サンセットコープからウェスタングローに向かう途中。
「うげぇ………気持ちわりぃ…………」
『ブルームドロッパー』と呼ばれる道を通っている。
ここは特殊な磁場で魔法使い達の魔法を狂わせ、魔女が箒ごと落ちてきたからつけられた名前である。
しかし、今はそれの対策魔法が作られ箒が落ちるようなことはなくなったのだが………
「あのー。大丈夫ですか?」
「むり………………ぐへぇ……」
ダイスケにはその魔法が使うことができず、ただただ、重度の魔力酔いを引き起こしていた。
アウラさんはその魔法が使えるので気にならないようようだ。
「膝枕しましょうか?」
「いいの!?」
「はい。どうぞ」
「それでは、お言葉に甘えて………」
(うっひょー、アウラの太もも膝枕だー!サイコー。ほどよく筋肉もあって張りのある太ももに見上げるとルミナリスが誇る柔らかい霊峰が2つ……至福のサンドイッチ………サイコー…………あれ?おっも…………まって………息がっ…………あっ………逝くっ)
名残惜しいが至福のサンドイッチから頭を引き出す。
(死ぬかと思った………)
「………大丈夫ですか?」
「アウラさん、膝枕するのは辞めよう。危険すぎる」
「そうなんですか?」
「ああ、すごく危険だ……」
一瞬死んでもいいかなって思ってしまったのが非常に、本当に非常に危険。
「……にしても、なんなんだよコレ………ずっと頭がグラグラする………」
「これは『魔女避け石』と呼ばれる鉱石が発生させている特殊な磁場です…、簡単な魔法で防ぐことができるのですっかり忘れてました」モチモチ
「あー……どーにかならねえーかなー。」
ちなみに魔獣には関係ないらしい。
ずるくね?あー、なんか腹立ってきた。
「ずるいぞちくしょおおおおおおーーーー!!!………あー。少しスッキリしたー。ん?」
窓から身を乗り出して遠くの山に向かって叫ぶと遠くに煙が上がってるのがみえる。
「火事かー?」
「狼煙じゃないですか?」モチモチ
「救難信号じゃないですか?」
「助けに行くとか言わないですよねー。アウラさん。」
「助けに行きましょう。」
「嫌だ、あー、ムリムリ、絶対無理。キャバン通れないし。気持ち悪いから早く抜けたいし。絶対無理。」
「行きましょう。」
「嫌だ」
「困ってるはずです!」
「嫌だ」
「い、き、ま、す、よ、ね?」ガシッ
「…………はい。行くので、頭つかまないでもらえますか?さらなる外からの刺激は良くないと思います。」
ウルフパッカー達に指示を出して停車させ、ジャックに跨りクロを先行させて狼煙の上がっている場所に向かう。
「で、何が目的なんだ?淫乱女神様。」
「………気がついていたの?」
「アウラはこんなに胸を押し付けるようなことはしないし、アンタが出てから酔いが消えた。アウラにそれができるなら最初からやってる。」
「そうか………」
「というか。なんでこんなにアウラにこだわるんだ?」
「ふふふふっ、内緒……」
「……じゃあ出てきた目的は教えてくれよ。」
「簡単なこと。私が来ないとあなたが死ぬから。早くクロを戻しなさい。」
「????」
意味も分からないがとりあえずクロのサモンを解除する。
「どういうこと?」
「我々の世界に近いものを感じる。」
「……????」
「察しが悪いな。おそらく儀式が行われていた。そして成功してる。この地に神が降臨している。」
「????(は?神本人が何言ってんだ?)」
「私ではない。」
「じゃあこの道を進めば神がいる?」
「そうだ。このままではアウラが星の導きから外れてしまう。だから私が来た。」
「えっと、それって死ぬってこと?俺は?」
「……………………………」
(何か言ってくれよ)
「うっすっげー匂い」
「やはりお香が炊いてあるな」
「なんなんだよ…」
「儀式のためのものだ。それに、見えてきたぞ……!!!」
「あのー。女神さん。見えてきたぞとか言いながら目隠しするのやめてくれませんか?」
現在、女神に目隠しされていて動くに動けない。
「ジャック、引き返しなさい。」
「ワフッ」モフモフ
「なんで俺以外の言う事聞くんだよ。というか引き返すのかよ」
「不味いわね。」
「何が起きてんの?」
「まだ目をつむっていなさい。」
「はいはい。」
アストラリアが空に向かって魔法を飛ばした。
何故わかるかって?
そりゃ見たからさ…………次の瞬間、名状しがたいナニカ?が頭上を横切った。
「あっ」
「バカっ!まだ目をつむってなさいって言ったでしょう!!」
目の前が赤く染まり目が焼けるように痛い。
「ぎゃああああああああああああ!!!!」
「あーもう。じっとしてなさい!!」
女神の腕力でキャラバンに投げ込まれたあと。
回復魔法による治療が行なわれた。
「大丈夫?私が誰かわかる?」
「なんなんだよクソ女神。ふざけんなよ先に説明しろや!」
パシンッ
思いっきりひっぱたくなよ。いたいじゃん。
「すんません痛いです。」
「思ったより。元気そうね。」
「アウラ?何があったの?」モチモチ
「淫魔の小娘よ。私はアストラリアよ。ちょっと邪神が降臨したから彼女の体を借りているの。」
「「「はぁ?」」」モチモチ
「今はそんなことはどうでもいいのよ。それより、あの邪神がウェスタングローに向かってしまったわ。」
「邪神邪神言ってるけど名前あるのかよ。」
「『秩序の破壊者』『メモリーイーター』『みえざるもの』『邪神ヴォルザラク』。好きに呼べばいい。問題はヤツの主食は記憶ということよ」
「つまりどういうこと?」
「ウェスタングローが壊滅するのは当然としてそのまま通り過ぎて隣の国に行ってくれるか、王都を目指すか、それとも満足して帰ってくれるかどうか。先ほど『ウォルザラク復活』と『ウェスタングロー陥落』の星の導きを送りました。…………………受け取れるものがいるかわかりませんが。あとは信者が対応してくれるでしょう。エステラ、シルヴァーナ」
「はいっ!?」
「え?私?」
「胸を持ち上げてちょうだい。肩が凝るわ。」
「はいっ…」モチモチ
「え、いやなんだけど」モチモチ
「やりなさい」ギロリッ
「………はい。」モチモチ
エステラとシルヴァーナが歯ぎしりしながらアストラリアの懐に入る。
「もう一日はここにいたほうがいいわ。ヴァルピオン。お茶を入れて。」
「はい。」モチモチ
「ふぅ………休憩よ」
(馴染んでるな………)
「アウラさんはどうしてるんですか?」モチモチ
「私のなかでウェスタングローへ急ぐように騒いでいるわ。でももう手遅れ。奴は人の記憶に住み着き人の記憶を捕食する。記憶を捕食されたものは廃人になる。私の力ではどうすることもできないわ。」
ヴァルピオンの出したお茶を優雅に飲み始めるアストラリア。
「じゃあなんで俺は食われなかったんだ?」
「あなたは目の前にステーキがあるのに、わざわざ番犬に守られた骨を取りに行くかしら?」
「物覚えが悪くて助かったわけですね」モチモチ
「なんともいえねー」
「たまたま助かった命だ。大切にするんだよ。」
「あん?俺はなぁ。助けられるかもしれねえ命を前にして待ってられるほど合理的に考えられる頭を持ち合わせてねえんだよ!!!」
キャラバンがウェスタングローに向けて走り出す。
「…………馬鹿なの?」
「ウルセー、クソ女神!」
ダイスケはタオルを目に巻き視界を遮る。
「それで見えるの?」モチモチ
「みえねー。」
「馬鹿なの?」モチモチ
「馬鹿でしょ」モチモチ
「馬鹿なのね………」
「見えなくても助けに行くんだよコノヤロー!!」
さっきの出来事でわかったことがある。
少なくともウルフパッカー(ジャック)は目が焼かれなかったということ。
それならば自分が使役しているウルフパッカー達を使って生き残りを助けられるかもしれない。
そうすれば……うん、まあ、なんやかんやで目標の国家魔法騎士団に入ることもできるだろう。いけるいける。
命を削って実績積み上げていけ。
そんな下心マシマシ、理性少なめ、正義心多めなダイスケの行動を止めるものは誰もいなかった。
「ははっ、すげえな、近づくだけで酔いより気分悪くなるほど空気が重いぜ。ついでにガキどもの泣き声の大合唱も聞こえてきたな。」
「まだ目隠しを外すなよ。もう窓の外から見えるほどの距離まで近づいている。」
ありがとうクソ女神。危うく外すところだったぜ。
巨大な何かの破壊活動と悲鳴、そして子供の泣き声が聞こえてくる。
「でも、近づいてきてるな。停車だーわんこ共!!」
ウルフパッカー達を停車したキャラバンから外す。
「お前ら!まだ生きてる人間をひたすら連れてこい!」
「「「ワン!!」」」モフモフ
「ダイスケ、王都から戦闘部隊と救助部隊、封印部隊が接近中だ避難先は東側にした方がい。」
「………というわけだ。行ってこい!」
「「「ワン」」」モフモフ
「ジャック、クロ。お前ら2人も頼む。」
散らばっていくわんこたちの足音
「で、私たちは何すればいいのよ?」モチモチ
「アイツを家に叩き戻す、というか何でお前らは見ても平気なんだよ」
「私は邪の者だし」モチモチ
「私は天使ですし」モチモチ
「実は我も天の使いに近いのじゃ」モチモチ
「「ドラゴンには効果が薄いので」」モチモチ
「んじゃ戦えんの?」
「「「無理無理無理無」」」モチモチ
「そう言ってはおられんぞ。奴も王都からの部隊に気がついた。避難先に奴が侵攻するぞ。」
「じゃあ誰かが気をそらさないといけないわけだよな。」
………数秒の沈黙。
「やってやろうじゃねえか!!!」
「「「イヤイヤイヤイヤ」」」モチモチ
「無理だから。」モチモチ
「うるせぇ!やるぞこの野郎!!」
「はぁ、仕方ない。視力だけは確保しておいてやろう」
うぉっまぶしっ
目隠ししてるのにダイスケの視界は光りに包まれた。
「これ以上の手助けは角が立つ。あとはお前に任せるよ。あと、貴様らもダイスケに従うように。」
「サンキュークソ女神。」
ダイスケは目隠しを外してヴォルザラクを確認する。
「………ぼやけててハッキリ見えねえけど、とりあえず相手の場所がわかればいい。クローチェ、ヴァルピオン。2人は遊撃。ソラリスは念話通信。ソラリスはオレの背中、シルヴァーナはオレの頭の上だ。」
「「私たちだけ罰ゲームじゃない?」」モチモチ
「大丈夫だ、俺の攻撃よりドラゴンの攻撃のほうが気が引けるだろ?」
「もちろんです。」モチモチ
「任せてください」モチモチ
「んじゃ解散!」
天高く舞い上がる二龍と一スフィンクス
巨大なヴォルザラクの攻撃を避けるには広い範囲をカバーする必要がある。そのためにも召喚士がある程度戦場の近くにいる必要がある。
「っしゃあ!!」
ダイスケも空高く飛び立ち戦場に赴く。
怖いとか言ってられない。
邪神は建物を次々と破壊し大人を見つけては触手で頭を飲み込み記憶を捕食していく。
「ふざけんなこのクソ邪神がよぉ!!!」
ダイスケの『カツ・烈・弾』が邪神の胸?に炸裂するが効いてないようだ。
「ワォオオオオン」モフモフ
ジャックの遠吠えが鳴り響くと。
ヴォルザラクを囲うように地面から巨大なプレートが生えて奴を閉じ込める。
おそらくドラゴン達の力だろう
『今のうちだは全員早く逃げろ!』
ダイスケの声がウェスタングローの住民の脳裏に響き渡る。
『絶対に振り返るなよ!』
隠れていた住民たちが建物から出て我先にと走り出す。
思ったより生き残っている人が多い、俺たちは結構早く到着できていたようだ。
人の流れを邪魔しないようにウルフパッカー達は屋根を伝って動けない人達を救助していく。
「よし、結構たすけられ………おまえか
おまえがじゃまをするのか
「っべー、バレた。」
「ぎゃああああああああああああ」モチモチ
シルヴァーナの翼を触手が貫く。
ダイスケはそれを見てシルヴァーナのサモンを解除する。
「ちっ。エステラ!オレを捨てて構えろ!その後は空から人を救助しろ!」
「え?」モチモチ
「いいから!」
「わかった!」モチモチ
エステラはダイスケを離して盾を構え、触手攻撃を受け流す。
「よーし!次は俺だ!」
自由落下するダイスケを狙って無数の触手が伸びてくる。
「『マジ・ボンバー』!!!」
それらを爆発の衝撃でなんとか迎撃する。
よく見るとプレートの蓋が少し破壊されヴォルザラクが触手だけ出せているようだ。
「……………」
『絶対に無理するでないぞ』
「やってやろうじゃねえか!!!」
ダイスケは『マジ・ボンバー』を用いて自身を弾き。
その穴に向かって突き進む。
大小様々な爆発で触手をしのぎ、邪神とタイマンバトルのリングに上がることとなった。
後に彼はこの当時のことを
「その日、この出来事の前に刺激的な体験をしていたおかげで変なスイッチが入ってましたね。はい。今なら考えれません。………刺激的な出来事の内容ですか?……それは……ちょっと言えません。内緒です。ただその、幸せと死の等価交換とだけ」
死のデスマッチリングに突入したダイスケは輪郭がぼやける相手の頭部?と思われる場所に特大の『マジ・ボンバー』をお見舞いする。
その衝撃で吹き飛ばされるとそびえ立っているプレートの内側に足を着き、『カツ・烈・弾』を発射してから自分も次の攻撃に移る。それを何度も何度も何度も繰り返し。
『マジ・連・弾』
よく分からない技名もつけてみた。
多分ドラゴンも狩れる。
狭い箱のなかで何度も衝撃を受け続けたヴォルザラクはその姿もヨレヨレになっていた。
「早く家に帰れってんだ!」
そのていどか
身体に感じる浮遊感が消え地面に落ちる。
ドラゴンの加護がなければグチャグチャになっていただろう。
空気が物理的に重い。
(やっべぇ………)
次の瞬間、ダイスケがいた地面がガクンと下に移動しはじめる。
「クローチェか。」
『時間稼ぎ成功なのじゃ。』
「おっけー、あとは…………にがずものか
「ゴファッ」
大量の血が胸から流れ出る。
どうやら触手に貫かれたらしい。
(ヤベェ、今意識を失ったら確実に失敗する。)
「感謝するぜクソ邪神、てめえが痛みなく貫いてたらとっくに意識が持ってかれてたところだぜ。おいクソ女神」
『なに?』
「痛みが足りねえ。目の加護を解除しろ」
『はぁ?あなた死ぬ気?』
「大丈夫だ。たぶん何とかなる。」
『……そう、あとから文句言わないでよ』
目の加護を解除され、目の前にある触手から邪神『ヴォルザラク』を視認する。
「いってえええええええええ!!!」
叫び声とともに外へと運び出される。
「救護、彼に回復魔法を!!」
「封印部隊陣形を保て!」
「攻撃部隊は触手を切り払え!」
「彼の召喚獣が本体を拘束している間に何としても封印を完了するんだ!!」
(なんだ、思ったより早いじゃん。)
そんなことを考えつつ、なんとか意識をとどめて立ち上がる。
「あとどれぐらいかかる?」
「は?」
「あおふういんまてどれくらいかかる?」
「今の状態ですと場所の固定に十分ほど。」
「おっけー、なんとかたえるわ」
「よく耐えたねダイスケ。ここからは僕の仕事だよ。」
知らない声に知ってる声が混じってきた。
「るーく!」
「いやぁ。最近大物を切れてなくてね。飽き飽きしてたところなんだ。」
「おまえ、あいてかみだぞムリすんなよ」
「誰に向かって言ってるのさ。君はもう君は休んでいいよ」
「そっか……あとはたのんだ。」
ダイスケの意識はそこで途切れた。
・
・
・
ダイスケはウェスタングローの病院で目を覚ました。
「うぉっまぶしっ」
視界良好。胸の穴も塞がってる。アウラさんも病室の椅子に座って寝ているようだ。
「ダイスケさーん。点滴の時間でーす」
「あ、どうもナースさん」
「みなさーん!!ダイスケさんが目をさまされました!」
騒ぎ立てるナースの声にアウラも目を覚まし、ゾロゾロと人が入ってきた。
「よかったぁあぁ!!」
抱きつくアウラとそれを見るなんか偉そうな服を着ている方々。
「えっと……なんすか?」
「とりあえず、街を救ってくれてありがとう。」
「え、あ、はい。どういたしまして。」
知らんきれいな服を着た老紳士に両手で握手される。
あとから知った話だがこの人がウェスタングローを治める貴族らしい。
「それで、君が天使なのかい?」
鎧を着た騎士の男が質問する。
「違います」
「だよね。今回の戦闘で君が飛んでいるのをみた住民たちが口をそろえて『大きな天使が三人の天使を従えて助けてくれた』と口をそろえて言うんだよね。『獣を操る天啓で救ってくれた』ともね。」
「あっ、」
「思い当たる節があるようだね。」
「俺っすね。」
3人の天使(スフィンクスとドラゴン)を従えるデカい天使が俺ね。
んで、操られる獣はクロとジャック達と……。
「そして、先日、王都に現れた天使の件なんだが……」
嫌な汗が背中を伝う。
「知らないっすね。確かオレは王都を出発したあとの話じゃないっすか?」
「ははははっ。アウレリア。いい男を見つけたじゃないか」
「アルドリックおじ様。あまりダイスケをいじめないでください。」
「知り合いなの?」
「将軍のアルドリック・オーロライトさんです。」
「しょーぐん?」
「えっとルミナリス軍部で王様の次に偉い人です」
「ほへー…………………あの、死刑は勘弁してください。」
「ゴドリックには我々も何もできずに困ってたんだ。我々も天使の神託だとして色々働きかけることができて助かったよ。」
「よかった………」
「君が『国立魔法騎士団』に入りたいという話を聞いているよ。1ヶ月後に入団試験がある。本来なら君には受験資格すらない状態なのだが…私が何とかしておこう。君は万全な状態にして会場にきたまえ」
「ありがとうございます。」
市長と将軍が部屋を出て行ったあと。
ダイスケは気になって窓から外を見る。
クローチェたちが作った巨大な岩のプレートはまだ残っており、特殊な目隠し帽子をした兵士たちが封印作業や復旧作業を続けている。
「ヴォルザラク完全封印まで数日ほどで終わるそうです。。」
「へー。そんなにかかるんだ……」
「何言ってるんですか?完全顕現した神を数日で封じ込めるんですよ?全てダイスケさんが頑張ったからじゃないですか。」
「そうななんだ。」
「私が気を失っている間によく頑張りましたね」
「まあね。流石に何もかもを救うってことはできなかったけど………やっぱりこの重苦しい空気無理だわ。早く王都向かおう。もう俺たちにやれることねえし」
「そうですね。」
アウラさんなら封印作業に参加することができるかもしれないが、立場上、出張ると面倒なことになりかねない。
お世話になった人たちに挨拶をしてから兵士たちが回収してくれていたキャラバンに乗り込み召喚獣たちを召喚し王都に向かい始める。
「みんなありがとう。」
「神に喧嘩売るのは二度とごめんだわ」モチモチ
「そんなこと言わないでくれよシルヴァーナ。」
「で、何か良いものもらえたんでしょうね。」モチモチ
「おかげで国立魔法騎士団の入団試験を受けられそうだよ。あと、市長から王都にある高級ホテルの無料券もらえた。」
「食事は?」モチモチ
「ホテル内のレストラン」
「エステは?」モチモチ
「もちろん受けられるよ」
「めっちゃいいじゃない!!」モチモチ
「まあ、お前らは召喚できないけどね」
「「「あー……」」」モチモチ
各々作業を止めて話に聞き耳を立てていた各部屋からため息が聞こえる。
仕方ないだろ。お前らの種族の危険度が高すぎるんだよ。
「お持ち帰りできる食べ物買って帰りますので皆さんも楽しめるかと。」
「ありがとうアウラ。」モチモチ
『国立魔法騎士団』の入団試験
どんな試練が待ち受けているのだろうか。