プロローグ
Side?
「俺の大切な人は返して貰うぞ!〇□ ◇■覚悟ぉー!」
「ぐおっ!?…ば、馬鹿な!?…わ、我が野望がこんな所で潰える!?……」
「…懐かしい夢だな…」
俺の名は小早川 秋晴。
普通…だとは言い難い健全な高校生だ。
何故口籠ったのかというのか理由は後にしよう。
「アキ義兄様あー!おはよう御座いますー!」
「アッキーおはようー!」
「本日も元気ですねえ」
「朝から相変わらず騒がしい奴等だな」
幼馴染の豊臣 ヒデヨシを筆頭とした友人達と学生生活を謳歌していた。
だけど又似た様な経験をする事になろうとは微塵も思っていなかった。
バキッ!
「ぎゃあ!?…」
「ったくよお、ホンットに懲りねえ奴等だな…いっそこのまま病院送りにしてやろうか?あ?」
「クソが!覚えてやがれ!」
「っと大丈夫かハジメ、幸利?!」
「う、うん、な、なんとか…」
「い、何時もありがとう!…」
「んでまだ昼飯食ってねえんだろ?だったら屋上な!」
「「あ、うん」」
学友である南雲 ハジメと清水 幸利を毎度虐めてくる不良連中を叩きのめし助けるのが最早ルーチンワークと化している俺は何時も通り彼等と一緒に昼食を摂っていた。
「又世話を焼いているのか香織は」
「「…」」
屋上で飯食ってるとクラスメイトの優男、天之河 光輝が談笑していた中に強引に割り込んでくる。
俺達がかつて対峙してきた相手とは別ベクトルで彼の面倒臭さを知る俺達はうわ出たよ!という視線を向けるが彼は気が付く由もない。
ハジメに好意を持つクラスのマドンナの一人である白崎 香織さんはそんな彼に冷ややかな目をしながら言い放ち天之河を雑に扱う。
そんな扱いを受けるも意に返さない(というか都合の悪い事は聞いていない)天之河の憐れっぷりを俺達も冷ややかな視線を向けていると昼休み終了のチャイムが鳴ったので教室へ戻って次の授業の準備をしていたその時だった。
「何っ!?…」
「な、何ですかコレは!?…」
「こ、これって真逆!?…」
突如として教室全体に魔法陣の様な模様が浮かび上がってきて俺達は身構えるも一瞬にして眩い光に包まれてしまい姿を消した。
「うおっととと!?…皆無事だな?」
「う、うん…」
「ねえ、アッキーこれってもしかしなくても…」
「まあ間違い無く異世界転移だとみてよさそうだな…」
光が止むと俺達は怪しげな祭壇の有る明らかに異世界だろうと分かる場所に飛ばされていた。
よもやこんな状況に陥ろうとはな…。
「偉く冷静だね…」
「ん?ああ、実は中学の時に似た様な経験していてな」
「「「は?」」」
俺達の様子を見てハジメがそう口にしたので俺がそう返すとハジメ達と唯一それを経験していないイエヤスだけが驚く。
「その話は後でしてやる。今はそれ所じゃねえみたいだからな…」
奥からやってきた人物、ジジイ神官イシュタルが言うには人族が魔人族に追い詰められてしまっているからこの異世界<トータス>の創造神が俺達を召喚したのだと…正直に言うとふざけるな!だな。
だけどそこで戦争の真意なんか微塵も理解していない甘ちゃんなアホ之河が参戦するなどと言い出したので俺は反論する。
「天之河それを本気で言っているのか?だとしたら相当な馬鹿で非常に愚かでしかないぞ」
「なんだと!?」
「大多数が戦いとは無縁だった連中に人殺しなんてものを強いるつもりか?」
「ぐっ!?そ、それは…」
「何も反論を返せないようだな」
俺の反論に激昂するアホに重い言葉をぶつけて黙らせる。
という訳で無益な戦争参加などは断固拒否した俺達は衣食住を最低限保障してもらいたいので義理は無いが召喚された国、ハイリヒ王国防衛の為に鍛錬する事になるのだった。