真面目でサイコな弟子が往く!   作:白熊堂

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本日もよろしくお願いします。

この作品はカクヨム様からの転載となっております。


第25話

第26話・解除され始めた封印

 

 

 村長宅で酒盛りをしていた盗賊達が持つのはジルや名もない村で自警団をしていた仲間の血の付いた血塗れの剣や装備であり、焼き尽くされた村の惨状です。

 

 村の変わり果てた姿を見てアリシアは悲しみ、そして激しい怒りの感情で我を忘れていました。

 

 魂に紐付けられた師匠の話が聞こえない位に……。

 

(許さない許さない許さない、まだ身体が重い封印よ解けろ)

 

ピキピキ《アリシア!落ち着け!落ち着くんだ!ぬおお?まさか俺の施した封印が完全に解けるだと? アリシア!落ち着けぇえええーーーーー!》

 

ピキピキピキピキ、ビシッ、パリン

 

 覇王の封印五割解除。

 

 その強烈な怒りはアリシアの中で眠る覇王の掛けた固い封印を一時的に完全に解きます。

 

 そして、盗賊達に対する深い憎悪に染まるアリシアの一方的な盗賊の蹂躙劇が始まろうとしていました。

 

 完全に全ての能力限界の封印を解いて怒りに身を任せたアリシアを止めれる者は今の赤狼団には存在しません。

 

「さない。許、さない。」

 

《アリシア!目を覚ませ!アリシア!》

 

 盗賊達が見たのは何かをぶつぶつと呟きながら進む眉目秀麗の美少女、片手にショートソードを引き摺るように持つ姿は、この少女には不釣り合いです。

 

 金になりそうな獲物の登場で沸き立つ赤狼団員達。

 

 直ぐに赤狼団の盗賊達がアリシアを取り囲み、下卑た笑みを浮かべながら近付いてきますが。

 

「絶対に許さない」

 

《アリシア!怒りでプラナを燃やせば強い魔素になる。そのまま濃い魔素に包まれれば元には戻れなくなるぞ!》

 

 アリシア封印解除により魔素が大量放出。

 

「はあ? 何か言ったか? 嬢ちゃん、ほら、そんなもん捨てな」

 

「黙れ」

 

《く、不味い。アリシアの淀んだプラナがどんどん上がっていく。なんとか魔素を抑えねば》

 

「は?」

 

 盗賊の一人が不用意にアリシアの肩を掴もうとしましたが、小さな少女が放てるような速さでは無い鋭い横一閃が盗賊の首目掛けて閃きます。

 

ヒュン!

 

「ぁ……」

 

ブシュッ! 

 

ボトッ

 

 次の瞬間には言葉を発する間も無く盗賊の一人の首が何も言えずにズルリと落ちました。

 

ブシュ! プシュウーーーー

 

 残された盗賊の身体から勢いよく血が吹き出ると、首が無いままふらふらと数歩進み、そのまま転がる盗賊の首無しの死体。

 

 暫し唖然とする盗賊達でしたが、血塗れとなっても無表情なアリシアに恐怖を感じます。

 

「な、なんだコイツ!? ただのガキじゃねぇ!」

 

「なんかヤバい! 離れろ!」

 

ザザザザザザ

 

「逃がさない」

 

「なんだよコイツ!?」

 

「化物!?」

 

 一瞬の判断、異様なアリシアから飛び退いた盗賊達。

 

 しかし、既に人を殺したアリシアは、もう甘くはありませんでした

 

 一瞬アリシアの身体が光輝き、その腕先から魔力の塊で有るマナが迸ると周囲の魔素と混ざり、その魔力はアリシアの手を離れると自然に干渉して恐ろしい威力の魔法となります。

 

(消し飛べ盗賊…)

 

「唸れ、ウィンドストーム」

 

ヒュウウウウウウ……カラカラカラカラ……

 

 動揺する盗賊達、村長の家から北側にいた盗賊達を瓦礫混じりの竜巻が襲います。

 

 ウィンドストームは突風を集束して石などを巻き上げつつ、範囲内の物体を内側に引き摺り込み、粉砕して高く舞い上げた後に地面に叩き付ける風と土魔法を複合させた範囲魔法でした。

 

 その威力は魔法使いによりますが、アリシアの魔法には大陸内の魔術学院の大魔法使い並みの凄まじい威力が有ります。

 

 次々と竜巻の中心に巻き込まれる赤狼団の盗賊達は悲鳴を上げながら突風と石の礫によって粉砕されてぼろぼろとなっていきました。

 

ガタガタガタガタ……ヒュウウウウウウ……

 

グシャ!バキッ!バキッ!バキッ!「ぎゃああああ!」

 

ゴス!ゴス!ゴス!グシャ!「うわぁあああ!」

 

 全身を隈無く蹂躙され、既に虫の息である盗賊達は遥か上空に飛ばされ、高所から勢い良く自然落下しました。

 

ズドドドドドドド! グシャ! ビシャ!

 

 数十メートルの高さからの落下の勢いで熟れたトマトを潰したような肉塊の上から炭化した家の残骸がふりそそぎます。

 

 その音を聞き付けたゼノアが酒盛りをやめて外に出てきました。

 

「ええい!なんだってんだ!」

 

(外がうるせぇぞ)

 

 村長の家から盗賊の頭ゼノアが顔を出します。

 

 村の北側の惨状に暫し閉口しますが、ショートソードを片手に血塗れの姿で下を向いて佇むアリシアを見て下卑た笑いを漏らしました。

 

 そしてアリシアに不躾な視線を浴びせながら下卑た考えを巡らせています。

 

(おっ?こいつは良く見りゃ上玉な美少女じゃねぇか。奴隷商人に高く売れそうだぜ)

 

「ガハハハハハハ、丁度良い土産が出来たぜ!」

 

「小さいし汚れてるが器量は悪くない。お頭ぁ、こいつは高く売れますよ」

 

 盗賊達は数を減らしましたが、未だに十人余り残っています。

 

 南門を攻めて合流するハゲ頭のドラの隊も直ぐに到着するだろうと、赤狼団のメンバー達は未だ自分達の有利を疑っておらず、周りの惨状を目にしているのにも関わらずに下っ端の盗賊二人がアリシアを押さえようと動きました。

 

「ヒャハハハハ! さあ、そんな剣なんか捨てな嬢ちゃん!」

 

「おら、こっちに来るんだよ嬢ちゃん!」

 

「消えろ……」

 

「ヒャハハハハ……あ?」

 

「あん?何を……う?」

 

ヒュバッ!

 

ヒュバッ!

 

ブシュッ!

 

 下っ端の二人がアリシアに不用意に近付いた次の瞬間、二人の盗賊の腕が宙を舞い、首と胴が永遠に泣き別れします。

 

 まさに神速の剣閃が一瞬で二人の命を奪ったのでした。

 

ヒュバッ!ブシュッ!

 

「なんだ!?」(あれ?)

 

ビュン!スパ!「はあ?」

 

(なんだこれ?)

 

 アリシアのサイコパスな蹂躙劇が開始されます。

 

 

 

 

 

 

 

 




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