とあるTRPG探索者達が行くfor BlueArchive 作:矢守龍
ナギサの心をボロボロにし、彼女を背負うとセーフハウスから離れた場所へと移動していた……
カケル「ここが合流地点だ!そろそろ来るはずだが……」
アズサ「……っ!あれじゃないか?」
アズサが指差す方向から一台の車がやってくる……
カケル達の側に止まるとドアを開けて出てくる……
マミカ「うん、時間ピッタリ!しかし、カケルさん?生徒会長誘拐とか大丈夫なの?」
カケル「事態が事態だ……アリウスに見つからないように頼むな」
カケルはそう言うと、車の後部座席にナギサを座らせてシートベルトまでかける………
そんな中、アズサがカケルに近づきとある事を聞く………
アズサ「なぁ、カケルさん……マミカさんにあの事は言ったのか?」コソコソ
あの事……さっきのナギサの心を壊す作戦の事だろう……
カケル「いや、面倒になるからリュウやマミカには一切言ってない……だから黙っといてくれ……」コソコソ
ハナコ「ふふっ……分かりました♡」コソコソ
マミカは何コソコソ喋ってるんだろうと疑問に持ちながらも、作業を進める……
マミカ「収容OK!それじゃ、頑張ってねカケルさん!リュウさんはもうアリウスの一部を足止めしてくれてるらしいよ」
カケル「!!早いな……流石アイツと言ったところだが……まぁ、いい頼んだぞ」
カケルのその一言を聞いたマミカは車を出し、その姿が遠くなってゆく……
カケル「あいつが一部を足止めしてくれているのなら……」
カケルはすぐに電話を取り出すと先生に電話をかける………
カケル『先生、リュウがアリウスと交戦を始めているようです』
"!?分かりました"
カケル『それで、もし俺の予想が正しいのなら……』
"えぇ、確実にあそこを通るでしょうね……そこで合流しましょう"
カケルは電話を切った瞬間、アズサが近づいてきて聞いてくる…
アズサ「カケルさん、さっきの会話……全く場所を言っていなかったが……」
カケル「あぁ、だが言わなくても俺と先生の予想が正しいのならヒフミとコハルを連れてそこへ行く……」
ハナコ「ふふっ……そうですね、確かに今妨害されている中で隠れつつ確実に移動できるルートは限られてますから……」
カケル「あぁ、俺らが目指すべき場所は……」
「体育館だ」
──────────────────────
体育館
アズサとハナコ、カケルは体育館まで移動すると、三人の人影が見えた……
ヒフミ「あっ!皆さん!」
コハル「遅い!どこ行ってたの?」
"随分、時間かけましたね……一体何を?"
カケル「あーっと……話すか?」
ハナコ「後で言っても同じです、言ってしまいましょう♡」
ハナコがそう言うと、三人は何をやったのかを話してゆく……
話してゆくほど、三人の顔が青ざめていくのがわかる………
カケル「以上が、俺らがやった事だ異論はあ「何してるんですか!?」あるのか……」
ヒフミが声を荒げて文句を言う…
ヒフミ「いくら何でもやりすぎですよ!?ナギサ様ひきこもってしまいます!!」
コハル「そうよ!いくらやられたからって返す規模の大きさよ!?」
"それ後で私もやられません!?勝手にそんな事言ったら私にも飛び火しません!?"
カケル「……やらかしたか」
「「「やらかしたかじゃないです!!」」」
三人にそう言われながら話していると……
アズサ「っ!!先生、来たぞ……!」
"っ!"
カケル「っ……」
アズサが警告し、5秒ほど経つと……
ドカァァンッ!!
体育館の壁を爆破し、そこからかなりの人数が流れ込んできた……
カケル「やはり来たか……」
ヒフミ「えっ!?」
6人に対峙するかのように、大人数のアリウス生徒が流れ込んでくる……
アズサ「これは、数が多い、大隊規模だ、多分、アリウスの半数近くが……!」
ヒフミ「こ、こんなに沢山の人が、平然とトリニティの敷地内に……!?」
ハナコ「あ、ありえません!!これだけの爆発、銃声が響いているのに、正義実現委員会は一体何をして――」
ハナコ「…いえ………そう言う…ことですか」
ヒフミ「ハナコちゃん……つまり、どう言うこと?」
カケル「ヒフミ、正義実現委員会を指揮できるのはどこの組織だ?」
ヒフミ「そんなのティーパー……っ!!」
"まさかっ……"
最初から正義実現委員会は動かない……否、動けない
それを指示できる存在、それはこのトリニティのトップティーパーティーのみ……けれどナギサは今は気を失っており、もう1人のメンバーセイアは…ヘイローを壊されているため、そんなことできない……
ハナコ「最初からそう言う筋書き……だったのでしょう?」
カケル「あぁ、そうゆう意図で先生にだけに教えたんだろ?なぁ?」
「「ティーパーティーのパテル派のリーダー。聖園ミカ(さん)」」
ミカ「うーん……やっぱりハナコちゃんってすごいな〜……敵に回したくない人ランキング二位!だけど驚いたよ!カケルさんにも見破られるなんて!」
"……ミカ"
ミカ「やっ、久しぶり先生!また逢えて嬉しいなぁ……って言っても、二週間位?あはは、久し振りって程でもないかな?でも、ずっと逢いたいな~って思っていたからさ!」
「やはり……貴方が」
ミカ「えっとね~、ハナコちゃんの言う通り、正義実現委員会は動かないよ、私が改めて待機命令を出しておいたから、今日は学園が静かだったでしょう? 正義実現委員会以外にも、邪魔になりそうなものは事前に全部片づけておいたんだぁ……
ティーパーティーの届く限り全てのところに、色んな理由をつけて……ね? だから幾ら待っても無駄だよ? 正義実現委員会が此処に辿り着く事はないし、他の生徒が気付く事はない、此処には正真正銘――私達と貴方達だけ」
ヒフミ「そ、そんな……!」
コハル「て、ティーパーティーの……!?」
ミカ「ふふっ、そう、黒幕登場☆ってところかな?」
ミカがそう話す中、カケルの方を向き質問をする
ミカ「でもなーんで、カケルさんにあっさりバレてたのかな?」
カケル「簡単だ、あんたが先生にアズサの事を教えたと聞いた時に疑問視したのさ……わざわざそんな危険を犯してまで教えるのか?答えは簡単……先生に自身が裏切り者だと信じ込ませないようにする為……」
ミカ「!!わーお……そこまでいってるの?」
カケル「あぁ、今ここには居ないが二人とも同じ考えだったがな」
ミカ「ふーん、まぁいいか」
ミカが全員の方を向くと……
ミカ「まあとりあえずさ?……ナギちゃんを何処に隠したか教えてくれるかな?私も、時間が無くってさ~」
カケル「教えねぇよ……というか、俺らも知らないが正解だな」
補習授業部は固唾を呑んだ
何処までも飄々と、いつも通りに振る舞うミカ。その表情は余裕に満ち溢れている……それもそのはず、引き連れたアリウス生徒の総数は100人を超え、対して補習授業部は先生やカケルを含めてもたった6名しかいない
ミカ「まぁ、此処に居る全員を消し飛ばしてから、ゆっくり探しても良いんだけれど…それは面倒でしょ? 無駄は省くに限るよね。だから、さっさと吐いてくれると嬉しいなぁって……まあ、そうさせてくれなさそうな人達が目の前にいるんだけどね?」
ミカがそんな事を言ったあと、先生が口を開く……
"ミカ……どうしてこんな事を?"
ミカ「ん~?聞きたい?まぁ、先生に聞かれちゃったら仕方ないなぁ」
仮面のように張り付いた不気味な笑顔を作り、ミカは頷いた
ミカ「理由はね、そんな難しい事じゃないんだよ?とっても簡単でシンプルなんだ、私はね、ゲヘナが――大っ嫌いだからだよ!!」
ヒフミ「げ、ゲヘナが……?」
アズサ「……嫌い、か」
ミカ「うん、そう! 大っ嫌い!」
体育館中に響き渡るほど大きく、クーデターの主犯とは思えないほど快活な声で、ミカはあっけらかんと叫ぶ。ヒフミが目を瞬き、思わず呟いた
ミカ「うん、そう、私は本当に、心から、心の底からゲヘナが嫌いなの」
ハナコ「……だから、エデン条約を阻止しようと? そのために、ナギサさんを――」
ミカ「まぁその通りだよ、だってナギちゃんがエデン条約だなんて変な事しようとするからさぁ……ゲヘナと同盟? 和平?あんな角が生えた奴らと平和条約だなんて、冗談にもほどがあると思わない?考えるだけでゾッとしちゃうよ」
カケル「……」
ミカ「絶対裏切られるに決まってるじゃん? 背中を見せたら、直ぐに刺されるよ、きっと……まぁ、そんな事をさせないために、私はここまで来たんだけどさ」
ゲヘナ嫌い。 それはトリニティではさほど珍しくないことだが……ミカはその中でも、極度にゲヘナに対する反感が強い生徒だった。角が生えた生徒とは、顔を合わせることも、口を利くことも毛嫌いしている
そんなゲヘナを信頼し、長きに渡る対立に終止符を打つための講和条約を締結する……ミカにとって、それはもはや反吐が出るほどの悪夢であり、連邦生徒会長とナギサが計画したエデン条約についても、ミカの目には「粗暴なゲヘナ生との馴れ合い」を目的とした条約にしか見えていなかった
ミカ「ナギちゃんもほんと、優しいっていうか、甘すぎるっていうか……創作の中の明るい学園物語じゃないんだしさぁ~、そんな都合の良い話、現実には存在しないって……私たちはこういう、もっとドロドロした世界の住人だって事、そろそろ分かってくれても良い頃なのにね? そう思わない?」
カケル達は黙って話を聞く……
ミカ「――で、そういう訳だから! ナギちゃんの事、返してくれる?大丈夫、痛い事はしないよ、まぁ、残りの学園生活は、卒業まで全部檻の中かもしれないけれど!」
"全部嘘だったんだね……"
ミカ「うん、あの時はごめんね…先生、あそこで語った内容は殆どが嘘。エデン条約は、本当の平和条約だよ。
そもそも素直で優しくておバカなナギちゃんに、エデン条約を武力同盟として活用するなんて事、出来っこないからね――でも、あの時話した事、全部が全部、嘘って訳じゃないんだよ?」
ハナコ「…アリウスのことですか」
ミカ「うん…そう」
ミカは背後のアリウスを見せつける様にして回る。一歩一歩、歩みながら、彼女は続けた
ミカ「私がアリウスと和解したかったっていうのは、本当の事」
"……"
ミカ「だってさ、アリウスの皆も同じゲヘナを憎む仲間だもん。アリウスだって、元々トリニティの一員だったんだから。先生には前も言ったと思うけど、ゲヘナに対するこの子たちの憎しみは凄いよ?私達に勝るとも劣らない……寧ろ、この子達こそ、私達よりもっと純粋な憎しみを持っているといえるかもしれない」
カケル「だから、手を差し伸べた……」
ミカ「そう!『志を共にして、ゲヘナと平和条約を結ぼうとする悪党たちをやっつけない?』って具合にね!」
ミカ「ティーパーティーのホスト・桐藤ナギサに正義実現委員会がいるなら、次期ティーパーティーのホスト・聖園ミカにはアリウスが付く――これは、そういう取引なんだよ、先生」
アズサ「ま、待て……なら、アリウスは」
ハナコ「………アズサちゃんをここに呼んだのは、平和のためなんかじゃなくて、クーデターの犯人にするためですか?」
ミカ「うん? んー……確かにそうかな? これはクーデターなのかもね。最終的にナギちゃんを失脚させて、私がティーパーティーのホストになるんだから」
ミカがそんな事を言うならカケルが口を開く………
カケル「アホくさ……」
ミカ「………は?」
その一言でミカの声のトーンが一気に落ちる
カケル「ゲヘナが嫌いだから、身内を蹴落としてトリニティを牛耳る?本当にアホくさ……」
ミカ「……どうゆう事?」
ミカが怒りの口調でカケルに問いかける
カケル「なんども言わせんな、ゲヘナ嫌いだからここまでするのが本当にアホだなぁってな!」
ミカ「………」
全員の視線がカケルに集まる……
カケル「ん?聞こえてないようだからもう一度言ってやる」
カケルは大きく息を吸い込むと大きな声でもう一度言う……
「ここまでやるのは本当にアホだなぁぁ!!ここまで要約しないと理解できないのか?」
ドカァァンッ!!
カケル「っ!」
ミカがカケルに接近し、物凄い威力で頭を勝ち割るかのごとく叩いた拳が、地面に大きなヒビ生んだ……
ミカ「あはは!なんで避けるの?あともう少しだったのに」
ミカの目が怒りの目に変わり、カケルに殺意を向ける
カケル「いきなり殴るなんてな……しっかり説教しないとな!」
ミカ「ごめんね〜? 私、お説教大ッ嫌いなんだ〜」
この瞬間から……ミカ&アリウスVS補修授業部&先生&カケルによる戦いが始まった……