カーンッカーンッカーンッ
ここは『ジェムヴェイン山』の鉱脈坑
様々なエレメントのマナが地脈に流れており、希少な鉱石や宝石を掘る事が出来る。しかし、危険度の高い魔獣が生息しているため入坑するためには幾つか条件がある。
それをクリアしているダイスケは『ハンマーハイヴン』で買い揃えた採掘セットのピッケルで鉱石掘りをしていた。
狙うは『テラノイドスパーク』と言われる宝石。
それの特大サイズと言われる握り拳以上の大物である。
しかし、本日、この洞窟で採掘を初めて二日目。
昨日は目的の物とは出会うことができず残念な結果だった。
「うーん。ここまで潜っても大物は出ないわねー」モチモチ
ジェムヴェインと言う通り宝石の洞窟がたくさんある。
ローチェがスキップしながら生息する魔獣を一瞬で塵にしながら進むので安全な気がするが普通に超絶危険地帯に来ている。
「あっ!!。ルビーよ!ルビー!しかも魔力を帯びててすっごくおっきー!」モチモチ
「おー!マジか!すげー!」
ローチェが見つけたのは拳大のルビーの原石だった。
比較的浅い場所にある宝石は帯びている魔力が少なく、しかも数地脈のマナ多く存在するため安価で手に入れられる。
最初はそのギャップにカルチャーショックを受けたが実際に採取に来るとテンションが上がる。
目的の『テラノイドスパーク』は空から落ちてきた星の欠片でその中でも珍しい閃光が瞬くように輝く宝石である。
「うーん。私の占いではここらへんのはずなんですけどねー。」モチモチ
エステラの占いを元に洞窟を選んだのだが今のところ星の欠片『テラノイド』すら見つかっていない。それでも定期的に大きな宝石が見つかるので楽しい。シルヴァーナが持っている大きな籠には目的外の宝石ばかり増えていく。
「もう少し奥まで行こうかなぁ。」
「そうですねー……」モチモチ
「エステラが失敗したんじゃないのー」モチモチ
「絶対にこの洞窟に星の欠片の鉱脈があるはずなんです!!奥に行きますよ!!」モチモチ
エステラも強いので俺はついていくだけでいい。
なんなんでしょうかね。こう………冒険の楽しみを失っている気がしなくもない。
普通はさ、洞窟潜って〜、敵を倒しながら深く進んで〜、危険と隣り合わさでもハズレもあって〜、何度もトライしてやっとレア素材をゲット〜。やったー。って流れじゃん。
今やってるのは完全に作業。
仕事である。
なんだかなぁ。
カーンッカーンッカーンッ
「ここもダメか………」
今日、朝に洞窟に入ってから数時間……経ってると思う。
先程の大物でやる気が漲ったローチェにつられて休憩も忘れて作業を続ける。
歩いて、掘って、拾って
歩いて、掘って、拾って
歩いて、掘って、拾って
歩いて…………
ダイスケの『飽きたメーター』は振り切る寸前であった。
「大きな………星の欠片の気配を感じます。」モチモチ
「えー。ほんとにー?私もう疲れたんだけどー」モチモチ
「本当ですって!!」モチモチ
「じゃあもう少し進みましょー」モチモチ
「いや、ローチェが沢山取るから重いんだってー」モチモチ
「帰りは私が持ちますから。もう少しお願いしますよ〜」モチモチ
エステラが洞窟の途中で壁に手をつける。
「………この奥に星の欠片があります」モチモチ
「ほんとぉ?」モチモチ
「じゃあ見ててください『イクイップ』」モチモチ
エステラがピッケルを装備して壁に振り下ろす。
いいなそれ、便利じゃん。
カーンッ………ガラガラガラッ
崩れた壁からエステラより大きい星の欠片、『テラノイド』の鉱脈が現れた。
「ねっ、あったでしょ?」モチモチ
「「「おー!!!」」」
「うっひょー!巨大鉱脈よぉ〜!」モチモチ
完全にキャラ崩壊してるローチェが自らの強靭な爪で周りを掘り始める。
「なあ、これって『テラノイドスパーク』なのか?」
「テラノイドはテラノイドだけどこれは違うんじゃない?」モチモチ
「そうよー。これは『テラノイドエクリプス』の塊。火のエレメントの魔法を扱う魔法使いには喉から手が出そうな大物よ!」モチモチ
「って事は近くに『テラノイドスパーク』があるのか?」
「可能性はあるわよ!ダイスケも掘りなさい!ほら早く!」モチモチ
「うぉーーー!!」
カーンッカーンッカーンッカーンッカーンッ………
パチチッパチチチチチチッ
「おお?」
「それよそれ。やっと見つかったじゃない『テラノイドスパーク』」モチモチ
やっと目的物が見えた。
「っしゃあ!!」
カーンッカーンッカーンッカーンッカーンッカーンッ
「やっと採れた……デケえな」
「できるのは杖というより槌ね。コレおっも、私これ持ち運びたくないんだけど〜」モチモチ
「『サモン』ジャック。狭いけどこれを持っていってくれるか?」
「ワンッ」モフモフ
ジャックに巨大な宝石をくくりつけて運ばせて帰った。
そして、『ジェムクラウン』にある杖職人の元に持っていったのだが………
「こんな大きさじゃウチじゃ杖なんて作れないよ。」
「えぇ!?」
「もっと総合的に装備品を扱える職人ならできるかもしれないなぁ。そうだ、魔法槌を作れる職人を知っているよ。」
魔法槌、そういうのもあるのか。
『ハンマーハイヴン』に戻り杖職人に教わった工房に入る。
「こりゃデカいな。顔と柄をつけるだけで頭の宝石を覆う必要がねえ。申し遅れた。俺はグリムストーン・フォージハートだ。」
「召喚士のダイスケです。魔法槌を作ってもらいたくて」
「召喚士……だから『テラノイドスパーク』なのか!いいぞ。作ってやろう。材料費込で……」
「あ、材料もあります。」
ゴロゴロと大量の鉱石類と魔獣の革を机にのせる。
「ほっほー。そりゃこりゃいいなぁ。じゃあ材料費は必要ない。手数料で20万Gだ。前金で半額10万Gだ。」
「じゃあそれで、お願いしまーす。」
発注を終えて冒険者ギルドに向かう。
「こちら、討伐依頼のあった魔獣たちの報告書です」モチモチ
「受け取りました。ありがとうございます。報酬は……」
鉱石掘りのために邪魔な魔獣を倒してお金が貰えるのか……
久々に冒険者の旨味を感じている。
「で、残り10万Gまであとどれぐらい?」
「あと78000Gです。」モチモチ
「完成までに頑張らないとなー」
「最近、違法採掘者が増えてるみたいで、相場が少し上がってますね。」モチモチ
「んじゃ、いっちょ、やりますか。」
それから数日、違法採掘者を狩りまくった。
そして、なんとか魔法槌の完成に間に合いました。
「できたぞ。お前さん用の魔法槌『テラノイド・ロッド』だ。」
「ありがとうございます。」
ロッドと言っているが槌である。
デザイン的には綺麗に研磨されたテラノイドスパークか合金製の棒の先端に組み込まれているよくあるロッドなのだが問題はその棒の形状と大きさだ。棒の部分は通常のロッドの長さなのだが太すぎて取手が別に付いている。宝石の固定にも太い鉄パイプを加工したかのよう無骨な合金が鉱石を網で囲うように保持し、そしてそのパイプが槌しての頭や顔の役割をしている。
「こいつはすごいぞ。近くにあればしまっていても『イクイップ』できるんだ。これが武器召喚用の指輪。『ウェポンリング』だ余った材料で作ったからお代は要らないぜ。」
「へー。すごいっすねー」
いや、良くないが。武器もモチモチになるのか?それは困るんだが?
「お代はコチラでお願いします」モチモチ
「おう、たしかに受け取ったぜ」
「おー。持ちやすい。少し重いけど……」
「そうだろう、そうだろう。『イクイップ』は前衛職が武器の高速で交換をするために使うんだ。召喚士では覚えることができないからアーティファクトに込めさせてもらったぞ。」
それはエステラがやっているのをみた。
便利だと思っていのでありがたい。
「さて次は……」
俺たちに妙な緊張感が走る。
「『イクイップ』…おっと。急に手にくると重いな」
「「「「おーー!!」」」」パチパチパチパチ
こいつら集まるとミ◯オンズみたいだな。
「じゃあ、ありがたく使わせてもらうぜ!」
「おう!まいどありー!」
早速新しい相棒を扱いてぇ。
そう思って運河街道を少し登る、狙うのは今後向かう街道の商人を襲うワイバーン達。『ジェムヴェイン山』の山肌の中腹にあるらしく街道を少し登りそこから山道に入る。
ジャックに騎乗し、クロにエステラとモッチを騎乗させる。
「こちらエステラ。モッチが敵を発見しました。5匹の成竜がこちらに向かって来ています。」モチモチ
「了解。……羽ばたき音が聞こえてきたな。」
すぐにワイバーンを目視する。
この距離はこれまでの自分では届かない距離であったが。
『テラノイド・エコー・ロッド』ならば召喚獣の活動距離内となるだろう。
「『チアフルエール』。かっとばせー!ダ・イ・ちゃん!」モチモチ
「『プロテクション』。ぶっとばせー!ダ・イ・ちゃん!」モチモチ
シルヴァーナとローチェが手作りのボンボンをもってバフをかける。ローチェさんノリノリになってない?
「『イクイップ』。………ふぅ……」
装備した瞬間に手にずしりとくる重みが気持ちがいい。
2人のバフのおかげで軽々と扱え、怪我の心配もあんまりない。
空を飛ぶワイバーンに槌の頭を向けて狙いを定める。
『カツ・烈・弾』!!
ドーンッ!!!
爆発の風圧で木々がガサガサと揺れる。
一匹の胴体を狙ったのだが、違う個体の翼を貫き墜落していく。
やれる。これはかなり強いぞ。
「二番、バッター。ダイスケ。」
『カツ・烈・弾』!!
ドーンッ!!!
再度、木々が揺れる。
今度はワイバーンの口に直撃したらしく上顎を破壊し墜落していった。狙い通り。ホームランである。
「「わあああああああ!!!」」モチモチ
怒り狂ったワイバーン達がブレスを放ってくるが気にしない。
「三番、バッター。ダイスケ。」
『カツ・烈・弾』!!
ドーンッ!!!
三発目は狙ったもの翼に命中する。
やはり連続で狙った場所に当てるのは難しい。
当てられたワイバーンも衝撃で飛行能力を失い墜落していく。
残りは2匹。
実はやってみたい事があった。
ハンマーを縦に大きく振りかぶると地面に向かって思い切り振り下ろす。
『マジ・ボンバー』
ドーンッ!!!
土煙と衝撃とともにダイスケの身体が宙に浮く。
「よっしゃ、成功っ!……って、うわあああああああああ。」
既に眼前に2匹のワイバーンが迫っていた。
「どっ、せいっ!やー!」
『マジ・ボンバー』で体の回転を発生させて勢いよくワイバーンの顔にハンマーを打ちつける。
顔を破壊された一匹は力なく落ちていく。
残り一匹。
今の一撃で運動エネルギーを失い自由落下するダイスケをワイバーンは爪を使って追撃する。
「うぉおおおお!」
それをダイスケは体のひねりだけで攻撃をかいくぐって槌を振り。胴体に一撃をたたき込む。
ドンッ
『マジ・ボンバー』
ドーンッ
ハンマーの一撃と『マジ・ボンバー』の二連撃は体格差のあるワイバーンを一方的に吹き飛ばした。
「よっしゃー!!『サモン』モッチ」
「ンモッチ!」モチモチ
モッチに着地をキャッチしてもらう。
それから召喚獣達を総動員して墜落したワイバーン達のトドメと素材採取を任せる。
「お疲れ様でした。素材採取とギルド用の報告書の作成が終わりました。」モチモチ
「ああ、じゃあ帰ろっか。」
というわけで新しい武器の試し打ちも終わり、ギルドに報告も済ませて。出発の準備をするはずだったのだが………
「キャラバンがねぇ」
ギルド指定の置き場にあったはずのキャラバンが忽然と姿を消していた。
「ああ、それなら修理に出しておきました。」モチモチ
「は?………あ〜、そういえば『足回り直すとか』なんとか言ってたなぁ。」
「ええ、それにエステラさんのおかげで結構稼げたので他の改造も施してもらいました。もう出来上がっているはずなので受け取りに行きましょう。」モチモチ
我々の改造商業用キャラバンはアーティファクトに改造されていた。軍用チャリオッドに使われる合金フレームが採用され、車輪も木と鉄で作られたものから合金製の車輪へ変更された。内装はアーティファクトの能力により幅と長さがそれぞれ1.5倍となりかなり広く感じる。
「すご。広っ………それでもお前ら樽でいいのか?」
「この規格にするだけで部屋作るより安くなるんですよ。」モチモチ
「外して入れ替えるだけだから。業者が勝手にやってくれて楽なのよ。」モチモチ
「ダイスケさんのは私がやっておきましたのでご心配なく」モチモチ
手作りロフトとソファはそのまま机や椅子を置くスペースができた。これで他に乗客ができても大丈夫だし、みんなで食卓を囲む事もできそうだ。
「他にも色々仕掛けを作ってもらってるので追々説明します。」モチモチ
もう、誰が主人なのか分からないね。
荷物を詰め込み、一晩明けて、『カルドン砦』に向けて出発する。
商業用大型キャラバンの乗り心地とは思えない車内でのんびりと過ごす。
新しく追加されたテーブルでトランプで遊ぶ。
「お前ら。好きに戦えよ」
「「「「はーい。」」」」モチモチ
ちなみに俺はローチェを膝に乗せて見ている。
なぜなら心理戦で勝てるわけがないからである。
まず第一にスフィンクス相手に読み合いするのが無理。
魔法が扱えるドラゴンも論外。
サキュバス相手にブラフ勝負が出来るわけない。
天使は……加護による運がある。何もない運ゲーで勝てるわけがない。
ローチェの魔法で魔法的に思考を読ませることなくゲームを観戦できる。俺がローチェを膝に乗せてディーラーの代わりをすることで他の参加者のイカサマ?を防ぐのだ。
戦う内容はセブンブリッジ。
麻雀の鳴きルールのようにカードを揃えて手札を減らし先に誰かが減らし切った時に残った手札が点数になり、全員が親を行い一番点数の低いプレーヤーが勝ちである。
「じゃあ、初めて。」
一周目にはカードを引いて捨てていく。
そして、2周目に入り戦闘が開始される。
『セイム』
『カット』
『カット』
……
『ストップ』
第一戦の勝者
「我の勝ちなのじゃ。」モチモチ
流石は賢者スフィンクス。
初めてやるゲームにもすぐに慣れて勝ち誇っている。
第二戦の勝者
「『ストップ』です」モチモチ
上がったのはローチェ。
積極的に鳴いて上がった。
しかし、点差を稼ぐことはできなかった。
第三戦の勝者
「また我の勝ちなのじゃ」モチモチ
「なんでぇ!!」モチモチ
「テレパシーなしでも、お主らの手札は透けるように見えるのじゃ。」
やはりこの手のゲームはスフィンクスが強い。
第四戦の勝者。
「すみません。『クローズ』ですぅ。」モチモチ
「は?」モチモチ
「え?」モチモチ
「はぁああああああああ!?」モチモチ
エステラが天鳳を決める。
得点計算の結果、7とジョーカーが手元にあったソラリスがたくさんの点数を刻んでしまう。
セブンブリッジの順位は
1位 エステラ
2位 ローチェ
3位 シルヴァーナ
4位 ソラリス
となった。
「むぅうう!納得いかないのじゃ!」モチモチ
「なんか、ドベじゃなかったんだけど?」モチモチ
「エステラさんすごいわね。」モチモチ
「いやぁ。これでなんとか大天使になれたぐらいですからぁ。」モチモチ
天使の世界でも運が良い方のようだ。
一戦を終えて各々好きなことを始める。
ソラリスは部屋でふて寝を始めて。
ローチェも部屋で何やら書き物をしている。
エステラは部屋で祈りを捧げている
シルヴァーナは俺の膝の上に居座っている。
「なぁ、」
「なに?」モチモチ
「なんで部屋に戻らんの?」
「サキュバスってさ。一人だとお腹空いちゃうんだよね」モチモチ
「あー。」
今、自分は『カルドン砦』の情報を確認している。
「『ギアフォージ公国』との国境ね〜。貿易が盛んな場所でもあるわ」モチモチ
「へー。どんな国なの?」
「『ルミナリス王国』が貴族議会制も採用した王制に対して『ギアフォージ公国』はギルド連合制なの。複数の職業ギルドから選出された『ギルド・イノベーター』が治めているわ。」
「へー………。」
ダイスケには難しい話だったらしい。
「私が説明しましょう。隣国のルールや文化を知っておけば余計なトラブルを回避できるでしょうし、昇級試験にも出る範囲なので」モチモチ
話を聞いていたローチェが樽部屋から降りてきた。
5年に一度の『ギルド・イノベーター』は選挙で選ばれた者で公国の技術を全てを導入した手術を受けることができる。
強大な力を得た『ギルド・イノベーター』は任期の後、その力を自らの仕事に活かして巨万の富を得ているという。
対してルミナリス王国は伝統的な王制の国で国により選ばれた貴族がそれぞれの領地を統治している。
2つの国の性質は真逆で決して仲は良くないのだがこの『フェニキシアン連峰』が2つの国を分かつ壁として機能し、外交と貿易は行うものの互いの不干渉を貫いている。
『カルドン砦』はいざという時の軍の拠点となる場所であり、二国の貿易の拠点でもある。
「ほへー。おれ、よくわがんね。」
「つまり、『カルドン砦』ではギアフォージ公国の商人も居るし、『ルミナリス王国』の騎士団も常駐してるから下手なことをすると捕まります。」モチモチ
「ほう。」
「そして、私やソラリスさんはあまり外を出歩けません。」モチモチ
「町中にドラゴンとかスフィンクスが居たら大変だもんな。」
「もちろん私もアウトね」モチモチ
「そっか、サキュバスもか。」
忘れがちだがドラゴン、スフィンクスなどのランクの高い召喚獣の街中での召喚は禁止されている。
彼女らの場合は小さいため子供のように扱われていたが、
「ですので、砦に居る間のダイスケさんのお供はエステラさんに行ってもらうことにします。」モチモチ
「私ですかぁ〜。」モチモチ
「エステラもいるなら大丈夫だろ。」
「まあ、私がいれば大丈夫ですよぉ。」モチモチ
(((嫌な予感しかしない)わね)のじゃ)モチモチ
「そんなことより、今日のお昼は何食べる?」
「今日は新鮮な川魚を仕入れてありますのでそちらを焼いて食べる予定です。」モチモチ
「いいじゃん。」
そして、お昼の時間になり、山道の途中の空き地を見つけてキャラバンを停車させる。
この数日間で買い揃えたキャンプ道具の出番である。
火も水も困らないのでかなりゆるいキャンプだ。
フレイムスフィンクスの炎にも耐える職人製のキャンプ用品達と
「『イクイップ』」
「なにそれ。」モチモチ
「合金製のフライパン。職人の一点ものなんだけどさ。いざという時に銭湯でも使えるらしいんだ。」
巨大な鉄鍋は『ハンマーハイヴン』による合金製の一点ものでドラゴンのブレスも耐えるという売り文句だった。
本人(ローチェ)に確認したところ。『一発は耐える』とのこと。
今後ドラゴンの生息地に行くんだ。持っていて損はない。使えるし。
小麦と水、塩を混ぜて練って油を敷いた巨大な鉄鍋で焼き上げる。
シンプルな薄めのパンを作る。
淡白な川魚に合うか分からないが無いよりはマシだろう。
焼き上げたパンを切り分け焼かれた魚をくるんで食べる。
悪くない。
「意外と合うわね。」モチモチ
「美味しいのじゃ」モチモチ
「料理できたんですね」モチモチ
「エステラに教えてもらいながやったらできた。」
「シスターはこういうのを手作りすることが多かったんですよぉ〜………私はよくにサボって怒られてましたが。」モチモチ
彼女は今回も指導という形でダイスケの頭につかまっていただけで何もしていない。
食事を終えてさらに突き進む。
山を登り少し寒くなってきたのでソラリスを部屋から引っ張り出し一緒に毛布に包まり暖を取る。
「快適だぁ。」
「私も混ぜなさいよ」モチモチ
「たまにはこういうのも悪くないのじゃ」モチモチ
天使とドラゴンはどこ吹く風で自分の部屋で何かしている。
その後、一晩をキャラバンの中で過ごし。
明け方に再度出発。
計二日をかけて『カルドン砦』にたどり着くのだった。