IS ~北欧生まれのカレンデュラ~   作:蛙の卵

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stage 47 『日常への帰還』

 

で、だ。千春が来てから既に五分は経っていることだろう。俺はその間話を切り出せずにいた。

 

ドクン、ドクンドクンドクン…――――。

 

高鳴る心臓を鎮めることで精一杯です。

 

千春の隣に座りながら星を見て、精神統一してこの様だ。

笑えよ、ベジ○タ。

 

「……で、さ」

 

「!?」

 

千春が話を切り出した。情けなくも俺の鼓動は加速する。もうね、口を開けたら音が千春に聞こえちゃいそうなくらいだよ。

 

俺がそんな事を考えていると、ふと、気づいた。

千春の顔が悲しげなことに。

 

 

「……私の、昔の…話。一夏に隠してたこと……なんだけど、さ。」

 

 

――――鼓動を、殺す。さっきまでの受かれていた俺を殺したいくらいだ。

俺は小さく頷いて、千春を見た。

 

「……えと、まず、一夏と会う三年前…ちょうど、第一回目のモンド・グロッソの時、かな」

 

言葉を一つ一つ選びながら、少しずつ話出した。

 

「当時から、織斑千冬と私のお母様…マリアンヌ・ブリュンヒルダは注目されてたわ」

 

胸元のブローチを撫でながら千春は語る。

ちなみに今、千春の首にチョーカーはない。俺があげたブローチが、今のISの待機状態らしい。

 

「私が実家でモンド・グロッソを見ている時だった。……部屋のガラスが割れ、黒い装備を着けた男達が現れた。男達は私を捕まえると私を縛った。…………そして、その男達の中でリーダー株が母へ向け直通の電話を掛けた……。」

 

千春は、そこで一度止まり、

 

 

「そこで理解した、……私は、お母様を棄権させるために誘拐された……って」

 

誘拐。

 

それは………それは、

 

俺と同じような…いや、同じことが起こってたのか……千春に。

 

千冬姉の弟だから俺が誘拐されて、……千春も、国家代表選手の娘だから、誘拐されて………。

 

俺が思考の波に飲まれようとした時、千春は言葉を続けた。

思考なんて出来なくなるような、話を。

 

 

「お母様は棄権することをしなかった。国家の代表としてそんな暴挙に屈するわけにはいかなかった。……だから、そこで私は殺された」

 

―――――――――……は?

 

「銃で、身体を何度も何度も射たれて、気づいたら……こんな身体になっていた」

 

待て、待ってくれ千春。まだ頭の中で整理できてないんだ。

 

「どんな怪我をおっても、すぐに治る。……そんな身体に。 多分篠ノ之博士の言った通り、篠ノ之博士が……ううん。間接的にとは言え、お母様が……私にナノマシンを投与したから……」

 

 

そこで、千春は懐からナイフを取りだし、手首を切った。

 

 

「千春っ…」

 

「大丈夫。……痛むけど、……ほら、もう塞がった」

 

傷口から溢れて来た血液は、千春が布で拭うと途絶えていた。……傷が、治っていたのだ、この一瞬で。

 

「ナノマシンって言うのが身体で繁殖して、今では私の身体を構成しているの。……どんなに傷ついてもナノマシンが身体を『修復』しちゃうんだ。…………どんなに、傷ついても………死んでも、死ねない…そんな、化け物みたいな身体になっちゃったんだ」

 

そこで、千春は、自分を両手で抱き、うずくまる。

 

まるで、何かに耐えるように。震える身体を、鎮めるように。

 

 

 

 

…………なんて、なんて重いのだろう。

 

 

俺は千春の話を聞いて、そう思った。

 

俺なんて誘拐騒ぎだけで心が折れかけたんだぜ?。千春を始め千冬姉や鈴、弾達によって俺は立ち直れた。

だと言うのに、恐らく千春は俺たちに出会うまでの数年間、俺以上に陰鬱とした、自己嫌悪と他者への怒りを抱き続けて来たのだろう。

千春はかつて、今とは真逆の他者に対する拒絶が目立っていた。他者を知ろうとせず、己を晒せず………全ての人間に対し憎しみを向けていた。

その理由も恐らく、母親であるマリアンヌさんに見捨てられたと思ったからだろう。

 

他人でありながら一番身近な他人は親だ。その親に、見捨てられたのだ。

 

もはや誰も信じられるはずなどなかった。

 

 

 

……俺は、千春を支えたい。

 

 

 

「千春、不謹慎かも知れないけど………俺は、千春にそのナノマシンったのがあって良かったと思ってる」

 

「……え?」

 

わけがわからない。そんな顔だ。千春が存在しないものでも見たような顔になっていた。

 

「だって、そのナノマシンが無かったら、俺は千春に会えてなかったんだろ?。俺たちが出会ったのは後の話になるけど、俺は大切な親友を守ってくれたナノマシンに感謝したいくらいだ」

 

そう。そうだ。千春の心情を無視した言葉だが、俺はナノマシンが千春にあって心から良かったと言える。

 

「…………で、でもっ。…化け物に…気持ち悪いよ、こんな身体っ!!」

 

たまらず、千春が泣く。その涙を見て、その本心に触れて、俺の心が加熱する。

 

 

「―――俺はっ!!」

 

ガシッ、と千春の肩を掴んだ。涙で赤くなった千春の瞳が動揺に揺れる。

 

 

 

 

 

「――俺…はっ……!……エロいんだっ!!!」

 

 

 

……………もうね、ヘタレって言われても良いです。もうコレ告白の場面だろ?ってのは百も承知なんです。けど……けど、言葉が出て来ないんだよ。喉で突っかかっちゃうんだよマジで。

 

 

「……へ?」

 

 

「い、いやっ、俺と言うか、男が、だなっ! 男は皆エロい。その男代表で言わせて貰うぞ!?。 千春は全然、気持ち悪くなんかねぇっ!」

 

 

もうどうとでもなれの精神で捲し立てる。止まったらアウトだ!。

 

「だってそうだろ!?顔は可愛いし胸は大きいし腰はくびれてるしお尻はプリっとしてるし脚は長いし肌は綺麗で髪も綺麗でっ!  き、気持ち悪い要素なんて一つもねぇって!!」

 

 

あー……あー、もう、ダメだ。自己嫌悪で死にたくなってたのに顔を真っ赤にしてく千春を見てまたドクンドクンと高鳴って来た。

 

「だから!……つ、次自分の事を気持ち悪いなんて言ったら怒るからな!?」

 

腕を組んでふんぞり返ると、千春は顔を伏せ、肩を震わせ――

 

 

「……っぷひっ、あっはっはっはっ!」

 

声を大にして、笑い出した。

 

目尻に涙を溜めながら、千春はゲラゲラと笑った。

 

夜に、千春の笑い声が響いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅椿の稼働率は72%かぁ。まさか箒ちゃんが初動で『絢爛舞踏(ケンランブトウ)』じゃなくてー、その派生……いんや、進化したワンオフアビリティ、『百花繚乱(ヒャッカリョウラン)』に覚醒させちゃうなんて、束さんでも考え付かなかったよ!」

 

 

空中投影のディスプレイに浮かび上がった各種パラメータを眺めながら、その女性は無邪気に笑った。

 

無垢な子供の如く。

 

月明かりが照らすその顔は、いつものように笑顔だった。

 

そして、いつだってどこか退屈そうな顔の、篠ノ之束。その人だった。

岬の柵に腰掛けて、ぶらぶらと足を揺らしながら投影ディスプレイに手を走らせる。

 

「篠ノ之箒。……流石は貴女の妹君だ。ブリュンヒルデすら上回る才覚を有しているとは」

 

その背後に男の声を聞くと、彼女……篠ノ之束はクスリと笑う。

 

「欲しいかい?しーちゃん」

 

後ろを見ずに問う。

 

 

「よしておくよ。二兎追う者は一兎も得ずと言うだろ?。……いや、この場合は三兎になるか」

 

男は苦笑しながら柵の上に立った。黒い髪が、潮風になびく。

 

「おやおや、大分欲張りさんなんだねしーちゃんは。箒ちゃん以外の兎さんは誰なんだい?。まさかちーちゃん!?」

 

「はは、まさか。彼女は狼か獅子の類いだよ。気高い獣さ。……」

 

「では、誰なんたいだい?」

 

ふざけた口調から、真剣なものへと変わる。

篠ノ之束。彼女は今、他者を測ろうとしている。

 

それを知ってか、男はクス、と笑い、柵の上で踵を返した。

 

 

 

 

「貴女と、……妖精ですよ」

 

 

 

 

男は背中向けのまま、岬から飛び降りた。

海面まで30mはあろう高さから飛び降りた。

 

 

「……ふーん、プロポーズって奴だね。せっかく初プロポーズはちーちゃんに取っておいたって言うのに、とんだNTR(ネトリ)だよ。あ、でも束さんがちーちゃんに言う分にはまだ初プロポーズだから……ま、いっか」

 

 

人が一人飛び降りたと言うのに、束は全く意に介さずディスプレイに伸ばした指を世話しなく動かしていた。

しかし、その頬は真っ赤に染まり、タイピング速度も先程より二割は遅くなっている。

 

 

「は~、それにしても白式には驚くなぁ。まさか操縦者の生体再生まで可能だなんて、まるで―――」

 

「―――まるで、『白騎士(しろきし)』と『黒騎士(くろきし)』のようだな。…コアナンバー000の黒騎士、そしてコアナンバー001……。束、お前が心血を注いだ二機の機体に、な」

 

一本の木の影に、音もなく千冬が現れた。漆黒のスーツに身を包んだその姿は、夜の闇全てを引き連れているかのような静かな威厳に満ちていた。

 

「やあ、ちーちゃん」

 

「おう」

 

「どこから聞いてたんだい?」

 

「最初からだ」

 

二人は互いの方を向いていない。背中を向けたみ、束はさっきまでと同じようにぶらぶらと足を揺らし、千冬はその身を木に預けた。

 

「さてちーちゃん、問題です。『白騎士』と『黒騎士』のコアは今どこにあるでしょーか?」

 

「ふん。白式をしろしきと読めばわかるさ。黒騎士は……今の男か?」

 

「当たりだよちーちゃん。さっすがわたしのお婿さんだね!結婚して!」

 

 

「……はぁ」

 

千冬は大きく溜め息をついた。

篠ノ之束は手を止めた。

空中投影ディスプレイに現れた映像は妖精の姿…――

 

「お前には聞きたい事が色々ある。……福音の事も、……何故白式を弄り、『疾風迅雷』のエネルギー消費量を増大させたのか。あの男のこともある。………が、しかし貴様の事だ、大して時間もないのだろう?……だから、ひとつだけ答えろ」

 

千冬の問いに、束はうん、と首肯した。

 

 

 

 

 

 

「束、……何故、ブリュッセルに『白騎士』のナノマシンを投与した?。あれは、人に直接投与してはならないものだと言うのは承知だろう?。……何故、私達(・・)以外に投与したのだ」

 

 

 

千冬は無意識に拳を握りしめていた。やるせない怒りを、内に閉じ込めて。

 

「あはは。やっぱり気づいちゃうよね。……うーん、頼まれたから、かな~?」

 

鼻唄混じりにディスプレイを撫でていた束の頭に乗っかっている耳がカチャカチャと音を立てて揺れる。

 

「頼まれた、だと?……誰にだ?…――――」

 

身を乗り出した千冬は、思わず息を飲んだ。

 

言葉を失った。

 

「な・い・しょ。だね!ばいばい、ちーちゃん!」

 

全身装甲の漆黒の機体。そのISの肩に乗って、篠ノ之束は大きく手を振った。

 

そのISは、以前IS学園を襲った無人IS…―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

篠ノ之束がISに乗り飛び去った後、千冬は木にもたれ掛かるように背を預けた。

 

潮風に髪が揺れ、千冬はボソリ、と呟いた。

 

 

「………荒れるな…コレは」

 

 

と。近い内に起こるであろう事件を予見し、千冬は大きな溜め息をついた。

 

 

 

 

 

翌朝、朝食を終えて、すぐにIS及び専用装備の撤収作業に当たった。

 

そうこうして十時を過ぎたところで作業は終了。全員がクラス別のバスに乗り込む。

 

昼食は帰り道のサービスエリアで取るらしい。

 

 

「あ~……まじでツラい」

 

集合時間までまだ少しの余裕がある。

バス停付近の木陰で休もうとしゃがんだ俺は、もう死にそうだった。

 

旅館を抜けたのが千冬姉にバレて俺と千春は旅館の玄関で朝まで正座させられていた。

 

そしたらあんのじょう千春が悶え始めるからもう集中出来ないし………睡魔と戦いながら隣の千春の誘惑に耐えて正座をするとかもう拷問だよ。お陰で朝方には悟りを開いた気分になっていた。睡眠時間もないのに撤収作業の重労働なのだから、わりと真剣で死にそうだ。

 

 

「す、すまん。誰か飲み物持ってないか?」

 

あまりにしんどいので、調子を戻すために飲み物を飲もうとして、お茶の一つも買ってなかった事に気づいた俺は近くに居た専用機持ちに聞いてみた。

 

 

「唾でも飲んでいろ」とラウラ。

 

「知りませんわ」とセシリア。

 

「あるけどあげない」とシャル。

 

「自分で買え」と箒。

 

 

二組のなので鈴は知らない。もうバスに乗り込んだのだろうか?。

 

……というか、何故この四人はこんなにも不機嫌なのだろうか?。

 

あ~、ヤバイ。なんか本格的に喉が乾いて来やがった。

 

 

 

 

 

 

(うーん…ちょっと可哀想だったかな……?)

 

冷たく返したものの、シャルロットは一夏の死に体のようなぐったりとした様子を見て自身の良心が騒いでいた。

 

(で、でも、朝あんな場所で…エントランスで千春と抱き合ってた一夏が悪いんだよっ)

 

シャルロットやラウラ、セシリアと箒は、正座をして脚が痺れた千春を支えようとして、脚がもつれて押し倒してしまっていた一夏を目撃していた。

事故なのだが、シャルロットらから見て、白昼堂々女性を抱こうとしてる男にしか見えなかったのだ。

 

(一夏ってそう言うのが好きなのかな?……見られながら…なんて………っ!えっち!一夏のえっち!!)

 

自分が押し倒されるのを想像してシャルロットは顔を赤くした。

 

(ま、まあ……そろそろ許してあげようかなぁ…)

 

荷物からお茶のペットボトルを取り出す。先ほど、バスに乗り込む前に、と買っておいたのが役にたった。

 

(みんなも動かないみたいだし………よしっ)

 

 

 

 

 

 

三者三様。いや、四か。とりあえず、上記のシャルロットの妄想と葛藤、そして打算。

それぞれ多少違うが、結果は同じ。

ラウラ、セシリア、シャルロット、箒。

この四人はまだ他の三人がお茶を渡していないのを見て善は急げと持っていたペットボトルを鞄から取りだそうとし、出遅れた。

 

 

「はぁーい、一夏。死にそうな顔してどうしたの?」

 

「ああ、鈴か。実は昨日から朝まで千冬姉に正座させられてさ。睡眠時間ゼロで撤収作業だろ?もう死にそうでさぁ」

 

烏龍茶のペットボトルを片手に、鈴が現れた。

 

「ふぅーん。……じゃ、じゃあさ。お茶、あげよっか?」

 

「マジか!?助かるぜ鈴!。皆くれなくてよ」

 

半分くらい飲んだのだろう。飲んでいたお茶の蓋を閉め、放り投げて渡されたお茶はチャプン、と音を立てて一夏の手に渡された。

 

「んぐっ、んぐっ……ぷはぁっ……いやぁ生き返った気分だぜ。ありがとな鈴」

 

言葉通り、一夏の顔は先ほどまでの暗さを大分取り払えていた。

 

「礼なんていらないわよ」

 

「そう言うなよ鈴。……そーだな、じゃあ今度プール行かないか?弾がプール券タダで手に入れたらしくてさ。なんか人気のとこらしいぞ?」

 

「ほ、ほんと!?……い、行くわ。まぁお礼はいらなかったけど、お礼を受けないとは言ってなかったからね!」

 

「はは、じゃあ今度日程決めるか」

 

楽しげに笑い合う二人を見て、四人は同じ事を思った。

 

 

 

(((( 二組の鈴(さん)に、先を越されたっ!!! ))))

 

同じクラスと言う絶対的アドバンテージを持ってたと言うのに、他組の鈴に先んじられるとは。しかも一夏とのデートまで取り付けてるし!

四人は先ほどまでの自分を叱ってやりたかった。

それはもう、泣きながら。

 

 

 

 

 

 

 

「ね、ね、結局どうだったの?教えてよ~」

 

「なんでも中国こ国家代表選手が来てたんでしょ?一体何が起こってたの~?」

 

「……ダメ。機密だから」

 

 

バスに乗り込んで少し立ち、先生方が点呼やら確認やらをしている最中、バスの中では俺達に質問責めが起こっていた。

特に一番優しそうなシャルロットが一番人気だ。

 

おそらく一番とっつき易いと思ったのだろう。しかしその判断は大きな間違いだ。シャルロットは専用機持ちの中で一番責任感が強い。

 

しかし千春なら重要機密も面白そうだと言ってバラしてしましそうで怖いな。 ちなみに千春はアイマスクをつけて寝てしまっている。

 

 

「ちぇ~、シャルロットってばお堅いな~」

 

「あのね、これを聞いたら監視がついちゃうんだよ?」

 

「あー、それは……少しやだなぁ」

 

「それじゃあこれで話はおしまい。もう何も答えないよ」

 

「ぶーぶー」

 

 

流石シャル。女子をあしらうくらい朝飯前…いや、朝は食ったから昼飯か?。

まあいいや。

 

 

「いいじゃないか、シャルル。教えてやっても減るもんはないぞ?」

 

そこに、

アイマスクを外しながら椅子から身を乗り出した千春がシャルロットに問う。千春は何やらニヤニヤしてる。……これは、なにかあるな。

 

「なに言ってるのさ、千春。そんなことしたら話した方にも、聞いたほうにも監視がついて、悪くて拘束されるかもしれないんだよ?そんなことできるわけ――――」

 

「フヒヒヒっ!…んなこと言ったら、日本全国…いや、世界中の一般人が監視されちゃうな?」

 

笑いを堪えながら千春が、胸元から、何かを取り出した。

 

あれは…俺も持ってるあの、卵型の投影ディスプレイの辞書!

 

ぴっ、とその卵型の機械の起動ボタンを押して、千春は投影ディスプレイの広さを最大にし、更には音量までMAXにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

『アメリカ軍の試験段階であったインフィニット・ストラトスの『銀の福音』が暴走した今回の事件。日本近海であの男性で唯一インフィニット・ストラトスを動かせたと言う、あの織斑一夏君がその暴走したインフィニット・ストラトスを止めたその瞬間の映像

をもう一度、ごらんください』

 

 

投影ディスプレイに出てきたのは朝のニュース番組の緊急速報。

美人なニュースキャスターが顔を真っ青にしながらアナウンスしていた。

 

次いで現れたのはあの福音と激闘を繰り広げている白いISを纏った誰か…………いや、俺だった。

 

 

「………………」

「………………」

「………………」

「………………」

 

 

俺だけでなく、先ほどから騒いでいたクラスメイト達が静かになった。

 

専用機持ちは特にだ。

 

「情報は世界中に出回った。……さて、この映像を見てしまった世界中の人たちは捕まるのかな?」

 

ニヤニヤと笑いながら、千春はアイマスクをつけて立ち上がった。

 

 

 

 

ドドドドドッ………

 

 

 

「ブリュッセル!!!」

 

「はい、ここにいます!」

 

 

ものすごい音を立てながら現れたのは千冬姉。

 

 

「この馬鹿者がッ!!」

 

そして問答無用で放たれた指弾は千春の額にクリティカルヒットして千春の意識を掠め取った。

 

「……うわぁ」

 

シャルロットが指弾の炸裂音に軽く引いていた。

 

 

 

指弾を食らい気絶した千春はパーキングに付くまで気絶したままだった。

 

 

 

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