とあるTRPG探索者達が行くfor BlueArchive   作:矢守龍

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知りたくもなかった真実

マミカ「ねぇ、真実って一体何?」

リオ「貴方達は数日前の「事件」で一つの考えに到達したのではなくて?」

 

 

リオ「今まで友人だと思っていた彼女が見せた異なる姿。 そして、同時に生じた破壊と混乱」

 

 

リオは唄うように、誰もが目を逸らしたかった残酷な真実を少女達に突き付ける……

 

 

 

リオ「そして、貴女達はこう思ったのでは?今まで友人だと思っていたものは、そうでないのかもしれない────と」

 

 

「単刀直入に言えば、貴女の後ろにいるその少女……少女の外見を備えたソレは、普通の生徒ではないわ。貴女達がアリスと名付けたソレは────」

 

 

 

 そう言って、リオはアリスを指差して……

 

 

 

リオ「未知から侵略してくる不可解な軍隊の指揮官であり、名もなき神を信仰する無名の司祭が崇拝したオーパーツであり、古の民が残した遺産────名もなき神々の女王、AL-1S」

マミカ「オーパーツ………」

 

共存なんて不可能な、今期の知性体を排斥する侵略者こそがアリスと名付けられたナニカの本質だと……リオは静かに告げた……

 

 

 

ミドリ「な、何を言ってるんですか!? 一方的に脳内の独自設定を話さないでください! アリスちゃんはアリスちゃんです!」

ユズ「そ、そうですッ! アリスちゃんは……!」

マミカ「リオちゃんだっけ、責任を追及しなければならない立場にある事も、分かるけど……今は退いて……大切な友達が、仲間が……今もまだ、眼を覚ましていないんだから……」

 

 

だからどうか……今は……────そんな些細な願いは

 

 

 

リオ「ごめんなさい。私の配慮が足りなかったわね。もっと理解しやすいよう、貴女達の好きなゲームに例えましょう」

リオには届かった……

 

 

 

リオ「つまり、アリスAL-1S。貴女は────この世界を滅ぼすために生まれた魔王なのよ」

 

アリス「……ッ!」

 

 

 

 ────アリスの青い瞳が驚愕と絶望で見開かれる

 

 

マミカ「リオちゃん、一体……何を企んでるの?」

マミカが真剣な表情で彼女を見る……

 

リオ「企んでなどいないわ。寧ろ、逆に聞きたいのだけど……貴女達は見たのではなくて? 不可解な軍隊とアリスが接触した事で、何が起きたのかを」

 

ミドリ「……それは、あの変なロボットの事ですか?」

 

リオ「その通り。本来、あんな事になる予定はなかったのだけれど……完全に此方のミスよ。C&CとAMASを通じて全部追跡したと思っていたのに……まさか、掻い潜った個体がいたなんて。それは完全に私の不手際によるもの。謝罪を此処に」

一方的に言いたいことを告げて、勝手に謝罪して……

 

 

 

リオ「でも、そのお陰で私の仮説は証明された。貴女達が接触したソレは、廃墟から溢れ出した災禍。ミレニアムに、ひいてはキヴォトス全土に終焉を齎す悪夢。メサイアを殺す『滅び』」

 

 

リオ「そして、アリスの存在が廃墟から奴等を呼び寄せているという事が証明された。今回は運良く壊れかけの個体と接触するに留まったけれど……次はこんなものでは済まないでしょうね」

 

 

 

 ────炎の中、無数の生徒の屍を貪る無名の守護者。そして、その頂点で狂い咲く、返り血に塗れた真っ赤な童話の姫君。それを、現実にしないために……

 

リオ「この脅威を解決する方法は1つだけよ、アリス」

 

アリス「解決、する方法……?」

 

 

泣きそうな声でアリスは尋ねると……

 

 

 

リオ「そう────アリス、貴女が消える事。この世界に、貴女は存在してはいけない」

 

 

 

 この世界に、アリスを受け入れてくれる都合の良い誰かは存在しないのだと────もう既に、自らの手で消してしまった後だと………

 

 

 

アリス「……そ、そん、な……アリスは、ただ、勇者に……皆と一緒に、ゲームを……クエストをしたかった……それだけ、なのに……」

リオ「いいえ、それは叶わないわ」

マミカ「リオ……それ以上は──」

リオ「悪いけど……これは私達の問題よ」

 

 

アリスの存在そのものを否定するような言葉の数々に堪忍袋の緒が切れたユウカは銃を引き抜くが、冷たく言い放ったリオを止める事は叶わなかった。

 

 

 

「……私はゲームに詳しくはないけれど……それでも、辞書的な知識はあるの。だから、貴女に質問をするわね」

 

 

 

 リオはアリスを庇う3人を押し退けてて。

 

 

 

リオ「貴女は己を勇者と呼んでいるけれど……勇者は大事な人達に剣を向ける存在かしら?」

 

アリス「……ッ!」

 

最後にリオはアリスにとって残酷な一言を告げる──

 

 

 

リオ「寧ろ、貴女のやった事は悪役魔王のそれではなくて?」

 

 

 

 正論がアリスの心を抉る。眼を逸らさないでいたはずの真実が浅慮と嘲けった……

 

 

 

ミドリ「アリスちゃん! 聞かなくていい!」

 

リオ「いいえ、聞くべきよ。眼を逸らす事も、逃げる事も許されない。事実から目を背けるのは思いやりにはならないわ。それは単なる現実逃避に過ぎない……負うべき責任の放棄は、極めて非合理的な行動よ」

 

ミドリ「だからと云って、こんな……!」

 

リオ「間違っている、と? では私はアリスを無視すべきなのかしら。多くの生徒を負傷させた事件を起こした、危険な兵器を」

 

 

マミカはリオが言いたい事も分かっている──彼女にはミレニアムの長として、学校に通う生徒の安全と生活を守る義務がある。そして、何かしらの問題が起きたときはその原因を追究しなければならない立場にある……

マミカは一つの言葉が頭をよぎる──最大多数の最大幸福………多くの生徒の幸せと安全の為に、リオはアリスを切り捨てなければならなかった。それがどれほど非情で、冷酷で、糾弾される決断であっても………

 

 

アリス「それじゃあ、アリスは……どうすれば良いんですか……?」

 

リオ「さっきも言った通り、全ての元凶はアリス……貴女が此処に居るから起きている。ならば、後は簡単でしょう?爆弾は、安全な場所で解体すれば良いだけだもの」

 

 

 

 

リオ「貴女のヘイローを破壊すれば解決する、という事よ」

マミカ「それって………」

 

 

マミカは他の生徒からヘイローについて色々きき、わかった事がある……ヘイローは意識があるときは頭の上にあり、寝たり気絶している時は消えている……そして、破壊されたという事は────死を指し示している………

 

 

マミカ「──!絶対にさせない!」

マミカは急いで武器を構えるが……

 

 

 

 

リオ「あなたの気絶している仲間の二人を人質に取られても?」

マミカ「なっ!?」

 

 

 

それが意味する事……それはモモイとリュウが人質になってしまっているという事実……

 

 

リュウの側にはいつもカケルかマミカのどちらかが居たが、今日は二人とも用事があり離席してしまっている……

 

今、危害を加えれば二人の身が危なくなってしまう……

 

 

リオ「ごめんなさいね……あなたを抑える方法がこれしかなくて……」

リオは申し訳なさそうに言うが、マミカにはそんな言葉すら刺さらない……

そう告げると、リオは再びアリスの方を向く……

 

リオ「アリス、貴女は────自身を受け入れてくれる唯一の居場所先生を、その手で殺しかけたの。もし仮に先生が目覚めて、貴女を受け入れてくれたとして。貴女はそれを許せるのかしら。先生を傷つけた己が、彼の傍に居る事を」

 

アリス「……ッ」

 

リオ「他の誰が許しても、先生が許しても、一番その光景を許せないのは……他ならない貴女自身よ、アリス」

 

 

 

アリスの強張った体から力が抜ける。彼女はもう諦めてしまった。友達を傷つけて、大切な人を傷つけて。それでも皆と居たい────なんて思うのは……あまりにも罪深い

 

 

 

ミドリ「ちょ、ちょっと待っ────」

リオ「下手に動かない方が良い。無関係な子を傷つけたくない」

ミドリもモモイが人質に取られている以上、強気には出れない……

 

リオ「貴女が縋る光の剣おもちゃも、もうないわ。これで貴女が勇者だと証明するものはなくなった」

アリス「……あ、アリスの剣が……勇者の証皆との繋がりが……」

 

アリスが何度も使い、何度も助けられた宝物。アリスを繋いでくれた、大切な勇者の証。その電源が完全に落ちてしまっていた。電源を操作しても何も返さず、何処のランプも点灯しない。それはまるで、アリスが勇者ではないと雄弁に語っているようで……

 

 

 

アリス「……あ、あ……うぅ……」

 

 

モモイとリュウを意識不明にして、マミカ達を殺しかけ、それでも尚手元に残った宝物は沈黙しか返さない

 

 

 

 ────アリスの心は、もう折れてしまった。

 

 

 

アリス「……全部、アリスがいるからなんですか……? アリスが魔王だから、起きたことですか?」

リオ「そうよ」 

 

アリス「アリスが此処にいたら、また同じことが起きますか……?」

リオ「えぇ。そして、もっと多くの生徒が傷つく」

 

 

 

アリス「……アリスが、アリスが消えたら……解決しますか?」

それを聞いたリオが頷いた事で彼女は決めてしまった……

 

 

「……そう、ですね。アリス、全て理解しました……アリスが、消えるとします」

 

 

 

 その命を、終わらせることを選んだ。

 

 

 

ミドリ「駄目ッ! アリスちゃんッ!」

ユズ「アリスちゃん……!」

マミカ「アリスちゃん!!!」

 

 

アリスを止める数多の言葉と意志。勇者であろうと、魔王であろうと……例え彼女が何であってもアリスはアリスだと信じる彼女達。泣いてしまうほど暖かいけど……否、だからこそ。

 

 

 

「アリスは、もうこれ以上誰かを傷つけたくないです。怪我、させたくないです」

 

 

アリスはモモイとリュウが意識不明と聞いた時はいたとき胸が痛かった……マミカや先生が怪我をしたと告げられた時も、同じくらい胸が痛んだ…どうしてこんな事になったのか、未だにアリスの中で明瞭な解答は出ていない。しかし、それでも確かな事は────自分は、大切な人達を四人も傷つけた……

 

 

アリス「色んな話を聞いて……やっと、理解しました。アリスがずっとこのまま居たら、いつか皆が傷ついてしまいます。そんなの、アリスは嫌です」

 

 

 

リオの手を取り、立ち上がるアリス

 

 

アリス「大丈夫です。アリスは生命体ではないのですから。アリスはミレニアムの生徒ではないから、いなくなっても大丈夫です。アリスは……勇者、ではないから。アリスは、先生に……き、嫌われて……しまいました、から……アリスは……だい……じょうぶです」

 

 

マミカには、彼女が自分に言い聞かせるように言ってるように見えた……

 

アリス「ミドリ、ユズ。今までありがとうございました。皆、アリスと一緒に冒険してくれてありがとうございました。モモイ、リュウさん、ごめんなさい。出来れば直接会って、謝りたかったです」

 

 

 

そして、最後に──

 

 

 

「先生、マミカさんありがとうございました。そして、ごめんなさい。アリス達を信じて助けてくれた事──アリスと生きてくれて、ありがとうございます。今まで本当に、幸せでした」

マミカ「あぁ……

 

マミカは手を伸ばすが、無情にもリオとアリスは背中を向けて歩いていく。これからアリスを殺す場所に向かって。誰も笑ってなどいなかった。誰も喜んでなどいなかった………

 

 

 

マミカは持っていた武器が手から落ち、膝から崩れ落ちた………

 

そして、目に涙を浮かべ……

 

 

「アリスちゃんのバカァァァァ!!」

 

その叫びがゲーム開発部の部屋に響いた……




あとがき

ついにリオが出てきましたが……原作と違ってリュウとモモイを人質に取るという暴挙が出ましたが……
実は、しっかり理由があって……ストーリーに出す予定はないので話しますと、探索者達は基本、仲間の誰かに危害が及ぶ出来事がありえる場合は躊躇するのをリオは逆手に取ったという訳です……
彼女自身もあまり使いたくなかった手だと思いますが、そうでもしないと探索者であるマミカを抑えられないと判断したというのが理由になります

さて、今年はこれで以上となります!

皆様、良いお年を!

先生の性別決めたほうがいい?

  • 決める! 男先生派
  • 決める! 女先生派
  • どっちでもいいかなぁ……
  • いや、決めなくていい
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