IS ~北欧生まれのカレンデュラ~   作:蛙の卵

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遂にハーメルンへと侵攻してきました、蛙の卵と書いてタピオカと言います!

当小説はもともとにじファンに存在しでしたが規制に伴い理想郷へ移動していた小説です。
ハーメルンがマルチ解禁と聞いて飛び付いて来た次第です。

取りあえず最新話までの再投稿が目下の作業となりますが、よろしくお願いいたします。


『カレンデュラ』
第1話


俺こと織斑一夏は今、果てしないほどに追い込まれていた。

 

何故かって?……それを語るには少し時間がかかる。しかし自身に降りかかった不幸をきちんと理解しよう。

という訳で簡単簡潔に語ろうか。

 

・ちょっとした間違いから、女子しかいないIS 学園に編入してしまった。

 

・ちょっとした間違いが起こる前に、注意してくれた友人に間違える訳ないと大見得を切ってしまった。

 

・その友人が、俺と同じ学園、同じ学年にいる事。

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイッ!……

 

確実に、ゲラゲラと笑われるだろう。

 

数年振りに再会すると言うのに、笑われて恥ずかしいから会いたくないな~なんて思ってる自分がいる。

 

まぁ本当はめちゃくちゃ会いのだが……

 

 

ちくせうッ!これを不幸と呼ばずなんと言う!?

 

 

え?間抜け?……う、うるせぇ!!

 

 

 

織斑一夏は割りと真面目に追い込まれていた。

 

机に突っ伏しながら自分に対し突っ込みをいれる程度に。

 

 

「顔を上げろ、馬鹿者が」

 

そんな俺に振り落とされる裁きの鉄槌。

 

机に突っ伏している俺の頭に容赦なく叩きつけられた拳は、脳細胞を一撃で全滅させるのではないかと思わせる程痛かった。

 

突っ伏していたせいで、机に顔をぶつけ、痛みは更に倍、倍率ドンっ、更にドンっ!。

 

 

「いってぇぇっ!?な、何すんだよ!…って、え?…千冬姉?」

 

「織斑先生と呼べ馬鹿者」

 

顔と後頭部を抑えながら顔を上げた俺の視界に現れたのは実の姉、織斑千冬。

これまた似合った黒いスーツに身を包んだ実姉は、その容姿と相まってデキル美人教師に見える。

 

 

「あ、あの、ごめんね、ごめんね! けど自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑君なんだよね。だからね、良かったら自己紹介して欲しいなって、だ、ダメかな!?」

 

俺の席の真ん前、教卓から身を乗り出しながら謝る女性、どうやらこれからお世話になる先生だそうだ。

 

「あ、いや別に…良いですけど」

 

 

「ほ、本当ですか!?や、約束ですよ!?」

 

 

微妙にサイズの合ってない眼鏡を掛けた副担任は山田真耶と言うらしい。

黒板に名前書いてあるし。

つか本当に先生か?幼い顔のせいか同年代か年下にも思える。

 

 

「えっと……うっ!?」

 

振り返り、クラス全体を見回し、ようやく気付いた。

 

クラス中から向けられる視線、その数三十と九、その全てが女性だ。

 

IS、…インフィニットストラトスと呼ばれる現代兵器(表向きにはスポーツに使われてるパワードスーツ)は、何故か女性しか乗れない。

この学園は、インフィニットストラトスを操縦する、操者を育成するために設立された物である。

まぁその他説明は省かせて貰う、入学前に貰った百科辞典並みに分厚い資料を使いふるしの電話帳と間違え捨ててしまったのだ。

簡潔に言えば、

 

・宇宙進出を目的としたパワードスーツ

・今世界にある兵器で最強

・女性しか扱えない

・世界に467機しかIS はない

 

 

 

と言った感じだろう、更に詳しい話を知りたいのなら原作を購入しましょう。

 

さて、話に戻るが教室の中は、俺意外は皆女性と言う素敵空間である。

 

しかし俺は素敵に思わない。

クラス中から奇異の目で見られている俺は現在進行で気分が陰鬱になっていく。

 

 

「えっと、織斑一夏です」

 

 

 

 

なんだ、この、『それでそれで?』空間は!?

 

多くの女子達は目を輝かせ、俺を見る。

 

中には『君の事、もっとお姉さん達に教えて欲しいな(はぁと)』なんて思わせる視線を送る女子もいる。その瞳はまるで狩人のよう。

 

おいおい、俺と君は同学年だ。

だからそんな誘うような目はやめなさい。

 

 

さてさて、俺としましてはいきなりあったばかりの女性に趣味趣向を教え合おうと言う気はさらさらない。

なので自己紹介はここらで切り上げたいのだが……そうは問屋(ちふゆねえ)が下ろさない。

名前だけ紹介してハイ終わり、では『暗い奴』のレッテルを貼られてしまう。自己紹介で失敗した奴の末路は悲惨だ。

 

故に、それだけは回避せねばならない。

 

俺が取るべき最良の手、それは『短く明るく』だ。これを元に……、俺は次の言葉を紡ぐ。

 

 

名前を名乗ってからここまで、約0.2秒の間。|

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上です!」

 

 

スッパーンッ!

 

元気良く自己紹介を締めた俺の頭部に出席簿が叩きつけられる。

流石は千冬姉だ、音に見あったほどよい激痛が走る。(ほどよい激痛ってなんだよ)

 

今日だけで脳細胞は半数は死滅したと見た、脳内葬儀屋も数年先まで予約らしいし、これ以上はやらせるわけにはいかん。

 

 

「貴様は自己紹介もまともに出来んのか馬鹿者」

 

 

「し、しかしだ千冬姉!」

 

スパーンッ!

 

 

「ぐっ…うぉっ……」

 

反論しようとした瞬間に出席簿が降り下ろされる。

 

 

 

 

 

 

 

「ぷっ…くっ…ぷくくくっ…ひくっ、

フヒヒっ」

 

 

俺が痛みを堪えていれば、教室の何処からか、聞いた事のある、少し変わった笑い声が聞こえて来た。

 

 

「ちょっ…お前…クヒヒっ…笑わせるなよっ」

 

教室の一番奥、窓際の最後列に腹を抱えながら机に突っ伏して笑う淡い栗色の長髪をした少女……顔を見ずにわかってしまった。

 

 

「相変わらず変わらないな、一夏は」

 

 

顔を上げた少女に息を飲む。

彼女とは二年振りに会う。

 

 

「…ち、千春?」

 

 

千春・フレイヤ・ブリュッセル、北欧生まれの外国人。

二年前に日本に来た中学時代の同級生……そして、

 

 

「おう!、久しぶり一夏。IS学園へようこそ……なんてな…クヒヒっ」

 

 

必死に爆笑しないように堪える少女は……俺の初恋の相手だ。

 

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