ACE COMBAT 〜紺碧の空を駆ける炎の一角獣〜   作:非常勤務艦隊本部

7 / 20

第6話投稿!

…………どうでもいい話だけど、10月になってから急に北海道の気温が寒くなってきたんだが?
寒暖差が激しすぎて、体調をおかしくしちまいそうだぜ…………


MISSION06 白い鳥Ⅰ〜平和の象徴は戦争の力へと〜

 

 

 

オーリック海 9月30日 19:29

 

 

 

【語り手:ナガセ】

 

 

 

給油の為に飛ぶ北の地方。

 

だがここはまだいい。

 

 

私たちが飛ぶさらに向こうには…………

 

ノルト・ベルカへの閉ざされた門がそびえる。

 

 

 

 

15年前ー

 

 

かつてベルカ戦争と呼ばれた戦いで、進撃してくる連合軍を防ごうと、ベルカ人が7発の核爆弾を起爆させて、自らを極寒の北の谷へと閉じ込めてしまった。

 

その歴史そのものが、我々に対する戒めだったのではなかったか…………

 

 

門の入り口にあった、ベルカ人の7つの町は蒸発し、今でも放射線を放っている。

 

 

 

ハイエルラーク空軍基地 20:07

 

 

 

私たちが着陸したのは、かつてのベルカ人の楽土。

 

…………今はオーシアが信託統治するノースオーシア州。

 

この土地をその名で呼ぶと、いや、ここは南ベルカなのだ…………と、土地の人に内心腹を立てた顔を返される。

 

 

 

ハイエルラークは私たちもお世話になった、訓練飛行隊の飛行場。

 

そしてここには、かつてISAF所属の傭兵部隊で、隊長のハヤトさんと同じスーパーエースの【ミッキー・サイモン】その人がいた。

 

 

ここで私達は、私達の経験談を聞こうとする後輩たちに取り囲まれた。

 

カメラマンのジュネットが私たちの事を書いた新聞記事が、私たちより早くこの基地に到着していたのだ。

 

いつの間にか私たちは、この戦争で最も実戦経験のあるパイロットになっていた。

 

バートレット大尉のひよっこの、私たちが。

 

 

 

 

マクネアリ空軍基地 2010年9月31日 07:51

 

 

 

日付が変わり、夜空に朝日が昇り始める。

 

 

サンド島へ帰るとき、経験の浅い彼らを引率するよう指示された。

 

 

チョッパー《おい。おやじさんに感謝でもしようぜ?》

 

 

グリム《なんですか?》

 

 

チョッパー《おっさんがみっちり航法を教えといてくれたおかげさ!おかげで俺等は、連中に向かって威張れる。》

 

 

まったくだ。

 

航法も空中給油もおぼつかず…………

 

途中の基地ごと着陸を繰り返すしかない彼らまで、西の沿岸の守りに投入しなければならないなんて…………

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

マクネアリ空軍基地 ブリーフィングルーム

 

2010年10月3日 09:39

 

 

作戦参謀「このマクネアリ空軍基地の東に、SSTO打ち上げ施設が存在する。オーシア・ユークトバニア両国の共同計画のもとで、かつて建設された、全長12kmに及ぶ射出橋、宇宙への架け橋である。」

 

 

俺達は今、マクネアリ空軍基地にいる。

何故かって?

 

 

どうも軍のお偉方は、ユークのシンファクシ級に対抗するために、大気機動宇宙機である【アークバード】を戦線に投入する事を決めたらしい。

 

 

全く…………。

 

かつて平和の象徴として造られたアークバードが、かつての友好国であるユークトバニアと戦うために戦争の力に成り下がりとは…………呆れた話だぜ。

 

ナガセと桜野も、少し複雑な表情だったな。

 

 

まあ、決まったことは仕方ないとしてだ。

 

 

作戦参謀「この施設に対し、複数の方向から接近するユークトバニア航空部隊の機影をレーダーで捉えた。」

 

 

どうも、その宇宙への架け橋をスクラップに変えたい邪な連中が蟻のように湧いてでてきたのでな、最果ての島に帰投途中の俺たちウォードッグ隊に出張防空任務が課せられた。

 

 

作戦参謀「なお現在打ち上げ施設では、SSTOの射出準備作業が進行中である。以降は、当基地司令官の指示に従え。」

 

 

マクネアリ空軍基地司令官《自分は当基地の司令官である。当基地で給油中の戦闘機隊も当基地の指揮下に入り、これを迎撃せよ!ただし、教科未修の訓練生の発進は許可しない!連中はまだひよっこじゃないか!》

 

 

当然の事ながら、ハイエルラークから引率してきた訓練飛行隊の面々は地上待機が下された。

 

チョッパーが意外そうな表情をしていたが、彼らの場合は、サンド島基地の深刻な人的不足を補うための【その場しのぎ】だったからな。

 

通常、地上待機がお決まりなんだのなあ。

 

 

それと、アイーシャには隊長命令として地上待機を命じた。

 

 

それは彼女の身体に理由があった。

 

彼女は生まれつき難病持ちで、その治療としてオーレッド中央医学研究会が提唱した【ナノマシン治療法】の臨床被験も兼ねて手術が行われた。

 

結果的にナノマシンによる手術は成功して難病は克服できたが、その副作用なのかは分からないが、感情表現が乏しくなってしまった。

 

そしてその反面、戦闘機に乗っているとその搭乗時の記憶を維持できない他、一度出撃した後に専用の処置を行わなければいけないのだ。

 

 

今、本土から彼女の博士がサンド島に来るため、それまでの辛抱だ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

バセット国際宇宙基地 10月3日 12:00

 

 

バセット国際宇宙基地司令官《発射まであと10分。秒読み続行中。》

 

 

グレッグ《あれ全部が宇宙基地ってのか?》

 

 

園宮可憐《オーシアとユークトバニアが共同して建設した宇宙基地ですね。削減した軍事予算を投入して建設した、全長12kmを誇るマスドライバーです。》

 

 

ミッキー《おい。上を見ろよ。アークバードが降りてきたぜ?》

 

 

 

上を見上げると、遥か天空を飛ぶ白い鳥が肉眼で確認できた。

 

アークバード。

 

宇宙ステーション建設の第一歩として作られた、大気機動宇宙機。

それが今、打ち上げられるレーザー兵器を受け取るため、軌道を離れ大気を掠める低い高度を取って降りて来ようとしている。

 

 

宇宙に懸かる平和の橋が、宙に浮かぶことはなく…………

 

そのための機材が、反撃兵器として使われようとしている。

 

 

 

チョッパー《なあ、よう。》

 

 

桜野音羽《なんですか?》

 

 

チョッパー《あいつは人工衛星みたいなもんだろ?何だってあんな所を。》

 

 

桜野音羽《機動できる軌道船なんですよ!》

 

 

チョッパー《そんな事はわかってらい!大気摩擦を利用して軌道を変えるシステム自体が、衛星兵器としては脆弱じゃありませんかて言ってんだ!》

 

 

桜野音羽《確かに。そこを狙われたら危ないですね。》

 

 

チョッパー《もっと高度を上げたほうがよかねえか?》

 

 

宇宙基地司令官《秒読み続行中。あと3分。》

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

防空指揮司令官《秒読みは中止!こちら基地防空指揮所!》

 

 

打ち上げ準備が順調に進んでいる中、突然秒読み中止が打ち出された。

 

 

防空指揮司令官《敵編隊は、輸送機多数、それに護衛の戦闘機が随伴している。敵の狙いは当基地の占拠だ!》

 

 

ナガセ《まさか!敵はオーシア本土の侵攻まで考えてるの?》

 

 

ミッキー《それはわからんが、空挺戦車をやっつけねえとアークバードどころの話じゃなくなる!》

 

 

敵は大量の空挺戦車を載せた輸送機を中心に飛来してきたんだ。

 

 

ハヤト「とにかく宇宙基地にはまともな対装甲兵器はないんだ!何とか食い止めるぞ!!各機散開!ATTACK!」

 

 

 

連戦続きで疲弊し始めているが、敵はこちらの顔色を伺ってはくれないのが戦争だ。

 

自分も若干集中力が切れかかっているが、そんな事はお構い無しに敵の輸送機を撃ち落としていく。

 

 

だが、奴らは物量に物を言わせて次々と空挺戦車を放出していき、その都度スカイガールズ隊が対地攻撃をしていくのを繰り返す。

 

 

グレッグ《それにしても、俺たちは何時になったら休ませてくれるんだ?体も機体もヘトヘトだ!》

 

 

キャンベル《あの風船石頭野郎、これで生きてサンド島に戻ったら、超過勤務手当を申請してやらあ!》

 

 

チョッパー《金のこと話してねえで、敵を撃ち落とすのに専念するんだ!》

 

 

ナガセ《森の方からも空挺戦車が!》

 

 

園宮可憐《宇宙基地から2時の方向からも空挺戦車が多数接近中!》

 

 

エリーゼ《あぁ〜もう〜!!次から次へときりがない!!》

 

 

桜野音羽《うぅ~!!頭が混乱してきた〜!!》

 

 

グリム《弾もミサイルも無限じゃない!これじゃあ防ぎ切るのは無理だ!》

 

 

一条玲花《喋ってる暇があったら、手を動かすことに集中しなさい!!》

 

 

ハヤト「空中の敵は粗方片付いた!!地上はどうだ!!」

 

 

オーシア陸軍兵7《トーチカの殆どがやられているぞ!!》

 

 

オーシア陸軍兵15《このままじゃ、SSTOも奴らに接収されるぞ!!》

 

 

オーシア陸軍兵19《宇宙基地からトレーラーを持ってこい!!火炎瓶もだ!!》

 

 

宇宙基地スタッフ5《ここまで来て秒読み中止だって?!》

 

 

宇宙基地スタッフ8《これじゃ今までの苦労が全て水の泡だぞ!!》

 

 

宇宙基地スタッフ1《上と掛け合ってみる!最悪、打ち上げを強行するしかない!!》

 

 

 

空も陸も既に四面楚歌。

 

あちこちで無線が阿鼻叫喚と化していた。

 

地上は地上で、使えるものは全て使う勢いで防衛に徹する構えだが、その直後に四方から接近するミサイル群を探知する!

 

 

 

園宮可憐《………………っ!四方から巡航ミサイルが接近してきます!!》

 

 

ナガセ《巡航ミサイル?!どこからなの?!》

 

 

園宮可憐《少なくとも、洋上からではありません!!高高度から発射された可能性があります!!》

 

 

一条玲花《空挺戦車がまだ残っているっていうのに…………!!》

 

 

 

さすがの急展開に、万策尽きたかと思われたが………………

 

 

 

宇宙基地スタッフ1《こちらは飛行実施責任者のアダム・ギッテルマンだ。空と陸にいる勇敢なる戦士たち、よく聞いてくれ。》

 

 

ここにきて宇宙基地からの通信が入ったのだ。

 

 

宇宙基地スタッフ1《これより、SSTOの打ち上げを強行する!打ち上げるには、攻撃が緩んでいる今しかない!》

 

 

ミッキー《なにぃ?!巡航ミサイルが降り注いでいる中で打ち上げるっていうのか?!》

 

 

キャンベル《いくらなんでも無茶だぜ!途中で被弾するぞ!》

 

 

桜野音羽《何分…………》

 

 

エリーゼ《音羽?》

 

 

桜野音羽《何分持ちこたえればいいんですか!こっちも連戦で長期戦は無理なんです!》

 

 

 

宇宙基地スタッフ1《……4分だ!4分持ちこたえてくれれば、SSTOを打ち上げられる!》

 

 

 

桜野音羽《わかりました!ハヤトさん!!》

 

 

ハヤト「よぉうし!一か八かの大博打だ!!何としてでも4分持ちこたえるんだ!!」

 

 

ミッキー《…………よぉうし!やったろうじゃないの!》

 

 

一条玲花《ここまで来たら、やるしかないわね。》

 

 

チョッパー《なろぉ!こうなったら最後までやってやるぞ!!》

 

 

グリム《4分といっても、SSTOとマスドライバーに限定して防がないと…………!!》

 

 

ナガセ《ここまで来たら、もう後がない!隊長!》

 

 

ハヤト「ウォードッグ、スカイガールズ各機!行くぞ!!ATTACK!!」

 

 

 

SSTOの発射を持ちこたえるため、賭けに出るウォードッグとスカイガールズ。

 

 

 

宇宙基地スタッフ1《彼らの勇姿に報いるためにも、最後まで立派にやり遂げよう。以上だ。》

 

 

宇宙基地スタッフ3《気象班了解。》

 

 

宇宙基地スタッフ5《制御班了解!》

 

 

宇宙基地スタッフ7《誘導班、了解!》

 

 

宇宙基地スタッフ13《遠隔計測、チェック完了です!》

 

 

彼らのためにも、何としてでもSSTOを打ち上げるために尽力を尽くすスタッフ達。

 

飛んでくる巡航ミサイルを、機銃ミサイルで迎撃するが、あまりにも速度が速くて撃ち落とすのにも一苦労だ。

 

 

チョッパー《結構落としたが…………中々攻撃が止まねえな。》

 

 

グリム《これは…………攻撃の要を叩かないと駄目だ!》

 

 

ナガセ《可憐さん!近くに爆撃機は?!》

 

 

園宮可憐《待ってください!………………40,000フィートから降下中の爆撃機を確認しました!速度からして恐らく、B-2Aスピリット爆撃機!約3機!》

 

 

チョッパー《ならそいつを撃ち落とせばいいんだな!》

 

 

 

巡航ミサイルを発射している爆撃機を発見した彼らは、降下中という無防備のところを狙って迎撃する。

 

 

 

宇宙基地スタッフ1《通信班は回線の確保に全力を注げ!》

 

 

宇宙基地スタッフ9《有線、無線、伝令と、三重に手段を確保しています!》

 

 

宇宙基地スタッフ18《SSTOの最終チェック終了!いつでもいけます!》

 

 

宇宙基地スタッフ1《打ち上げまで、あと3分!》

 

 

 

地上ではSSTOの打ち上げ準備が着々と行われていき………………

 

 

 

宇宙基地スタッフ1《打ち上げまで、あと1分!あと少しだ!持ちこたえてくれ!》

 

 

宇宙基地スタッフ2《打ち上げまで、25、24、23、22、21………》

 

 

桜野音羽《こちら桜野!AIMを撃ちきっちゃった!》

 

 

ナガセ《こちらエッジ!こちらもミサイルとガンも使い切りました!》

 

 

 

だが、遂に装備を使い切って戦闘ができなくなる機も出てきた。

 

 

 

宇宙基地スタッフ2《10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射!!》

 

 

 

カウント0を合図にSSTOが滑走を開始!

 

 

 

宇宙基地スタッフ12《第1ポイント、通過!》

 

 

宇宙基地スタッフ5《SSTO、加速良好!》

 

 

宇宙基地スタッフ6《風速に変化無し!》

 

 

宇宙基地スタッフ12《第2ポイント通過!》

 

 

宇宙基地スタッフ9《SSTO!ロケットエンジン点火用意!》

 

 

宇宙基地スタッフ12《第3ポイント通過した!!》

 

 

 

あともう少しというところで、マスドライバーに巡航ミサイルが命中してしまう。

 

 

 

宇宙基地スタッフ4《マスドライバーに被弾!!》

 

 

宇宙基地スタッフ1《SSTOの被害を確認しろ!!》

 

 

園宮可憐《SSTOの反応を確認!》

 

 

 

黒煙からSSTOが出てきて、ロケットエンジンを轟音と共に唸らせながらマスドライバーから離陸!煙と飛行機雲を引きながら、アークバードの下へと昇る!

 

 

宇宙基地スタッフ3《こちら観測ルーム!SSTOは順調に上昇中!打ち上げ成功だ!!》

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

オーリック海 9月30日 19:29

 

 

【語り手:ナガセ】

 

 

 

白い鳥が再び上昇してゆく。

レーザー兵器を受け取って…………

 

 

感動的な姿…………

 

 

でも、私の本当の心は…………

 

それが戦争の為に使われないことを望んでいる。

 

 

敵国が、この基地を狙った本当の理由を、彼らはもっとずっと後で知ることになる。

 

 

それを知ったあとには、もう遅かったのだが……

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

MISSION06 COMPLETE

 

 

 

ーーーウォードッグ隊及びスカイガールズ隊は、サンド島へ帰投せよ。

 

 

 

 





一応描き溜めはしてあるからしばらくは持つが…………こいつは多分、超大作になりそうな予感がするぜ……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。