結するとの事だ。
作戦参謀「集結するのは、第2艦隊第1航空戦隊所属のヴァルチャー、第5艦隊第4航空戦隊所属のバザード、先のセント・ヒューレット軍港からの脱出に成功した第3艦隊第2航空戦隊旗艦のケストレルの3つの空母である。」
ハヤト(空母ヴァルチャーか…………あいつらが所属している艦が……)
ハヤトはヴァルチャーの名を聞いて、3年前に共に空を飛んだ5人の少女たちの事を思い出す。
作戦参謀「今回の任務は、空母ケストレルに随伴して行動し、艦隊の合流を護衛する事だ。…………なお、敵の攻撃に遭遇した際には、3空母を必ず守り抜け。」
艦隊の護衛任務。
当然クルセイダーで出る気でいたんだが……
整備班から止められてな。
おやじさんの話だと、先の防空戦で無茶な機動をしたお陰で、ツーポジションウィングとエアブレーキに負担がかかりすぎた結果、整備に時間を要するとのことだった。
そのため俺は予備機である【F/A-18ホーネット】で出撃する羽目になったが。
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9月30日 15:00 イーグリン海峡上空
【語り手:グレッグ】
なんてことはねえ。
ちょろいもんだったさ。
そのはずだったんがなあ。
俺達だけじゃねえや。
手に入るだけの戦力総動員だ。
空は味方の飛行機もいっぱいで敵の出る隙もねえ。
海の女王様方は無事に内海に入ったさ。
ここまで来たら、もう裏庭だ。
そう思ったのが間違いだったのさ。
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味方の空母が無事に安全海域に到達したことを確認したサンダーヘッドは、護衛機各隊に帰投の許可を出した。
だが俺たちを含めた遠方からの航空隊は、空中給油を行ってから帰投だ。
こりゃまたしばらく待たされるなと思っていた矢先に、機載レーダーが敵機の反応をキャッチした。
チョッパー《おい。なんだこりゃ。レーダーの故障か?》
グリム《こっちにもでてます。》
チョッパーが一瞬レーダーの故障を疑ったが、グリム機にも敵機の反応が出ていることが確認された時点で、これが現実であることがわかった。
キャンベル《おいおい。どっから這い出てきたんだ?》
傭兵5《サンダー石頭ヘッド野郎は気づいてねえのか?00セクション!指示を出してくれ!》
グリム《隊長って呼ばなきゃ。》
グレッグ《細かいことは気にするな。で、どうするよ?》
ハヤト「決まってるさ。全機、兵器使用自由!ATTACK!!」
チョッパー《チョッパー交戦!》
グリム《アーチャー交戦!》
ナガセ《エッジ交戦!》
グレッグ《報酬を上乗せだぜ!》
キャンベル《片っ端から叩き落としてやらあ!》
ウォードッグ隊は艦隊を守るため、突然湧いてでてきた敵機の迎撃に向かう。
そして、この敵襲を探知したのは彼らだけじゃなかった。
第2艦隊第1航空戦隊所属 空母ヴァルチャー
同 航海艦橋
ヴァルチャーレーダー手「艦長!レーダーに反応!敵機です!!」
ヴァルチャー副長「なに?!我軍の絶対防空圏をすり抜けてきたのか?!」
ヴァルチャー艦長:ハルゼー大佐「慌てるな。レーダー手!敵機の襲来方向は!」
ヴァルチャーレーダー手「本艦の右前方!2時の方角です!」
ハルゼー大佐「副長!第1級非常臨戦態勢を発令させよ!」
ヴァルチャー副長「は!!」
ハルゼー大佐「航空参謀!艦載機隊を直ちに発艦!スカイガールズ隊を優先的に上がらせろ!!」
ヴァルチャー航空参謀「了解しました!!」
ハルゼー大佐「通信士!空母バザードに発光信号!敵機襲来!艦載機隊を上がらせろと伝えろ!!」
ヴァルチャー通信士「わかりました!!見張り!バザードに向けて発信!」
ヴァルチャー艦長ハルゼー大佐の迅速な対応の下、直ちに戦闘配置が下令された。
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空母ヴァルチャー
隊員待機室 9月30日 15:02
【語り手:桜野音羽】
総員、第1級非常臨戦態勢。
それまで静寂だった艦内は、その号令と同時に一気に慌ただしくなった。
なんで私達がここにいるのって?
全ては、空母ケストレル率いる第3艦隊がセント・ヒューレット軍港ごとユークトバニアからの奇襲を受けた頃からだ。
それを聞いた私は、正直何が何だか分からなかった。
私がまだ混乱してした頃に玲花さんから説明を受けて、私たち第2艦隊から乗艦の空母ヴァルチャーをはじめとする艦艇数隻を第3艦隊と合流・再編成させる計画が打ち出されて、近々第2艦隊から離れてベニオン海に避泊している空母ケストレルからなる臨時戦隊と合流する事を聞かされた。
計画が決まった直後は、色んなことが短い期間で起こったからとにかく頭がいっぱいで、考える余裕がなかった。
だけど、艦隊がイーグリン海峡に突入する前に、ハルゼー艦長から全乗員に「今更言うまでもないが、現在もなお戦時下であることを留意して、対空・対水上警戒を怠らないように」って言われた時、私は今は戦争中なんだと理解した。
そして、今に至る。
敵の総数はわからないけど、とにかく空母を狙っているのは確かだ。
私たちは直ぐに待機室を出て格納庫に行き、乗機のF-2に乗って、飛行甲板に上がる。
外は既に味方の航空隊が戦闘に入っていて、周りはかなり慌てていた。
航空機エレベーターが上がりきると、航空要員の指示に従ってカタパルトへ機体を移動させる。
カタパルトへ接続して、発艦の指示を待っている間にも戦闘は拡大していく。
ふと前を見ると、玲花さんのF-15EJと可憐ちゃんのEA-18Gが発艦していくのが見える。
そして航空管制センターから発艦命令が下りた。
私は意を決して、スロットルを全開にしてヴァルチャーから飛び立った。
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各空母から艦載機隊が発進していく中でも、戦闘は続く。
先に帰投していった航空隊は間に合わないだろうと踏んだ俺達は、現有戦力での迎撃を強行するしかなかった。
ハヤト(一体こいつら、どこから来たんだ!)
そう考えながら敵を落としていく中、ヴァルチャーから5機の艦載機が発艦していくのが見えた。
尾翼に描かれていたのは、翼を生やした少女のエンブレム。
間違いない、彼らだ。
そう確信すると同時に、こちらに向かってきて俺を中心に編隊を組んだ。
???《こちら空母ヴァルチャー所属航空隊スカイガールズ隊!そちらの機体はハヤトさんですね?》
ハヤト「そうだ!久しぶりだな!元気だったか?」
第109戦闘攻撃航空隊スカイガールズ隊隊長:一条玲花上級曹長《はい!おかげさまで!》
スカイガールズ隊2番機:園宮可憐曹長《ハヤトさんも、お元気そうで何よりです!》
スカイガールズ隊3番機:桜野音羽曹長《4年ぶりだね〜!クルセイダーはどうしたの?》
スカイガールズ隊4番機:エリーゼ・フォン・ディートリッヒ《あなたこそ、まだ傭兵稼業をやっているの?》
スカイガールズ隊5番機:アイーシャ・クリシュナム《今はウォードッグ隊の隊長と推測する。》
ハヤト「その通りよ。そしてクルセイダーは生憎メンテ中でな〜。…………それより、やるべきことはわかってるな?」
園宮可憐《戦況は逐次更新しています!3時の方向から敵戦闘攻撃機が接近してきます!》
ハヤト「そいつはおそらく対艦攻撃部隊だな?よし!3時方向の敵を頼む!ウォードッグ隊は艦隊防空に専念する!!」
一条玲花《了解!みんな、行くわよ!!》
スカイガールズ《了解!!》
旧友の再会を終えたハヤトは再び戦場へと舞い戻り、スカイガールズ隊は3時方向から接近する戦闘攻撃機隊の迎撃に向かう。
ナガセ《こちらエッジ。今の声は?》
ハヤト「4年前の仕事仲間さ。彼らに空戦の基本を手ほどきしたのはオレなのさ。」
ナガセ《そうですか。》
ハヤト「それより、現状はどうなっている?」
ナガセ《敵は大方片付きました。あとは、3時方向からの敵機のみです。》
ハヤト「そうか。」
そして最後の敵機を撃墜されて、艦隊の脅威は去った。
誰もがそう思った。
だが……………………
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サンダーヘッド《弾道ミサイル接近!!》
グリム《弾道ミサイルって…………一体どこから発射したんだ?!》
艦隊の頭上を弾道ミサイルが飛翔して、起爆した。
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突然目の前で7発の弾道ミサイルが爆発した!
咄嗟に俺は期待を右に避けて回避したが、不思議にも機体に損傷はない。
何かがおかしいと思い、レーダー画面をよく見ると、さっきまで映っていた味方機の反応が消えていたんだ。
ナガセ《誰か!一体何が?》
一条玲花《こちらスカイガールズ!状況を!!》
スノー大尉《わからん、とにかく高度5000フィート以下のものは全滅した!》
エリーゼ《全滅?!たった7発の弾道ミサイルで?!》
アイーシャ《あの弾道ミサイルは通常のものじゃない。おそらく近接信管を使用した散弾ミサイルと推測。》
園宮可憐《散弾……!!》
チョッパー《おいおい!そんなの反則じゃねえか!》
桜野音羽《見て!!バザードが!!》
グレッグ《さっきの攻撃で空母が1隻沈みかけてるぞ!もう一撃喰らったらお陀仏だぜ!》
キャンベル《6時の方向からまた来るぞ!!7発だ!!》
サンダーヘッド《こちらでも確認した!!弾道ミサイル第2波接近!!》
スノー大尉《くそうっ!!生き残りたければ、弾着までに高度5000フィート以上に上昇しろ!!》
ハヤト『ウォードッグ隊全機!!アフターバーナー点火ぁ!!5000フィート以上まで急速上昇だ!急げ!!』
一条玲花《スカイガールズ全機!急いで5000フィート以上まで退避!!》
俺達は死に物狂いで安全圏まで離脱を図った。
そして15秒後、また7発の弾道ミサイルが爆発した。
レーダーを見ると、スノー大尉とウォードッグ隊、スカイガールズ隊はなんとか無事で済んだ。
だが下は………………地獄だ。
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【語り手:一条玲花】
園宮可憐《空母ヴァルチャーが…………撃沈されました……。》
真下の光景を見て、私は言葉を失った。
さっきまで健在だった味方艦隊が、たった14発の特殊弾頭を積んだ弾道ミサイルで、空母ケストレル率いる臨時戦隊と味方の護衛艦艇数隻を残して、全滅した。
これが戦の定めなのか?
それを答えられるものはここにはいない。
桜野音羽《ヴァルチャーが…………私達の母艦が…………。》
理由はどうあれ、第3艦隊の再編成計画は、これで破綻してしまったことになる。
戻る場所さえも失った私たちは4年前、私たちに空戦の基本を教えてくれたハヤトさんの提案により、彼らウォードッグ隊の巣であるサンド島へ向かうことにした。
エリーゼ《ヴァルチャーが沈むわ………。》
沈みゆく空母ヴァルチャーとバザードを見届けた私たちは、燃料補給のためはるか北辺の地にあるハイエルラーク基地へと編隊を進めた。
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MISSION05 COMPLETE
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ーーー中央からの通達あり。
ーーーオーシア軍中央司令部から報告
イーグリン海峡における戦闘での損害報告
ーーー第2艦隊 第1航空戦隊所属
空母ヴァルチャー 大破撃沈
ーーー第4空母航空団所属
第108戦闘攻撃飛行隊【エンジェル隊】 全滅
第109戦闘攻撃飛行隊【スカイガールズ隊】 健在
ーーー第2艦隊 護衛戦隊所属
ミサイル巡洋艦レヴォーグ 轟沈
ミサイル巡洋艦フェレット 中破
ミサイル駆逐艦ゲルバー 爆沈
ミサイル駆逐艦ダウロク 爆沈
ミサイル駆逐艦ロックウェル 中破
ーーー第5艦隊 第4航空戦隊所属
空母バザード 大破撃沈
ーーー第5空母航空団所属
第101戦闘攻撃飛行隊【タイラント隊】全滅
ーーー第2オーシア海兵隊第2海兵航空団所属
第403海兵航空隊【シーウルフ隊】全滅
ーーー第5艦隊 護衛戦隊所属
護衛空母リトル・チャロ 小破 飛行甲板損傷
ミサイル巡洋艦フレーメン 損傷軽微
ミサイル駆逐艦フレッチャー 轟沈
ミサイル駆逐艦スペンス 轟沈
ミサイル駆逐艦ブライソン 中破
ーーー第3艦隊 第2航空戦隊旗艦
空母ケストレル 健在
ーーー第5空母航空団所属
第206戦闘攻撃飛行隊 生還1機
ーーー第1オーシア海兵隊第9海兵団所属
第401陸戦海兵隊【シーゴブリン隊】 健在
ーーー第3艦隊 臨時戦隊所属
情報収集艦アンドロメダ 健在
対空艦エクスキャリバー 健在
ミサイル駆逐艦フィンチ 健在
ミサイル駆逐艦コーモラント 健在
轟沈7隻 中破3隻 小破1隻 損傷1隻
残存戦力で再び臨時戦隊を編成する旨、アンダーセン大佐が上告。
参謀本部はこれを認可する。
また、第109戦闘攻撃航空隊はサンド島への転属を決定。
なお、オーシア軍諜報部からの報告により、ユークトバニア軍はシンファクシ級航空巡洋潜水艦を戦線に投入していると通告。
ーーーオーシア軍参謀会議の決定事項
ーーー今回の由々しき事態を受けてオーシア軍参謀本部はシンファクシ級に対抗すべく、大気機動宇宙機【アークバード】の戦線配備を可決。
ーーー来る10月3日にバセット国際宇宙基地のマスドライバーを用いて、戦術レーザーシステム(通称:TLS)を積載したSSTOの打ち上げ作戦を立案中。各隊への伝達を旨とする。
ーーーなお事前の計画に基づき、8492部隊は予定通りの作戦を実施するものとする。
次回、第6話。
平和目的で作られた翼は、戦争の力へと…………