真面目でサイコな弟子が往く!   作:白熊堂

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本日も宜しくお願いします。

この作品はカクヨム様から転載となっております。


第15話

第15話・北の門から赤狼団襲来

 

 

 アリシアがエルの家で特製の蜜入り干し芋を茶請けにハーブ茶を飲み、長閑に雑談をしていた時にそれは突然起こります。

 

 リアナ大陸戦記の中でも有名な一冊である蒼の万魔将アリシア伝の最初に数行書き記されている程度の出来事が、この後のアリシアの考え方の基本的な部分を作ったのではないかと云われている事件でありました。

 

 名もない小さな村の近くでそこそこの規模を誇る盗賊で有る赤狼団が現れるようになったのは大陸歴千百七十八年頃で有ったらしい。

 

 その頃の名もない小さな村では極々最近の事、以前は北に有る巨大な山に有るセレニムというドワーフ族が住むと云われる鉱山都市から、少し西方の都市である交易と美食のグラントの街に延びる商人達が往来する街道を赤狼団と呼ばれる盗賊達は根城としていたようです。

 

 しかしながら、ドワーフ領の鉱山都市セレニムの優秀な鍛冶職人で有るドワーフ達は皆が筋骨隆々で力強く、非常に好戦的で有り、自らの都市の近くを荒らし回る愚かな盗賊を野放しにしておくほど甘くは有りません。

 

 武闘派で人外の域まで到達した金級上位の全身フル装備のドワーフ鍛治達に徹底的に叩き潰された赤狼団は、最大時五百人を数えた大盗賊団から一気に数を減らし、小さな村々を襲う事しか出来ない二百人程度の中規模な盗賊団へと変化していったようです。

 

 さらに赤狼団に追い討ちを掛けたのが、セレニム方面から逃げた先のグラント周辺一帯には一般的な兵士と同じ程度の強さの鉄級下位の手強い魔物であるゴブリンなどが大量に現れるようになった事でした。

 

ゴブリン・レベル1~10

プラナ120~450 マナ0

攻撃力90~300+25 防御力65~255+5

体力120~350 

敏捷性75~350 精密性45~150

知性20~50

装備

ゴブリンソード 攻撃力25

ボロ革の鎧 防御力5

 

 この統率されたゴブリンの集団との戦いにより団員が更に死亡して盗賊団の規模はどんどん縮小していき、そんな弱り目に祟り目な状況で王都から流れてきた新参者の凄腕剣士が前団長を殺害したのを皮切りとなり、元々は通行税などと言っては商人達から少量の荷物の一部を奪う事を主に行っていた陳腐な盗賊集団が人殺しも厭わない凶賊と成り果てたです。

 

 元々は商人を襲っても一部の品を残して解放し、決して殺さない事を信条としていた赤狼団は新しい団長の元で凶悪な人殺し集団の集まる盗賊団に生まれ変わり、グラント周辺の小さな村々を襲っては残虐非道の限りを尽くし、早晩エルト小国からもそれなりの賞金が掛けられるまでに至ります。

 

 結果、賞金首となった盗賊達はエルト小国の中央に位置する大都市グラントから北の鉱山都市セレニム方面を東へとすり抜けるように離れ、さらに徐々に南下していき、小さな村を一つ、また一つと襲っては村人を殺し、犯し、財産を奪っては食糧を食い潰し、それを数度繰り返したところで、とうとうアリシアの住む名もない小さな村にやって来たのでした。

 

「門を閉めろ!盗賊だ~!」

 

カン! カン! カン! カン!

 

「盗賊が来たぞ~!」

 

カン! カン! カン! カン!

 

 名もない小さな村は寒村では有りますが、それは同時に魔物の棲む森と接している為に無駄に壁が厚く高い見張り台も有り、他の村に比べても外への守りに特化しています。

 

 北門に面した見張り台にいた50歳を少し過ぎたほどの未だ老齢とは言えぬ自警団の男が盗賊の襲来を発見して声を張り上げました。

 

「エルさん、私も門に行きます!」

 

「アリシアちゃん!気をつけて!」

 

 アリシアもその異変に気付いてエルと別れて北門に向かいましたが、村人達の話では、どうやら名もない小さな村を襲う盗賊が現れたらしいと緊張が走ります。

 

「戦えるものは北門に集まれ!戦えないものは村長の家に行け!」

 

 村の自警団員は45歳から50歳を過ぎたばかりの未だ老齢とは言えないような者達で有る。

 

 畑仕事でそこそこに動ける者が中心となって20名ほどが簡単な鍬や草刈り用の大きな鎌を担いで北門に急ぐ。

 

 戦えない老人や子供達は村長のガルフ宅に集合して南西のエレノへと避難するのでした。

 

「オルソン!盗賊が現れたぞ!」

 

「おう!俺も直ぐに行くよ!」

 

「なら、俺も着いて行って構わないか?」

 

「ああ、ジルさんには是非とも自警団を指揮して貰いたい」

 

「うーん、俺はそんなタイプでは無いんだが、まあ、傭兵は傭兵なりの戦い方をさせて貰うよ」

 

「おう!じゃあ、北門に行こうぜ!」

 

 村では戦力になりそうなベテラン傭兵のジルに加え、凄まじい筋力と巨漢を誇るオルソン、熟練の猟師で有るバスカルの3人が合流して北門に向かっていく。

 

ステータス

名前 自警団 年齢45~50歳 状態 老化

レベル25~32

プラナ388~455 スタミナ128~225 マナ0

攻撃力55~120+65 防御力48~82+26 

腕力55~85 体力128~225 

敏捷32~62 精密性33~50

知性49~52

装備

草臥れたナタ……攻撃力65

ボロ革の鎧……防御力25

ボロ革の靴……防御力1

 

VS

 

ステータス

名前 赤狼団 年齢35~40 状態 良好

レベル55~80

プラナ455~800 スタミナ225~653 マナ0

攻撃力211~522+120 防御力185~385+26 

腕力185~385 体力225~653 

敏捷120~335 精密性98~223

知性25~68

装備

なまくらの剣……攻撃力120

ボロ革の鎧……防御力25

ボロ革の靴……防御力1

 

 北門では既に自警団と盗賊達の戦いが始まっていたが自警団側には早速怪我人が出ていました。

 

ブォン! ヒュン! 「な、なんで攻撃が当たらない!?」

 

 自警団の男達が鍬や鎌を振り回すが、盗賊達は簡単にそれらの攻撃を避けて反撃します。

 

「ほれほれ、足がお留守だぜ!」

 

シュパッ! プシュ……「ぎゃあああ!足が!足があああ!」

 

 反撃された自警団の男は足を刺されて地面を転がり回り苦しみます。

 

 こんな状況が先程から続いていました。

 

 北門を中心に五十代の自警団員が十人ほど外に出ており、残り十人ほどは見張り台から投石などを行っているが盗賊達にはまるで当たらないようです。

 

 それもそのはずで盗賊達のボスが新参の凄腕剣士に変わった際に盗賊達を徹底的にしごき、ゴブリン達との戦いでプラナを大量吸収してレベルアップして身体能力を上げたからでした。

 

 プラナ吸収に因るレベルの上昇とは魔物を倒す事によりプラナを吸収する事で起こる肉体の強化であります。

 

 高いレベルを持つ者は低いレベルの者に対して絶大なアドバンテージを持つのでした。

 

 元より魔物との戦闘の経験が無く、そのレベル自体が低い自警団が二十人ほど集まったところで、そのレベルは人間として生きていける最下級程度であり、能力は冒険者でいう最低ランクのひよっこ木級よりも低いようです。

 

 それは、ゴブリン達との闘いを経て木級を越えて一般的な兵士と同等の石級上位から鉄級程度の実力を持つ盗賊の敵ではありませんでした。

 

 一方的に倒されていく自警団に、ジル、オルソン、パスカルが合流した時には門外の半数以上の自警団が倒されていたのです。

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます。
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