Fate/You Died.   作:助兵衛

28 / 93
第28話 鉄の巨人

 焼けた地の上に、ライダーが静かに立ち上がった。

 その動作は、まるで壊れた機構がひとつずつ再起動していくかのように、重く、確実だった。

 

 焦げた包帯がはらりと落ち、彼女の輪郭を包む光が形を変える。

 赤い輝きが線となって空間を走り、背後に巨大な陣形を描いた。

 それは魔術というより、兵器の起動コード──無機質な演算の光だった。

 

 秀則はその背を見上げた。

 炎の反射に照らされながら、彼女の姿はもはや人間でも英霊でもなかった。

 戦場のために造られた存在、冷ややかな美しさ。

 

「C4-621から衛星軌道シェルパコンテナへ」

 

 ライダーの声は、炎の中で異様なほど冷静だった。

 まるで古い戦場の空気だけが、彼女の中で蘇っているようだった。

 

「ID確認。認証……通過。アクセス権限、第二階梯まで開放。軌道上ユニット、同期を開始」

 

 空気が震えた。

 焼け付いた夜空の奥──はるか上空、衛星軌道の闇が一瞬だけ脈動する。

 

『──こちら無人補給シェルパ。C4-621の通信を確認』

 

 耳で聞くのではない。

 ライダーの宝具起動に伴う魔力回線が、直接、音なき音を運んでくる。

 

『目標地表座標──不規則に変動。熱源特異値、高危険度レベル・オーバー。降下ユニットを投入を希望するか』

 

 ライダーは一度、炎の巨人を見据えた。

 その胸の奥で核が脈打ち、狂い火が塔のように吹き上がる。

 

 そして──静かに、即答した。

 

「実行。LOADER4の降下を許可」

 

『了解。LOADER4、射出プロセス開始』

 

 秀則は、息を呑んだ。

 空の奥で、ごく微細な光が点滅する。

 星でも航空機でもない──軍事衛星の「照準点」。

 

 次の瞬間、夜空を裂く。

 

 白い尾を引いた閃光が、ほとんど直線で落ちてきた。

 流星の速度ではない。

 大気を噛み砕きながら、下降速度マッハ十以上で地表へ殺到してくる。

 

 それは巨大な金属塊──

 だが地表へ到達する直前、無音の「展開音」が空を走った。

 

 圧縮された超高温の空気を押しのけ、

 コンテナの側面が一斉に爆散する。

 

 瓦礫のように見えた外殻が、空中で弾け飛ぶ。

 内部から伸びるのは、鈍いグレーの装甲板。

 続いて、脚部フレームが伸び、胸郭のような胸部ユニットが展開した

 

「……あれは……!」

 

 秀則が声を失う。

 

 空を割って落ちてきたのは──

 巨大な人型兵器。

 赤い単眼が、薄闇の中でかすかに明滅する。

 

 着地と同時に、地が鳴り、衝撃波が砂礫を巻き上げた。

 

 灰が渦になり、炎の色が乱れる。

 その中心に、巨影が立ち上がった。

 

 AC──LOADER4。

 

 グレー一色の無骨な装甲。

 余計な意匠はどこにもない。

 使い捨て兵器のように、ただ効率だけを追い求めた線。

 頭部には単眼センサーが一つ、深紅に光る。

 

 ライダーはその巨体を見上げ、短く頷いた。

 

「LOADER4、着地確認。機体状態、問題なし。ハンドラーの令呪による魔力供給も安定」

 

 コンテナの破片が地面へ雨のように落ちる。

 灼熱の中でも、その落下音だけは機械的に乾いていた。

 

 秀則は、ただ呆然と立ち尽くした。

 

 炎の巨人と対峙するにはあまりにか弱い二人の傍に、

 圧倒的な質量と戦場の匂いをまとう機体が立ち上がっていた。

 

「これが……君の、宝具」

 

 問いかけに、ライダーは振り向かない。

 ただ、静かに言った。

 

【機体召喚・即応武装】(ロードアウト・アーマードコア)。ハンドラー、こっち」

 

 LOADER4の単眼が、静かに瞬いた。

 次の瞬間、巨体が低く沈む。膝関節が油圧で押し曲げられ、脚部が地を抉るように沈降する。

 同時に、胸部装甲の一部が前へ滑り出し、内部から冷たい蒸気が噴き上がった。

 

 灰と熱風の渦の中、

 コックピットが解放されていく。

 

 金属の層が重なるたび、油と鉄の匂いが濃くなる。

 狭いが、ひどく密度の高い空間だった。

 無駄が削ぎ落とされ、戦場のためだけに組み上げられた匂い。

 

「ね、早く」

 

 ライダーは言い、秀則の腕を取って引き寄せた。

 彼の足は焼けた地面に張り付いたように動かなかったが、

 小柄な彼女の力は意外なほど強く、躊躇を許さなかった。

 

 二人は機体の胸部奥──細い梯子が伸びる裂け目へと滑り込む。

 

 中は薄暗く、無数の端子が蛇のように壁を這っていた。

 機器の軋む音、通電を知らせる微弱な光。

 秀則は息を呑んだ。

 

「すご……これ、SFの世界観ですな」

 

「ハンドラー席は後方。こっち」

 

 ライダーは手際よく、秀則を簡易シートへ押し込む。

 ほとんど座らせるというより、「固定する」という動作だった。

 

 瞬間──

 シート横の拘束アームが秀則の胸と腹を押さえ、鋼の爪が彼を捕まえた。

 

「うわっ……! ちょ、ちょっと待ちなされ!」

 

「安全確保。これがないと、機体のGで体が潰れる」

 

 淡々と説明しながら、ライダーは前へ進む。

 操縦席──コアリンク端末に腰を下ろした。

 

 そして、

 その背へ収束するように、無数の細いケーブルが彼女に伸びる。

 

 肩、背骨、肋骨の下──

 人体の要所に、磁着するように次々と接続されていく。

 

 秀則は息を呑んだ。

 彼女の肌に触れた端子が淡い光を放ち、

 まるで彼女の身体を“機体の一部”へ変換していくように見えた。

 

 ライダーは表情ひとつ変えない。

 次々と端末を接続しながら、最後に──

 

 天井から垂れ下がる、一本だけ桁違いに太いケーブルへと手を伸ばした。

 

 それは腕ほどもある黒い主幹ケーブル。

 パイロットを制御装置として扱うための、接続端子。

 

 秀則の顔色が変わった。

 

「ま、待たれよ! それは……それは明らかに危ないやつでしょうが!」

 

 彼はシートごと身を乗り出し、

 不安定な体勢のまま、ライダーの手首を掴む。

 

 ライダーは、掴まれた手首をそっと見下ろした。

 秀則の掌は汗で湿り、震えていた。

 熱と恐怖と、そして彼女を失いたくないという──不器用な保護の本能。

 

 その震えを、ライダーはしばし無言で受け止めた。

 

 そして。

 

 ゆっくりと、髪をかきあげた。

 

 焦げた前髪を指で払うと、白い首筋が露わになる。

 そこには──人間にはあり得ないものがあった。

 

 金属の輪郭。

 皮膚と一体化した楕円形の接続口。

 呼吸に合わせて微かに脈打つ、光のスリット。

 

 秀則は息を呑んだ。

 

「こ、これは……」

 

「ハンドラー。私は“そういう風に”造られている」

 

 ライダーは微笑んだ。

 どこか誇らしげで、どこか哀しい。

 そして何よりも、戦場に最適化された兵器としての自覚を帯びた笑み。

 

「戦場で、死なないように。痛みによって動けなくならないように。何度壊れても、接続すれば動けるように。この兵器──ACを上手く動かせるように」

 

 首の接続口が淡く光り、呼気に合わせて微かに揺れる。

 それは、生々しくも妖艶な構造だった。

 

 ライダーは手にしていた太い主幹ケーブルを見下ろし、

 続いて秀則の手を見た。

 

 そして──

 

 悪戯っぽく笑った。

 

 普段はほとんど見せたことのない、年相応の少女のそれ。

 しかしコックピットの薄闇と、機械の匂いの中で浮かんだその笑みは、

 どこか背徳的で、罪深いほど美しかった。

 

 ライダーはそっとケーブルを秀則の胸に押しつける。

 

「挿して?」

 

 その声音は、命令でも懇願でもなかった。

 身を委ねる者の声。

 

 ケーブルの先端が彼女の白い首筋へ向けられる。

 結露した金属の冷たさが、ライダーの肌に触れ──

 彼女は目を閉じ、軽く首を傾けた。

 

 まるでキスを受け入れるような、

 あまりにも無警戒で、あまりにも信頼に満ちた仕草。

 

 秀則は喉を鳴らし、言葉を失う。

 

「ら、ライダーちゃん……その……これ、本当に……挿しても?」

 

「うん。早く挿して」

 

 微笑むその顔は、戦場の炎に照らされ、

 人間らしい温度と、兵器の冷たさを同時に孕んでいた。

 

 妖艶で、危うく、

 何よりも──救いようのないほど美しい。

 

 秀則は震える手で、ケーブルを持ち直した。

 

 息を呑み、

 その金属の刃のような接続端子を──

 ライダーの首へと、そっと押し当てた。

 

 金属の先端が、ライダーの白い首筋に触れた。

 ──だが、そこからが問題だった。

 

「え、ええと……これは……その……角度が……」

 

 秀則はおっかなびっくり、まさに“つまようじで鍵穴を探るような”手つきでケーブルを押し当てる。

 だが当然そんな繊細な端末が、適当に差し込んで入るはずがない。

 

「えーと、こっちの端子が……え、あっ、違いますな……? あれ……?」

 

 金属同士がかすかに擦れ、乾いた音を立てる。

 ライダーの首の接続口は、入れやすい構造とはいえ、精密機器だ。

 秀則の緊張した震える手では、まるで合わない。

 

 ……数秒。

 

 ……十数秒。

 

 コックピットに、やけに気まずい金属音がこだまする。

 

「う……うむ、滑りますな……あっ、今の入ったか……? あれ、違う……」

 

 秀則の額から汗が落ちる。

 緊張と熱と、そして“彼女を傷つけてはいけない”という過剰な慎重さが、全て裏目に出ていた。

 

 その後頭部を見下ろし、

 

 ライダーは、とうとう呆れた。

 

「ハンドラー」

 

「む、むむ……? 今度こそ……!」

 

「下手くそ」

 

「ぐっ……!」

 

 短く一刀両断。

 完全に図星なだけに、秀則の動きが固まる。

 

「い、いや、その……だって、これ……君の首に……! なんか、刺さるような事したら大惨事ではありませんか!」

 

「大丈夫。設計上、刺すもの」

 

「そ、その言い方が余計怖いのですが!」

 

 ライダーは薄く笑った。

 まるで「仕方ないな」とでも言うような表情。

 

 そして──ほんの少し首を傾けた。

 

 その瞬間。

 

 コクン、と小さな音を立てて、

 ケーブルが、吸い込まれるように接続された。

 

「──んっ」

 

「え?」

 

 秀則の手の中で、ケーブルが勝手に奥へ押し込まれていく。

 皮膚と金属の境界が一瞬だけ脈動し、光が走る。

 

 同時に──

 

 機体が震えた。

 

 LOADER4の単眼が赤く点滅し、

 操縦席の周囲を走る回線が一斉に光のラインを描き出す。

 

 ライダーの胸、背、首へ接続されていた無数のケーブルが一斉に通電し、

 少女の身体と機体全体が、一本の神経回路を共有した。

 

 “接続音”とも“心音”ともつかない振動が、

 コックピット全体に響く。

 

 秀則は息を呑む。

 

「……ライダー……ちゃん?」

 

 その問いに、

 ライダーはゆっくりと目を開けた。

 

 瞳の奥に、人ではない光が宿る。

 

「……接続完了。LOADER4との神経同期、問題なし」

 

 その声音は、先ほどまでの少女のそれではなかった。

 兵器としての冷たさと、僅かな熱を残す“人間の呼吸”が混ざり合っている。

 

 彼女は振り向かず、淡々と宣告した。

 

「メインシステム、戦闘モード起動」

 

 赤い単眼が、炎の巨人を正面に捉える。

 

 その瞬間──機体全体が、ゆっくり、だが確実に立ち上がり始める。

 

 油圧シリンダーが唸り、関節部のロックが次々と解除される。

 鉄が軋む低音が、コックピットの床を震わせた。

 

 ゴウッ……

 背部スラスターに微弱な初動火が灯り、熱風が地を這う灰を吹き飛ばす。

 

「起立動作、良好。安定性、問題なし」

 

 ライダーは冷静に読み上げる。

 秀則はシートに固定されたまま、ただ息を呑んだ。

 

 高熱の地獄の中で、

 機体の質量だけが揺るがぬ存在感を持って立ち上がる。

 

 LOADER4が完全に直立した瞬間──

 

 キャスターの狂い火が、微かに揺れた。

 

 炎の巨人は、まるで“興味”を抱いたかのように、

 その灼熱の頭部をゆっくりと傾ける。

 

 眩い火の目が、LOADER4をじっと観察する。

 

「……ほう」

 

 その声は、火柱の奥底から響くような低い振動だった。

 

「実に面白い。この世の技術……いや、“私の知る限りの未来”のそれすら、遥かに凌駕している」

 

 キャスターの胸に埋まった“炉心”が脈動する。

 狂い火が彼の周囲を渦巻き、景色が波打つ。

 

「魔力炉ではない。霊子を変換する装置でもない。ましてや、旧文明の機械仕掛けでもない……これは──」

 

 巨体がゆっくりと身を屈める。

 灼熱の手が、LOADER4に触れようと伸びる。

 

「極めて純粋な“科学技術”で構築された、未来の戦争機械……!」

 

 炎が唸り、キャスターの声は恍惚に震えた。

 

「おまえたちは……どこからこんなものを引きずり出した?」

 

 秀則は反射的に叫ぶ。

 

「ライダーちゃんの宝具です! 未来の技術とか、よく分かりませんが!」

 

 その言葉に、キャスターは一瞬だけ沈黙した。

 そして──炎の頭部が笑った。

 

「……宝具、か。なるほど。ならばこの兵器は、“未来の戦争”の象徴だというのか」

 

 狂い火が天へ伸びる。

 

「よかろう……見せてごらんなさい! その機体で、この“神格の火”にどこまで抗えるのか!」

 

 キャスターが腕を振り上げる。

 世界を焼き尽くす黄色の奔流が、機体へ襲いかかる。

 

 次の瞬間、LOADER4は横へ跳んだ。

 

 爆風のような熱が頬を撫でる。

 スラスターの噴射が、焼けた地面をえぐり、灰を吹き飛ばす。

 

「回避行動、成功。熱量、警告域」

 

 ライダーの声は平板だった。

 だが彼女の視界越しに共有される機体の動きは、まるで生物の反射神経。

 

 炎の奔流が通った空間は、遅れて火柱の壁となって閉じた。

 

 着地の瞬間、LOADER4は右腕部の武装を構える。

 長く無骨な実体弾ライフル。

 

 装填、油圧駆動、ロック。

 

「ハンドラー、衝撃に備えて」

 

「ひ、ひえ……っ!」

 

 秀則が悲鳴を漏らすより早く──

 

 轟音が空を割った。

 

 LOADER4が、正面の巨影へ向けてトリガーを引く。

 発射された弾丸は、縮尺をそのまま狂ったように拡大した“銃弾”だった。

 一発が戦車砲の初速と運動エネルギーを持ち、それを毎秒十発ほどの速度で連射していく。

 

 射撃のたび、地面が衝撃で砕け、周囲の灰が吸い寄せられては爆散した。

 

 だが──

 

 キャスターの胸を貫くはずの弾丸は、炎に触れた瞬間に消滅した。

 

「なっ……!」

 

「物理攻撃の抵抗値、想定以上。弾頭が……溶解」

 

 実際、弾丸が触れた炎は、何かを喰らうように蠢き、熱を吸い込むように光を飲み込んだ。

 

 キャスターの狂い火は、もはや物質ではなく、

 “世界を焼く概念そのもの”に近い。

 

「やはり無駄か」

 

 炎の巨人が、こちらに視線を落とす。

 

「その兵器……見事な構造だ。だが──その程度では私に触れた瞬間、溶け落ちるだけでしょう」

 

 LOADER4の単眼が軋んだように光を収束させる。

 ライダーは言葉を返さない。ただ、次の動作へ移行する。

 

 キャスターの腕が再び持ち上がる。

 炎を剣のように形作り、空を裂く。

 

 だが、LOADER4はすでに動いていた。

 

 左スラスター全開。

 

 轟音とともに機体は地を蹴り、炎の斬撃を紙一重で回避する。

 避けるたび、コックピットが激しく揺れ、秀則が悲鳴を上げた。

 

 ライダーは揺れる機体の中、わずかに息を整えた。

 

 LOADER4の回避行動は成功したが、このままでは埒が明かない。

 実体弾はすべて“触れた瞬間に燃やされる”。

 火ではなく、概念そのものを焼く狂い火に対して、物質攻撃は意味をなさない。

 

 ライダーは即座に判断した。

 

「実体弾では突破不可。シェルパ、追加武装を」

 

 その声は冷たい。

 けれど秀則の耳には、どこか“焦りを抑え込んだ響き”も感じられた。

 

『武装提案── HI-32:BU-TT/A』

 

「肯定。射出」

 

 秀則は眉を上げた。

 

「それは……何ですかな?」

 

「物質ではなく“力場”を刃とする武器。炎という概念に対抗するには、こういうタイプが有効」

 

 説明は極めて簡潔だったが、その声は揺るがない。

 ライダーの経験と判断は、戦場そのものの記憶だった。

 

 上空で再び、暗い空間の一点が明滅する。

 

 衛星軌道の補給ノード──シェルパはすでに動いていた。

 

『追加武装ユニット、射出プロセスへ移行。地表座標をロック……射出まで3、2、1……』

 

 ──空が裂ける。

 

 直線的な光が降下し、コンテナがまたも大気を裂いて落下してくる。

 

 キャスターがその光を見て、愉快そうに口角を吊り上げた。

 

「ほう……また何か呼んだか、小さき戦争機械よ」

 

 だがその興味はすぐ嘲笑へ変わる。

 

「だが──無駄だ。何を落とそうと、何を持とうと、触れた瞬間──」

 

 次の瞬間、コンテナが爆ぜた。

 

 音速を超えた破片と蒸気の奔流が散り、内部から現れたのは──

 奇妙なフォルムの武装ユニット。

 

 刀身に相当する部分は存在しない。

 代わりに曲線的な発光フレームが展開され、

 そこへ“パルスの幕”が張られていく。

 

 刃のような形状だが、物質ではない。

 光でもない。力場そのものだ。

 

 ユニットがLOADER4の腕部へ磁着し、ロックが自動で噛み合う。

 

「追加武装、装着完了。パルスブレード、出力上昇……臨界六十パーセント」

 

 ライダーが左腕を軽く振る。

 

 鮮やかな緑の刃が尾を引いた。

 

 それは剣というより、空間ごと切り裂く“力の線”。

 熱に歪んだ空気さえ、その光に近づくと震えた。

 

「ハンドラー、固定を強化して。──近接戦を開始する」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。