とあるTRPG探索者達が行くfor BlueArchive 作:矢守龍
エデン条約
当日
雨井マミカと矢守リュウはエデン条約をテレビで見る予定であり、仲間の一人であるカケルが指揮に出る予定だったのだが……
リュウ「はぁ!?寝坊した!?」
カケル「色々と夜中にやりすぎたちくしょう!!」
マミカ「とりあえず御託はいいからさっさと行ってきなさいよ!!」
とひと悶着ありながらも、エデン条約に向うカケルを見送り、シャーレへと足へと運んでいた……
そして、二人でシャーレの研究室で見ようと言う事になりドアを開け、リュウがテレビの電源をつけようとした時
リュウ「ん?なんかあるな……」
リュウが1枚の紙を見つける……
マミカも疑問に思い、その紙を見てみると表面は撮影禁止の張り紙だったが、裏面にしてみると………
『悪い、ちょっと物借りてく。終わったらちゃんと返す by カケル』
リュウ・マミカ「…………」
その文言を見た二人は黙ってしまう
そして、数秒の静寂の後二人が声を上げる
マミカ「はぁ!?」
リュウ「あいつ何やってるの!?」
マミカとリュウは急いで研究室や銃砲店の棚やロッカー、保管ケースまで調べる
リュウ「装備が一部消えてる……」
マミカ「こっちも一部持ってかれた……」
リュウは額に手を抑え
リュウ「あいつ、エデン条約で何する気だ…………」
マミカ「あとで締め上げないとね……はあ……」
マミカがため息をついた時、部屋の隅に何かあるのに気づく
マミカ「あれ?こんなのはなかったはず……」
マミカは隠し撮るかのようにおいてあったカメラを見つけ、リュウのもとへ持っていく
リュウ「ありゃ?カケルにあげたカメラだこれ……あいつ、反応見る為だけにやったのか?」
と、リュウは苦笑いをするが……
マミカ「でも、リュウさん……これ、配信もされてないし録画もされてない……」
リュウ「……は?ただ置いただけ?」
と、二人を更に困惑させていた……
リュウ「はぁ……あいつは何がしたいんだ?書いた紙が撮影禁止の張り紙って……w」
マミカ「もう笑うしかないねw……どうせなら、これで撮ったものでも見てみようかな?」
マミカは笑いながら、カメラを操作するとたったひとつだけ残っている映像を見つける
そして、日付を見ると……
マミカ「……えっ?」
日付けは今日を示していた……
そのまま、撮影時間を見てみると……
マミカ「五分後…?どういう事?」
リュウ「ん?どうした?」
リュウもカメラの画面の方を見る……
リュウ視点も今日の日付の5分後になっているのに気づく
リュウ「壊れている可能性は……」
マミカ「それはないね……しかも、昨日初めて起動したらしくて時刻設定はいじった形跡はないし、カメラの現在時刻も今の時間だよ……」
マミカは困惑しつつも、カメラの録画の再生ボタンを押す……
画面に映し出されたのはエデン条約の会場である古聖堂……
そんな中、進行役の声が響く……
『では、今からエデン条約を始めます。ゲヘナ代表の空崎ヒナ様、トリニティ代表の桐藤ナギサ様』
静かに向かい合った二人に対して進行役が条項が書かれた紙を見せる
『両者、このエデン条約についての条項については大丈夫ですか?』
ヒナ『問題ないわ』
ナギサ『えぇ、こちらも』
両者はそれに了承すると、ペンを持ち、二人は署名をする………
リュウは疑問に疑問に思いつつもテレビをつける……
映し出されたのはさっきカメラの画面で見たあの古聖堂……
『では、今からエデン条約を始めます。ゲヘナ代表の空崎ヒナ様、トリニティ代表の桐藤ナギサ様』
進行役が一言一句あのカメラと同じ発言をする……
画角は違えど、テレビに映し出さているのはあの
マミカ「………えっ?」
リュウ「嘘だろ……」
マミカの顔から血の気が引く……
さっきカメラで見た光景がテレビで流れている……
二人はもう一度、カメラの映像を見てみると……
エデン条約をやっている古聖堂の天井から何やら突き刺さってくる……
そして……
『ドカァァンッ!!!』
会場が爆破されるのを目撃する……
ガシャァンッ!!
思わず、持ってたカメラを手放してしまう……
リュウ「おい、大丈夫かマミカ?……マミカ?」
マミカ「ハァ……ハァ……ハァ……」
マミカは今テレビから流れているライブを見る……
『両者、このエデン条約についての条項については大丈夫ですか?』
ヒナ『問題ないわ』
ナギサ『えぇ、こちらも』
マミカは自分が過呼吸になっており、リュウの声すら届かない程だった……
バシっ!
マミカ「痛っ!?」
リュウ「おい!大丈夫か?」
リュウがマミカの頬を思っきりビンタし、ようやく正気に戻る……
マミカ「分かっててた……」
リュウ「は?」
そして、何かに気づいたマミカがリュウに掴み掛かる勢いで近づき
マミカ「リュウさん!カケルさんは!?」
リュウ「ま、待て!?いきなりどうした!?あいつはエデン条約のところに……っ!!」
リュウも瞬間理解する……
もし、あの映像が未来の映像なら……
マミカ「エデン条約でカケルさんと先生が!!」
リュウ「っ!!分かった!とりあえず行『ドカァァンッ!!ブツンッ───』」
そう言おうとした時、テレビから爆発音が鳴り響き、ライブ映像が途切れる……
二人の顔が真っ青になっていく……
──────────────────────
エデン条約
同時刻
空崎ヒナはボロボロになりながらも、先生を守っていた……
頭から血が流れ、身体は傷だらけだ……
"ヒナ!10時の方向!"
ヒナ「フンッ!!」
余裕すら無い……
先生の指揮でなんとか耐えてはいるが、それがいつ崩れるのかすら分からない……
"カケルさん……一体何処に……無事だといいんだけど……"
ヒナ「っ……」
そう、一緒に来ていたはずのカケルの姿が無く、もしかしたら瓦礫に埋もれている可能性もあるのだ……
だからこそ、目の前の敵をどうにかしないといけないが………
"っ!!ヒナっ!!"
先生が声を上げるのと同時に、別の方向から撃ってくる一人のユスティナ聖徒会がいた……
ヒナ「しまっ!?」
完全に油断をつかれ、ヒナは撃たれてしまう……
いつもならすぐに立ち上がれるはずだが……
ヒナ「身体が……言う事を……聞かない……」
いつもよりも体が重く、立ち上がれない……
先生はヒナに近寄ろうとするが
アロナ『先生!バリアを張るエネルギーが!す、すみませんおちま──』
"っ!?アロナ!?"
先生を守る盾も消えてしまった……
そんな先生の前に4人の子が歩いてきた……
「さて、貴様が先生か?」
"っ……そうだよ、君がアズサが言っていたサオリかな……"
先生の目の前にいる子は頷くと
「そうだ、私がアリウススクワットのリーダー、錠前サオリだ……」
そして、そんな緊張感の中サオリが告げる
「・・・・・・我々はトリニティに代わり、この「通功の古聖堂」で条約に調印した」
"どうゆう意味?"
「私たち アリウススクワッドが、楽園の名の下に条約を守護する新たな武力集団・・・・・・ エデン条約機構になったということだ……」
"っ!!"
「その為にも障害となるゲヘナとトリニティを排除し……シャーレの先生も、我々の障害となる……」
そう言ってサオリは拳銃を先生へと向ける……
ヒナ「っ!!駄目!!」
ヒナが急いで止めに行こうとするが……
バァン!!
一発の銃声が鳴り響く………
"っ!!"
その銃弾は先生の腹部に当たり、先生は倒れる……
サオリは先生に銃弾を当て、別の行動へと移そうとしたとき……
ババババ!!
サオリ「っ!!」
サオリ達、アリウススクワットに目掛けて、誰かが撃ってくる……
アリウススクワットの面々はその方向を見ると……
サオリ「っ!!雨井カケル!!」
カケルがマシンガンを走り撃ちしながら、走ってくる……
カケル「チッ……流石に先生もきつかったか!ヒナ!先生を連れて離脱しろ!」
ヒナ「で、でも!!」
ヒナはそう声を上げた瞬間、カケルが来た方向から一台の車が走ってくる……
そして、車から乗り出している一人の生徒がいる……
ヒナ「セナっ!?」
車を見たカケルは二人の襟首を持つと……
カケル「うぉぉぉ!!」
二人を車めがけて投げる……
セナが二人を受け止めると、車は元来た道を走っていく……
サオリ「あの車を逃がすな!!」
カケル「させねえ!!」
バン!バン!バン!
腰に付けたハンドガンをサオリ達に向けて撃ち、先生達を乗せた車が脱出するのをサポートする……
更にカケルはサオリに接近し、タックルをする……
サオリ「グフッ!?き、貴様!何をやって!っ!?」
ババババババババババババババ!
ゼロ距離射撃
誰も避けられない距離からのマシンガンを撃つ……
M249の銃身が真っ赤になるほど指から手を離さない……
そして、カケルは銃身の一部が白くなる直前……
カケル「くたばれ!!」
ガッ―!!
サオリ「っ!?」
腹に思いっきりキックをしつつ、距離を取った……
蹴られたサオリはかなりのダメージを負ってしまったが……
「ッ――!!」
「リーダーっ!!」
バババババ!ドォン!!
ガスマスクをつけた紫髪の子がカケルに向けてサブマシンガンを撃ち、その近くにいた大きなバックパックを持つ子も対物ライフルをカケルに目掛けて撃つ
カケル「!!ッ」
カケルは対物ライフルの方はギリギリ避けれたが、サブマシンガンの方は全部は避けきれなかった……
サオリはなんとか立ち上がると……
サオリ「く、狂ってるのか貴様!?何故あそこまでする!!」
カケルに向けてそう叫ぶ……
サオリからしたらカケルの行動が一番読めなかった………
わざわざ逃がす為だけに敵に突っ込んでいき、自身も大怪我を負いかねない攻撃をしてきたのだ……
カケル「狂ってるか……そうだろうな……俺は狂ってる……」
そういう、カケルの顔を見たアリウススクワットは驚く……
ここにいる誰よりも覚悟が決まった目をしていた……
カケル「だからこそ、先生をやらせる訳にはいかない……」
カケル「俺自身が本格的に狂わないためにもな」
「「「「!!」」」」
たった一瞬、カケルから発せられた謎の気迫でひるんだ隙を逃さなかった……
隠し持っていた武器をアリウススクワットに向ける……
それは、銃口は大きいが拳銃の形をしていた……
サオリは咄嗟にメンバーに向け、叫ぶ
サオリ「避けろ!」
バシュンッ!!
カケルが引き金を引いた瞬間、拳銃のような銃口から凄まじい閃光が放たれる。
「っ!?」
サオリ「目を閉じろ!」
一瞬、古聖堂全体が昼間のような白い光に包まれ、誰もが反射的に腕で目を覆う
数秒後
恐る恐る目を開けると──
そこにカケルの姿は無かった
真実に気づいたサオリが舌打ちをする
サオリ「……フラッシュ弾か」
床には発射済みのフレアガンが転がっている
キヴォトスでは銃を自由に装飾する文化が根付いており、外見だけでは、実弾を撃つ銃なのか、特殊弾を撃つ銃なのか判別は困難ともいえる
その一瞬の判断の遅れが、カケルに離脱する時間を与えてしまったのだった…………
スクワットの一人であるミサキが周囲を見回しながら
ミサキ「追う?」
と聞くが……
サオリは首を横に振り
サオリ「いや」
そういいながら、セーフティーをかけ、静かに銃を下ろす
サオリ「奴の目的は先生を逃がすことだった。それは果たされ、我々がここで時間を浪費する意味はない」
それを聞いたマスクの少女もうなづく
サオリ「……エデン条約機構の任務を優先する」
サオリは煙の向こうを見つめ、小さく呟く
サオリ「雨井カケル……あの男は危険だ。次に会う時は、必ず始末する」
そう言い残すと、アリウススクワッドは瓦礫の奥へと姿を消した