裏風都から帰宅すると、緊張から解放されたからかどっと疲れを感じた。
しかし、まだやりたい事がある為に、襲ってくる疲労感を無視して渡されたガイアドライバーrexを腰に装着、そして
『ウルフ!』
ガイアウィスパーを鳴らしたウルフメモリを右のスロットに装填する。すると、以前までの直挿しの様な異物感を感じることなくドーパントへと変貌した。
「ついでに、これらも試すか」
ドーパントになると湧いて来る高揚感や全能感は相変わらずで、アドレナリンがドパドパ出てるのか先程まで感じていた疲労感が消え去ったのを良い事に、机の引き出しに隠していた他4本のメモリからMのイニシャルが描かれた黒いメモリを取り出した。
『マシーナリー!』
ガイアウィスパーを鳴らしたマシーナリーメモリ、『機械』の記憶が宿ったガイアメモリを今度は左側のスロットに装填してメモリをレイズする。すると、
「あぁん?何だこの知識?」
突如頭の中に広がったのは、今まで知らなかった様な知識……恐らく機械工学とかそう言った類の物と、何かの設計図のイメージだった。まるで、メモリを使ったことをきっかけに思い出したかの様に。
無言になってドライバーからメモリを抜き取ると、今起こった事を忘れようと、パジャマに着替えずにそのままベッドへとダイブして、疲労に任せて眠りにつく事にした。
「何やってるんだろう私……」
ガイアドライバーrexを貰ってから数日後、私の目の前の卓上には旧型のガイアドライバーと複数の機械部品が雑多になって置かれていた。
最初は忘れて無かった事にしようとしたのだが、やはり気になってしまい、今度は右スロットでマシーナリーメモリを使用すると、例の知識は新しいドライバーの設計図だった事が分かった。
そうと分かったしまえば、もう好奇心を抑えることが出来ずに、裏風都へと赴いて万灯から壊れて使い物にならないスクラップのガイアドライバーを譲り受け、他の部品は街のショップを巡って記憶の中にある部品と類似性のある物を選んでかき集めたのだ。
そして、必要な物を集め、ドライバーを制作しようとする直前にふと我に帰り、自らの行動に溜め息をこぼしてしまう。……てか、最近ため息が増えたな私。
「……けど、集めちゃったものは仕方が無い。うん、そうだ。仕方のない事なんだ」
改めて卓上の機械部品を見れば、もうなんとかなれー。と言った気持ちになったので、マシーナリードーパントへと変貌して、その能力を活用して頭の中に流し込まれた設計図と知識のままに作業を進める。
本来ならとても時間のかかる作業なのだろうが、メモリのおかげでサクサクと進む。そして、
「おー……」
出来上がったのはガイアドライバーrexを土台に置いた、新しいドライバーだった。
シンプルながらも洗練された機械的デザインだったrexと異なり、バックルの全面にオオカミの様な意匠が施され、バックル上部には右、左、そして真ん中と三つのボタンが存在していた。
「ガイアドライバーrexを基にしたし、オオカミがデザインモチーフに入ってるし……ガイアドライバー
ドーパント化を解くと、完成したガイアドライバールプスを手に取り腰に巻きつけ、ウルフメモリを右手に構える。
『ウルフ!』
ガイアウィスパーを鳴らしたウルフメモリを右のスロットに装填すると、オオカミの唸り声の様な待機音が流れ始めた。そして、バックル上部の右側のボタンを押すと『アオォーンッ!』とオオカミの遠吠えと共に変身音が流れ、俺の姿が変わっていく。
体の変化が終わると、全身を確認するために姿見の前へと移動する。そこにはオオカミの様な
顔はバルカンのアサルトウルフに似ているが、額にははっきりとした狼の顔がデザインされており、身体の方はガルルとウルフオルフェノクを足して二で割り、その上でライダーっぽいデザインにされた様だった。両手はグローブの指先に、足にはブーツの爪先にそれぞれ爪が備えられているのが確認できる。
全体のカラーリングはメモリのカラーである白……ではなく、少し薄いグレーがメインとなっている様だった。
「うん。我ながらカッコいい」
自画自賛にはなるが、自らの変身した姿を見て満足感を覚える。やはり、ライダーオタクとして仮面ライダーに変身するのは一つの夢であるのだ。しかし……。
「……けどこれ、また面倒な事に巻き込まれるよなぁ」
後先考えずに欲望のままに突っ走ったが故の代償に、今から戦々恐々としながらも、自分の堪え性のなさに肩を落とすのだった。
はい、オリジナルメモリ2本目+オリライダーです。