抜けてる召喚士とモチモチ召喚獣   作:ルルーラ・ランドー

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2話

人食い植物(モンスタープラント)』のリーさん。

我々チームの最高戦力であり。

我々チームのピラミッドの最上位に位置している番長である。

 

「カツ!アイツを追いかけろ!」

「ぷぎっ」モチモチ

 

カツがターゲットを見つけ追いかける。

 

「モッチ!」モチモチ

「リーさん!そっちにいきました!」

 

モッチが壁を作り誘導する。

 

「りりぃ!!」モチモチ

 

リーさんのツタをムチのように使った一撃がアクセルボアを気絶させる。

 

「リーさんナイス!『キャプチャー』」

「ブギー……」

 

このようにして畑を荒らすアクセルボアを捕まえては売って金にし、生計を立てている。

 

「リーさん。コイツは今日の分だよ。」

「リーリー♡」モチモチ

 

捕食するリーさんにももう慣れた。

我々のパーティーは斥候のカツ、誘導のモッチ、戦闘のリーの三位一体の構成となっている。

もうファスター平原に出る魔獣に負ける気がしない。

それぐらいの安定感のある仕事ができるようになった。

 

「Dランク昇級おめでとうございます!」

「ありがとうございます」

 

成長するのが早いって?

 

「Dランク昇級までにかかった期間は173日です!ギルドの最長記録更新です。頑張りましたね!」

 

今日もソフィアさんはキレッキレである。

 

「ちなみに私は結構時間が掛かるほうでDランクまでに3カ月も掛かって何度も当時の受付に『才能がない』『実家に帰って花嫁修業しろ』『娼婦やったほうが稼げる』って言われ続けてたんですけど。ダイスケさんはめげずに頑張りましたね!」

 

さり気なくソフィアさんの闇が垣間見れた気がする…、

 

「いやぁ、俺ほどの才能があれば余裕です。」

「では、改めて確認なんですが、ギルドに未報告の達成済みの依頼が複数ある件なのですが……」

「本当に申し訳ございませんでしたぁ!」

 

流れるように土下座するとその頭にソフィアさんは踵を乗せる。

 

「はぁ?お前舐めてんの?」グリグリグリグリ

「ずびまぜん……」メリメリメリメリ

「ちなみにこの悪癖がなければ数カ月早くDランクになれてるんの……ついでに私の残業も半分以下になるわけ……。意味わかるよなぁ?」グリグリグリグリ

「本当に申し訳ございません!」メリメリメリメリ

「もういいわ……。Dランクからはパーティー組む前提になるから。他の人に報告してもらうから。顔を上げなさい。」

 

解放されて立ち上がると履歴書?みたいなものを渡される。

 

「そこに貴方が使えるスキルや魔法、召喚獣を書いてください。パーティーのマッチングに使います。」

「はい、わかりました!」

「分からないことがあったら、私以外の分かりそうな人に聞いてください。私は貴方が報告してなかった依頼の処理に忙しいので。」

「イェスマム!」

 

ソフィア女史は忙しそうなのでヴァレリア先生に分からないことは聞いて書類を作成して提出した。

そろそろ殺されそうなのでふざけ一切無しの真面目な書類なので何か言われることはないと思う。思いたい。大丈夫だよな?

 

「ダイスケさん。後衛職に空きがあって貴方でも大丈夫そうなパーティーがあるのでリーダーの方に話しておきました。パーティー名は『剣の誓い(ブレードオース)』、丁度、ギルドにいるのでお話ししてきてください。」

「イェスマム!」

 

ソフィアさんに言われて『剣の誓い』を探す。

 

「おーいこっちー!」

 

呼ばれた方を見ると騎士らしき女性がこっちに手を振っていた。

 

「私はエレナ・ドーンガード。Aランクの騎士をしている。ようこそ『剣の誓い』へ。」

「よろしくお願いします!Dランクの召喚士のダイスケです!」

「こっちのAランクのアリア・ルーンフィールドは魔法剣士で、そこにいるバカがCランクのルーク・ド・モントローズ、剣士でパーティーのリーダーだ」

「よろしく」

 

席に座るアリアは軽く返事を返すがルークはパンツ姿で座っていた。

 

「よろしく。ふふっ、今日は寒いね」

「そろそろ冬ですからねー」

「そこのバカは賭けに負けて身ぐるみ剥がされたんだ。」

「へー。」

「剣は預かっておいて正解だったわね。」

「そうだな。」

 

大丈夫か?そんな奴がリーダーで……

 

「君は剣に興味ないかい?」

「ないわけじゃないけど、俺でも扱えるのかな?」

「大丈夫。アリアも元々は魔法使いだったんだけど僕が教えたら魔法剣士になれたのさ。」

「コイツは剣術バカでもあるんだ。誰にでも剣術を教えて剣士にしようとしたがるんだ。嫌なら無視してもいい。」

「ふふふふっ、まずは剣だ。話しはそれからだ」

「先に服屋だろバカ、話はそれからだろ!」

 

ルークは貴族の生まれらしく服屋では家に請求が行くらしい。

そして、彼が服を買っている間になぜ彼がリーダーなのかを聞いたら返ってきた答えは『ルークの父親の指示』なんだそう。

ドーンガード家とルーンフィールド家はモントローズ家の元で働いている家系らしい。両手に花とは羨ましいやつだ。

 

「じゃあ、剣を選びに行こう。君は召喚士なんだよね。それなら エルドリック・ブレイドハウス製の魔法剣士用の一振りがいいだろう。」

「おい、ルーク、ダイスケを引っ張るな!まだ入ると決まったわけじゃないだろう」

「いや、ダイスケはこのパーティーに入るよ。僕と同じようにソフィアさんに調教された奴が青筋が出ているソフィアさんに手を煩わすようなことは極力避けるはずだ。あの状態で紹介されたが最後、答えは『YES』か『はい』だ。」

「話が早くて助かる。ついでに金もねえ」

「金のことなど気にするな。『エルドリック・ブレイドハウス製魔法剣士用ソード』ならば何振りも持っている。一振り君にあげよう。」

「あざーっす」

 

いつの間にか用意されていた剣を渡される。

 

「さあ、剣を交えよう。」

「おう!」

「エレナ、今回の人はノリが良くていいかもね」

「…………はぁ、ダイスケ、お前もそっち側なのか…」

 

ギルドの修練場で木刀でのルークとの手合わせが始まった。

 

「何処からでもきたまえ」

「っしゃぁ!」

 

容赦なくぶん殴る。

が、全て捌かれる。

 

「すげぇ。」

「ふむふむ。悪くない。ではそろそろコチラからもいこうか!」

「やっべ、」

 

咄嗟に剣で受けようとするが間に合わずボコボコにされた。

いてぇ。

 

「ダイスケ!君は筋がいい。何故君は剣士にならなかったんだい?」

「嘘つけよ。ソッチ無傷でコッチはボロボロじゃねえか。」

「いや、ダイスケ。君はすごいよ。僕の剣術を剣で受けようとしたじゃないか。初めて剣を振るう人間ならそもそも受けようとすらできないはずだ。」

「はぁ?そりゃ、ガードするに決まってるだろ?」

「いや、ダイスケ。ルークの言っていることは正しい。ギルドの適職診断はユニークスキルを持っている場合それに引っ張られることが多い。もしかしたら君には剣士系の適性もあったんじゃないか?」

 

え?もしかして隠された才能が発見的なやつですか?

 

「…………いや、どう考えても前衛職無理だろ?」

「確かに」

「そうだね」

「うーん残念。才能あるのに。」

「でも、自衛手段として剣術覚えるのはいいかも。」

「そうだ!剣術は良いものだ!」

 

「我々を気に入ってくれたら最初に一度だけクエストに同行してそれから決めてくれ。」

 

それでそれで……

『剣の誓い』の仕事に同行することになった。

 

目標:『永遠の葉の冠』の納品

場所:影の森

報酬:50000G

 

「たっけぇ!」

 

ちなみに宿の宿泊費が100G、アクセルボアの納品は1匹50Gである。(俺の場合45G)

アクセルボア討伐の依頼が一回200Gなのですごい値段である。

流石はパーティー単位で受けられるようになるクエストだ……

 

「行くよダイスケくん。」

「そうだな。『サモン』」

「ぷぎっ」モチモチ

「この子が君の召喚獣なのか?何だか可愛らしいな」

「俺の召喚獣はなんかモチモチになるんです。」

「この子は何ができるの?」

「主に魔獣の探知ですね。あと走るのが速いです。」

「この見た目で?」

「この見た目で……一応アクセルボアなので。」

「「「アクセルボア!?」」」

「ええ、アクセルボアなんです」

「ぷごっ」モチモチ

 

このパーティー内での自分の役割はサポーターである。

エレナさんがタンクでアリアさんが一応後衛のアタッカー兼ヒーラー。ルークさんが前衛のアタッカーになる。

歪なパーティーだが、これでなんとかなるらしい。

カツを先頭に歩みを進める一行。

我々はファスター平原を超えて『影の森』に向かっていた。

 

『永遠の葉の冠』は『影の森』にある植物の俗称で『クラウンリリー』という花が枯れたときのがくの部分で万病を治し寿命を延ばす治す薬になると言われている。その効能の高さから作られた薬は『エルフの遺産』と言われている。

 

流石はAランクが2人いるパーティーの受ける依頼だ。

次元が違う。

 

「この間までとの難易度の温度差で風邪ひきそう。」

「ならば『エルフの遺産』で治すといい」

「「アハハハハハハハ!!」」

「………………」

「エレナ、防音魔法必要?」

「いや、私がそれはさすがに困るだろう。ルークと話の合うバカがもう一人出てくるとは思わなかっただけだ。」

「そう。私はとても面白いと思う。」

「……………………はぁ……」

 

問題児がここにもいた。

アリアは超マイペースなのである。

これまで加わったパーティーメンバーは全てこの2人のわがままに耐えきれずに辞めていったのでダイスケには頑張ってほしいと思っていたが、既に彼もエレナの頭痛の種になっていた。

『影の森』に入ってすぐ、カツが立ち止まる。

 

「ぷぎぃっ!」

「敵だ」

「ぶきぃい!」

「周りに3匹。足音的には四足歩行だ。」

「そこまでわかれば十分だ。後は任せてくれ」

 

エレナさんが自分の近くで盾を構えるとアリアさんが剣を抜き構える。

 

(ワンチャン『キャプチャー』できないかな?)

「お前は抜かないのか?」

「僕は剣士だ、剣を振るわぬ獣に剣を抜く気はない。」

 

足音が大きくなると緊張が走る。

現れたのは『シャドウウルフ』、狼型の魔獣である。

群で狩りをする習性があり3匹で襲ってきた。

 

「来るぞ!構えろ!『ウォークライ』」

 

エレナの『ウォークライ』でバフがかかる。

 

「まったく、そんなの必要ないよ」

 

近くにいて武器を抜いてないルークに目標を定めた『シャドウウルフ』たちは彼を囲い襲いかかった。

そして、『シャドウウルフ』たちは一瞬で吹き飛ばされた。

 

「は?」

 

ルークは鞘から抜かない剣で殴りつけたのである。

森の木に叩きつけられた『シャドウウルフ』は事切れていた。

 

「さぁ進もう。」

 

「な?ルークが一番強いだろ?」

「なんでCランクなんですか?」

「Cランクからは簡単な昇級に筆記テストがあるんだ」

「あっ……(察し)」

「お前は大丈夫だよな?」ジトー

「善処します。」(やべぇよやべぇよ。)

 

嫌なこと聞いた。

 

「何をしている。早くさっきのアクセルボアを出せ。」

「ああ、『サモン』!カツ、先導を頼む」

「ぷぎっ」モチモチ

 

このあと、何度か森の魔獣に襲われたが全てルークが撲殺してくれた。

 

(ルーク強すぎないか?)

 

ズボッ

 

「…………助けてくれないか?」

「バカっ。明らかにカツが落とし穴に気がついて避けていただろうが!」

 

なぜかルークは頭から落とし穴に落ちていた。

 

「ルークはなんでCランクになれたんですか?」

「リーダー権限があるCランクになれるように私とイザベラ教官でみっちり鍛えたんだ。」

「…………」

「お前は大丈夫だよな?」

「ガンバリマス」

「二人とも手伝ってよ。」

 

なんとか3人でルークを引っ張り出す。

 

「ありがとう。」

「よし、進むぞ。」

 

数分後、

 

ズボッ

 

「………助けてくれー」

「なんでお前も落ちるんだよ!!」

「ふふふっ、やはり落とし穴に落ちるのはよくあることだよ。」

「ぷぎぃ……」

 

俺も落とし穴に落ちた。

カツも呆れている。

 

その後、何度か自然の罠の餌食になったが、なんとか『クラウンリリー』の群生地を見つけた。

 

「ダイスケ、帰ったら少し話がある……」

「はい……」

 

『永遠の葉の冠』を採取して終わりである……が、それで終わりならAランクの冒険者が必要なクエストになるわけがない。

 

「ぷぎっ!」モチモチ

 

カツが何かの危険を感じたらしくエレナさんの後ろに隠れる。

頭の良いやつだ、俺もそうする。

 

「なんかヤベェやつが近くにいます!『サモン』モッチ!リーさん!周りを警戒しろ!」

「わかった。みんな警戒しろ。」

 

何かが樹上を俊敏に飛び回るのが俺でもわかる。

「……………!!」

 

ルークが無言で剣に手を伸ばす。

どうやら今度は剣を抜く気らしい。

 

そして、目の前に降りてきた。

 

「貴様ら何をしに来た……」

 

黒い炎に身体を焼かれる男が話しかけてきた。

 

「初にお目にかかる、私は……「『薬草』の採取さ!」……おい、ルーク!」

「貴様らも『永遠の葉の冠』を採りに来たのだな?」

「そうだ!」

「そうか、貴様らもか………ならば仕方ない……」

 

目の前の焼かれる男は剣を抜く。

 

「貴様らをクラウンリリーの肥料にしてくれるわ!」

 

ボス『影に焼かれる剣士』との戦闘が始まった。

と言ってもルークが笑いながら突っ込んでいったので我々はボスギミックが相手である。

十匹の『シャドウウルフ』が現れたのだ。

 

「グルルルルッ」

「ヒィっ!?」

「私達もA級冒険者だ。少し分が悪いが……なんとかなるだろう。」

 

2人が剣を抜き武器を構えるので、自分も震える手で剣を抜く。

 

「お、お前ら頼むぜ……」

「モッチ!」

「リー!」

 

カツはいざという時の逃走用にしまってある。

 

「ガウッ!」

 

一匹が飛びかかってきたところで戦闘スタートである。

続くように何匹も飛びかかってきた。

最初の一匹を盾で受け止めたエレナさんはソイツを地面に叩き落し、次に来た二匹目を剣で払いのける。

アリアさんは軽い身のこなしで躱し剣での斬撃を食らわせて

 

「『ウォークライ』!」

「『アクアスラッシュ』!」

 

バフ付きの水の斬撃を飛ばして追撃して倒した。

 

「モッチ!」モチモチ

「リーリー」モチモチ

 

我らが召喚獣たちはエレナさんが払い除けた『シャドウウルフ』の一匹をリーさんの触手とモッチの体で逃さないようにして、一匹を無力化した。倒すのには時間がかかるかもしれないが今の自分らでは十分の成果である。

 

「よーしナイスだ!」

「でかしたダイスケ!」

 

残るは八匹である。

 

次に『シャドウウルフ』は五匹が同時にエリナさんに襲いかかり、二匹がアリアさんに、そして一匹が俺に襲いかかってきた。

 

「くっ、『パワーアウェイク』!すまん!頑張ってくれ!」

「『プロテクション』!」

 

二人からのバフも受けっとった。

一匹は『召喚士』の俺が一人で倒さないといけない。

 

「うぉおおおぉ!!!」

 

剣を構えて突っ込んできた『シャドウウルフ』と対峙する。

相手が大きく飛び上がったタイミングで

 

「『サモン』!」

 

カツの超速タックルが脇腹に叩き込まれるて体勢を崩す。

 

「どりゃああああ!」

 

何度も斬りつけるが皮膚が硬く刃が通らない。

 

「ちくしょぉおおおお!」

 

態勢を立て直した奴が少し間を開けて突っ込んできた。

 

「うわぁあああああ!」

 

刃を大きく開けた口の中に上手く入れる。

外皮がダメなら中からやるしかない。

 

ザシュッ

 

シャドウの突進も加わり、素人同然のダイスケの刃が固い皮膚についに切れ目を入れる。

 

「どりゃああ!!『キャプチャー』!!」

 

そのまま口を開くように切り開く。

刃先が心臓に到着したとき、『シャドウウルフ』が光になって消える。契約成立である。

 

「『サモン』!」

「わふっ」モフモフ

「エレナさんを助けろ!」

「わふっ!」

 

黒い塊?のようなモフモフした何かがエレナさんを囲うシャドウウルフの一匹に襲いかかった。

 

(黒い狼かと思ったら黒いサモエドじゃね?犬種変わってんじゃん……)

「………ああ、でも、もうダメだぁ……」

 

先ほど、剣の刃を通すために極限まで引き付けたため、奴の爪が俺の腹部に刺さっていた。血がドクドクと流れ出る。

 

「くっそぉ……止まんねぇ。アイツは……」

 

掠れる目で状況を確認する。

ルークは『影に焼かれる剣士』を既に倒してこっちに駆け寄ってきていた。

 

(早くない?)

「おい、大丈夫かい?」

「メッチャ痛え」

「二人とも何に苦戦してるんだ…」

 

ルークはアリアと戦っていた2匹のシャドウウルフの首を切り飛ばす。

 

「アリア、ダイスケ君を助けるんだ。」

「わかった。」

 

残りのシャドウウルフもルークが斬り伏せてしまった。

 

「助かったよルーク」

「まったく。この程度の奴らに時間をかけないでおくれよ。ダイスケが死にかけてしまったじゃないか。」

「あのな、ルーク。人類のほとんどはお前ほど強くないんだ!」

「はははは。冗談だろう」

 

ケタケタと笑うルークは剣についた血を払い手入れをする。

 

「死ぬかと思った」

「私のバフがなければ即死だった」

「ありがとう。」

 

アリアさんの応急処置でなんとか一命を取り留めた。

 

「わふっ」モフモフ

「で、コイツは何なんだ?こんな召喚獣を君は隠していたのか?」

「何言ってるんだエレナ、コイツはどう見ても『シャドウウルフ』だろ?」ヨシヨシ

「「えぇ!?」」

「いったぁああああああ」

 

驚いて手を滑らせたアリアさんが傷口を握ってしまう。

痛いので離してほしい。

「ほ、本当に見た目が変わってしまうんだな……」

「モフモフしてて可愛いじゃないか。」

「わっふ」モフモフ

「これで戦闘力は『シャドウウルフ』と同じなのは不思議だねぇ。ヨシヨシヨシヨシ」

「わふっ!」

「それはさておき、早く採取して帰ろう。」

 

『剣の誓い』は『永遠の葉の冠を納品する』をクリアした。

 

ギルドで報告書を提出し食事をしながら報酬を山分けする。

 

「君に戦わせてしまって申し訳ない。」

「いえいえ、自分でもこんなに動けるとは思いませんでした。まさか倒せるとは……」

 

自分がレベル20ぐらいだとしたら『シャドウウルフ』は60ぐらい。某モンスター育成RPGで例えるなら、バッジ半分ぐらいでチャンピオンロードに突入したぐらいである。生きて帰れてよかった。

 

「君の分け前だ。」

 

報酬:12500Gを受け取った。

 

「こんなにもらっていいんですか?」

「ああ、報酬はきっちり四等分するんだ。」

「それで、ダイスケ。君に相談があるんだが……」

「な、なんでしょう。」

「頼む!これからもウチのパーティーで一緒にクエストに行ってくれ!」

(やっぱり足手まといはクビなのかなぁ……)

「え?」

「今日のクエストは私の実力不足で相手注意を引ききれなかった!今後もおそらく難易度の高いクエストに行くことになるだろう。もしかしたら本当に死んでしまうかもしれない…」

「お、俺でいいんですか?」

「ダイスケ、君、深いところ恐怖心がないだろう。」

 

先程まで無言で食事をしていたルークが喋りだす。

 

「僕と同じだ。攻撃を受けることに恐怖心が異常に少ない。だからソフィアさんに何度も絞められようが繰り返し、教官の鉄拳制裁を食らっても学ばない。それは最高の剣士の才能だ。別にジョブなんか関係ない。さあ、剣を学ぼう。剣を振るおう」

「いや、今のルーク、メッチャ怖いんだけど!?」

「こうやってルークとも上手くやれる君は素晴らしい逸材なんだ!」

「これで上手くやれてるの!?」

「ああ、そうだ。たいていの奴は剣術バカにドン引きして逃げるか、剣術の才能なしとみなされて超絶塩対応されてやめていくんだ。」

「ああ、俺でいいなら、これからもよろしく」

「よかったぁ………じゃあ早速、Cランクになるテスト勉強から始めよう。」

「え?」

「冒険者の基本である『ダンジョンの歩き方』から学びなおす必要がある。頼む、頼むからせめてCランクになってくれ。」

「が、ガンバリマス!」

「よろしく頼む。」

 

エレナさんに根負けして真面目に勉強………するわけねえよなぁ!!!

 

せっかく大金が手に入ったんだ!

この金で強い魔獣を買って、楽してクエストクリアだぜ!

 

意気揚々と召喚士用の魔獣が並ぶ店に行ってみたんだが。

 

「ああ、Dランクの召喚士?売れるのはそこにある奴らだけだぞ……」

「ありがとうございます。」

 

うっひょー!

どれどれ〜?

 

Dランク以下冒険者購入可能魔獣

スライム:100G〜

アクセルボア:100G〜

スティールラビット:200G〜

人食い植物:200G〜

人食い植物(観賞用美品):700G〜

 

「えぇ……」

(なんか、パッとしない……シャドウウルフはBランク相当の魔獣であるから購入可能はCランクからじゃん。よくよく見るとDランクCランクで購入可能の品数が全っ然違うじゃないか……)

 

「俺よくシャドウウルフをキャプチャーできたな……」

 

本当はダメなのだがCランクコーナーに入ってみる。

 

「おお、愛玩用魔獣なんてあるんだ」

 

愛玩用とされている魔獣たちは自分の召喚獣と同じで可愛らしい見た目になっている。

おそらく自分と同じようなスキル持ちがいるのだろう。

 

「坊や、私を買ってみない?」

「い、いえ、まだ僕Dランクなので……」

(デケェ!凄い!これがサキュバスってやつか?……でも高え……)

「そうなの。迷い込んじゃったのね。じゃあもう一皮むけたら迎えに来てねぇ♡」

 

Cランクに上がると金さえ払えばサキュバスを購入できるらしい…………にへぇ

 

次の日

 

「エレナさん。俺に試験対策をしてください!」

 

土下座して頼み込む。

 

「ああ、勿論そのつもりだが………凄い気迫だな」

「俺は絶対にCランクにならないといけないんです」

「鼻息荒いがどうしたんだ?」

「昨日、考えて分かったんです。オレはもっと上を目指すべきだって……」

 

エロスは偉大だ。

向上心のかけらもなかった俺を簡単に奮い立たせてくれた。

 

「ぐふふふふふへへへへへへへへへ……」

「ダイスケ、なんだかキモいぞ」

「いや、大丈夫だ。」(へへぇ……NiceBuddyの淫魔と契約してアーンな事やウフンな事を………ふへぇ…)

「やっぱり、キモいぞダイスケ。何があったんだ?」

 

このとき俺は自分のスキルのことなど完全に忘れて全力で冒険者のイロハと戦闘のイロハを頭に叩き込んだ。

そして、

 

「ダイスケさん!Cランク試験合格です!」

「「「うぉおおおおお!!!!」」」

「そんなに喜ぶほどの難易度じゃないでしょう。」

 

うるさいなアリア。俺たちにとっては快挙なんだよ。3度目の正直なんだよ。

実際Cランクはわざわざテスト勉強しなくても冒険者なら1日ギルドが発行した資料を見直せば受かるレベルであるとされている。

 

「よーし!じゃ、俺行くところあるから!」

「おい、ちょっとまて、まだ祝杯を上げてないぞ!」

「いや、俺は待てない!ひゃっほぃ!待ってろかわいこちゃんとの召喚士ライフぅうううううう↑↑」

「おい!お前!もしかして、そのために!?」

「アハハハハハハハ、バレちゃったねぇ。彼は淫魔と契約するために頑張ってたんだよ。」

「ルーク!お前は知っていたのか!?」

「彼が真面目に僕の剣術修行を受ける事を条件に少しばかり出資させてもらったんだ。」

「だから最近は鍛錬も……私はなんてバカなやつのために頑張ってたんだ……」

 

エレナさんに失望されているなんてつゆ知らず。

Cランクになった俺は堂々と店内を歩く。

 

「Cランクになりました!」

「よかったな兄ちゃん。じゃあ、コッチのやつらも見ていけよ。」

「はい!」

 

迷わず淫魔の檻に向か………

ガシッ

 

何かに足を掴まれる。

 

「アンタ、私を買いなさい!」

「あ?なんだよ。邪魔すんなよ…」

「いいから私を買いなさいよ!淫魔が欲しいんでしょ?」

「俺はあの爆乳で色気がムンムンな淫魔を買いに来たんだ。ちんちくりんのお前を買いに来たわけじゃない。」

「はあ?人間に比べたら私はスタイルいいでしょ!いいから、私を買いなさい……よ!」ガブッ

「いたたたたたた。」

「わらひとけいやふしなしゃい!」ググググググッ

「痛い痛い痛い痛い!おい、店長!コイツなんなんだよ!?」

「ああ、ソイツは……戦闘用の淫魔だぁ。おい。客人にかみつくなよ〜」

「はーい♡リリスおりこうにしてまーす♡」

「悪いねぇ兄ちゃん。コイツ、よく客に噛みついて困ってるんだ。コイツは強さはお墨付きで顔もいいんだが……半額でもいいぞ。」

「半額……」(それは心に響く甘い言葉……)

 

そして、自分のスキルを思い出す。

召喚獣をモチモチにする能力はシャドウウルフにもモフモフになるという形で効いていた。

もし、モチモチになる能力が淫魔にも効くなら。このチンチクリン(当者比)もタワワでモチモチになるのではないか?

この間0.01秒。

一瞬の逡巡を経て決断する。

 

「コイツ、俺にください!」

 

俺はこの選択をすぐに後悔することになる。

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