東方雷狼竜 作:NO!
これは、ジンオウガが主人公の話です。
モンスターの世界。この世界は、まだ文明が盛んではなく、森や海が世界を覆い隠すくらい広かった。
だが、そこには色んな生き物達がいた。
ポポ、ガーグァ、ブルファンゴ、ジャギィなど、ありとあらゆる種類の生き物がいた。
しかし、そんな
それは竜と云う屈指の強さを誇る生き物だった。竜は生き物達を食らい、たった一つの場所の為だけに、同種と縄張り争いをする。
この話は、そんな竜達の一匹である、雷狼竜の話だ。
十一月の夜の渓流、今日は満月がよく見える夜だ。
そこには僅ながらも沢山の木が生い茂っているのと、澄んだ空気が流れていた。
「ガァァーーッ!」
そんな場所に、怒りの咆哮を上げる生き物がいた。
蒼い鱗が特徴な身体に全体を覆う黄色い背中、切れているが、黄色い尻尾に黄色い
顔は黄色く狼に近く、折れているが鬼よりも長い二本の黄色い鋭角、
前肢後脚に生えている黒い爪、身体の一部に見られる白い毛に近い鱗が幾つも見受けられるのが独特的な生き物だった。
それも、二頭もいた。
そして、一頭の生き物は弱まっているのか、横向けに倒れそうになっており、
もう一頭も弱まりながらも怒りの咆哮を上げた。
そして、生き物達の名はジンオウガ、雷狼竜の名を持つ生き物達だ。
「ガアァーーッ!!」
起き上がっている方のジンオウガは咆哮を上げる。その目の前には、四人の
一人は全身、灼熱の炎をイメージした全身赤い鎧に竜をイメージした赤い赤い兜、両手には赤をイメージした太い剣、大剣を持っていた。
もう一人は、全身麦色に近く、猛牛をイメージした細長い二本の角が特徴な兜、屈強な固さを誇るであろう鎧を身に纏い、両手には|大槌を持っていた。
一人は明るい茶色をイメージした兜と鎧に、明るい茶色のランスと楯を持っていた。
最後の一人は、インディアンの被る物を模した兜に、緑色の毛の軽い軽装に、両手には大きなボウガン、ベビィボウガンを持っていた。
四人の
「ガァァーーッ!」
横倒れになりそうになっているジンオウガの前に立っているジンオウガは咆哮を上げた。
仲間を殺らせるものか、自分も殺られてたまるものか、と。
「ぐっ!」
四人は咆哮に怯むも、ジンオウガは軽く身体を一回転した。直後、ジンオウガの身体から水色の光を発する電気玉が現れ、電気の玉はランスのハンター目掛けて突き進み、直撃した。
「ウォッ!」
ランス使いは吹っ飛ばされるも、他の三人の内の大剣使いと大槌使いの二人は二頭のジンオウガ目掛けて突き進む。
「ガ……!?」
立っている方のジンオウガは驚くも、大剣使いと大槌使いの二人の
「ガッ!?」
立っている方のジンオウガは身体を斬られ、撲られた。
ベビィボウガン使いは跪くとボウガンを構えながら、ジンオウガに向けると、ボウガンの銃口から弾を放った。
弾はジンオウガ目掛けて突き進み、直撃した。
「ガァァーーッ!!」
立っている方のジンオウガは激痛の悲鳴を上げた。
「ガ!?」
横倒れになっているジンオウガは驚きのあまり、よろけながら立ち上がった。
だが、攻撃を喰らったジンオウガは仲間のジンオウガを見た。
「ガァァッ……!」
攻撃を喰らったジンオウガは全ての力を出すかのように、口からある物を吐き出した。
それは、人間の頭と同じくらいの大きさの蒼い輝きを放つ蒼い玉だった。
「お、おい、あれって!?」
すると、玉の存在に気付いたボウガン使いが仲間達に言った。
仲間達も気付くが、ランス使いが叫んだ。
「あれは、雷狼竜の
ランス使いは言った。
雷狼竜の碧玉。
それはジンオウガの体内にあり、ごく稀にしかないとも言われる貴重な玉だった。
ジンオウガを狙う
「ガッ!?」
立ち上がった方のジンオウガは目を見開くも、攻撃を喰らったジンオウガはそのまま倒れそうになった。
軽い揺れが起きたと共にバ~ンと云う音が聞こえた。
それは、ジンオウガが死んだ事を告げていた。
「ガァァーーッ!!!」
立ち上がった方のジンオウガは叫んだ。死んだ、仲間が死んだ、と。
「後はあの一体だけだ! あの玉も拾うぞ!」
直後、大剣使いが叫びながら、ジンオウガ目掛けて走ると、後の三人の
「ガァーーッ!」
ジンオウガは慌てて身体を横に一回転して、四人の
四人は後ろに吹っ飛ばされるも、ジンオウガは直後に蒼い玉を拾うと、倒れている四人に背を向けると、その場所から離れるように走り去った。
「ガァァーーッ!」
ジンオウガは走った。足の痛みを堪え、後ろから四人の
そして、振り返らなかった。それは、仲間の死体を見たくない、と言うジンオウガの我が儘だった。
「ガァァ……!」
そして、ジンオウガはその場を走り去って行った。
数分後、四人の
その地帯は、さっきの森とは少し違う所が幾つかある以外、何処も変わっていなかった。
無論ーーそこは渓流と言えるかのように、澄んだ谷川が流れていた。
「グル……」
そこに、辛くも
ジンオウガは走った後であろうか、息を整えていた。が、かすかに
「ガァァ……」
ジンオウガはその場に伏せると、ジンオウガの身体中にあった血の半分は川に流れていった。
そして、手の中にある小さな蒼い玉を見つめた。
「ガウゥ……」
ジンオウガは手の中にある、蒼く輝いている玉を寂しそうに見つめた。
これはさっき、自分と同種であり、亡き仲間の体内にあった物。
自分から見れば、仲間の遺品その物だ。
そして、奴らは自分だけではなく、この玉をも欲しているのだろう。
無論ーー貴重な物である故に。
「グアァ……」
ジンオウガは亡き仲間を思い出したのか、眼に涙を溜めていた。
それは
周りから畏怖の象徴であり、竜の名を持つに相応しい上に、竜の名に恥じぬ牙竜種の涙。
だが、
だがそれは、亡き友人を思う優しさなのかもしれない。
ジンオウガは涙を流し続けている中、森の奥から沢山の走る足音が聞こえた。
「いたぞ!」
そして、叫び声が聞こえ、ジンオウガは声がした方を見た。
そこには、さっき自分を追い詰め、仲間を死に追いやった四人の
彼らは各々の武器を背中に携えながら、ジンオウガの下へと駆け寄って来た。
「ガアァ……」
ジンオウガは涙を流しながら、手の中にある蒼い玉を握り締めた。
奴らめ、もう自分のいる場所に気付いたのか、が、狩られる訳にもいかない、とジンオウガは思っていた。
ジンオウガは立ち上がると、四人の
背中に携えている武器を手に取った。一人は大剣を、一人は
そして、四人は表情を険しくしていた。しかし裏では、もう弱っている、後一撃を喰らわせば、もう死ぬだろうと、と思っていた。
「グルル……」
ジンオウガは弱っていながらも、
狩られてたまるか、殺られてたまるか、お前達を返り討ちにしてやる、と。
そして、蒼い玉もやる訳にはいかない、と。
「あの野郎、俺達を倒そうとしてやがる」
「ガァァ!!」
が、ジンオウガは威嚇を止めなかった。角と爪が折れても、尻尾が切れていても、尚、諦めるという事を考えていなかった。
「ガァァァァーー!!」
ジンオウガは最後の力を振り絞るかのように走った。四人の狩人《ハンター》達目掛けて。
「!」
ランスを手にしている
三人は吹っ飛ばされるも、大剣の
「ガアァ!!」
直後、ジンオウガは右腕を振り上げ、大剣の
しかし、大剣の
「あぐっ!」
大剣使いは大剣を持ったまま吹っ飛ばされる。
「ウォーーッ!」
直後、ランス使いの
ランスを突き出すように前に出したまま、ジンオウガの脇腹目掛けて突き進む。
「グギャァッ!」
ジンオウガは尻尾でランス使いを攻撃しょうとして、身体を一回転した。
「グ!」
ランス使いはジンオウガの攻撃を喰らってたまるかというように、寸前で止まろうとしたが、
ジンオウガの切られた尻尾で横に吹っ飛ばされる。
「ウォリャーー!!」
だが、
そして、ハンマーでジンオウガの前腕を強く叩いた。
「ガァァ!」
ジンオウガは前腕に激痛を感じるも、骨が折れたのも感じながら咆哮に近い叫び声を上げた。
「グギャァァ!」
直後、今度は左目に激痛を感じた。が、ジンオウガの左目には煙が立っていた。
そして、その先には、屈みながらボウガンを構えている
「ガオォーーッ!」
ジンオウガは左目に激痛を感じながらも、四人の
「トドメだ!」
しかし、大剣使いは体制を建て直すように立ち上がると、大剣を振り上げながら、ジンオウガ目掛けて走ると、
ジンオウガ目掛けて振り下ろした。
「ギャァーーッ!!」
ジンオウガは顔に激痛を感じるも、白目を向きそうになっていた。
「ガァァ…………!」
ジンオウガは身体を震わせながら、その場に倒れそうになった。
だが、微かに目の前が真っ暗になり、身体中が軽くなるように感じ、激痛も感じられなくなるのを感じた。
そして、そのままうつ伏せに倒れた。
「ガ……」
ジンオウガは僅ながらに残っている意識の中、気力を感じない鳴き声を上げた。
しかし、四人の
そして、ジンオウガは狩猟されて死んだ。