フレイヤ・ファミリアの苦労人転生者   作:鬼塚虎吉

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調教の時間

原作がついに始まった事によって、俺はオッタルを除く幹部を集めた。

 

「おい、愚人貴様の領分で幹部を集めるとはどういう了見だ?」

 

「それを今から説明すんだから黙ってろ」

 

最初に噛みついてきたのはヘディン、それをその一言で黙らせる。

 

「今回お前ら集めたのはある提案だ」

 

「提案、なんだそれは?」

 

「まさか、(オッタル)のような浅知恵ではあるまいな」

 

「それであれば実に滑稽だ」

 

「プ-クスクス」

 

俺の言葉に反応するのはガリバー兄弟。

 

「だから、話聞けよ。ったく…」

 

「提案というのは…三十七階層にある闘技場(コロシアム)での殺し合い」

 

「まさかの(オッタル)以下の提案だった」

 

「お前ら、むしろなんで経験値(エクセリア)が欲しいならなんであそこに行かないの?」

 

「貴様はそこまで阿呆だったのか愚人、あそこはモンスター共の異常発生場だ。そんな所に入れば物量に押し潰されるだけだ」

 

「俺、一週間そこで籠ってたけど潰れてないよ?」

 

俺の言葉にヘディンのこめかみに青筋が浮かぶ。

 

「つまりなにか、闘技場(コロシアム)で生まれるモンスターを相手に経験値(エクセリア)を稼げと?」

 

「そうそう、どうせオッタルはフレイヤから離れないし。その間に突き詰めるのも悪くないんじゃない?」

 

「「「「「「「…………」」」」」」」

 

「ダンジョンならオッタルや俺に対する八つ当たりして問題ないし。まぁ、それをするかはお前ら自身によるけどね」

 

そう言って俺は会議室を出るのだった。

 

その数分後、七人の影がダンジョンに向かうのを確認するのだった。

 

 

 

 

 

 

「やっと、終わった…」

 

本日の書類整理というか一週間分溜まった書類を片付けた後、俺はたまの息抜きで訪れる「豊穣の女主人」へ来ていた。

 

店の中に入ると、ある種の静けさがあったがすぐに賑やかさを取り戻した。

 

「全く、来るんだったら来るって連絡寄越しな」

 

「いやいや、突発的に行こうって思ったんだからしょうがねぇだろ。ミア」

 

俺に声をかけてくるのは【フレイヤ・ファミリア】元団長で第一級冒険者(Lv.6)小巨人(デミ・ユミル)】ミア・グランド。

 

「まぁ、とりあえず安酒(エール)とこの鶏の唐揚げとサラダくれ」

 

「あいよ」

 

そうやって料理と酒を待っていると…。

 

「ベルさん、来てくれたんですね!!」

 

 

(シル)の言葉に俺は店の入り口に目を向けると、そこには原作主人公(ベル・クラネル)がいた。

 

そうして、シルは俺の隣にベルを連れてきやがった。

 

「あっ、ケンマさんもいらしてたんですね」

 

「あぁ、たまには息抜きも必要なんでな。それで今度はその少年か?」

 

「え?」

 

いきなり話の中心に引き出されたベルは声を漏らす。

 

「俺は藤堂・ケンマ、【フレイヤ・ファミリア】の幹部をしている。少年、名前は?」

 

「ぼ、僕はベル・クラネルと言います。【ヘスティア・ファミリア】所属です」

 

「そうか、俺もベルと呼んでいいか?」

 

「はい、構いません。僕もケンマさんと呼んでもいいですか?」

 

「あぁ、構わねぇよ」

 

こうして、俺はベルと友好を結ぶのだった。

 

この後、ベルは色々と圧倒されていくのだが…その時は来た。

 

「ご予約の団体様、ご来店にゃ~~~~っ!!」

 

猫人の給仕の声と共に大勢が入ってくる、遠征を終えたばかりの【ロキ・ファミリア】だ。

 

原作通り遠征おつかれちゃんの宴といったところか…。

 

その時、ベルの視線がアイズに向けられていてその様子にシルは頬を膨らませている。

 

「おいアイズ、あの話聞かせてやれよ!!」

 

酒も入って程よく酔いが回ってくるであろう頃、ベートがアイズに話しかける。

 

「あの話…?」

 

「あれだよ、帰りにミノタウロスが逃げ出した奴だ」

 

そして、ベートの口は回りに回って喋っていくと笑いが沸き起こる。

 

原作で知っているとはいえ、何とも胸糞悪い。

 

そして、ここでとどめの一言。

 

「雑魚じゃアイズ・ヴァレンシュタインに釣り合わねぇ!!」

 

その言葉を聞いた瞬間、ベルは店を飛び出した。

 

「ベルさん⁉」

 

シルが声をかけるも止まることなく走り去っていった。

 

「なんやぁ~、食い逃げかぁ~?ミア母ちゃんの店で度胸あんなぁ~」

 

神ロキが暢気なことを言っているが、俺としては主神としてベートを止めろよ無乳と思ってしまった。

 

「ミア、少し騒ぐ」

 

「あいよ」

 

女主人(ミア)の許可を得て俺はベートの後ろに回って首を掴み、外へとぶん投げた。

 

「てめぇ、どういうつもりだ⁉」

 

「狼、調教(しつけ)の時間だ」

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