抜けてる召喚士とモチモチ召喚獣   作:ルルーラ・ランドー

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3話

次の日、ファスターのギルドではある噂話が流れていた。

 

『他国で召喚士と契約しては主の精力を吸い尽くして殺す淫魔が出ている』という何ともな与太話である。

 

「なぁ、あのバカがここに来ないのとは関係ないよな?」

「アハハハハハハハ……はぁ。僕も心配になってきたよ」

「私を持たせるのが許せない………。いくよ。」

 

最初に立ち上がったのはアリアだった。

今日は彼女の好きな日替わりパンの販売日であり、午前中二終わるはずのメンバー会議が終わったら直ぐに買いに行く予定だったのだ。

 

仕方がないのでパンを買ってからダイスケの家に向かう。

 

「なあ、アリア、お前このパンを食べたくて外に出たわけじゃないよな?」

「違うよ」

 

疑いの目を向けられたが気にしない。

美味しぃ。パンが美味しいから別にダイスケの事はどうでもよくない?と言いそうになったが我慢した。偉い。

 

「うわあああああああああ!!!」

「悲鳴?」

「彼の声だ!」

「急ぐぞ!」

 

3人は急いで宿の彼の部屋の扉を開くと可愛いぬいぐるみのような生物とダイスケが膝を付けて項垂れていた。

 

「どぉおおおしてだよぉおおおおおお!!!」

「どぉぉおしてなのよぉぉおおお!!!」モチモチ

 

「ど、どうしたんだい?ダイスケくん。」

「ルーグゥ聞いてくれぇ。俺よおお前に出してもらった金も使って淫魔と契約したんだけどよぉ………見てくれょぉ。少なくとも契約前はそれなりにいい女だったんだぁ……契約したらこんなん丸々の餅女になっちまったんだぁ………どぉおおおしてだよぉおぉ」

「ハハッハハハッ」

「最っ低」

 

アリアの中の最低な男リストの中で『山に住む盗賊』の次にランクインした。ルークの乾いた笑いを見たのは始めてだ。

 

「で………こちらの丸いのはなぜ泣いているんだ?」

「淫魔って相手が『魅力的だな』って思った心の隙に付け込んで精力を吸い上げるから。今の状態はほぼ無期刑みたいな感じなんじゃないかな?」

「なんで、私が…この私がこんなことになるのよ………」ペシッ……ペシッ……

 

手で地面を叩くがそのモチッとした体では迫力が出ない。

体のクビレだけでなく首すら失ったその丸いボディは寸胴を通り過ぎて丸い瓶である。身長も50cmほどに縮んでおり。新種の魔獣と言えば通じるレベルで原形をとどめていなかったた。

 

「はぁ……ヴァレリアさんに任せよう。」

 

それで、

 

「Cランク上がって一発目でサキュバスと契約しちまったのかい?それで結果がコレ………アーハッハッハッハッ」

「はい。」

「男の召喚士がやらかす失敗の一つだから特に珍しくもないよ。大概が精力吸われて過ぎて仕事に身が入らなくなって『リリース』するのがお決まりさぁ」

「はい……」

「普通のサキュバスならそれから普通に雄を狙ったり他の召喚士のところに飼われておしまいさ……」

「じゃあリリー「だが。今回は話が別だ」

「え?」

「お前のモチモチにするスキルは不可逆なものだ。この姿に性的魅力を感じる雄がそこら辺にいると思うかい?リリースしたら確実に彼女はそこら辺で野垂れ死ぬか、一般人を襲って殺される。」

 

ダイスケは自分がやってしまったことの重大さにようやく気がついた。

 

「魔獣屋の店主から話は聞いてるよ。良かったじゃないか、戦闘スキルをふんだんに持ってる上級淫魔だと聞いてるよ。戦力として数えられる。後は君が彼女に精力を与えられるようになればCランクとは思えない強力な召喚士になれるだろう。」

「…………」シワシワ

「…………」シワシワ

「二人ともそんなにしょぼくれた顔をするな。アレだ。サキュバスとしての機能は残してるはずだ………頑張れ。」

「…………ヒグッ………アイッ………」シワシワ

「で、私はこのモチモチしたサキュバスが気になる。なんなのコレ。すっごいモチモチしてる〜。内臓とかどうなってるのかなぁ?他の機関は?飛べるの?」

「そうだ。そういうの確認しないとダメよね……」

 

丸々したサキュバスはスキルや能力を確認する。

 

「名前はあるの?」

「シルヴァーナ・ブラックロータス」

「飛行能力は問題なし。爪は伸ばせる?」

「はい」シャキーンッ

「攻撃は魔法は……体の中で魔力感じる?」

「問題なさそう。」

「じゃあ大丈夫ね。今の貴方、とっても可愛いわよ〜」

「そ、そうかしら〜?」

「モチモチしてて私が飼いたいくらい。」

 

ヴァレリアはギュッとハグする。

 

「はい、研究に付き合ってくれたお返し。」

「ありがとう。だいぶ楽になった。」

「え?今のでいいの?」

「ちゃんと好意を持ってなくちゃダメよ。」

「これから、末永くお願いね♡」モチモチ

 

上目遣いで丸っこい生物が目を潤ませてくる。

 

「えー、無理だよ、お前噛むじゃん。」

「んだとコラぁ!」ガブッ

「あー頭噛まないで!!頭が悪くなったら困るからぁ!」

「『マナドレイン』」ガブガブ

「あぁん。吸わないでぇ!」

「それができるなら、いいじゃない。野生に戻して他の人襲ったら私から貴方が逃がしたことを憲兵たちに言うから。」

「ふーざーけーるーなーあばばばばば」

 

こうしてモチモチしたサキュバスが仲間になったので、改めてパーティーメンバーに紹介する。

 

「シルヴァーナ・ブラックロータスよ。よろしく。」

「セレナ・ドーンガードだ。」

「アリアよ。よろしく。」

「ルーク・ド・モントローズだよ。ダイスケが元気になってくれてよかったよ。」

「強い淫魔だったおかげで、何とかなりそうだと分かった。」

「それで頭に乗ってるのか?」

「そうよ。お腹が空いたら『マナドレイン』」ガブッ

「あぁん!吸われるぅう!」

 

コレやられると強制的に賢者モードに入らされるんだけど。

俺大丈夫なのかな?ヴァレリアさんは何も言ってなかったけど大丈夫なのかな?

 

「こうやって吸えるの。」モチモチ

「顔がヨダレでベッチャベチャになるんだけど……」

「サキュバスの唾液よ。感謝しなさい。」モチモチ

「なんかご利益あるの?」

「一応この間の試験範囲なんだがな……、微量だけど回復効果と強壮効果がある。」

「へー。許そう。盛大に垂れ流すと良い。」

 

「それで、ダイスケが来なかったから話せなかったんだが。次のクエストについてだ。」

 

目標:サンドリム村に雨を降らせる

場所:灼熱の砂漠

報酬:100000G

 

「十万G!?」

「ああ、今回はかなり危険だし長距離移動もある。それに……」

「それに?」

「灼熱の砂漠にあるサンドリムはモントローズ家の領地だ。こんな依頼が冒険者ギルドへ、しかもファスターの町まで届くなんてね。お父様は相当苦戦しているようだね。」

 

依頼主はヴィクター・ド・モントローズとなっている。

 

「ルーンフィールド騎士団の調査では、大きな砂嵐が起きてから砂漠の遺跡が力を失ったと言う噂話が出ているそうだ。騎士団はそんな噂で動けるわけがない、だから私たちはその遺跡の調査を行う。出発は明日、馬車で向かうから長旅の準備しておけよ。」

「わかった。」

 

これで今日は解散となったので必要なものを買い揃えることにした。

 

「なあシルヴァーナ。」

「なに?」モチモチ

「二人で落ち着いて話すの初めてじゃない?」

「そうね。」モチモチ

「なんであの時噛みついたんだ?」

「アンタがCランク上がりたての弱そうな奴だったから。さっさと精力吸い上げてリリースされるつもりだったのよ。」モチモチ

「あー。」

「アンタに話しかけてたあのサキュバス。前の飼い主を食い殺してたのよ。」モチモチ

「マジかよ………」

「注意書きに書いてあったわ。」モチモチ

「全っ然気が付かなかった。」

「それで、何を持ってないの?」モチモチ

 

エレナさんが用意するもののメモを託していった…………

シルヴァーナに。

 

「たしか、着替えと水筒と拠点に置くチェストかな。うん。」

「着替えは長袖。薄手で通気性がありながら遮光性の高いもの。夜は寒くなるから上着は必須ね。あと水筒は量と温度管理できるアーティファクトがいいわ。」モチモチ

「ありがとーシルえもん。」

「シルヴァーナよ。二度と間違えないで。」モチモチ

 

必要なものを買いそろえることができた。

 

「それで、これで本当に全部なの?」モチモチ

「うん………あっ、チェスト。」

「やっぱり確認しておいてよかったわ。」モチモチ

「ありがとうシルヴァーナ。」

「チェストもアーティファクトが良いんだけど、ピンキリだから私に選ばせなさい。」モチモチ

「わかった」

 

次の日。

 

「見知らぬ女性物のチェストがあるんだが。」

「ああ、それ自分のやつです。シルヴァーナが選んだんです」

「そのブランドは収納がすごいのよ。」モチモチ

 

中を開けるとエレナから渡されたメモ通りの荷物がちゃんと詰まっている。

 

「ダイスケ!シルヴァーナはすごい子じゃないか!」

「気安く触らないで小娘。アンタらより長生きなのよ。」モチモチ

「そうかー!そうなのかー。よかったぁ。久しぶりの言葉が通じそうなパーティーメンバーだー!」

 

エレナはシルヴァーナを持ち上げて褒め称える。

エレナがアリアとルークの持ち物を準備しているので、ただ普通にできるだけで彼女の負担が減るのだ……彼女の中でダイスケが自力で準備したという可能性は捨て去られている。

 

馬車が走り出すと、今後の予定の再確認が行われる。

 

「今日の夕方、村に到着してそこで一泊する。そして明日の朝から遺跡の調査を始める。」

「「「はーい」」」

「何か質問あるか?」

「はい!」

「はい、ダイスケくん」

「俺たちだけなのになんで馬車がいくつもついてきているんですか?」

「それは、サンドリムへ食料と水を運んでいるんだ。干ばつの影響で食料も水も足りてないんだ。だから、道中はキャラバンの護衛に騎士団がついてくるから安心してくれ。」

 

サイドクエスト発生

目標:騎士団とともにサンドリムへ水と食料を届けろ

 

「はい!」

「はい、アリアさん」

「御当地パンはあるんですか?」

「パンが無いから私たちが持っていくんだ。御当地パンなんてあるわけないだろう。」

「えー。」

「はい!」

「はい、ルークくん。」

「ふふふふふ……騎士団の人と切り合ってもいいですか?僕、騎士団のお兄さんたちの剣圧で……い、今にも……イきそうなんだ…。」

「ダメだバカ。シルヴァーナ!」

「『マナドレイン』」ガブッ

「あばばばばばばばば」

 

シルヴァーナに頭から精力を吸い出されて気絶する。

ルーク。お前本物だよ……

 

「エレナさん。もしかしてルークって思ってたよりヤバいヤツなんですか?」

「ああ、そうだ。捕まってないのが奇跡だと思えるレベルだ。社交界でティーカップより重いものを持ったことのなさそうな女性に剣術の腕前を聞くほどの男だ。」

 

エレナはダイスケに人並みの性欲があって安心したほどルークの性癖ともいえる剣術愛にほとほと困っていた。

 

「それでも、ルーク様と仲良くしてやってくれ。」

「分かってますよ。」

「ねえ。前方に魔獣が見えるよ。」

 

暇そうに双眼鏡をのぞいていたアリアが伝えてくれる。

 

「『皆』が対応するみたい」

 

皆とはおそらく騎士団のことだろう。

 

「『サモン』カツ。他に敵の気配はあるかな。」

 

カツを召喚して気配を探らせる。

 

「ぷぎっ」モチモチ

 

右を指さす。

 

「アリア、右を見てくれ」

「りょーかーい……あ、なんか。近づいてる。」

「わかった。」

 

エレナが馬車から身を乗り出して閃光魔法を打ち上げる。

 

「『皆』が見に行ったみたい。」

「よくやった。この調子で頼むよ。」

「プギー!」モチモチ

「それにしても魔獣避けがきいてるはずなのになぜ?」

「魔獣避けを効かせているのに魔獣がいる場面なんて可能性が二つだけなんじゃないかな。」

 

エレナの疑問に答えたのは起き上がったルークであった。

 

「一つは魔獣避けが効かないレベルの魔獣か、もう一つは『召喚士』の魔獣か……シャドウウルフ出せるかい?」

「クロのことだな。『サモン』」

「わふっ」モフモフ

 

シャドウウルフのクロが現れ馬車と並走する。

「ちょっと、行ってくるよ。」

「俺も行く!………クロ!あっちから来るやつに向かってくれ」

「わふー!」モフモフ

「あ、ちょっと待て!お前らは行く必要な……」

 

二人でクロにまたがるとそのままキャラバンの隊列から離れていく。エレナさんが何か言おうとしていたが気にしない。

 

「ふふふふ、強者の剣の波動を感じる。」

「そうなのか?俺はそろそろケツが痛くなってきたところなんだ。」

「二人とも後で怒られても知らないわよ」モチモチ

「騎士団の皆のもの!ルーク・ド・モントローズが助太刀する!」

 

クロは騎士団の騎馬隊を追い抜き近づいてきていた奴ら。

見た目が世紀末な盗賊(推定)と対峙する。

 

「ヒャッハー、護衛は蹴散らせ!」

「貴族の令嬢が乗ってるそうじゃないか!」

「男は皆殺しだぁああああああ!!」

 

盗賊(確定)のようだ。

 

「やっぱり相手にも召喚士がいそうだよ。僕は本人達をやるから。君は魔獣を頼む。」

「わかった。」

 

ルークはクロの背中に立つとそのまま跳躍して相手の馬に飛び移り、首を落とす。

 

「一番槍は俺だぁあああああ………」

「なんだその剣は飾りか」

 

馬のコントロールを奪い他の奴と切り合いを始めた。

 

「銃無しで襲うってどんだけだよ……」

「よほど召喚士の魔獣に自信があるんじゃないかしら?」

「聞きたくなかったそれー。クロ、キャラバンの先頭に向かおう。」

 

先頭では騎士団が魔獣と戦いを繰り広げでいた。

 

「キャラバンは方向転換して迂回してる。魔獣を抑え込んで。」

「りょーかーい。『サモン』カツ!モッチ!リーさん」

「プギー」モチモチ

「モッチ」モチモチ

「リー」モチモチ

「行くぞ!」

 

相手は『マッドクロコダイル』ご丁寧に棘付きの首輪まで付いてるので召喚士が操っているのは確定だ。

デッケぇ!怪獣かよ。逃げてぇよ。

 

「ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

「『チアフルファイト』!ファイトーがんばれー!」

 

シルヴァーナが全体にバフをかけてカツが突撃しその牙で作った傷口にモッチが取り付き溶かし始め、リーさんが毒付きのトゲを飛ばす。

我ながら陰湿なジェットストリームアタックである。

 

「ギャオオオオンン」

 

『マッドクロコダイル』はその激痛に身を捩らせる。

 

「よーし効いてる効いてる!」

「今だ!掛かれ!!」

 

騎士団もその隙を見逃さずに攻撃を始めた。

その間に速やかに召喚獣たちを戻す。

 

「………怖いから後は任せてキャラバンに戻るぞ!」

「『君は魔獣を頼む。』『わかった』の男の友情なシーンは何だったわけ?」

「知るか、無理なもんは無理だ。プロに任せたほうがいい。」

 

さっさとキャラバンに戻って馬車に飛び移る。

 

「はー面白かった。」

「ルークはどうした?」

「賊相手に大立ち回りしてるよ。」

「いや、もう帰ってきてる。」

 

アリアが言うにはもう片付けて相手の馬に乗ってこちらに合流しようとしてるらしい

 

「…………じゃあ『召喚士』は何処にいるんだ?」

「『サモン』カツ、周りの気配を探れ」

「ぷぎっ」モチモチ

「嫌な予感がする。」

「ぷぎギっ」モチモチ

 

カツが天井を見つめて飛び跳ねるので、アリアが双眼鏡で空を警戒すると……

 

「上!ルーク!上よ!」

 

『ストームグリフォン』がルークに襲いかかる。

このままだと馬ごとつかまれそうだ。

 

「……やっべぇ。シルヴァーナ!好きに吸ってもいいから、俺をあそこまで連れて行け!」

「任せなさい!『マナドレイン』」

「あばばばばば」

 

シルヴァーナは翼を大きく広げてダイスケを掴んで飛び立つ。

 

「待ちなさーい!逃げるなんて許さないわー!!」

「何気持ち悪いこと言ってんのよ!その手を広げるのを止めなさい!」

 

はい。ごめんなさい。

ルークが意外と持ちこたえてくれたのでなんとか間に合いそうだ。

 

「やっぱり、召喚士が乗ってやがる。」

「そろそろきついから、いって、らっしゃい!」

「え、まって!それヤバいからっ」

 

シルヴァーナはダイスケをスイングして勢いをつけて投げ飛ばす。

 

「クソがぁあああああああ!!!」

(コントロールいいなぁ!ちくしょう!)

 

ストームグリフォンに向かってダイスケは宙を舞う。

 

「『サモン』!モッチ!」

「ンモッチ!」モチモチ

 

今ほど自分のユニークスキルを頼もしいと思ったことはない。

良い感じの弾力のあるスライムのモッチが自分を優しくキャッチし、薄く広がった体がストームグリフォンの飛行能力を奪い墜落する。

 

「な、なんなんだお前!」

「にひひぃ。召喚士、みーつけたー」

「ダイスケ!?」

 

放り出された召喚士とダイスケが対峙するとモッチが魔力切れで消える。

 

「さては、お前、魔力切れだな?」

「そうだよこの野郎。見習い召喚士なめんな!」

「へへ、じゃあてめえは魔法でイチコロ……ぐへぇっ」

「悪いが攻撃魔法はこれしか知らねえんだ。」

 

賊はダイスケの膝蹴りで倒れる。

 

「ダイスケ。こういう時のための剣だろう?」

「確かに………そんなことより早くキャラバンに戻るぞ。馬に乗せてくれ。」

「ああ、乗ってくれ。」

 

馬車に戻るとエレナから二人揃って怒られた。

 

「あのなぁ。一応お前らよりランクの高い騎士団が護衛についているんだ。そんなところで素人バカ二人が前線に上がると周りが動きにくくなる。二度とやるなよ。」

「「はい…」」

「特にルークは調査開始まで剣を没収します。」

「そんなぁ……」

「ダイスケは無理するとどうなるか身を持って体験しただろう。」

「はい、エレナ様、魔力が完全に切れて体がすごく重いでございます。」

 

俺は今馬車の荷台に雑に置かれている。

実のところ席に座ってるより楽かもしれない。

 

そんなこんなで遅れてしまったが無事その日のうちにサンドリムへたどり着くことができた。

 

「わざわざご足労いただきありがとうございます。ルーク様。エレナ様、アリア様。……そちらの方は?」

「ダイスケだよ。パーティーメンバーで僕の友人だ。」

「それはそれは、ダイスケ様。」

「うむ、よきにはか……いってぇぇ。」

 

エレナのボディブローが脇腹に決まった。

 

「僕たちはあくまで依頼を受けて来た冒険者だ。そんなに畏まらなくていいよ。」

 

すげーセリフ。まるで物語の王子様みたいだ。

 

「それに、僕たちは長旅で疲れてるんだ部屋で休ませてくれ。」

「大変失礼いたしました。すでに準備はできております。」

 

俺たちはサイドクエストを無事クリアした。

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