フレイヤ・ファミリアの苦労人転生者   作:鬼塚虎吉

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苦労人、迫られる求婚

宴もたけなわといった感じで盛り上がりを見せる中で、突然アリーゼがこんな事を言い出した。

 

「そういえば、ケンマの好みの女性ってどんな人なの?」

 

「ゴフッ!?」

 

まさかの一言(ジャブ)に俺は飲み干しかけていた酒を吹き出した。

 

「アリーゼ、いきなり何を言っているんですか!?」

 

「だって、この前の騒動ケンマが好みの女性のことを聞かれて逃げ出したってイスカ達が話してたからこの機会に聞いておこうかと思って」

 

「時と場合を考えて下さい、ここには神ヘルメスも居るんですよ!!ここでケンマさんが話そうものなら数秒後には都市全体に広まってしまいます!!」

 

「リューちゃん、俺も流石に数秒は無理かな」

 

「そこで広めないという考えに至らないのがヘルメス様らしいですね」

 

とんでもない爆弾をぶち込んでくれたアリーゼには地獄(フォールクヴァング)へ案内してやろう。

 

あと、ヘルメスお前はシバく。

 

しかもだ、その爆弾発言によって空気が一変していた。

 

「ケンマ」

 

「アーディ、どうした?」

 

その時、アーディが俺に声を掛けてくる。

 

「どんな(ひと)が好み?」

 

「お前もか・・・アーディ」

 

まさかの伏兵に俺は頭を抱えたくなった。

 

「待て、団長。ケンマさんには()()()()がいましたよね」

 

輝夜の一言に色めき立っていた周囲が静まりかえる。

 

そう、七年前俺のあるやらかしによって色々と破壊してしまった双子の妖精の姉妹のことを忘れていたのだ。

 

そんな中、アリーゼがさらなる爆弾を落とす。

 

「それなら大丈夫よ、事前にケンマの事が好きな人が他にも居たら如何するのって聞いておいたの?」

 

『何してんの?』

 

「後、何処までなら許せるかも聞いたわ」

 

『いや、本当に何してんの!?』

 

無駄に行動力のある馬鹿のせいで一気に血の気が引く面々にオラリオの外・・・ベルを筆頭に七年前にオラリオに居なかった面々は首をかしげるのだった。

 

「それでね、二人が言うには・・・『旦那様を想う方は何人居ても良いし、まとめて囲っちゃえば良いのよ』って言っていたわ!!」

 

自信満々に言い切るアリーゼに対して俺は神アストレアの方を見る。

 

神アストレアはにっこりと笑いながらコクリと頷いた。

 

許可は得た、裁きの時間だ。

 

「アリーゼ」

 

「どうしたのケンマ、もしかしてケンマの好みの女性って私!?」

 

「今はそんなこと関係ねぇ、まず俺が言いたいのは・・・」

 

そう言いながら俺は拳を握りこう言った。

 

「親しき仲にも礼儀ありだ、馬鹿娘!!」

 

その一言と共に俺はアリーゼに拳骨五発を炸裂させるのだった。

 

それに対して全員が自業自得をいった感じで見ていた。

 

が、ここで終わりを迎える・・・。

 

「それでケンマもし、貴方に好意を持つ子達が居たら如何するつもりなのかしら?あの二人も許しているのでしょう?」

 

筈もなく・・・今まで傍観していたフレイヤが更に爆弾を落として来やがった。

 

「お前、さっきの光景が目に入ってなかったのか?」

 

「えぇ、しっかり見ていたわ。けどね、私だって眷族(あなた)達のことを想っているのよ」

 

そう言ってくるフレイヤの言葉に嘘偽りはないだろう、愛を尊ぶその言葉は理解も納得も出来るのだが・・・。

 

眼の奥底にあけすけに見えてくる「面白そう」という意思が見え隠れしていることに俺は気付いている。

 

「もういっそのことその全員と婚約する?」

 

「お前一回黙れ」

 

女神至上主義の眷族とは思えない言葉に一部の面々は驚くも、事情を知っている神々からすればいつものことと済ませるのだった。

 

「だって、ケンマの晴れ姿がみたいもの」

 

「・・・・・・」

 

真っ直ぐな気持ちでそう言ってくるフレイヤに対して俺は口を閉ざす。

 

まぁ、俺だって思うところはあるよ。

 

前世では女っ気皆無だったし、男としてはお付き合いしたと思ってはいたけど現実問題根暗肥満野郎と付き合いたいと思う女なんていないしさ。

 

転生してからは【フレイヤ・ファミリア】に加入してからというもの洗礼という名の殺し合いをしながら書類整理をしてたし。

 

その上、原作崩壊させてしまったところの補填とかもして忙しかったし。

 

でも、この世界でも女っ気皆無だったところに結婚話が持ち上がるなんて可笑しいよな!?

 

「それで如何するつもりなのかしら?黙秘は駄目よ、逃げようとしても駄目、すぐにオッタル達に連れ戻して貰うから」

 

「こういう時だけここ一番のやる気を出してんじゃねぇ!!」

 

これが二人だけの空間であれば問題はなかった、しかしここは【ヘスティア・ファミリア】本拠(ホーム)竈の館で更に【アストレア】【ガネーシャ】【ヘファイストス】【ヘルメス】【タケミカヅチ】【ミアハ】と他派閥の面々もいる中での問い。

 

ごまかしは顰蹙を買うだろう、まさにこれは確実なる公開処刑である。

 

そんな時だった・・・。

 

「ケンマ・・・」

 

「アーディ」

 

「私、ケンマのことが好き」

 

衝撃の告白に周囲が色めき立ち、アーディの告白を皮切りに・・・。

 

「ケンマ、私もアーディと一緒で貴方のことが好き」

 

「酒場で好きな女性の好みを聞いたのだってそうだしね」

 

「五年前、あの未知のモンスターから助けて貰ってからずっと好きでした」

 

「アマゾネスの執念嘗めないでよ、断られても時間かかっても堕とすから」

 

「貴方が好きになりました」

 

「あんな助けられ方されたら惚れないわけないし」

 

「うん、凄く格好良かった」

 

【アストレア・ファミリア】のノイン、リャーナ、アスタ、イスカ、セルティ、ネーゼ、マリューも告白をしてくる。

 

衝撃の事態に俺は脳内処理が限界を迎え・・・。

 

「はい・・・」

 

そう言うしかなかった。

 

前略、家族一同の皆様へ 俺は嫁が十人出来ました。

突然なんですが、アニメヒロアカ最終章を見ていて【フレイヤ・ファミリア】のケンマが転生したらという考えが巡ったのですが・・・書いても良いですか?

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