「ケンマ、これからアリィと一緒に行くわよ」
「じゃあ、俺はここでフレイヤの私財を守ってるわ」
昨日、盛大に
「それは何故?」
「ワルサは人海戦術を用いてそこにいるアラム王子もといアリィ王女を探している、その際、そこに住んでいた住民達を穢している。故に、お前の
「…なるほどね、解ったわ。好きにしなさい」
「ありがとう、フレイヤ」
俺が女神を女神と思わない態度にアリィ王女は目を見開く。
「それじゃあ、行ってくるわね」
「あぁ、気をつけてな」
そうして、フレイヤはアリィ王女と共に出かけるのだった。
「さて、仕込みを始めるか」
そうして、俺は迎撃準備を整えるのだった。
フレイヤ達が出発して三日目、ついにワルサの兵が四方から包囲するようにリオードへとやってきた。
「さぁ、まずはリオードにアラム王子がいるか大捜索の時だ!!」
『おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』
先頭に立つ男の号令で兵士達は一斉にリオードの街に押し寄せてくる。
しかし、ワルサの一兵たりともリオードの街に入ることは出来なかった。
その理由はリオードの街を中心に半径五キロは深い堀のようになっており、それを藍色の炎もとい霧の死ぬ気の炎を用いて隠していた。
これによりワルサ軍は一網打尽となる、滑稽なほどに。
「なんだこれは⁉」
何が起こったのか理解できない兵士達は錯乱する。
「どうも、ワルサの雑兵共に【ラシャプ・ファミリア】の眷族共」
「何者だ、貴様⁉」
「それに関しては答える気はない、お前達はどうせここで死ぬからだ」
その言葉の後、俺は術を使用する。
【土遁・黄泉沼】
術が発動した瞬間、堀の中に黄泉へと沈める底なし沼が現れる。
「うわぁあああ、助けてくれぇ⁉」
「沈む、沈んでる⁉」
堀の中はまさに阿鼻叫喚、それを俺は淡々と見ている。
「お前ら、そうやって命乞いしてきた村人とか殺したり凌辱したりしてたんだろ。悪疫をまき散らす獣のように…。そう言う獣は殺処分しねぇ限り何度でも繰り返す」
「だから、因果応報にして悪因悪果。テメェらの末路はこれがお似合いだ」
その言葉を最後にリオードに攻め入ろうとしたワルサと【ラシャプ・ファミリア】は地中深くまで沈んでいった。
その数時間後、フレイヤを抱えたオッタルとアリィ王女を抱えたアレンにヘディン、へグニ、アルフリッグ、ドヴァリン、ベーリング、グレールが帰ってきた。
「早いお帰りだったな」
俺のあまりにも自然体だった為、フレイヤはこう聞いてくる。
「ケンマ、ここにワルサの兵達が来なかったかしら?」
「あぁ、来てたぞ。だから、砂漠に生き埋めにしといた」
「なっ⁉」
平然とした様子で衝撃的なことを言った俺にアリィ王女は驚愕する。
「そう、それで私のものは傷一つないかしら?」
「あぁ、ないよ」
「そう、ならいいわ」
そうして、リオードはいつもの平和を過ごすのだった。
「さて、寝よう」
そう言って眠ろうとした時、扉が叩かれる。
「なんだよ、オッタル」
「集まれ」
「はいはい」
そうして、俺が【フレイヤ・ファミリア】幹部全員が集まる部屋に行くとそこにはアリィ王女の姿もあった。
「なるほどね、その王女様が示したわけだ」
「そういうことだ、愚人。貴様も…」
「俺は何をすればいい?」
「…解っているならいい」
ヘディンがなんか言いそうだったから被せてやった、後悔も反省もない。
「くだらねぇ飯事だ」
そのやり取りの後、アレンが口を開く。
「主の神意だ。従え、アレン」
「テメェは似た文句しか吐けねぇのか猪野郎。あの方もあの方だ、強請ることしか出来ねぇこんな小娘を遊ばせやがる」
「俺がここにいるのは小娘をつけあがらせるためじゃねぇ」
まぁ、アレンの事も理解できなくはないが…。
「だったら、お前だけ先にオラリオに帰ってろよ。話は進まねぇし、時間の無駄。フレイヤへの忠誠を翻意して今すぐ消えろ。お前が居なくても事足りるし」
「………チッ」
俺の言葉にアレンは苛立ち交じりに舌打ちし、その場に留まる。
そして、ヘディンの指揮の元俺達は動き出した。