書き溜めが少なくなったので書き溜めモードに入ります。
次回更新は未定ですが、次回更新時に纏まった投稿を考えております。
現状死ぬほど人気ないですが、この小説は私の趣味全開で元より誰にも刺さらないだろうなという覚悟で書いてますので、気にせず50Pくらいまで続けるつもりです。そもそも私以外の人が見て面白いんかねこれ。
この小説にそこそこの興味がありましたら、この小説のどこかに隠し文章仕込んだので探したりしてみるともうちょっとだけこの小説が楽しくなるかもしれません。
ここの文章は次回更新時に消えます。
あと一撃、あと一撃……。
なんて遠い一撃だろうか、隙を作るというのは時として倒すより難しい時がある。
一応、簡単に隙を作る手段は、思いついてはいる。
俺が犠牲になる事だ。
たとえブルーナイトに剣で貫かれようとも、戦士の俺がブルーナイトの体にしがみつけば大きな隙を作る事が可能だろう。
しかしそれは論外だ。既に盗賊を一人失った今、戦士の俺が落ちたら帰り道はどうなる?
盗賊と僧侶の二人で15階から降りる事になる、僧侶は道中の戦闘では殆ど役に立たない。実質一人での帰り道になる。
更に言えば俺が死んだら俺の装備含めて、殆どの成果物をここに置いていく事になるだろう。
犠牲に対して得られる成果が安過ぎる。俺にとってここまで来たという情報は既に値千金だが、ここまで来たら全て持ち帰りたい。
真っ当に戦ってみよう。今の俺はビビり過ぎている。
急な速度でいきなり攻撃され、しかもそこから不意を突かれ、果てには仲間を一人失った。
だからなんだ?
止めよう自責、しよう他責。俺は悪くねぇ。
初見だもん、しゃーないよ。盗賊2だもん、意味分かんねーよ。
うし、開き直れ、最悪死んでもいい。ビビって死ぬのが一番ダサい、なんかして死ね俺。
「はあああああ!!」
俺はまだ構えていないブルーナイトに斬りかかった。
ブルーナイトのあの構えだ、あれが良くない。あの構えの後に速い突撃と攻撃が飛んでくる。
悠長に待たず、こちらから攻めた方が良いと俺は判断した。
俺の一撃はブルーナイトの盾にあっさり防がれる。
というか俺はそもそも体を狙っていない。なんなら盾を狙ったまである。
俺の目的はあくまで急な攻撃をさせない事、後ろに通さない事、それだけ。だが……
ブルーナイトはそのまま剣を上段に上げ、俺目掛けて振り下ろした。
俺はその剣を自分の剣で横から弾くように斬り払う。
「ッ……」
こええ、音ゲーかよ。斬り払いのタイミングミスったら今の死んでたな。
そして今の一合で疑念が確信に変わる。
ブルーナイトのあの剣は俺の剣よりもずっと質が良く、そして重い。
俺はあのロングソードの振り下ろしに、横から殴ったのにも関わらず自分の剣から衝撃を感じている。まるでものさしで降ってくる岩を弾いた気分だ。
駄目だ、あの剣とまともに打ち合ったら間違いなく俺の剣が折れる。
剣は駄目、盾は木製。まともにあの剣を受ける手段が無い。このままさっきみたいに弾くか、避けるしかない。
「『デット・ポーリス』!」
「うおおおおお!」
突如、ブルーナイトの足元から魔法陣が現れる。それと同時に横から盗賊が突っ込んで来た!
「はああ!」
いきなりの事で驚いたが、俺もそれに合わせて斬りかかる。
しかし俺の攻撃は盾で防がれ、盗賊の攻撃には意も介してない。
盗賊は短剣を前に突撃するが、その短剣はブルーナイトの鎧に当たりはしたものの全く効いていない。
ブルーナイトは飛び退く様に下がり、その後魔法陣から放たれる光を回避した。
突然だったが、悪くないチャレンジだったと思う。数撃てば当たる。今のを何回かやれば何かが嚙み合って当たるかもしれない。
うん? 何回か?
「あとその魔法、何回打てますか!?」
「えっ!? あと……5回くらい!」
5回、多いようで少ない。少なくとも数撃てば当たるで撃っていい回数じゃない。
装備が欲しい、切実にそう思った。せめてあの剣とかち合える剣か、受けれる盾があれば……
……剣を受けれない盾なら別に、いらないか?
「ぐああっ!」
後ろを気にしていると、正面から悲鳴が。
見ると盗賊がブルーナイトに攻撃を仕掛け、返り討ちに遭っていた。
何してんだろあいつ。
とりあえずブルーナイトに攻撃を仕掛けて、追い払う。
横目で見ると腹部を少し斬られた様だ。右手で腹を抑えて地面に尻を付いているが、両断されてない所を見るとたぶん平気だろう。
『ヒール』
僧侶が駆け寄り、盗賊に回復魔法をかける。
貴重なMPが更に減ってしまった。これで更に無駄撃ちが出来なくなった。
「はあっ!」
ブルーナイトを見れば、再び距離が開いた事でもう一度あの構えを取っていた。
それに気付いた俺は接近してブルーナイトに攻撃を仕掛ける。
こうして向かい合っての斬り合いならギリギリ凌げる。しかしあの構えから来る一撃は次されたら回避出来る自信がない。
ここは多少突出してでもあの構えを止める。
「なにやってんだ……下がれ……突出し過ぎだ……」
うるせぇ! お前にだけは言われたくねえよ!
なんか勝手に突っ込んでそのザマだろうが!
などとは口に出さず、ブルーナイトを警戒したまま一歩下がる。
盗賊が立ち上がる。回復魔法による治療が終わったらしい。
「次、俺の合図で魔法を放ってください」
俺は一転して、盾に身を隠すように盾を構える。
今までは盾に期待せず、むしろブルーナイトの剣から盾を守るような動きをしていた。それは無論あの剣をこの木の盾で受けてもそのまま斬られてしまうからだ。
だが今度は一転して盾を最前面に出して構えた、それは無論この盾であの剣を受けるためだ。
来い来い来い。
縦切り、違う。俺はそれを剣で弾きながら避ける。
横切り、違う。俺はそれを後ろに下がり回避する。
そしてその横切りから離れた距離に届かせるように、ブルーナイトが俺に突きを放った!
この瞬間を待っていた!
「今だ!!」
俺は即座に合図を出す。
そしてそのままその突きに対し盾をぶつけた!
持ち手に当たらないよう上部に当たるように、盾を剣に当てる。ブルーナイトの剣は俺の木の盾をあっさりと貫通し、剣は俺の頬を掠める。
俺は自分の剣を投げ捨て、その盾をしっかり両手で握り、抑える。
ブルーナイトの体制が崩れる。突き刺した剣が抜けなくなり、体勢が前のめりになったからだ。
「『デット・ポーリス』!」
ブルーナイトの足元に魔法陣が現れる。
ブルーナイトは更に力を入れ、剣を抜こうとする。だが……
俺はそのまま接近し、剣を握るブルーナイトの小手を掴んだ。
お前の腕、引き寄せるように戻ったよな? お前の体は分離しても大丈夫だが、自由に分離して攻撃出来るような体じゃない。
コイツの全身の鎧は恐らく、全てのパーツが引き寄せ合うように出来ている。
よってこうして剣を封じ、俺が腕を掴んでしまえば、コイツは動けない!
ブルーナイトが暴れる。盾で俺の殴るようにぶつけて来る。
痛い、鉄のフライパンで殴られているようだ。だが俺は離さない。
ブルーナイトの体は重い、大物が引っ掛かった釣り竿のように、俺の体が持っていかれそうになる。だが装備性能ならともかく、純粋な筋力勝負ならこっちに分がある。
こちとら純戦士だ、スカスカの肉体とは訳が違うんだよ!
「うおぉおお!!」
ダメ押しの盗賊ののしかかり。
ブルーナイトの背中におぶさる様に、盗賊が背後から体重を掛ける。
腕を引く力が弱くなる。それが決め手となった。
魔法陣から、光の柱が立つ。
『ーー~ッ~ー~!?』
物言わぬ鎧から呻き声のような異音が響く。
光が収まると、そこにはまだ健在のブルーナイトがいた。
「ーーッ!」
俺は直ぐに身を引き、投げ捨てた剣を拾う。盾はブルーナイトの剣に刺さったままだ。
警戒するが、ブルーナイトは全身を脱力させ、天を仰ぐように空を見つめている。
そして、剣、盾を地面に落とし、そこからガラガラと全身の鎧が崩れ落ちた。
そのまま剣も鎧も砂のようになり、風に吹かれるようにその場から消え去った。
「やったー! ナイスー! ナイスですー!」
僧侶が跳ぶように喜ぶ。
「ーーっ、お疲れ様ですー! ナイスー」
俺も緊張の糸が切れ、フーっと息を吐く。
気付けば息が上がっている、短い間だったのにも関わらずかなり体力を消費していたようだ。
「はーっ……」
見れば盗賊も同じように疲弊している。お前なんかしたっけか。
俺は剣を仕舞い、盾を……盾はもうダメだな。中心から大きくV字に裂けてしまっている。ありがとうこの戦いのMVPはお前だよ。
でも、裂けててもまだ使えるから、帰るまでが仕事な。
そしてブルーナイトのいた場所を見れば、小さなアイテムが一つ転がっている。
なんだろうアレは、街灯の先端みたいな、ちょっと洒落たランプに見えるが……。
盗賊が近付いてそれを拾い上げる。
「これは……魔力灯だ!」
魔力灯? 俺にはランプに見える。俺がギルドで買ったのと同じくらいのサイズのランプだ。
「えー凄い! 大当たりだぁ!」
僧侶が喜んでいる。そんなに凄い物なのだろうか。
「なんですかそれ?」
「お前知らないのか? これは魔力灯、無限ランプだよ」
「へ?」
無限ランプ? え?
「これはダンジョン周囲でだけ使えるランプで、その代わり燃料無しで無限に使えるランプだ。ギルドホームで使うのが一般的で、これがあれば冒険者はランプの燃料を買わずに済むようになる」
「すっご」
凄い、ギルドホームの強化アイテムって事か。これがあればギルドホームが快適になる。
うん? ギルドホームが強化されるのは良いんだが、それってダンジョンから離れにくくなるアイテムじゃないか……?
なんかこの手法俺知ってる……。
「それに普通のランプより遥かに明るいし、明るさの調節まで出来る。ギルドでは買い取ってくれないが、フリマ相場は大銀貨4枚! 超大当たりだよ!」
「ほおおお?」
ポーションとほぼ同額。15階ボスドロップは上振れでポーションに届くのか。
一個で大銀貨に届くアイテムは気配感知の腕輪以来だ。
そして二人は死んだ盗賊の装備も回収する。俺が持たなくていいっぽいな、混ざると面倒だし、仲間の物は仲間内で持つのだろう。
「よし帰ろう! 帰りも気を付けて行くぞ!」
「うん!」
「はい」
うるせぇ仕切んな。
俺達は周囲に忘れ物が無いかを確認して、16階へと続く魔法陣を見ながらその場を去った。
帰りは10階までは多少苦戦したものの、問題無くギルドまで帰る事が出来た。
ーー☆ーー
「おお! お帰り!」
ギルドで俺達を出迎えてくれたのは背が高めの見知らぬガキだった。
それもその筈、俺は死んだ盗賊の顔を覚えてないし、更には盗賊の服装ではない私服を着ている。俺にはもう面影すらない。
でも一応ありがとう。お前が死んでくれたおかげでブルーナイト倒せたよ。
でもやっぱりお前が戦士だったらもっと楽だったから死んだのも当然か。
「どうだった?」
「ああ、倒せた。ドロップもこの通りだ」
盗賊は鞄から無限ランプなる魔力灯を見せる。
「ええ!? すっげぇ! 魔力灯かよ!」
「えへへー、すごいでしょー」
和気あいあいと話しながら、その中俺は無言を貫いて買取所へと向かう。
途中で盗賊が私服のガキと話して、ガキが消えた。聞こえていた会話的に、ギルドホームに向かったらしい。
買取所はまるで豪華なゴミ捨て場。店員も職員もおらず、物を置いてくださいといわんばかりの棚が壁の中にある。
そこに俺は今回預かっていたドロップを並べる。生きてた方の盗賊も、僧侶も、俺と同じように鞄から今回のドロップをそこに並べた。
未鑑定品もあるが……まぁいいや。なんか言い出しにくいし。
「これも売っていいです?」
生きてた方の盗賊に守護の腕輪を見せる。
この腕輪は結局実感が湧かなかったな、もしかしてこの腕輪が無かったら盾はあっさり両断されて、俺の目論見は失敗していたのだろうか。
「いらないならいいぞ、俺達には必要ない」
俺は守護の腕輪も買い取りに並べた。そしてベルを鳴らす。
チン、と軽快な音と共にシャッターが閉まる。その数秒後シャッターが開き、そこには銅銀貨や銅貨が積み重なって並んでいた。
そしてその場で報酬を分配する。俺の前にはと銅銀貨7枚、銅貨2枚が置かれた。
これが15階の儲けか……少ないように感じるが、これには15階のボスドロが含まれていないし、何より四等分されてしまっている。
「持ってきたぞ」
そしてガキが帰って来た。
盗賊はガキから何かを受け取り、それを俺の前に持ってくる。
大銀貨だ。
「魔力灯はこっちで売る。俺の読みでは大銀貨4枚、こっちの相場読みが不安なら買い取ってもいい。大丈夫ならそれを四等分した大銀貨1枚を受け取ってくれ」
「ん……」
俺は一切文句なく受け取る。
そんなものの相場など分からないし、フリマにもあまり近寄りたくない。信じて受け取る一択だ。
ただ相場を知らないのは野良をやる上で問題かもしれないな……。冷やかしになるが、今度から暇な時にフリマに通ってみるか……。
これで今回の野良は終了した。結果から見れば金も情報も経験も得られ、大満足である。
ああ、本当に何もなくて良かった。正直な所ダンジョンで死ぬより、仲間に迷惑を掛ける可能性が大きかったのが一番怖かった。
無知は罪。知識がそのまま武器になるこのダンジョンで初めての仲間に無知を晒すのは俺の中で大罪に近い。
無知を理由に煽られたり罵倒されたらと思うと怖かった。主にそれが理由でここまで野良に尻込みしてしまっていた。
何事もなく終わって本当に良かった。
俺は手を振っていちごねこみるく隊と別れを告げる。
盗賊二人も笑顔で手を振って返してくれた。最初とは大違いだ。収穫が大きくてご機嫌なのだろう。
「……あの!」
ギルド出て、数歩歩いた時である。背後から声を掛けられた。
振り返ると、そこにはいちごねこみるく氏が一人で立って、こちらを見ていた。
「あの、もしよかったら……」
「あ、大丈夫です! お疲れ様でした!」
俺は会話を遮り、今日一の笑顔でいちごねこみるく氏を労って、駆け足でその場を去った。
ああ、そういえば生き残ってた方の盗賊の名前だけでも教えてもらえばよかったな。
ー☆ー
俺はとりあえずギルドホームに帰り、装備を置いたり売る物を整理しようとしていた。
が、ギルドホームに入った俺は驚きで言葉を失う。
「広い……!」
15階に到達したおかげか、部屋が広くなっていた。前回まで部屋が6畳程度だったのに対し、今は部屋が10畳近くある。天井も高くなったように感じる。
しかも極めつけはあれだ、部屋の広くなった部分に大きな棚が置いてある。鎧等を置けそうな大きな棚と腕輪等の小さな物を効率よく収納出来そうな棚の二種類だ。
「これが15階の部屋……」
どんどん部屋が豪華になっていくのを感じる。社員から課長に昇進した気分だ。
一ヶ月近く10階を周回していたので、さっきまでの部屋は余計なアイテムや予備の装備でギチギチになっていた。なんなら壁に重ねるように積んでいたので、部屋が広くなった影響で壁に作っていたアイテムタワーが崩れている。
だが割れたり壊れたりしたアイテムは一つもないようだ。良かった。
俺はニコニコで部屋の整理を始める。棚、ずっと欲しかった。ただ置く場所が無かったのだ。それをこんな風にいきなりプレゼントされるなんて思ってもみなかった。
……ギルドで後から請求されたりしないよな? 流石にあの銭ゲバギルドでもいきなり高価な家具を着払いなんてトンデモ行為はしないだろう。
若干の不安を抱えた俺は、とりあえず今日の売り物を持ってギルドホームを出て、受付さんに報告に行った。
「これ、買い取って貰っていいですか?」
俺はアイテムを整理して、もういらないと判断した物を受付さんに持ち込んだ。
買い取りは建前で、今回の結果を受付さんに報告するための口実である。買取は基本的に買取所だが、鑑定を含む場合はこっちで買い取ってもらう事もある。
受付さんは買取も早い。瞬きの間に置いたドロップが銅貨に変わっていた事もある。
「あらー、お帰りなさいー。初めての野良はどうでしたー?」
「面白かったです」
「面白……? まぁ不快な思いをしなかったのであればなにより」
「いや、しましたね。結構」
「……?」
受付さんが困惑している。
「なんか三人仲良しの所に入れられて、疎外感半端なかったです」
「あー、まあ野良なんてそういうものですよ。足りないのを埋めるのが野良ですから」
ふむ、なるほど、ここではそういう考えなのか。
「あとなんか盗賊が二人いました」
「盗賊はー……盗賊によりますねぇ……、探索を補助する盗賊と、速さと攻撃に特化した盗賊とかいますから」
「どっちも探索補助でした」
「そうですかぁ。まぁ野良なのでぇ、そういう事もありますよぉ。三人、誰でも、とかで募集すると僧侶が二人来たりもしますからねぇ」
あっちの三人は固定だったんですけどねぇ。
まあ面白かったよ。本当はもっと経験を積んでからああいうのに出会いたかったけど。
ああいう闇鍋味わうのも野良の醍醐味だ。
「それで、今日帰ってきたらなんとギルドホームが広くなってました。あとなんか棚が置いてありました」
「おぉ~、15階突破したんですねぇ。おめでとうございますぅ。その棚は神からの記念品だと思って下さいー」
「棚代を請求されたりは……?」
「ハハハ、流石にしませんよぉ」
良かった。二割くらいは本気で請求されかねないと思っていた。
「ただ、来月からギルドホームの月額料金が大銀貨1枚になりますねぇ」
「…………え?」
「なりますねぇ」
…………は?
□ギルドホーム
0階で月額銅銀貨1枚。2畳程度の広さ。ほぼ体験コース状態。激安。
5階で月額銅銀貨3枚。4畳程度の広さ。丁度良い倉庫状態。格安。
10階で月額銀貨1枚。 6畳程度の広さ。住める。まだ安い。
15階で月額大銀貨1枚。10畳程度の広さ。……は?
一月銅銀貨1枚で契約できます! というのはほぼ建前。一月もあれば大体の冒険者が10階に到達する。してなくても体験ツアーで10階突破させられる。銅銀貨1枚で住めるのは初月だけ。
ダンジョンでは大銀貨がホイホイ手に入るが、大銀貨が1枚あれば人間一人が一月そこそこの暮らしが出来るくらいのお金。家賃で取っていい金額ではない。
ここら辺から死亡時のペナルティが響いてくる。死に過ぎるとロストと損失とギルドホームの家賃で赤字になりかねない。死なないために装備の一新が必要だが、一新するとロスト時の損額も大きくなる。
□魔力灯
ダンジョン周囲で使える無限ランプ。明るさ調節可能で、眩しいくらい明るくする事も出来る。ギルドホーム向けだが勿論ダンジョンへの持ち込み可能。相場大銀貨4~5枚。
ギルドホームが明るくなるが、ギルドホームには追加設備で電気を通す事も出来る。それにより明かりに加えて冷暖房も設置可能。
しかし電気は通すだけで金貨5枚。更には各々の設備の設置費も掛かる。
魔力灯は部屋に電気を設置するまでの繋ぎとして優秀で、なんなら明るさも調整の幅も魔力灯の方が上なので、電気を通した後も愛用する冒険者は多い。
もし電気の存在が無ければ魔力灯はもっと上の値段だった。
◇Xx卍ルシィファー卍xX
いちごねこみるく隊最後の一人。名前は基本的に自己申告で、更にはいつでも変えられるため自由の幅が広い。しかし名前に記号を入れる人はかなり少ない。
実はそこそこのまとも枠。✟クラーウド✟君よりも3歳程年上の17歳。いちごねこみるく氏に良い所を見せたい思いと、自分がしっかりしなきゃダメだという思いから知識だけはかなり詰め込んでいる。
尚、二人は知らないが、いちごねこみるく氏は更にその13歳年上。僧侶のフードと、小さめの身長と猫背、顔の線を隠す髪型、化粧、そして常に裏声のような喋り方で完璧に偽装している。
二人共に「歳は俺と同じくらいかな……?」と思っている。