ACE COMBAT 〜紺碧の空を駆ける炎の一角獣〜 作:非常勤務艦隊本部
2010年 10月21日
サンド島基地 14:10
長期休暇が終わりを告げて、彼らが元の任務につき始めた今日。
ここサンド島に、元特殊傭兵航空隊の傭兵パイロットが次々と集結しつつあった。
ミッキー「司令部が各地の傭兵に応援を呼びかけてたら、この有様か?」
既に格納庫の前には、世界各国の旧型から試作品までの戦闘機が駐機していた。
チョッパー「見ろよ。ドラケンとクフィルC2にラファール…………」
ナガセ「グリペンにF−5E、F-4EとF/A-18……A-4EからM型まであるわ!」
グリム「傭兵部隊は本当に、色んな機体を使っているんですね。」
戦闘機の博覧会と化していた所に、クフィルC2とA-4Eスカイホークが着陸態勢に入っていた。
訓練生3「おい!あのクフィルのマークって!!」
一人の訓練生が、クフィルC2の国籍マークに驚きの声を上げた。
そのクフィルC2をよく注視していると、国籍マークに目を奪われた。
訓練生5「あの国籍マークって…………」
一条玲花「ユージアのアスラン王国の識別マーク!」
園宮可憐「それに…………尾翼のあのマークは、王族所属を表しています!!」
アスラン王国の王族所属といえば………………あの人しかいない。
クフィルC2が格納庫前に搬入されて、コックピットから一人の男性が降りてきた。
???「…………アスラン王国の荒野に比べると、ここは少し肌寒いな。」
サキ・ヴァシュタール。
アスラン王国空軍の所属で、ザク国王の甥でアスラン王族の四男にあたる人物であって、アスラン王国空軍が設立したISAF空軍第88特殊傭兵航空隊の司令官であった。
エリーゼ「アスラン王国の王族の一人がここに来るなんて…………」
訓練生7「もう一機が降りてくるわ!」
そうこうしていると、シルバーと濃紺を基調としたA-4Eスカイホークが滑走路に進入してくる。
減速が間に合わず、そのまま高度を落としていく。
チョッパー「おい……速度が速くねえか?あれ。」
桜野音羽「あのまま着陸するのかな?」
少し嫌な予感がしてきた。
そのままの速度で右のランディングギアが接地して、左が接地しないまま主脚のギアが接地して………………
音を立てて折れた。
主脚を失ったスカイホークは機首を滑走路に擦り付けながら滑走していって、遂に右のギアが吹き飛んで右翼も根本からもでた。
機首は折れ曲がって、主翼は右側がもがれて無残な姿に変わり果てたスカイホークはやっと止まって、化学消防車が出動してくる。
グリム「機体がクラッシュした!!」
ナガセ「パイロットは無事なの?!」
彼らの心配をよそに、コックピットから金髪碧眼のパイロットが出てきた。
???「畜生!!ここまで来てへたばりやがって!!」
バクシー・マローン。
レサス民主共和国空軍西部航空方面隊第41戦闘爆撃隊所属のパイロットで階級は准尉。
アスラン王国の増援に応えて、バクシーを含むレサス空軍パイロットを数名派遣した遠征部隊の生き残り。
ミッキー「相変わらず、着陸が下手だなぁ。」
キャンベル「さすがは月刊スクラップ製造機!腕を上げたな!!」
グレッグ「命より機体を大事にしろよな。」
グレッグ「うるせぇ!!髭ダルマ!!」
操縦のセンスは確かだが、レサス空軍お墨付きの着陸不得意者で、1カ月ごとに着陸に失敗して機体をスクラップにしてしまう様を揶揄されてか、【月刊スクラップ製造機】という不名誉の称号を有している。
因みに、これまでバクシーが壊した機体は訓練生時代に練習機のBAeホークを2機、正規軍時代にF-5Eを3機とF-4Eを2機、クフィルC1とトーネードIDSを4機、そして傭兵時代にはA-4スカイホークE型を3機にM型を6機。
そして今回の損失分を合わせると、合計で18機もの機体が儚い犠牲となっていた。
エリーゼ「…………誰なの?あいつ。」
ハヤト「バクシーさ。操縦は上手いくせに月に1回は必ず着陸に失敗する……整備兵泣かせの持ち主だ。」
一条玲花「月に1回って…………どれだけ整備兵を泣かせたのよ…………。」
整備兵3「バクシー!お前のスカイホークはもう駄目だ。」
バクシー「…………あぁ!!オーバーホールしてから1ヶ月しか経ってないのに…………!!」
バクシーからの悲痛に、傭兵たちの笑い声が響いた。
どうやら彼らは、見かけによらず心地の良い人たちかもしれない。
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2010年 10月22日
サンド島基地 ブリーフィングルーム 12:00
サキ・ヴァシュタール中佐「サンド島基地の諸君。私はオーソン・ペロー中佐の後任として当基地司令官に就任した、サキ・ヴァシュタール中佐だ。」
特別休暇の後、あの風船石頭野郎の姿がなかったと思ったら、別の基地に異動になったのか。
おまけに、何かと頼りになっていたハミルトン少佐も内地へ転属になった模様。
サキ「基地司令部が変わったことでこの部隊の運用も変わった。ウォードッグ隊とスカイガールズ隊の諸君らも、私の指揮下に入ってもらう。…………では、ブリーフィングを始める。」
短めの自己紹介を終えて、今回の作戦を説明していく。
サキ「オーシア司令部からの依頼で、オーシア本土北部に上陸したユークトバニアの部隊が、オーレッドに向かって南下を続けている。」
特別休暇の最中に、ユークトバニアの大部隊がオーシア本土の北部に強襲上陸を仕掛けてきた。
フェアウェザーに駐屯していたオーシア陸軍はさしたる抵抗もできずに南へ撤退。
ユークトバニア軍もオーシア北部を手中に収めるべく、本土から大量の補給物資と部隊を送り込んでいる。
サキ「我々に与えられた任務は、3方に分かれてホリスターに迫っているユークトバニアの戦車部隊を壊滅させることだ。」
戦車部隊を壊滅させる…………【対地攻撃任務】か…………面白い。
サキ「ウォードッグ隊とスカイガールズ隊は対地攻撃装備で直ちに発進だ。それ以外のものは名乗り出てくれ。…………報酬は今までと同じ……2万ドルだ。」
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オーシア本土北部 ホリスター郊外 14:00
ユークトバニア軍のホリスター進撃を頓挫させるために出撃した俺ら。
上空はウォードッグ隊とスカイガールズ隊、そして報酬の2万ドルを賭けて出撃してきた傭兵の航空部隊に、地上はフェアウェザーから撤退して再編成を終えたオーシア陸軍第6機甲師団とホリスターに駐屯しているオーシア陸軍第7機甲師団が展開する。
AWACSホークアイ《こちら、オーシア空軍第121空挺管制飛行隊ホークアイ。航空部隊の展開状況を知らせてくれ。》
ハヤト「こちら、サンド島基地所属のウォードッグ隊。現在敵戦車部隊A集団の方に向かっている。接敵まで後5分ってとこだ!」
一条玲花《こちら第109戦闘攻撃飛行隊スカイガールズ隊!現在敵戦車部隊B集団へ向かっています!接敵まで後6分!》
傭兵パイロット4《こちらホワイト1!現在敵戦車部隊C集団に向かってる!後6分で接敵する!》
AWACSホークアイ《ホークアイ了解!地上部隊の展開はどうか?》
スノーウルフ1《こちら、オーシア陸軍第6機甲師団第1機甲大隊だ。損失の大きい第4・第5・第7機甲大隊を除く機甲大隊の配備が完了した!》
ホワイトウッド1《こちら、オーシア陸軍第7機甲師団第1大隊。全機甲大隊の配置が完了した。》
スノードッグ1《こちら、オーシア陸軍第12機械化歩兵連隊!レーダー車両の設置が完了した!》
AWACSホークアイ《よし!すべての準備が整ったな!…………これより、ホリスターショット作戦を開始する!!オールウェポンズフリー!戦闘を開始せよ!!》
ホークアイからの号令によってホリスターショット作戦は開始された。
やることは簡単だ。
地対空ミサイルに気をつけながら、ただひたすら戦車部隊を攻撃するだけだ。
ハヤト「ウォードッグ隊、全機突入!ATTACK!!」
ナガセ《エッジ交戦!》
チョッパー《チョッパー交戦!》
グリム《アーチャー交戦!》
ようやく愛機であるF-8Eに乗ることができた俺は、対地攻撃用に装備した【SUU-23 20mmガンポッド】2基と固定武装の20mm機関砲を駆使して、ユーク軍の主力戦車T-73を次々と破壊していく。
スノーウルフ1《こちらスノーウルフ隊!敵前衛と接敵!!数が想定を上回っている、近接航空支援を!!》
一条玲花《スカイガールズ隊、了解!対地支援を開始します!》
園宮可憐《こちらスカイガールズ2!フェアウェザーの方向から接近する航空機隊を確認!》
AWACSスカイホーク《こっちでも確認した!恐らくオーシアに派遣されたユーク軍の戦闘機隊だ!》
傭兵パイロット4《ユーク軍の航空部隊はこっちで受け持つ!対地攻撃はそっちに任せる!!》
対地攻撃開始と同時に、敵に奪取されたフェアウェザー空軍基地から発進したユークトバニアの航空部隊が地上部隊に襲い掛かろうとするが、旧88航空隊の航空隊がユーク空軍の相手をする。
チョッパー《にしても…………ユークの連中はいつから、オーシア侵攻を企てていたんだ?》
グリム《確かに…………オーシアに侵攻するだけなら、首都を直接攻略すれば…………》
ナガセ《この戦い…………何か不自然…………》
ハヤト(確かに、ユークにしろオーシアにしろ…………このところ動きが妙だな。)
彼らの疑問は的を射抜いていた。
今回のホリスター防衛戦も然り、これまでの戦い、何者かによって【事前に】計画されているかのように、進んでいたからだ。
ハヤト「とにかく、今は作戦に集中だ!敵はまだいるぞ!」
そんな疑問を抱きつつも、今は作戦に集中する。
スノーウルフ1《こちらスノーウルフ隊!ホリスター旧市街から接近してきた敵戦車部隊の半分を叩き潰した!》
ホワイトウッド1《ホワイトウッド隊だ!ホリスター郊外から接近してきたユーク機甲部隊を押し返したぞ!もう一踏ん張りだ!》
AWACSスカイホーク《敵脅威レベル40%まで低下した!もう少しだ、このまま行くぞ!》
その後は流れ作業の様に、敵戦車を機関砲で叩き潰すだけだ。
敵機の襲来に警戒しながら、遂に戦車部隊の殲滅に成功する!
チョッパー《よし!これで戦線を押し上げられるぞ!》
グリム《…………っん?なんだ?》
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AWACSスカイホーク《東から、味方の輸送機が接近中!》
一条玲花《輸送機?!そ、それも…………この識別信号は!》
レーダーをよく見ると、味方のIFFを示しているC-1輸送機が、この作戦空域に接近していた。
だが不思議なことに、その輸送機はオーシア大統領専用機仕様であったのだ。
ホワイトウッド1《大統領専用の輸送機がなぜこんなところに!》
エリーゼ《それに、エンジンから黒煙吹いてるわよ?!》
エンジンに被弾して推力を失いかけた輸送機はそのまま森林地帯へと緩降下していき、ランディングギアを出さなかったのか、それとも電気系統をやられていたのか、機体を地面に擦り付ける音と共に土煙が上がった。
スノーウルフ1《おい?!森のなかに不時着しやがったぞ!!》
ナガセ《こちらオーシア空軍ウォードッグ隊!不時着した輸送機、応答を!》
桜野音羽《誰か、早く輸送機の救助を!》
輸送機が森林地帯へと不時着した事で現場は慌ただしくなるが、突如南から4機編隊の【F-15/MTD】が飛来してきた。
傭兵パイロット6《南からオーシアの機体が来るぞ。どこの部隊だ?》
AWACSスカイホーク《こちらオーシア空軍所属の空中警戒管制機スカイホーク。前方から接近中の味方機。所属と飛行目的を明らかにせよ。》
スカイホークから警告が飛ぶと、接近してくる戦闘機部隊から返答が返ってきた。
無線1《こちら、オーシア空軍所属の非公式アグレッサーの8492部隊。驚かせて悪かった。我々はこの付近を通る輸送機の護衛のため、ここまできた。》
グリム《輸送機の護衛?》
ハヤト「輸送機なら………さっき森の中に不時着していったが?」
無線1《情報の提供、感謝する。輸送機の件は我々が責任を持って遂行する。》
AWACSスカイホーク《了解した。各飛行隊は空中給油を受けつつ、所属基地への帰路につけ。》
ハヤト(8492部隊……。そんな部隊があったとはな…………。)
俺はどこか不審に思いながら、サンド島への帰路についた。
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サキ「諸君の働きによって、ユークトバニアによるホリスター侵攻を食い止めることができた。報酬は弾んでおく。…………なお、例の8492部隊の件だが……現在、参謀本部に問い合わせている。」
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MISSION08 COMPLETE
エリア88はOVAしか見てないから原作とだいぶ違うところがあると思うけど、そこは目を瞑ってほしいです……。
次回、第9話。
タイトロープを始めるぜ!