真面目でサイコな弟子が往く!   作:白熊堂

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本日も宜しくお願いします。

この作品はカクヨムから転載となっておりますので、先が気になる方はカクヨムにどうぞ。


第4話

第4話・無謀な幼女と笑う老人

 

 村人達の反対を押し切るように魔の棲む森に入ったアリシアは何故か透明な壁をつるんと通り抜けると、瀕死のアニス院長を助ける為に、必死に魔の棲む森を奥へ奥へと進んでいきました。

 

「アニスせんせい、ぜったいにたすけるから」

 

 徐々に暗く、瘴気で危険になっていく魔の棲む森の奥でしたが、早く薬草を見つけなければとアリシアは更に奥へ奥へと危険な魔物の森を進んでいくのです。

 

ガサガサ……「グオ?」 「ひぃ!?」

 

 アリシアは幾多のモンスターを持ち前の利発さと驚異的な度胸で避けつつ、木々に隠れてはやり過ごしました。

 

「あ、あれは!?しろいはな!」

 

 そして……苦労の果てに、遂に『魔熱覚ましの白花』を見つけたアリシアでしたが、ここで最大の試練が待ち構えていました。

 

プチプチ……「これがあれば……」

 

ドズン!ドズン!「グオオオオォォォォォーーーーーーー!!」 

 

「ひぃ!?」

 

 森の奥深くで運良く院長の病であるリム熱に効く貴重な薬草の『魔熱覚ましの白花』を見つけたアリシアでしたが、花を摘んだ直後に巨大な赤い熊の魔物であるバーサクベアに遭遇してしまいました。

 

バーサクベア・レベル6

プラナ688 スタミナ722 マナ0

攻撃力723 防御力772

体力552 俊敏性255

精密性215 知性50

 

 この薬草、『魔熱覚ましの白花』は微かな香りで周囲の魔物を喚んでしまうようです。

 

 巨大な赤い熊の魔物は、のそり……のそり……と花に近付くと、花を持つ小さなアリシアを見下ろしました。

 

 その真っ赤に充血した凶悪な鋭い視線に射竦められ、恐怖で竦み上がるアリシアにバーサクベアが襲いかかる瞬間、光輝く魔方陣と共に眩しい光が少女を包み込みます。

 

ブウゥゥゥゥゥゥン……カッ!「え?こ、これはなに!?」

 

ドズン! ドズン! 「グオオオオォォォォォォォォォーーーー!!」

 

ブォン! ゴスッ! 「グオオ!?」 「こないでー!」

 

 バーサクベアはアリシアに近寄る事も出来ずアリシアの回りに出来た光の円に鋭い爪で光を切り裂こうとしたり、無駄な体当たりを続けました。

 

 「グオオオオォォォォォーーーーーーー!!」ガシン! ドズン! ドズン! ガシン!

 

 少女を捕食出来ず猛り狂うバーサクベア、ふとその鋭い視線が森の奥に向きます。

 

「わしの森でうるさいヤツよの……ほれ、黙れ熊公」

 

ヒュン、プシュ……ボト……

 

「あぁ……」ガクガクガクガク……

 

 数瞬後、一人の老人がひょろりと現れバーサクベアに近付くと腰に差した独特な反りの剣で首を一閃、あっさりとその太い首を断ち切り一瞬でバーサクベアの巨体は首と泣き別れとなりました。

 

プシュ……プシュ……ピクピク……ドズズズーン……「ふむ、今日は熊鍋かの。わしの森に何が来おったのかの?また間抜けな神でも入って来おったのか?さてさて、わしの結界に何が入ったのかの?うん?なんじゃ?子供?人間の子供だと!?」

 

 バーサクベアは太い胴体から大量の血を噴き出しながら倒れアリシアの前に巨大な生首が転がります。

 

「ひぃっ!?」

 

 凶悪な顔のバーサクベアは顎が開き舌を出し、その舌や耳は微かにピクピクと動いてました。

 

胴体も弱々しくピュッ、ピュッと血を噴き出しながらもピクピクと痙攣しています。

 

 その様子にアリシアはガクガクと震えていましたが、老人はアリシアに近寄ると、その体に大した怪我が無いことを確認した後に魔物の森の奥に入った無謀なアリシアを盛大に叱りつけました。

 

「ふむ、この森に子供だと?20数年も誰も入れなかった結界に綻びが出来たか?いや、ワシを包む結界は綻んではおらんか?では、この嬢ちゃんはどうやって?おい!嬢ちゃんや、怪我は無いか?」

 

「あ、ありません!」

 

「ふむ、どうやら大丈夫なようだの……じゃがな、こんな危険な森に一人でノコノコ入って来るとはどんな神経しとるんじゃ! この森は危険な魔物が棲む森じゃぞ? お主のような小わっぱでは怪我だけじゃ済まんのだぞ! 分かっておるのか! くどくど……………………………………………………………………………………………くどくど………………………………………………………………はあ、はあ、爺の説教は長くて敵わんと思っておったが自分がやると、こりゃなかなかキツいわい。しかしお主……やけに大人しいの。何故、この危険な森に入って来たのじゃ?」

 

 しかし、小さいながらも利発なアリシアは老人の叱責を神妙に聞いていました。

 

 一通り叱りつけ、しばらく様子を見ていた老人でしたが妙に大人しいアリシアの態度を見て魔物の森に入った経緯を尋ねます。

 

「アニスいんちょうせんせいのためです!」

 

「うん? いんちょう? せんせい? ふむ、院長に先生かの? して、そのアニス院長? 誰じゃそれは?」

 

「わたしをそだててくれてる、こじいんのせんせいです!」

 

「な、なんじゃと? お主は金や自分の為ではなく、自分を養ってくれた孤児院の院長の為に危険を冒したと? その成りでか?」

 

「はい。このやくそうがあれば、いんちょうせんせいがたすかるってききました!」

 

「この薬草は……魔熱覚ましの白花か? たしかリム熱の特効薬じゃな?」

 

「そうです。このくすりがいるんです!」

 

「クックック……ブワッハッハー! こんな嬢ちゃんが危険を冒して養い親の為に危険な森に入って見事に薬を手に入れたか! ブワッハッハー! 愉快! 愉快じゃわい!」

 

「むー、なんでわらうんですか!」

 

「いやいや、済まん! お主、なかなか見処があるではないか! その優しい心、家族の為に危険を冒す勇気……なかなか出来る事ではない! ブワッハッハー! 愉快じゃ! ブワッハッハー! 褒めて遣わす! お主は勇者じゃ! 素晴らしく勇敢な子じゃわい!ブワッハッハー!」

 

 勇敢なアリシアは孤児院のアニス院長を救う為の薬草を採りに魔物の森に入った事を告げると老人は盛大に笑い出しました。

 

 暫しムッとするアリシアでしたが、今度は老人が満面の笑顔でアリシアの勇気を褒め称えたのです。

 

 




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