話が続いてるけど一応ここから新章扱いではあります。
というかここまで前置きみたいなもんです。ここからはストーリーに沿いながらの短編集みたいになる予定です。
タイトルに英数字がありますが、話が変わるタイミングで明確に英数字が変わります。話の流れで分かりますが、AかBかだけは見て頂けると幸いです。
わりとイカれた書き方をしてる上に基本的に寝る前に書いてるので、誤字脱字句読点付け忘れ文章入れ忘れ頭クルクルパーがたぶん多発します。見かけたら教えてくれると助かりますが、面倒だったらそのまま見逃して下さい。
この世界の設定は基本的に後から生やしてるのでもしかしたら古いページと矛盾が発生するかもしれません。見逃して下さい。
あと今更ですが、本作には人が死亡する描写が多数あります。
後で生き返るので基本的に軽いノリで死にますが、死亡描写等が苦手な方はご注意下さい。
「あ、それはそれとして、またレアドロ出たら呼んで下さいー。高そうな物ならこちらで鑑定もしますんでねぇ」
とりあえずギルドホームに行こうと思っていたが、呼び止められる。
ちゃんと木の棒の布の服を買ったからだろうか。買えば買う程助言をくれる気がする。
「……ちなみにレアドロってどういうのですか?」
「まず言うまでもなくポーション。後は上層なら人気の指輪とか腕輪とかですかねぇ。魔法杖系もレアですけど、上層だとあんまり良い値は付かないです」
「人気の腕輪と指輪?」
「腕輪とか指輪には冒険を有利にする能力が付与されている事が多いですよぉ。その能力が有用である物程売値も上がりますねぇ」
ふむ、ランダム性がある分上振れると高値が付くのか。
「その人気の能力というのは?」
「種類が多過ぎて私からは言えないですねぇ。ご自身で調べて下さいー。ただ上層だと良い物で銀貨1枚くらいですかねぇ」
上振れのレアドロで銀貨1枚!?
ポーションの大銀貨4枚と比べて安過ぎないか?
「というかポーション高過ぎません?」
「そりゃそうですよ、ダンジョン外で使える神の癒しの力ですからねぇ」
あ、そうか。ダンジョンの外でも使えるのか。
それって言ってしまえばゲーム内のアイテムを現実でも使えるようなもんじゃないか?
分かった、この感覚で考えればいいんだ。ゲーム内から現実に持ち込みたいアイテムが高く売れるんだ。
思えば剣は安かった、ちゃんとした鉄の剣だったのに銅銀貨程度で買えてしまった。ダンジョンで入手出来る物は本来の値段より圧倒的に安くなっているんだ。
この世界は恐らく、ダンジョンによって価格崩壊を起こしている。俺の感覚はもう当てに出来ない。
「ポーションは薬とは違うんですか?」
「別格ですね。ポーションは傷を癒す効果があるんですが、普通の薬と違ってそれが即時なんです。致命傷だろうが生きてさえいればポーションで傷を治せます。冗談抜きでポーションが一本あったら人間一人の命を救えます」
恐ろしい、普通であれば致命傷を負ったら治療を施す前に失血で死んでしまうだろう。だがポーションがあればその場で医者顔負けの治療が出来てしまうわけだ。
「それも確実に、正確に治せます。重症を人が治してもその傷から別の病が併発なんて事もありますが、ポーションならそれすらありません。外傷であれば確実に治します。まさに神の力。ああ医学が後退してゆく」
想像以上の力だ、傷口からの病原菌の侵入も防いでいるのか?
「まぁ、外傷じゃない奴だとハイポーションやエクスポーションが必要になりますけどね」
「あ、更に上のポーションがあるんですね」
「あれはもう馬鹿げてますよ。ポーションは外傷までですが、ハイポーションなら重い病すら治しますし、エクスポーションは生まれつきの持病を含む病も治して、何年も前に失った腕とか自分で切った臓器すら余裕で再生します」
「うわぁ」
ここまで来ると逆に怖くなってきた。だがこの世界は重い病気の心配が無くて良いな。その分高価なんだろうけども。
「ちなみにポーションが効くのは街の中までなんで注意して下さいねぇ。街の外で使ったらただの水ですよぉ」
「え、そうなんですか?」
「神の力の範囲外……他の神の管轄……色々説はありますが、理由は未だに分かってませんー。ともかくダンジョンのアイテムは最大でも街の中まで、基本的にはダンジョンの周囲でしか使えないと覚えておいて下さいー」
街の外に持ち出せない神の治療薬……すげぇ金の匂いがする。
街の外からエクスポーション求めて入ってくる貴族とかもいそうだなこれ。
「そして下層を目指す冒険者にもポーションは大人気ですねぇ、というか必須です。下層の敵は一撃で人間の胴体を吹き飛ばす事もザラですからねぇ。下層冒険者はポーションガブ飲みですよ、ああ恐ろしい」
大銀貨4枚を……ガブ飲み……。
「えっと、俺が入ったのが上層ですよね、その次は?」
「中層、下層と続きますねぇ。1階から35階までが上層扱いで、それ以降が中層ですー」
「中層はどれくらい稼げるんです?」
「一月で金貨は余裕で狙えますねぇ」
「ほぉ」
中層でポーション一本くらいを安定して稼げるなら大きいと思っていた。
だが余裕でそれ以上だと言う、月でそれならなかなかの金額だ。命を懸ける価値がある、死なないが。
「銀鉱石が結構見つかりますからねぇ、そのまま銀貨になるんで稼げますよぉ。レアドロもかなり種類あるんで夢いっぱいです。拾った杖の印が神印だったりして一瞬で金貨数枚になったりもしますからねぇ」
「神印?」
「言っといてなんですけど、印はまだ貴方にはまだ早過ぎる話ですねぇ」
「あ、そうですか」
確かに未だに1階しか歩いていない俺に中層の話なんて遥か先の話だろう。一体何年掛かるんだろうか。
その頃には冒険者辞めて安定した職に就いてそうだけどな。
ーー☆ーー
「意外と戦えるな」
俺は受付さんに言われた通り、布の服と袋、そして棍棒でダンジョンに入った。
ただ靴だけは昨日と同じ皮の靴だ。流石に裸足でダンジョンに入るのはもう嫌だった。
現在3階まで降りて来ている。ゴブリンが何度か襲い掛かって来たが、危なげなく倒す事が出来た。棍棒は強かった。
この前の木の棒とは大違いだ、ちゃんと武器として作られた木の棒である。数度殴っても未だ壊れる気配を見せない頑丈な木の棒だ。
「思ったより順調だぞ……?」
1階で一つ、2階で二つの宝箱を発見し、上質な木の盾、皮の腰巻、アンチドーテという薬液を手に入れた。
アンチドーテは恐らく解毒薬だろう。ポーション程ではないだろうが良い値が付きそうだ。腰巻はかなり便利な上に下半身の防具にもなる。
そして、盾。コイツがヤバい。安定感が抜群に変わった。
接近戦の初手でこれを構えて前に出るだけでいい。相手の攻撃だろうがなんだろうがこれで相手ごと吹き飛ばしてしまえば全て関係ない。
幸い未だに人間の体格を超える敵と出会っていない。この盾さえあれば体格だけで勝てる。
さらに上質と書いてあるだけあって本当に上質。かなり乱暴に使っているが曲がる気配すら見せない。木の盾とあるが、明らかに普通の木じゃない。衝撃を吸収し、かつ丈夫、しかも軽い。鉄の刃でもない限りこの盾は壊せなさそうだ。
「ギギッ!!」
お、さっきも見た新種のゴブリンだ。
コイツは普通のゴブリンと違い体色が青色で、武器の棍棒に加え小さな盾まで持っている。
が、関係ない。
「よっ! と」
接近し、盾を構えたゴブリンをその盾ごとこちらの盾で押し飛ばす。
いくら盾を構えていても体重に圧倒的な差がある、それに加えて走り込んで勢いまで加えた、たとえ見た目以上に力があったとしても耐えられない。
そのまま体制を崩したゴブリンの頭に棍棒を叩き込む。
ゴブリンは動きを止め、音もなく消え去った。
一体なら全く問題ない、問題なのはコイツがチームを組んで来る事だ。
さっきはコイツと赤いゴブリンと普通の緑のゴブリンが3人でチームを組んで襲い掛かって来た。
あれは正直盾がなかったら危なかった、無理やり盾で小突きまくって一体づつ慎重に処理した。
ーーーー
「お、宝箱じゃん」
俺は宝箱を発見する。俺はそれを躊躇いなく開ける。
今日は既に三度宝箱を空けているが、実は一回だけ罠に掛かった。
顔面目掛けて石が飛んできたのだ。モロに顔面にぶつかり少しの間鼻血が出た。
痛かった半面安心した、流石に命を取りに来る罠は無いらしい。
「うし、今回は罠無し」
中身を検める。
「杖……?」
魔法使いの武器か? なら今回はハズレか……。
俺はその杖を手に取る。杖にしてはかなり小さい、ものさしくらいの大きさだ。
☆毒の杖(?) 【■】
「毒の杖……?」
魔法使いの武器にしては名前が仰々しい。というかそもそもこれは武器なのか?
それに名前が分かったのに読み取れない部分がある。
そういえば受付さんが魔法杖系とか言っていた気がする。魔法使いの武器とは別に、アイテムとしての杖があるとか。
「……振ってみるか?」
興味本位だった。だって魔法だよ魔法? そりゃあるよ、興味。
正直仲間さえいれば戦士じゃなく魔法使いになっていた可能性だってあった。今でこそ戦士になって力でゴリ押ししているが、炎や水を操っての攻撃だってしてみたい。
「おりゃ」
俺は中空に向かって杖を振ってみる。毒よ出ろ、と。
使い勝手が良さそうなら今回の探索で使いながら進んでみようと。
そして俺の予想通り杖の先から毒が出る。
勢いよく、
「!? ゴホッ!? ゲホッ!?」
杖の先を中心に緑色の煙が噴き出した。その煙は正面にだけではなく杖を振った俺すらも巻き込んだ。
咄嗟に俺は口を閉じるが、咄嗟だったので鼻でその煙を吸ってしまう。
そしてその煙を吸った途端、強烈な吐き気と、まるで炎でも吸い込んだかのような激しい痛みを喉から肺にかけて感じた。
俺は即座に杖を投げ捨て、後ろに尻餅を付くように倒れる。
ア、アンチドーテ! 毒がどの程度の毒か分からないが、少なくともあの蝶の毒より遥かに上の毒なのは間違いない!
俺は背負った袋を探る、中に入れてあるのはアンチドーテと道中で適当に拾ったゴミだけだ、手に触れれば感触で分かる筈!
しかし煙が目に入ったか、目からも激しい痛みを感じ、もはや開ける事すらままならない。
目を閉じたまま袋を探り、袋の中を搔き分けるように探す。
これじゃない、これでもない!
早く、速く、早く!
掴んだ!
「よし! これを!」
俺は何かを掴んだ右手を掲げる。そこに見えたのは……
土屑だった。
「え?」
既にもう痛みが無い。視界は良好で、さっきまでの苦しみが嘘のようだ。
見渡すともう周囲に毒の煙は無い。というか、アンチドーテも無い。
左手に持っていた袋も無い、床に落とした盾と棍棒も無い。
服も、無い。
そこは既に先程までいたダンジョンの部屋ではなく、一度だけ見た事のある光景。
墓場だった。
「……死んだ?」
俺はこの世界で初めて、死んだ。
■アイテム使用可能範囲
ダンジョンの外では魔法が使えないが、アイテムによる魔法はダンジョンの周囲までなら使用する事が出来る。
ポーションといった人に害のないアイテムであれば街の中までならどこでも使用する事が出来る。
これらは神が意図的に制限を掛けている。
☆毒の杖
魔法の杖、武器ではなくアイテム。
杖によって能力が変わり、回数制限付きだがその力を使う事が出来る。
なお、ダンジョン外ではダンジョンの周囲まででしか使えない。
毒の杖は正面に毒の霧を発生させる。大量に吸い込むといずれ死に至る。
呼吸をしている相手に極めて有効。呼吸をしていない相手にも外皮に切り傷等を与えることで傷口から毒を沁み込ませる事は出来る、が、効果は薄い。
(?)
使用回数、ここに記載されている回数分だけ魔法が出る。使い切るとただの木の棒と変わらない。投げて当てても何も起こらない。
鑑定されていないと使用回数が分からないため、主人公には?と見えている。
鑑定はギルドに持ち込んで銅板1枚を支払うか、鑑定書を使用する事で確認可能。
未鑑定でも買い取りは可能だが、杖は1度でも使用すると買い取って貰えない。
【■】???
実はここは主人公には見えていない。ここは鑑定されないと視認する事が出来ない。