東方雷狼竜 作:NO!
「ガァァーーッ!」
理由を失ったジンオウガは、
「う……!?」
椛は声を上げる暇もないかのように、ジンオウガに掴まれ、ジンオウガに掴まれながらその場で仰向けに倒れる。ジンオウガは怒りながら、椛に馬乗りし、両手で椛の首を掴む。そして、椛は剣を放してしまった。
「うぅっ!?」
椛は眼を強く閉じながら力を振り絞って、
しかし、ジンオウガは椛の首を絞めてはいない。
「椛!!」
にとりはジンオウガと椛の元へと駆け寄るも、ジンオウガの近くにいた為、ジンオウガの直ぐ近くにまで来ていた。
「あぁっ!!」
だが、ジンオウガの周りに飛び散る小さな稲妻がジンオウガを守り、にとりが近付けられないようにひかる。その為、にとりはジンオウガに近付く事は出来なかった。
にとりはジンオウガとは距離をとるかのように離れる。
「近付けれない!」
にとりは慌てるも。ジンオウガは片手で椛の首を掴みながら、椛を持ち上げると、椛を辺りに放り投げる。
椛は背中を強く叩き付けられるように倒れる。
「あっ……!」
椛は背中に激痛を感じて歯を食いしばる。
「椛! ぐっ!」
一方、にとりは、このままでは椛が危ない、と思いながら、右腰のポケットから一枚のお札を取り出す。
それは黒い文字で何かが書かれている水色のお札。それをにとりはお札を上に上げながら。
「河童のポロロッカ!」
そう叫んだ。すると、近くの川や五十あまりの、にとりの上空からも五十あまりの泡に近い水色の弾が現れる。
川に現れた水色の弾、上空に現れた水色の弾は全て、ジンオウガの近くにまで集まる。
「グル!?」
ジンオウガは周りに気付くも、百あまりの弾はジンオウガ目掛けて一斉に突き進む。
「ガ……!」
ジンオウガが何かを言う前に、水色の弾は殆どがジンオウガの身体中に命中する。
当たらない弾は近くの地面に命中すると、そこから小さな爆発が起きる。
「ガァァーーッ!」
ジンオウガは悲鳴を上げるも、ジンオウガは全ての水色の弾と共に、一つ一つの小さな爆風が大きな爆風を起こし、その爆風に巻き込まれる。
「やった!」
にとりは拳を握りしめながら喜ぶ。爆風はジンオウガを巻き込みながら辺り一帯を支配するかのように広がる。
それは数秒も経たない内に消えつつあるも、ある人物の影が見えつつあった。
「なっ!?」
にとりは眼を見開く。それを見たからだった。そして、煙が僅かながらに完全に消えると、地面は少しだけ陥没しているが、そこには周りに青い稲妻に近い火花を飛ばし散らしているジンオウガ。そして、ジンオウガは無傷かのようにピンピンとしていながら立っている。
「グルル……」
ジンオウガは歯軋りをしながら、にとりを睨む。にとりはたじろぐ。
「ガァーーッ!」
ジンオウガはにとり目掛けて走ると、にとりの直ぐ近くにまでくると跳ぶ。
にとりは離れるようにバックステップするが、ジンオウガはにとり目掛けて
だが、にとりは後退りしていた為に、ギリギリの所で
「ああっ!」
しかし、にとりに当たらなかったが、にとりを吹っ飛ばす。
何故なら、ジンオウガの攻撃は
にとりは吹っ飛ばされ、仰向けで地面に叩き付けられる。
「っーー!」
にとりは背中に激痛を感じながら起き上がる。一方、ジンオウガはうなり声を上げながら、椛を見た。
「に、にとり……!」
椛は起き上がりながら、にとりの名を呼ぶ。にとりは背中に激痛を感じながらまだ倒れている。
「グルル!」
そして、ジンオウガは椛を見ながら椛の下へと歩き出そうとしている。
「グ!?」
しかし、一歩、一歩
空には何もないが、突然、両端がピンク色のリボンのようになっている濃いピンク色の綴じ目が現れた。
「グルル!!」
ジンオウガは綴じ目を獣に近い唸り声を上げながら
一方の椛と、やっとの思いで起き上がるにとりも空を見上げる。そして、椛とにとりの二人は驚愕する。
「あーーあれは!?」
にとりは綴じ目を指差す。そして、綴じ目がチャックのように開く。綴じ目の中は漆黒の闇の亜空間に、ありとあらゆる生き物を精神的に追い込むように、不気味に見つめてくる無数の眼となっている。しかし、それは綴じ目の中の背景に過ぎず、只の威嚇にしか過ぎない。
それは、そこにいて、住処に近い者にとって……。
そして、綴じ目の中から一人の女性が出てくる。その女性は金髪ロングに毛先をリボンで束にし。
周囲を見渡す事が出来る紫の瞳。八卦の萃と太極図を描いた中華風の服。
リボンで捲いている白い帽子を被っているのと、白い日傘をさしていた。
女性は綴じ目から完全に出ると、綴じ目は自動で閉まり消えた。
女性はジンオウガを見て「フフッ」と笑う。だが、それは微笑んだつもりか、不気味さをも感じる笑みだった。
「グガアァーーツ!!」
ジンオウガはその女性に咆哮に近い威嚇をする。すると、今度はジンオウガの後ろの空、綴じ目の向かい側から、百五十あまりの少し大きめ桜の花弁が現れた。
「グル!?」
ジンオウガ、椛、にとりはその綴じ目を見た。女性は不敵に笑うも、全ての桜の花弁が人を造るかのように集まり、そして散った。
そこから別の、幼さの残る女性がいた。
その女性は首元まで掛かる薄ピンク色の髪に紅い瞳。桜花の模様があるドレスに近い水色の装束に、腹を蝶型ネクタイで結んでいるかのような紺色の帯を巻いていた。頭には薄透明のカーテンのような物が付いている水色の帽子を被り、死者が被る白い頭巾も付けている。手には、扇面には車輪が付いている
「おやおや?」
女性はジンオウガを見ながら
「グルル……!」
ジンオウガは、扇子を持っている女性と日傘を持っている女性を交互に睨む。
だが、二人の女性はジンオウガを見て不敵に笑う。
「さ、
「や、
だが、にとりは扇子を持っている女性、椛は日傘を持っている女性の名を口にする。
しかし、二人は驚愕しながら、だ。
そして、扇子を持っている女性の名は西行寺幽々子。亡霊。
日傘を持っている女性は八雲紫。スキマ妖怪。
どちらも椛やにとりよりも強く、親友同士でもある。
「グルル!!」
ジンオウガは、まだ威嚇している。
「あらあら、怒ってるみたいね?」
紫は頬を触りながら呆れる。
「そうみたいね、紫?」
幽々子は扇子を扇ぎながら微笑む。しかし、二人はジンオウガを見て驚くどころか、余裕を見せていた。まるで、ジンオウガの謎を知っているかのように。
幽々子は扇子を閉じると、扇子でジンオウガを指す。
「取り敢えず攻撃するわ、良いかしら紫?」
幽々子は紫を見る。紫は手で「どうぞ」と言うように振る。
「そうーークスッ」
幽々子は扇子を開く。すると、幽々子の後ろから、幽々子の扇子の扇面と同じような物が現れ、そして、幽々子の周りから百あまりの白い蝶の羽が付いている弾、蝶弾が現れる。
「グル!?」
「あっ!」
ジンオウガと、やっとの思いで立ち上がり、にとりに肩を貸している椛は目を見開く。
しかし、にとりも眼を見開いていた。
そして、幽々子は扇子をジンオウガにさしながら微笑む。
「華霊「ゴーストバタフライ」」
幽々子は言う。直後、白い蝶弾は離れるように広がり、全ての蝶弾はジンオウガ目掛けて突き進む。
「ガア……!!」
ジンオウガは避けるように逃げるも、時既に遅しで、殆どの蝶弾を受けてしまう。
当たらない方は地面か、互いにぶつかる形で直撃するも、そこには爆風が起きるも、辺りに広がる。
「あぁっ!!」
椛とにとりは爆風に怯むも、数秒も経たない内に爆風は消え、そこから人影が見える。
「グアッ!」
ジンオウガだ。だが、ジンオウガは膝をつきながら片手で胸を押さえていた。
服は汚れ、所々に穴があいている。
しかし、何故ジンオウガは、にとりの攻撃は何ともなかったのに、幽々子の攻撃には耐えられなかったのだろうか。
それは、にとりの攻撃よりも、幽々子の攻撃の方が強い上に、ジンオウガには二度の同じ攻撃には耐えられなかったからだ。
「グルル……」
ジンオウガは幽々子を睨む。が、幽々子の周りには、また百あまりの白い蝶弾が現れる。
「クスッ」
幽々子は扇子を扇ぎながら不敵に笑う。そして、またジンオウガを指す。
「華霊「スワローテイルバタフライ」♪」
幽々子は言うと、白い蝶弾は広がるように散る。
「グル!」
ジンオウガは激痛を堪えながら逃げるも、蝶弾は一カ所ではなく、散るように突き進んでいる為、逃げようにも蝶弾が邪魔をしていた。そして、殆どジンオウガに命中する。
「ガアッ!」
ジンオウガは倒れそうになるも、踏ん張る。
「あらあら? 頑張るのね?」
幽々子はジンオウガを見ながら扇子を閉じる。
「でも、それはあなたがーー確か」
幽々子は考え事をする。しかし、ジンオウガは膝を付く。
「ジンオウガ!?」
椛はジンオウガを気にかけて、ジンオウガの名を呼ぶ。しかし、ジンオウガは歯軋りをする。
諦めない、と思いながらふらつきながら立ち上がる。
「ジンオウガ……!」
にとりはジンオウガの名を呼ぶと。それを見ていた者がいた。紫だ。
紫は溜め息を吐きながら、幽々子を見る。幽々子は、まだ何かを考えていた。
「幽々子、雷狼竜よ?」
紫は呆れながら、幽々子に言う。幽々子は「そう?」と言いながら笑う。
「そうよ?」
「そうなの? うーーん」
幽々子は唸るも、紫を見ながら「えへっ」と言う。
「はぁ〜」
紫は呆れる。そして、ジンオウガを見た。ジンオウガは幽々子を睨んでいる。
「まあ良いわ、とどめを刺すわね?」
幽々子は扇子を掲げる。そして、幽々子の周りからさっきと同じ数の白い蝶弾が現れる。
「華れ……」
「グ!」
幽々子が何かを言おうとした時、ジンオウガはしめたと思いながら、手を幽々子に見せるように出すと、手のひらから蒼い稲妻を放っている弾を放った。
「え!?」
「!?」
幽々子は驚きのあまり目を見開くも、紫は慌てて手を軽く振り下ろす。
一方、ジンオウガが放った蒼い弾は幽々子目掛けて突き進む。
幽々子は避けるも、幽々子と蒼い弾の間から、紫が出てきた綴じ目が現れ、綴じ目が開く。
弾は綴じ目の中に突き進むように入っていった。
「ガッ!?」
ジンオウガは驚くが、綴じ目は閉まると消えた。
そして、ジンオウガの目の前に現れた。ジンオウガは眼の前を見るも、綴じ目は開き、中から、ジンオウガが放った蒼い弾がジンオウガ目掛けて突き進む。
そして、ジンオウガが驚く暇もないかのように、弾はジンオウガの腹に命中した。
「あぁっ!?」
椛とにとりは愕然する。一方、流石に耐えれなかったのか、ジンオウガは腹から煙を出しながら白目を向きそうになりながら、
ゆっくりと仰向けに倒れた。そして、そのまま、起き上がらなかった。
幽々子とにとりの使ったスペルカードは少し調べながら執筆しました。