東方雷狼竜 作:NO!
「ジンオウガッ!!」
椛は、身体に蓄える形で溜めていた電気を放電するジンオウガに叫ぶ。
「ガアァーーーーッ!!」
しかし、ジンオウガは理性を失っている為か、椛の叫び声に耳を傾ける事もせず、ただただ電気を放電しながら咆哮を上げていた。だが、ジンオウガの周りで逃げ惑う者達の悲鳴が、椛の叫び声を掻き消すようにしているのかもしれない。そして、半分以上の者達はジンオウガから離れるように逃げ去っていた。
「グギアァーーーーッ!」
そして、ジンオウガは地面を蹴って跳躍すると、身体を一回転させながら地面に叩き付けるように着地する。が、それは人を吹っ飛ばす程の威力がある風を起こす程であり、更にはジンオウガの身体から電気が放出され、電気は風と共に飛び吹き出る。
「あぁっ!」
「うぐっ!?」
当然、近くにいた椛、慧音、逃げ遅れた者達に衝撃を与えるように吹っ飛ばし。損壊はないが、近くの建物にも衝撃を与える程だった。
「おわっ!?」
「っぐ!?」
吹っ飛ばされた者達は地面に叩き付けられるも、椛は慧音に羽交い締めされながら吹っ飛ばされていた。
「グルル……ガアァーーッ!」
一方、地面に着地したジンオウガは唸り声を挙げながら立ち上がった直後、咆哮を上げると、両手を横に伸ばす。が、ジンオウガの両手は、近くの二軒の家に向けられていた。
「ガァーーッ!!」
そして、ジンオウガの両手から電気が集まり、それが球の形になりつつあった。
「まさか、止めろジンオウガ!!」
椛はジンオウガが何かをする事に気づく。その時。
「グギャ!?」
ジンオウガは後ろから何かか迫って来る事に気付き、後ろを振り返りながら両手に溜めていた電気の球、雷弾を二つ放った。そして、二つの雷弾は、ジンオウガに迫ってくる炎の球、炎弾と直撃し、灰色の煙を発生させる。
「ぐっ!?」
「うあっ!」
椛と慧音は煙に怯むが、ジンオウガは煙に怯まなかった。そして、煙は消えていく。
「あっ!?」
煙が僅かにしかなっくた直後、慧音は炎弾が放たれた方角を見て驚く。そこには、ジンオウガとは少し離れた所には、一人の表情を険しくしている少女がいた。
少女は十代後半の銀髪のロングヘアーに白地の入った大きなリボンに、毛先には僅かに小さなリボンを付けている。深紅の瞳。
服装は白のカッターシャツに赤いもんぺに良く似たズボンをサスペンダーで吊らせていて、沢山の護符を貼っている。茶色い靴を履いている。そして、少女の左手には赤い炎が出ていた。
少女の名は
「妹紅!?」
慧音は妹紅の名を叫ぶ。
「ぐっ……」
そして、妹紅は、理性を失っているせいで暴れようとするジンオウガを見て歯を食い縛る。しかし、何故、妹紅がここにいるかと、妹紅は暇を理由で人里で歩いていた途中、ジンオウガの発した青い光が空の上を登るように突き進んでいるのを見た為。だが、妹紅はそれは異変だと思い、青い光の下へと走った。途中、青い光が消えたのも見たが、それでも妹紅は走った。
そして、青い光が消えた近くで人々が騒がしい事にも気づいたが、それは異変だと思った。そして、遠くからジンオウガが暴れている事、椛と親友である慧音がいた事にも気付いた。
しかし、妹紅は慧音を助けるべく、ジンオウガに炎弾を放ったのだ。無論、ジンオウガには雷弾と直撃するように受け止められたが。
「グルル……」
ジンオウガは、炎弾を放った妹紅に威嚇する。
「何だ、あれは?」
それに対し、妹紅はジンオウガを見て驚きを隠せない。無理もない。初めて相対する者だからだろう。
「妹紅、ジンオウガには気を付けろ!」
慧音は妹紅を心配し、妹紅に叫ぶ。しかし、妹紅は慧音に。
「慧音! あいつはジンオ……」
「ジンオウガ!?」
妹紅は慧音を見ながら何かを言っている途中、椛が叫ぶと、妹紅はジンオウガを見た。ジンオウガは妹紅目掛けて走る。
「っ!? 喰らえ!」
妹紅はジンオウガを見て舌打ちした後、左手で激しく燃えている炎弾を投げるように、ジンオウガ目掛けて放つ。
「ガアァッ!」
直後、ジンオウガは立ち止まり右手を前に出した直後、ジンオウガの手の平から青い雷弾が手の平から飛び出るように放たれる。雷弾は炎弾目掛けて一直線に突き進み、そして、雷弾と炎弾は衝突した直後に爆発し、そこから灰色の煙が発生した。煙は炎弾と雷弾が衝突した直後に起きた強い風で、辺り一帯を見えなくするように広がる。
「うあっ!?」
「うぐっ!?」
近くにいた椛と慧音は煙で怯むかのように、腕で顔を護るように覆う。
「ガアァッ!!」
またその直後、煙から今度は何かと何かがぶつかり合う音と、ジンオウガの叫び声が聞こえる。
「ジンオウガ!?」
「妹紅!?」
ジンオウガの叫び声を聞いた椛は驚きを隠せない。しかし、慧音は妹紅を心配していた。
そして、煙は自然と消えていくが、煙の中から人影が見える。それも、二人。
「あれは!?」
椛と慧音は二人の人影に驚く。だが、煙は完全に消えかかる前だったが、二人の人影の正体はジンオウガと妹紅だった。しかし、妹紅は右腕を伸ばしながら、ジンオウガは左手で妹紅の右手首を掴んでいた。
だが、何故、二人はそんな状態になっているのかと。それは、妹紅は炎弾と雷弾が衝突した後に発生した煙を利用して、ジンオウガを攻撃しょうと煙の中を走った。
しかし、ジンオウガは煙に護られるようになっていたが、妹紅自身も煙で護られてる為、ジンオウガを攻撃するにはもってこいだった。
そして、妹紅はジンオウガの胸を殴ろとして右腕を伸ばす。が、ジンオウガはそれを察知したかのように左手で妹紅の右腕の手首を掴んだのだ。そして、今に至る。
「ぐっ……!?」
妹紅は舌打ちする。
「グルル!!」
しかし、ジンオウガの左手は妹紅の右手首を掴んだまま、左手に力を入れる。
「うぐっ!?」
妹紅は右手に激痛を感じ、顔を歪める。
「ぐっ!? このっ!」
妹紅は激痛を堪えながら左脚で、ジンオウガの右脇腹を蹴る。
「ガアッ!」
ジンオウガは右脇腹に激痛を感じて声を上げる。しかし、それを見た妹紅はチャンスと思い、左手に力を入れると、妹紅の左手から赤い炎が現れる。
「食ら……!」
「ガァッ!!」
妹紅が何かを叫び終わる前に、ジンオウガは眼を鋭くする。そして、ジンオウガの左手から青い火花が飛び散る。
「なっ!?」
妹紅はジンオウガの左手を見て驚く。
「アオォーーーーン!!!!」
しかし、ジンオウガは咆哮を上げるも、ジンオウガは溜め続けていた電気を放電するが、それは妹紅を捲き込む攻撃でもあった。
「アアッ!!!」
案の定、妹紅は捲き込まれ、妹紅は電気攻撃を食らっているかのように身体中が電気で包まれながら悲鳴を上げる。
「妹紅ッ!?」
慧音は妹紅を見て驚きを隠せないが、ジンオウガは妹紅の右手首を掴んだまま、妹紅を掲げるように振り上げると、そのまま地面の上に叩き付ける。それも、俯せで。
「うぐっ!」
妹紅は身体中に激痛を感じるも、ジンオウガは妹紅の右手首を放していた。そして、ジンオウガは妹紅を見下すと、脚を軽く上げる。
「ダメ……!?」
「も……!?」
それを見た椛はジンオウガを止め、慧音は妹紅を助けようと動く。直後、ジンオウガは前から体当たりされるように吹っ飛ばされる。
「「!?」」
椛と慧音はジンオウガが吹っ飛ばされた事に驚く。しかし、吹っ飛ばされたジンオウガは椛、慧音、倒れている妹紅とは少し離れた所で仰向けに倒れる。
「ジンオウガ!? ……あっ!?」
「誰だあいつは!?」
椛はジンオウガを見たが、ふと、妹紅を見た直後に驚くも、慧音も妹紅を見て驚きを隠せない。だが、二人が見たのは妹紅ではない。
妹紅を両脚で挟むように立ちながら右腕を突き出している者がいた。その人物は、
そして、彼もまた、蒼い光の下へと駆け寄り、ジンオウガに挑む者でもある。
「刃……!」
椛は、いつの間にか刃がいる事に驚愕する。しかし、それ以上に驚いた者がいた。慧音だ。そうだろう。慧音は刃の事を知らないからだ。
「…………」
一方、刃は表情を険しくしながら、吹っ飛ばしたジンオウガを睨んでいた。
「グルル……」
しかし、ジンオウガはゆっくりと起き上がると、刃を睨む。
「屑が……」
だが、刃はそんなジンオウガを見て呆れながら呟くと風の様に消えた。
「あっ!?」
「消えた!?」
椛と慧音は驚く。だが、ジンオウガの目の前から、刃が風の様に現れた。それも、身構えながら。
「はっ!!」
直後、刃は掌でジンオウガの腹を突く。ジンオウガは後退りするが、刃はジンオウガの顔に回し蹴りした。
「ガァッ!!」
ジンオウガは腹と顔に激痛を感じるも、顔を横に向けながら身体が崩れ落ちそうになる。しかし、刃は無言のまま、ジンオウガの腹を殴る。が、刃はジンオウガを持ち上げるように殴っていた。
「ガァァッ……!?」
ジンオウガは再び腹に激痛を感じるが、口から涎を吐き出していた。
「ジンオウガ!?」
しかし、椛はジンオウガを見て悲鳴を上げる。
「あ……っ、妹紅!」
一方、慧音は妹紅を心配し駆け寄ると、妹紅を介抱する。
「ガァッ……グル!」
そして、刃に腹を殴られたジンオウガは眼を鋭くしながら、刃を見る。刃は視線をジンオウガの腹へと向けていたままだった。
「……?」
刃はジンオウガに見られていると思い、視線をジンオウガに移す。
「グッ!?」
瞬間、刃は首に激痛を感じた。そうだろう。それは、ジンオウガが刃の首を掴んだからだった。ジンオウガは刃の首を強く絞める。
「ああっ……!」
刃は首を絞めてくるジンオウガの手首を掴む。が、ジンオウガは刃の首を絞めながら持ち上げる。
「ああっ……うぐっ!」
刃は両脚をジタバタさせる。が、ジンオウガは刃の首を絞めている手に力を入れながら。
「ガアァーーッ!」
ジンオウガは咆哮を上げながら体内に溜め込んでいた電気を放電する。それは刃を妹紅同様、電気攻撃を食らわす為だった。
「グァーーッ!!」
刃は悲鳴を上げる。しかし、ジンオウガの電気攻撃は刃に効いていた。そして、ジンオウガは電気攻撃を止めなかった。
「止めろ、ジンオウガ!!」
そして、それを見かね我慢の限界を覚えた椛が叫ぶと、椛はジンオウガの下へと駆ける。
「ガッ!? ガァーーーーッ!」
しかし、ジンオウガは椛を見ながら怒りの咆哮を上げると、持ち上げていた刃を椛目掛けて投げ飛ばす。
「あ……」
椛は眼を見開くも、刃と衝突し、直後に刃と共に後ろへ吹っ飛ばされ、刃にのし掛かれられるように仰向けに倒れる。
「ううっ……」
椛は身体中に走る激痛で歯を食い縛る。一方、刃はうつ伏せのまま気を失っていた。
「椛!? じ、刃!?」
そして、妹紅を介抱している慧音は慌てながら、椛と刃の名を呼ぶ。だが、ジンオウガは。
「グルル……」
ジンオウガは左手を手のひらにしながら後ろに引っ込めるように身構えていた。そして、ジンオウガの左手から電気が集まり始めると、電気は球の形に変わりつつある。それは、椛と刃を攻撃する意味を示すかのように。
「あっ!?」
ジンオウガの様子に慧音は疑問を抱くが、すぐにジンオウガは椛と刃を攻撃する事を察知する。
「椛、刃って言う者も逃げろ!!」
慧音は椛と刃に叫ぶ。一方、椛は激痛を堪えながら起き上がろうとする。しかし、刃は気を失っているままだった。
「ガアァーーーーッ!!」
しかし、ジンオウガは電気の球、雷弾を椛と刃目掛けて放つ。
「!!」
そして、刃は眼を覚ますと直ぐに起き上がる。しかし、雷弾は刃の背中に直撃した。
「!?」
刃は眼を見開いた直後、灰色の煙が発生し、煙は椛、刃、妹紅を介抱している慧音や、近くに建っている建物を何軒も巻き込んだ。
皆さん、おはようございます、NO!です。戦闘の描写、とても難しかったです。