ダーティハリー キヴォトス・ハード   作:さんめん軍曹

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こんにちは、さんめん軍曹です。
今回は先生達が徹底的にヘルメット団をブチのめします。
少し短めです。

それではどうぞ!!


Destroying "KATAKATA HELMETS" 2

アビドス某所。カタカタヘルメット団前哨基地を望む丘にて。

敵を追い、ひと足先に到着していたハリーは双眼鏡で基地を眺めている。

そこへ後からやってきたマクレーン達が合流した。

 

「首尾はどうだ?」

「ああ。どうやらやっこさん達、俺が尾行(つい)て来たことに気がついてないらしい。良くもまあそんなんで武装集団を名乗れたもんだ」

「ごもっともだな。集団で寄ってたかって弱い者虐めする野郎は、決まってテメエを無敵のスーパーマンと思い込んでやがる」

「うへ、辛辣だねぇ。で、これからどうするのかな?」

「とりあえず基地に入って、奴等がなぜ君達アビドス高校を襲うのか調べる。アヤネはサポートだ。ジョン」

「任せろ。バッチリ奴等の気を引いてやるよ」

 

 

数分後。前哨基地正面。

いつもの如くアビドスを襲いにいったはずの仲間がボロボロになって帰ってきたので、これからどうするべきかを何人かの見張りが話し込んでいた。

 

そこへ、1人の大柄なヘルメットがのそのそとやって来る。

 

「ようおたくら!Kata-kata警備のバズ・ライトイヤーだ。おかしな報告があってな」

「あんな奴いたっけ?」

「怪しい。近づいたら撃て」

 

そんなやり取りを知ってか知らずか、ヘルメットは続ける。

 

「ブーツにガラガラヘビを仕込んだ……」

 

カタカタヘルメット団員が銃を向けるよりも速く、左手に握られたベレッタが火を吹いた。

マガジン1本分の9mmを容赦なく敵に叩きつけてやる。

 

「カウボーイハットを被った小さな人形だが……おたくらもしかして見かけなかったか?」

 

バイザーを上げたマクレーンが空のマガジンを抜いて新しいものを差し込んだ直後、警報が鳴った。

 

 

「OK、おっ始まった。行くぞ」

「うへ。ジョン先生、容赦なさ過ぎだねぇ」

 

マクレーンに続いて大立ち回りを始めたノノミとシロコに陽動を任せたハリーとホシノは、裏手のフェンスを乗り越え侵入を果たす。

 

「先生。何調べんの?」

「あいつらの兵器の供給元さ。こんな三流の集団が、戦車まで引っ張ってくるほどの力があるとは思えないんでね」

「なるほど〜。私はどうすればいいのかな?」

「そうだな……。それじゃあ、奴等が来ないか見張っててくれないか」

「ガッテン承知の助〜」

 

ホシノが戸口で監視している間、ハリーはあちこちを手当たり次第にひっくり返していく。

書類の束、引き出し、本棚に収められている本などなど。

そして、おおよそ整理整頓がなされているとは思えない空間で、彼はここに似つかわしくないものを発見する。

 

「おおっと。こいつは……」

 

彼が目にしたもの。それは、壁にかけられていた額縁に収まっている絵だった。

だが、それを外したところで何もなかった。とすれば……。

 

「ビンゴだ……」

 

裏側のつまみを回して中身を取り出す。

普通なら画用紙1枚がひらりと落ちて来るところだが、そこからはA4判ほどの封筒がバサリと音を立てて床へ落下した。

 

「手掛かりでも見つけた?」

「あぁ。バッチリとな」

「ふぁ〜。おじさん、疲れたなぁ。もう帰るんでしょ?」

「いいや、もう1箇所だ」

 

封筒を開けて中身を簡単に確認したハリー。

彼は気になる項目を見つけたのか、1度書類を封筒へ入れ直して次の場所へ向かう。

 

「うへ。まだあるの?」

「ああ。気になる事は己の足を使ってとことん調べるんだ。そうすりゃ、思わぬ所で役に立つ事もある」

 

ホシノへ語りかけながら角を曲がる。

その時。

ハリーは中に残っていたヘルメット団と出くわしてしまう。

敵は咄嗟に銃を構えようとするが、ハリーの拳が相手の腹にめり込む方が速かった。

ホシノも残りをショットガンで片付けていく。

 

「お疲れか?いい夢をな」

 

 

少しして。

2人の姿は車両庫にあった。そこには、最新鋭の軍用車がまるで見本市のように並べられているではないか。

 

「ひぇ〜。アイツらこんなもん持ってたんだ」

「形から入るにしちゃあかなり凝ってると思うがね」

「確かにこれは、アイツらには釣り合わないねぇ。これが一気にうちの学校に来たら……」

 

ホシノの顔に若干の影が差す。ハリーは見ないフリをしつつも、例のタブレットで要所ごとに写真に収めていった。

 

「……当たりだ」

「なにか見つけたの?」

「ああ。細かい事はスクールに戻ってからだ。ホシノ」

「今度は何するのかなぁ」

「何処かに燃料タンクがある。そいつのバルブを全開にしてやれ」

 

そう言うが否や、ハリーは近くにあったドラム缶の蓋を開け乱暴にひっくり返す。

ホシノもタンクを探し出し、バルブを見つけて目一杯解放。

そしてポリタンクの中身を手当たり次第に車両へかけるのも忘れない。

2人が作業をしている中へ、マクレーンがやって来た。

 

「外は生徒達に任せてきた。お目当てのもんは見つかったのか」

「ああ。ジョン、ライターあるだろ」

「……ハッハァ、そう言うことか!」

 

こうして3人は、まだ残っていたポリタンクのガソリンを床に撒きながら外へ出た。

 

「さあジョン。お焚き上げだ」

「へへへ。火遊びってなァいつになってもスリルがあるよな」

 

マクレーンはオイルライターの蓋を開け火を灯す。

 

「前にダレスで、空港ごと飛行機をハイジャックしたクソどもをこうして吹っ飛ばしてやった」

 

マクレーンはさらりと言うが、ホシノは少し驚いた様子で彼を見た。

ライターの火がガソリンに引火し、段々と勢いを増しながら建物へまっすぐと進んでいく。

そして数秒後、車両庫と兵舎が轟音を立てて爆発四散した。

 

「ヒィーーハァ!これで奴ら帰る家を無くしたぜ!」

『拠点撃破を確認しました。カタカタヘルメット団も戦意喪失、退却していきます!』

「奴等は片付いた。俺らも帰るとするか」

 

ヘルメット団の残党を見届けながら、ハリー達もアビドス高校へと踵を返した。

 

 

「いやぁ、まさか勝っちゃうとはねぇ」

「まさか、じゃありませんよホシノ先輩」

「火急の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これでひと息つけそうです」

「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる」

 

重要な問題。

これが2人の刑事には引っかかった。

アロナが事前に用意してくれていたファイルも読んではいたが、これまでの出来事のお陰でまだ途中までしか目を通すことができなかったからだ。

 

「うん!先生達のお陰で、心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ!」

「借金だと?」

 

ハリーの片眉が吊り上がり、マクレーンは5人を見る。

 

「あ、わわっ!」

「どういうことだ?HELMET以外に問題があるなんて初耳だぞ」

「そ、それは……」

 

マクレーンは驚いた様子で質問するが、セリカとアヤネはしどろもどろになる。

 

「ま、待って!アヤネちゃん、それ以上は!」

「話してくれないか、アヤネ」

「ああ、ジョンの言う通りだ。聞いちまったからには……このまま帰るわけにはいかんな」

「で、でも、先生達はただ弾薬とかを支援する為にここに来た訳であって、この事には関係ないじゃない!」

 

それを聞いたハリーは何かを言おうと口を開けるが、マクレーンが肩に手を置き制した。

そして、しゃがみ込んでセリカの視線に合わせる。

 

「なあお嬢さん。言いにくいのはわかる。しかし詳しい話はまだ聞いちゃいないが、俺らは一緒に戦った仲だ。生徒なら教師に悩みくらい打ち明けてくれたって良いだろう」

「いいんじゃない?隠すような事でもあるまいし」

 

ホシノがマクレーンへ援護射撃をする。だがセリカは、そこから一歩たりとも譲らなかった。

 

「で、でも、わざわざ話すような事でもないでしょ。それに、先生達は部外者よ?!」

「おいおい部外者はねえだろ」

 

2人の子供を持つ父親が笑う。

思春期の学生がそう簡単に悩みを打ち明けられないのは百も承知だ。娘を育てた経験から彼女と対話するのは自分が適任だと判断したが、セリカが頑として話さない事で、ハリーとマクレーンは思っているより深刻な事態である事は理解が出来た。

 

「別に罪を犯したとかじゃないでしょー?それに先生達は私らを助けてくれた大人でしょー?」

「ホシノ先輩の言う通りだよ、セリカ。先生達は信頼しても良いと思う」

「う、うう……」

「確かに俺とハリーで解決出来るとは限らない。だが、こうやって君達の願いを聞いてここまできたんだ。少しゃ信頼して欲しいなァ」

「この問題に耳を傾けてくれる大人は、先生くらいしかいないじゃーん?」

 

ホシノはずいっとセリカに接近する。

 

「悩みを打ち明けてみたら、何か解決法が見つかるかもよ〜?……それとも何か他に良い方法があるのかなぁ、セリカちゃん?」

「う……。でっ、でも、さっき来たばかりの大人でしょ?今までその大人達が、この学校がどうなるかなんて気に留めた事あった!?」

 

セリカは感情的になってしまっている。こうなると、きちんと話す事は難しくなってしまうのだ。

こんな時、(ホリー)ならどうするかと、彼は額に手を当てた。

 

「この学校の問題は、ずっと私たちだけでどうにかしてきたじゃん!なのに今更、大人が首を突っ込んで来るなんて……」

「そうするよう頼んできたのは君達だろう」

 

ずっと相棒と生徒達やりとりを黙って見ていたハリー。だが、流石に限界が来たのか口を出してしまった。

 

「確かに俺らはここへ来たばかりだ、君達のことなんざまだ何にも知っちゃいない。だがな、これだけは言っておくぞ。プライドが邪魔するってんならそんなモン……さっさと捨てちまえ」

 

ハリーはセリカにぴしゃりと言い放つ。

確かに入学してから続けていた、借金の返済。だがいつの間にか努力は意地になってしまっていたことに、彼女は気づいた。

しかし。

 

「……私は認めない!」

 

言い終わった途端に、セリカは教室を飛び出していった。

 

 




いかがでしたか?
ヘルメット団の粉砕だけでなく、マクレーンの父親像にもスポットを当ててみました。上手く書けてると良いのですが……()

さて、借金が発覚したアビドス高校。
ハリー達はどの様にしてこの壁を乗り越えて行くのか……?

それでは次回お会いしましょう!(題名決まってない)
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