「ここはどこだ....?」
俺は平凡なサラリーマンだったはずだ。仕事から帰った後、組めてないプラモを尻目に家の布団で寝たはず....
だと言うのに、目が覚めた場所は荘厳そうな建物の中。
「目覚めたようですね」
振り返ると、優しそうではあるが、豪華な服装からしていかにも神そうな男が突っ立っていた。俺はあまり異世界ファンタジー物には精通していないとはいえ、こいつは神で間違いないだろう。
「何気のない生活をしていた君を転生させることになってしまったのは非常に惜しいのですが、私のこれも仕事なんです.....」
「ん?転生?俺死んだの?」
「ええ、聞きたいことも多いでしょうし、歩きながら少し話しましょうか。」
俺は男について行きながら様々ことを質問した。なぜ俺は死んだのか。ここはどこで、貴方は誰か。と
「まず私ですが、神です。といっても創造神とかじゃなくて、生死を操ったりする方の神なんですがね........そしてここは私の家です。」
「次になぜ貴方が死んだのかですが、率直に言うと私の部下のやらかしを解決するためです。」
「部下のやらかし?」
そう言った俺に、神はその経緯を教えてくれた。
まず、彼の部下である天使の1人が誤って死ななくても良かった男性を1人死なせてしまったことから始まる。
そこでその天使が目の前の神に相談すれば良かった話だったのだが、なんと天使はその男性に転生する権利を与えてしまう。
「それじゃ、あるあるのチートなんかも与えちゃったの?」
「もちろんです」
さらに悪かったのは、その男性が元々存在するラノベの世界への転生を希望したことだ。
なんでも、俺のいたこの世界においては、人間によって作られたフィクションだとしても、二次創作含めて全て神が管理しているらしい。それは目の前の神の管轄ではなく、別にいる文学の神が管理しているのだとか。その管理している世界の中に、末端の天使といえど天界の力で作られた二次創作が発生してしまい、大問題となった。
しかもフィクションの世界にとっては、この世界の神々の力は大きすぎて人を転生させる以外は干渉ができないのだと。
「んで、その尻拭いを俺がしなきゃいけないと。」
「ええ.....申し訳ないのは重々承知しています。」
そういえば、もう家族や友人と会えないと思うと急に悲しくなってきた。
父さん、母さん死んでから元気なさそうだったけど大丈夫かな。
「ちなみに、俺が選ばれたのはなんでだ?」
「ああ、それですか。」
なんでも、魂というのは転生できる回数が決まっていて、人、動物、虫など様々なものに死んでは生まれ変わっていき、最後には消えてなくなるのだと。地獄もありはするそうだが、転生できる回数を減らしたり、次の転生への期間を空けるためのものだったりするそうだ。
「そしてあなたは次の転生が最後というわけで、最後ならいいでしょ、という感じです選ばれたわけです。」
「ははぁ......」
自分がもう転生できないと言われても、あまり実感は湧かないものだ。
そもそも、神々のことなんて生きている間は考えにも浮かばなかっただろう。
そうやって歩いていると着いたのは吸い込むような光を放つ大きな門の前。
神は俺に問いかけた。
「あなたが今から転生してもらうのは『ハイスクールDxD』という作品の世界です。ご存知ですか?」
いや、知らないと答えた直後にその作品の知識が頭にハッと浮かぶようになった。それに、急にわかるようになったからか、頭が痛い。
「少し強引でしたが、作品の知識を頭の中に詰め込みました。何か話してみてください。」
俺の頭の中に知識はしっかりと記憶されていたように、すらすらと口から言葉が出てきた。赤龍帝、兵藤一誠、神器.....読んでもないのに、知識は頭の中にあるのは不思議な気分だった。
「知識に関しては大丈夫そうですね。次に、その世界でして欲しいことなのですが.....簡潔に言うと、原作主人公とヒロインの誰かをくっつけてください。」
どうやら、当代の文学の神は二次創作に寛容だそうで、その神が出してきた条件がそれなのだそうだ。だが、俗にいうNTRとかは苦手だそうで、先に転生した男の能力というのが原作主人公に悪印象を持ったものを意識はそのままに操れる、というものらしい。そこで、そのストーリーをヒロイン1人との純愛モノにしたら生と死の神を許す、ということらしい。ハーレム好きの先代だとこうはいかない、と目の前の神は安堵していた。
「そして、転生させるからにはあなたにも何かしらを授けようと思うのですが.....」
そう言われたが、うまいこといい能力が思いつかない。
生きてる時好きなのってロボットアニメばっかだったし、うーむ.....あ。せっかくだったら俺の憧れの....
「だったら、鉄血のオルフェンズのガンダム・バルバトスになれる能力とか貰えますか?」
「他作品の力.....ちょっと文学の神に聞いてきますね。紅茶でも飲んで待っててください。」
そう言って渡された午後の紅茶を飲み終わる頃に、生死の神は帰ってきた。
「大丈夫らしいです。でも、あの力オーパーツすぎて直接渡すと世界壊れちゃうらしいんで修行でゲットできる感じにしましたが、大丈夫ですか?」
即座にYesと答えた俺に、少し神は驚いているようだ。しかしすぐに態度を戻し、俺に説明を始めた。
「わかりました。まずそのロボットの再現なのですが、あなた自身の魂にそのロボットに変身できるスキルを付けておきます。ですが、変身後は自由に姿を元に戻すのは難しいので、変身をキープするエネルギーが無くなったら勝手に切れます。」
さらに、変身するには肉体的な成長が必要とのこと。軽く期間を聞いてみると「短くて100年くらいでしょうか」と帰ってきた。そこは悪魔に転生させることでなんとかするらしい。ありがたい。
さらに、鉄血おなじみのナノラミネートは魔法とか魔力での遠距離攻撃無効として装備されているらしい。話の知識から推測するに、これ絶対強い。
「そのロボットの強化形態もあるっぽいんですが、そちらはその都度変身できるそうなので、安心してください。」
「ありがとうございます。これで俺は憧れの.....「あ、ちなみに原作開始の500年前に転生させるので、時間の問題とかは気にしないでくださいね。」あ、はい」
まぁ、俺は晴れてバルバトスになれるわけだ。1ガノタとして、こんなに嬉しいことはない....!!!
「そろそろ転生してもらいましょうか。すでに全ての準備はできてるので、あとはそこの門をくぐってもらうだけです。では、良き転生人生.....いや、悪魔生ですね。良き悪魔生を!!」
そう言って生死の神は門に歩く俺に手を振った。彼ともう少し話しているのも良かったが、俺は門の放つ光の奔流に飲み込まれながら意識を失った。
「オギャア、オギャア!!」
うーん、うるさい.....ってこれ俺の出してる声じゃん
「おめでとうございます、バルバトス様。元気な女の子ですよ!」
「あぁ、かわいいなぁ......ティアラ、ティアラ!俺たちの娘だよ!」
「えぇ、あなた.....大切に育てましょうね.....!」
、、、、、、俺、今世の性別女になってんのぉ!?